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109話 初めての外泊
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地図を広げた私たちは一番大丈夫そうなオリバーの方に視線を向けます。皇族でしたら他国の公用語位へっちゃらでしょ?
「さすがに隣接していない小国の独自の言語は詳しくないかな。むしろ姫は何故わからないのですか?」
「…………いや、ほら私どうせ大人になったら王家を出ていってどっかに嫁ぐからいいかなって」
オリバーに痛いところを突かれた。そもそも、王家を出ていったからと言って、よその国に嫁がないとは限らないし、なんなら、ロポポロ公国と隣接する領地に嫁ぐかもしれないのだ。他国の公用語も最悪の未来を回避した後には必ず必要になる。言語なら特に若いうちに覚えるべきなのだろう。
オリバーの視線は刺さるように私を睨みます。
「…………勉強します」
知識と言えばリビオ! 彼ならいけるのではないでしょうか? そう思い、リビオの方に視線を向けましたが、やはりロポポロ公国の言語は専門外だった模様。地図を睨んだまま固まっています。
「念のため伺いますが、この地図を読める方は?」
ミゲルは下を向き、ビルジニは無言。リビオはついには地図ではならく空を眺め、カトリーヌさんはそっぽを向いた。ジャンヌさんは涙目で私を見て小さな声でごめんなさいと呟いています。そしてオリバーに視線を向けたらやれやれと言わんばかりの表情でした。私か? 私が悪いのか?
そして最初に呟いたのはリビオでした。
「多分、俺たちの現在地はここですね」
リビオは地図の端っこを指さします。方角だけは記されていた地図ですが、私達は街のはずれにいますが、それが地図のどこかもわかりませんでした。
「わかるのリビオ?」
「俺たちは街のはずれにいますので、あとは方角さえわかれば大体の場所はわかります。方角は空を見れば…………あの星が「いいわそんなもの! わかるのね!」「…………ええ、まあ」
リビオが大体の位置に目星をつけたらしく、私達はこれからどういう経路で進めばいいか相談することになりました。地図には道が大雑把に記されているため、もしかしたら小さな小道などが省かれているかもしれません。
ですが、問題はもう一つ。目的地どこよ。地図には数か所のポイントが赤い星印で記されています。その星の横にはロポポロ公国の公用語が記されていますので、それがそのポイントの名前なのでしょう。
問題は数か所のうちどれかが宿泊施設ということです。
「総当たりでもしますか?」
「時間が足りなくなるでしょ?」
私の提案にいち早くツッコミを入れたのはカトリーヌさん。確かに時間が足りない。時空魔法である程度制御できてもさすがに時を止める魔法などは一定空間が限界ですし、日没を止めることはできない。
「とにかくここで悩んでいる方が時間の無駄だわ。ひとまず一番近くの星印の所に行きましょう?」
私の提案に全員が賛同し、ジャンヌさんが地図をもってリビオが方向の指示を出しつつ、ミゲルが周囲を見ながら地図と道の一致を確認しながら進むことになりました。
私含めた残りのメンバーは黙ってついて行きながら、宿泊先を探す方法を考えます。そこでオリバーが何かを思いついたのかジャンヌさんから地図を受け取りました。
「…………おそらくですが、宿はここだと思いますよ」
オリバーは複数ある赤い星印ではなく、何の目印もない個所を指さしました。
全員がなどうしてわかったのだろうと疑問に思っている中、オリバーは地図の疑問について語り始めた。
「簡単なことですよ。この地図そのものに幻惑魔法がかかっていたようです。一番最初に見た時に違和感を感じましたが、その時は精々疑いがある程度でしたので」
そう言ったオリバーは幻惑魔法のかかった地図にたいしてどんな魔法がかかっているか説明しました。私達が見ている無数の赤い星そのものが本当は一個の矢印で、私の見ている数か所の星印は一個の矢印が拡散して見えているものだそうです。
そしてどんな魔法がかかっているかわかれば、その魔法が捻じ曲げている真実を追うことも可能。高位の幻惑魔法の使い手は幻覚が見えたまま実態を把握できると伺っています。
時間がかかりましたので、オリバーはその一歩手前というところでしょうか。
そして私たちは日没までに宿泊先に到着することができました。他の班の人がこっそり私達を追ってきていたようですが、私達がチェックインした後に彼らが受付に行くと、予約はないと断られていました。
「どうやら班はそれぞれ別の宿に宿泊するみたいだね」
ビルジニがそう呟き、それを聞いた他の班の面々は顔を青ざめて急いで宿から出ていきました。間に合うと良いのですが。
そして部屋に荷物をおいて私達は食堂で食事をし、明日も予定が埋まっているので、そのまま部屋に戻ることになりました。
女子四人で集まるなんてもしかして初めてなのでは?
私はクリーム色でノースリーブのワンピースに着替えます。
他のみんなは、どんな寝間着なのかしら。左からみんなの服装を見てみると、ベビーブルーの薄い布地で手首足首まで布で包まれているビルジニに、質素で肌着のような白いワンピースのジャンヌさん。
それからローズピンクに半袖のワンピースに、白いフリルがたくさんついているカトリーヌさん。さらに彼女はベッドの上においてあった大きめの枕を抱きかかえていました。
「ここでかわい子ぶっても誰も食いつかないわよ?」
「は!? そんなことしていないわよ!!!!」
え? じゃあそのピンクにフリルの寝間着は普段使いなの?
その後は四人で好きな男子の話題や、流行の香水やドレスの話題と女の子らしい話題に発展するはずがなく、なぜかずっと食べ物の話題で盛り上がりました。むしろ食べ物の話題しか覚えていないまであります。
ジャンヌさんの言っていた街のパン屋さんで直接焼きたてを受け取るという話題はとても魅力的でしたので、今度ブランクにまた連れ出して貰いましょう。スザンヌは絶対に許可してくれないでしょうし。
またお忍びに誘ったら…………なんて答えるのかな。
「さすがに隣接していない小国の独自の言語は詳しくないかな。むしろ姫は何故わからないのですか?」
「…………いや、ほら私どうせ大人になったら王家を出ていってどっかに嫁ぐからいいかなって」
オリバーに痛いところを突かれた。そもそも、王家を出ていったからと言って、よその国に嫁がないとは限らないし、なんなら、ロポポロ公国と隣接する領地に嫁ぐかもしれないのだ。他国の公用語も最悪の未来を回避した後には必ず必要になる。言語なら特に若いうちに覚えるべきなのだろう。
オリバーの視線は刺さるように私を睨みます。
「…………勉強します」
知識と言えばリビオ! 彼ならいけるのではないでしょうか? そう思い、リビオの方に視線を向けましたが、やはりロポポロ公国の言語は専門外だった模様。地図を睨んだまま固まっています。
「念のため伺いますが、この地図を読める方は?」
ミゲルは下を向き、ビルジニは無言。リビオはついには地図ではならく空を眺め、カトリーヌさんはそっぽを向いた。ジャンヌさんは涙目で私を見て小さな声でごめんなさいと呟いています。そしてオリバーに視線を向けたらやれやれと言わんばかりの表情でした。私か? 私が悪いのか?
そして最初に呟いたのはリビオでした。
「多分、俺たちの現在地はここですね」
リビオは地図の端っこを指さします。方角だけは記されていた地図ですが、私達は街のはずれにいますが、それが地図のどこかもわかりませんでした。
「わかるのリビオ?」
「俺たちは街のはずれにいますので、あとは方角さえわかれば大体の場所はわかります。方角は空を見れば…………あの星が「いいわそんなもの! わかるのね!」「…………ええ、まあ」
リビオが大体の位置に目星をつけたらしく、私達はこれからどういう経路で進めばいいか相談することになりました。地図には道が大雑把に記されているため、もしかしたら小さな小道などが省かれているかもしれません。
ですが、問題はもう一つ。目的地どこよ。地図には数か所のポイントが赤い星印で記されています。その星の横にはロポポロ公国の公用語が記されていますので、それがそのポイントの名前なのでしょう。
問題は数か所のうちどれかが宿泊施設ということです。
「総当たりでもしますか?」
「時間が足りなくなるでしょ?」
私の提案にいち早くツッコミを入れたのはカトリーヌさん。確かに時間が足りない。時空魔法である程度制御できてもさすがに時を止める魔法などは一定空間が限界ですし、日没を止めることはできない。
「とにかくここで悩んでいる方が時間の無駄だわ。ひとまず一番近くの星印の所に行きましょう?」
私の提案に全員が賛同し、ジャンヌさんが地図をもってリビオが方向の指示を出しつつ、ミゲルが周囲を見ながら地図と道の一致を確認しながら進むことになりました。
私含めた残りのメンバーは黙ってついて行きながら、宿泊先を探す方法を考えます。そこでオリバーが何かを思いついたのかジャンヌさんから地図を受け取りました。
「…………おそらくですが、宿はここだと思いますよ」
オリバーは複数ある赤い星印ではなく、何の目印もない個所を指さしました。
全員がなどうしてわかったのだろうと疑問に思っている中、オリバーは地図の疑問について語り始めた。
「簡単なことですよ。この地図そのものに幻惑魔法がかかっていたようです。一番最初に見た時に違和感を感じましたが、その時は精々疑いがある程度でしたので」
そう言ったオリバーは幻惑魔法のかかった地図にたいしてどんな魔法がかかっているか説明しました。私達が見ている無数の赤い星そのものが本当は一個の矢印で、私の見ている数か所の星印は一個の矢印が拡散して見えているものだそうです。
そしてどんな魔法がかかっているかわかれば、その魔法が捻じ曲げている真実を追うことも可能。高位の幻惑魔法の使い手は幻覚が見えたまま実態を把握できると伺っています。
時間がかかりましたので、オリバーはその一歩手前というところでしょうか。
そして私たちは日没までに宿泊先に到着することができました。他の班の人がこっそり私達を追ってきていたようですが、私達がチェックインした後に彼らが受付に行くと、予約はないと断られていました。
「どうやら班はそれぞれ別の宿に宿泊するみたいだね」
ビルジニがそう呟き、それを聞いた他の班の面々は顔を青ざめて急いで宿から出ていきました。間に合うと良いのですが。
そして部屋に荷物をおいて私達は食堂で食事をし、明日も予定が埋まっているので、そのまま部屋に戻ることになりました。
女子四人で集まるなんてもしかして初めてなのでは?
私はクリーム色でノースリーブのワンピースに着替えます。
他のみんなは、どんな寝間着なのかしら。左からみんなの服装を見てみると、ベビーブルーの薄い布地で手首足首まで布で包まれているビルジニに、質素で肌着のような白いワンピースのジャンヌさん。
それからローズピンクに半袖のワンピースに、白いフリルがたくさんついているカトリーヌさん。さらに彼女はベッドの上においてあった大きめの枕を抱きかかえていました。
「ここでかわい子ぶっても誰も食いつかないわよ?」
「は!? そんなことしていないわよ!!!!」
え? じゃあそのピンクにフリルの寝間着は普段使いなの?
その後は四人で好きな男子の話題や、流行の香水やドレスの話題と女の子らしい話題に発展するはずがなく、なぜかずっと食べ物の話題で盛り上がりました。むしろ食べ物の話題しか覚えていないまであります。
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