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――四半刻(約三〇分)も経たずに、五十人ほどいた士卒が半分ほどに減った。三蔵たちの強さは鬼か悪魔かという異常なものだ。
が、そこに新たに無数の影が出現する。草摺りが擦れる音がし、刀槍が陽光を反射して水面の中の魚のようにきらめいた。
「新手か!?」
悟空が表情を鋭くして叫ぶ。
他の仲間たちも、敵と剣戟を交わしながらもそちらに眼をやった――
新手だとすればまずい――三蔵は眼を凝らして、森の中から現われた士卒たちを観察する。一町(約一〇九メートル)の距離から怒涛の勢いで押し寄せる軍兵のひらめく指物に描かれた家紋は……
(龍造寺か――)
果たして、彼らの出現は自分たちにとって天佑か、あるいは奇禍か――だが、長く考えている時間はない。
「者共、対手から離れろ!」
三蔵は声を張り上げた。龍造寺の士卒が敵の敵だったとしても、戦いに巻き込まれれば死ぬことになりかねない。また、彼らが自分たちの敵にまわった場合、交戦中の奴輩(やつばら)と剣を交えたままでは不覚をとることになる。
「応(おう)!」と仲間たちがそれにこたえた。
鍔迫り合いから股間を蹴り上げ、対手を投げ落とし、その場から離脱していく。こちらを追おうとする者には三蔵の縄鏢が飛び、それを牽制した。油断すれば命を絶たれるため、迂闊(うかつ)に追撃できない。
さらに、三蔵たちは二人ずつが敵を対手にし繰引(くりびき)することで士卒の行動を制限していた。
――四半刻(約三〇分)も経たずに、五十人ほどいた士卒が半分ほどに減った。三蔵たちの強さは鬼か悪魔かという異常なものだ。
が、そこに新たに無数の影が出現する。草摺りが擦れる音がし、刀槍が陽光を反射して水面の中の魚のようにきらめいた。
「新手か!?」
悟空が表情を鋭くして叫ぶ。
他の仲間たちも、敵と剣戟を交わしながらもそちらに眼をやった――
新手だとすればまずい――三蔵は眼を凝らして、森の中から現われた士卒たちを観察する。一町(約一〇九メートル)の距離から怒涛の勢いで押し寄せる軍兵のひらめく指物に描かれた家紋は……
(龍造寺か――)
果たして、彼らの出現は自分たちにとって天佑か、あるいは奇禍か――だが、長く考えている時間はない。
「者共、対手から離れろ!」
三蔵は声を張り上げた。龍造寺の士卒が敵の敵だったとしても、戦いに巻き込まれれば死ぬことになりかねない。また、彼らが自分たちの敵にまわった場合、交戦中の奴輩(やつばら)と剣を交えたままでは不覚をとることになる。
「応(おう)!」と仲間たちがそれにこたえた。
鍔迫り合いから股間を蹴り上げ、対手を投げ落とし、その場から離脱していく。こちらを追おうとする者には三蔵の縄鏢が飛び、それを牽制した。油断すれば命を絶たれるため、迂闊(うかつ)に追撃できない。
さらに、三蔵たちは二人ずつが敵を対手にし繰引(くりびき)することで士卒の行動を制限していた。
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