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108話 貿易都市グラツィア
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三日間の馬車移動の生活ももうじき終わる頃。私達の住むブラン王国とロポポロ公国の国境では私達を含めいくつかの通行待ちの馬車が停められていました。
「さすがに国境を渡るとなると大変ね」
「そうだね、とにかく順番を待とうか。時機に僕らの番になるさ」
私の呟きを必ず拾ってくれるビルジニ。隣にいるとうっかり独り言も言えないわね。いえ、何も困ることなどありませんけどね。
そして国境にある関所で証明書を渡し、私達はロポポロ公国に入国した。国境付近はまだ何も変わりませんが、貿易都市に行くまでの過程で周囲の風景は次第に移り変わっていった。
緑で覆われた大地は次第に、象牙色の砂丘が見え始めたところで私達は馬車からおろされました。そしておろされた私たちの目の前には数十頭もの背中に大きなコブがある動物でした。
「ここから先はこのラクダに乗って頂きますねぇ~」
どこからともなくアンヌ先生の声が聞こえる。周囲を見渡すと、先生らしき人影がラクダたちの中央にあることに気付きました。臭くないのかな。先生の声が私達のところまでに届くのは先生お得意の波動魔法の中でも音に関する魔法だ。
私も簡単な音の波動魔法を扱えるが、特殊すぎるものは見様見真似では扱えない。先生の使う波動魔法、拡声器は、一度真似してみたが、私の声は除夜の鐘のような鈍い音で鳴り響いた。
それをなんとか改良して扱えるようになったのは特定の個人にだけ言いたいことを伝える以心伝心だけでした。
波動魔法で音が再現できるなら、電気や光も再現できたりするのかしら。今度、やってみよう。
それぞれの魔法は過去にいた七人の英雄の力が入り混じったものと、禁書には書かれていましたね。だから力も原理もバラバラ。
私達は適正に合った魔法を縫物を作るように、あるいはゲームのコマンドを入力するように、あるいは極限にまで研ぎ澄まされた刃で居合をするように魔力を操ってて魔法を行使する。
例えば私が波動魔法を出す時は、とにかく放つ魔力を波の形で押し出すようにイメージしながら放出している。
限りなく直線に近い波動魔法を出すことはできますが、波動魔法は揺れ幅が大きければ大きいほど威力が上がる傾向があります。
例えばカトリーヌさんは象みたいに大きな波動魔法を出します。それに対してジャンヌさんは糸のような波動魔法を出すため、威力に大きな差が産まれてしまうのです。
私がそんなことを考えていますと、真後ろから透き通るような声で話しかけられました。
「姫様? 皆さんもうラクダに乗られておりますよ?」
「へ?」
周囲を見渡すと、みんなもうラクダの背中に乗っていて、まだ乗っていないのは私とジャンヌさんだけでした。
私はジャンヌさんに手伝ってもらいながら私はラクダに乗り、彼女はひょいと一人でラクダに乗りました。
まるで私が一人で乗れないみたいじゃない。大丈夫、きっと私が見てない間にみんなもジャンヌさんに手伝って貰ったんだわ。きっとそう。帰りも絶対にみんなが乗るところなんて見ないわ。
しかし、食糧を余らせるなとはこういうことでしたのね。ラクダは生徒の数しか借りていないのか、荷物は自分たちで背負って運ぶしかありません。
着替えなどは現地の宿泊先などに用意してあるとお聞きしていて、私達の荷物もほとんどありません。持っているのは一人で背負えるリュックと、行く前に渡された指輪事情に空間を歪められた防具だけ。
リュックには一応ですがワンダーオーブの入った小瓶を入れてあります。最初は持ち運ぶことに躊躇しましたが、ブランクが私と小瓶に誰にも見えない糸を付けてくださったみたいで、小瓶は何があっても私から離れない様になっているみたいです。
そしてラクダで移動して数刻ほどで砂漠の真ん中にある白い石造りの建物がいくつも密集しているのが見えました。あれが目的地の貿易都市かしら。
都市の名前はグラツィア。主に我が国と貿易を行うための都市で、大きな商会などが出入りしていることが多い街でもあります。
この国ではほとんどの人が二か国語を喋れるため、私達も特に不自由なく会話することができました。
「はぁーいぃ。それでは皆さーん! 集合ですよぉ~!」
アンヌ先生の声を頼りに私たちは街のはずれに全員で集合します。
生徒たちは、旅行のテンションに浮かれ、普段は先生の話中に喋る生徒などいませんでしたが、今日はそこら中から浮かれた声が聞こえます。
私としてはこの方が年相応らしいなとは思いましたけど、貴族社会の学生と日本の学生は混同できないわね。
「それでは皆さん、まずは第一ミッションである食糧を捨てない余らせないの合格おめでとうございますぅ~。残念ですがここで二班もの生徒が食糧を捨てていることを確認致しましたので、その子たちは発覚した時点で強制送還させて頂きましたぁ~。まあ、この程度も守れない生徒を外国に出しても問題を起こしてしまいそうですし、しかたないですよねぇ~」
みんなが一斉に背筋を伸ばしてアンヌ先生の話を聞く。さきほどまでの浮かれたテンションは、先生の強制送還という言葉で吹き飛ばされたようだ。
「それでは皆さん! 明日に備えて宿に泊まりましょうぅ~。各班は今から指定された宿に移動して宿泊してくださいねぇ~。日没までにチェックインできなかった地図も読めない班はぁ~明日からの遠征にもついていけないので、そういうつもりでいてくださいねぇ~?」
なんともうすでに夕暮れ前。私達生徒は、地図を受け取ると、早速それを広げるのでした。そこに書かれていたのは、ブラン王国の公用語ではない文字で記された地図でした。これってもしかしてロポポロ公国の文字ですか?
「さすがに国境を渡るとなると大変ね」
「そうだね、とにかく順番を待とうか。時機に僕らの番になるさ」
私の呟きを必ず拾ってくれるビルジニ。隣にいるとうっかり独り言も言えないわね。いえ、何も困ることなどありませんけどね。
そして国境にある関所で証明書を渡し、私達はロポポロ公国に入国した。国境付近はまだ何も変わりませんが、貿易都市に行くまでの過程で周囲の風景は次第に移り変わっていった。
緑で覆われた大地は次第に、象牙色の砂丘が見え始めたところで私達は馬車からおろされました。そしておろされた私たちの目の前には数十頭もの背中に大きなコブがある動物でした。
「ここから先はこのラクダに乗って頂きますねぇ~」
どこからともなくアンヌ先生の声が聞こえる。周囲を見渡すと、先生らしき人影がラクダたちの中央にあることに気付きました。臭くないのかな。先生の声が私達のところまでに届くのは先生お得意の波動魔法の中でも音に関する魔法だ。
私も簡単な音の波動魔法を扱えるが、特殊すぎるものは見様見真似では扱えない。先生の使う波動魔法、拡声器は、一度真似してみたが、私の声は除夜の鐘のような鈍い音で鳴り響いた。
それをなんとか改良して扱えるようになったのは特定の個人にだけ言いたいことを伝える以心伝心だけでした。
波動魔法で音が再現できるなら、電気や光も再現できたりするのかしら。今度、やってみよう。
それぞれの魔法は過去にいた七人の英雄の力が入り混じったものと、禁書には書かれていましたね。だから力も原理もバラバラ。
私達は適正に合った魔法を縫物を作るように、あるいはゲームのコマンドを入力するように、あるいは極限にまで研ぎ澄まされた刃で居合をするように魔力を操ってて魔法を行使する。
例えば私が波動魔法を出す時は、とにかく放つ魔力を波の形で押し出すようにイメージしながら放出している。
限りなく直線に近い波動魔法を出すことはできますが、波動魔法は揺れ幅が大きければ大きいほど威力が上がる傾向があります。
例えばカトリーヌさんは象みたいに大きな波動魔法を出します。それに対してジャンヌさんは糸のような波動魔法を出すため、威力に大きな差が産まれてしまうのです。
私がそんなことを考えていますと、真後ろから透き通るような声で話しかけられました。
「姫様? 皆さんもうラクダに乗られておりますよ?」
「へ?」
周囲を見渡すと、みんなもうラクダの背中に乗っていて、まだ乗っていないのは私とジャンヌさんだけでした。
私はジャンヌさんに手伝ってもらいながら私はラクダに乗り、彼女はひょいと一人でラクダに乗りました。
まるで私が一人で乗れないみたいじゃない。大丈夫、きっと私が見てない間にみんなもジャンヌさんに手伝って貰ったんだわ。きっとそう。帰りも絶対にみんなが乗るところなんて見ないわ。
しかし、食糧を余らせるなとはこういうことでしたのね。ラクダは生徒の数しか借りていないのか、荷物は自分たちで背負って運ぶしかありません。
着替えなどは現地の宿泊先などに用意してあるとお聞きしていて、私達の荷物もほとんどありません。持っているのは一人で背負えるリュックと、行く前に渡された指輪事情に空間を歪められた防具だけ。
リュックには一応ですがワンダーオーブの入った小瓶を入れてあります。最初は持ち運ぶことに躊躇しましたが、ブランクが私と小瓶に誰にも見えない糸を付けてくださったみたいで、小瓶は何があっても私から離れない様になっているみたいです。
そしてラクダで移動して数刻ほどで砂漠の真ん中にある白い石造りの建物がいくつも密集しているのが見えました。あれが目的地の貿易都市かしら。
都市の名前はグラツィア。主に我が国と貿易を行うための都市で、大きな商会などが出入りしていることが多い街でもあります。
この国ではほとんどの人が二か国語を喋れるため、私達も特に不自由なく会話することができました。
「はぁーいぃ。それでは皆さーん! 集合ですよぉ~!」
アンヌ先生の声を頼りに私たちは街のはずれに全員で集合します。
生徒たちは、旅行のテンションに浮かれ、普段は先生の話中に喋る生徒などいませんでしたが、今日はそこら中から浮かれた声が聞こえます。
私としてはこの方が年相応らしいなとは思いましたけど、貴族社会の学生と日本の学生は混同できないわね。
「それでは皆さん、まずは第一ミッションである食糧を捨てない余らせないの合格おめでとうございますぅ~。残念ですがここで二班もの生徒が食糧を捨てていることを確認致しましたので、その子たちは発覚した時点で強制送還させて頂きましたぁ~。まあ、この程度も守れない生徒を外国に出しても問題を起こしてしまいそうですし、しかたないですよねぇ~」
みんなが一斉に背筋を伸ばしてアンヌ先生の話を聞く。さきほどまでの浮かれたテンションは、先生の強制送還という言葉で吹き飛ばされたようだ。
「それでは皆さん! 明日に備えて宿に泊まりましょうぅ~。各班は今から指定された宿に移動して宿泊してくださいねぇ~。日没までにチェックインできなかった地図も読めない班はぁ~明日からの遠征にもついていけないので、そういうつもりでいてくださいねぇ~?」
なんともうすでに夕暮れ前。私達生徒は、地図を受け取ると、早速それを広げるのでした。そこに書かれていたのは、ブラン王国の公用語ではない文字で記された地図でした。これってもしかしてロポポロ公国の文字ですか?
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