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128話 姫様の怠惰な日常
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学園が再開する報せを受け、私は王宮で退廃的な暮らしをしていました。
「姫様?」
スザンヌがゴミを見るような眼で見てきていますが、私にとっては長期休暇が終わるあの懐かしい感覚に苦悩していますので、もう少しだらけさせて欲しいものです。
「お姉様?」
不意にスザンヌではない声に意識を向けると、金髪に深紅の瞳の少年が、日が南中したにも関わらず、ベッドに潜り込んだ私を見つめていました。
「病気ですか?」
「ジル!? 違いますよ? その、そのそのえーっと……スザンヌ!!!!」
「姫様はさきほどまで外でレッスンをしていましたので、ベッドに横なってもらい、私がマッサージをしていたのです」
「そうでしたかぁ!」
ジルちゃん信じちゃうの可愛い。私は弟のジルを抱きしめながら、残り僅かの休暇はどう過ごそうか考えていました。
皆様は中々私のとこにきてくれませんし、最近は学園に通う前のように朝から晩までレッスンや勉強。魔法についてはあまり触れさせてもらえません。
完全に私が特訓しようとしていることを避けさせているわね。どのように話が通じたかわかりませんが、これはもしかしたらジェラールやエリザベートの方にも私の身の危険と判断されているのかもしれませんね。
あの二人に出しゃばられたら、本当に前に出て戦うなんてできなくなってしまう。
ジャンヌさん達だけでなんとかなるかわかりませんし、それに何か引っかかるのですよね。
ブランクにせよジャンヌさんにせよ…………裏で誰かが動いているとしか思えません。或いは、二人のうちどちらかが、転生者だとしか思えない。
一番怪しいのは、ブランクよね。最初の出会いで月を前世の名前で呼んで、正確に単語を理解していたのですし、でも彼はワンダーオーブの色を知らなかった。
仮にブランクが転生者だとしても、乙女ゲームの知識があるとは思えない。
可能性があるとすれば、ブランクには私より先に転生者と接触していて、月という単語を把握していた。
そして接触していた転生者が今回、【黄】のワンダーオーブの入手方法や、アリゼの襲来についてブランクに教えた。
問題はもう一人の転生者が、何を目的としてこのタイミングでジャンヌさんにワンダーオーブを集めさせようと思ったかよね。
「ジルー? お姉様と遊びましょう?」
「わぁああ」
私は抱きしめていたジルの頭をワシャワシャしながら、考え事を整理し始める。それでも、わからないことがどんどん浮かぶ。
ブランクの存在もそうですが、彼が取り戻したいものも知りたい。
何よりワンダーオーブを欲しがっていたブランクが【白】のワンダーオーブを持っていたこと。
そしてそれをジャンヌさんに譲渡したこと。
ワンダーオーブは虹の七色だけと思っていましたが、そんなことはありませんでした。やはりもう一度禁書を読みに行って、ワンダーオーブの成り立ちから調べなおしたいわね。
「お姉様くすぐったぁい!」
「ふふふー。可愛い子にはこうしてやるー!」
「きゃああ!!」
ジルの脇腹をくすぐると、可愛い叫び声を上げながら、手足をバタバタと動かし始めます。
弟はエリザベートと同じ深紅の瞳を持って生まれた子供。過去に一度、ジルとお母様の瞳が羨ましいとエリザベートに言ったことがあります。
エリザベートはそう言われたことに驚いたのか、笑いながら、言いました。
――初めてこの瞳に産まれて良かったって思えたわ。
切なそうにいうエリザベートの横顔は、何を言いたかったのか、今の私にもわからない。それでも、この瞳はもしかしたら、余計なものまで見えているのかもしれない。
エリザベートはすぐに答えを濁す。あの人が答えを濁す時は恥ずかしい時と、誰かを護る時。
「ジルは綺麗な瞳ね」
「お姉様も綺麗ですよ?」
「これがプロポーズ!?」
「姫様、頭打ちましたか?」
もう一人いたわね。深紅の瞳の持主。近いうちに彼女とも接触しましょう。そして洗いざらい吐かせる。
エリザベートにもジルにもできませんが、彼女ならいいですよね。
魔法学園の再開より先にするか、再開後に拉致するか。今はその計画を立てるのが楽しみで仕方ありませんでした。
「お姉様怖い」
「見てはいけませんジル様。お部屋に戻りましょう」
「姫様?」
スザンヌがゴミを見るような眼で見てきていますが、私にとっては長期休暇が終わるあの懐かしい感覚に苦悩していますので、もう少しだらけさせて欲しいものです。
「お姉様?」
不意にスザンヌではない声に意識を向けると、金髪に深紅の瞳の少年が、日が南中したにも関わらず、ベッドに潜り込んだ私を見つめていました。
「病気ですか?」
「ジル!? 違いますよ? その、そのそのえーっと……スザンヌ!!!!」
「姫様はさきほどまで外でレッスンをしていましたので、ベッドに横なってもらい、私がマッサージをしていたのです」
「そうでしたかぁ!」
ジルちゃん信じちゃうの可愛い。私は弟のジルを抱きしめながら、残り僅かの休暇はどう過ごそうか考えていました。
皆様は中々私のとこにきてくれませんし、最近は学園に通う前のように朝から晩までレッスンや勉強。魔法についてはあまり触れさせてもらえません。
完全に私が特訓しようとしていることを避けさせているわね。どのように話が通じたかわかりませんが、これはもしかしたらジェラールやエリザベートの方にも私の身の危険と判断されているのかもしれませんね。
あの二人に出しゃばられたら、本当に前に出て戦うなんてできなくなってしまう。
ジャンヌさん達だけでなんとかなるかわかりませんし、それに何か引っかかるのですよね。
ブランクにせよジャンヌさんにせよ…………裏で誰かが動いているとしか思えません。或いは、二人のうちどちらかが、転生者だとしか思えない。
一番怪しいのは、ブランクよね。最初の出会いで月を前世の名前で呼んで、正確に単語を理解していたのですし、でも彼はワンダーオーブの色を知らなかった。
仮にブランクが転生者だとしても、乙女ゲームの知識があるとは思えない。
可能性があるとすれば、ブランクには私より先に転生者と接触していて、月という単語を把握していた。
そして接触していた転生者が今回、【黄】のワンダーオーブの入手方法や、アリゼの襲来についてブランクに教えた。
問題はもう一人の転生者が、何を目的としてこのタイミングでジャンヌさんにワンダーオーブを集めさせようと思ったかよね。
「ジルー? お姉様と遊びましょう?」
「わぁああ」
私は抱きしめていたジルの頭をワシャワシャしながら、考え事を整理し始める。それでも、わからないことがどんどん浮かぶ。
ブランクの存在もそうですが、彼が取り戻したいものも知りたい。
何よりワンダーオーブを欲しがっていたブランクが【白】のワンダーオーブを持っていたこと。
そしてそれをジャンヌさんに譲渡したこと。
ワンダーオーブは虹の七色だけと思っていましたが、そんなことはありませんでした。やはりもう一度禁書を読みに行って、ワンダーオーブの成り立ちから調べなおしたいわね。
「お姉様くすぐったぁい!」
「ふふふー。可愛い子にはこうしてやるー!」
「きゃああ!!」
ジルの脇腹をくすぐると、可愛い叫び声を上げながら、手足をバタバタと動かし始めます。
弟はエリザベートと同じ深紅の瞳を持って生まれた子供。過去に一度、ジルとお母様の瞳が羨ましいとエリザベートに言ったことがあります。
エリザベートはそう言われたことに驚いたのか、笑いながら、言いました。
――初めてこの瞳に産まれて良かったって思えたわ。
切なそうにいうエリザベートの横顔は、何を言いたかったのか、今の私にもわからない。それでも、この瞳はもしかしたら、余計なものまで見えているのかもしれない。
エリザベートはすぐに答えを濁す。あの人が答えを濁す時は恥ずかしい時と、誰かを護る時。
「ジルは綺麗な瞳ね」
「お姉様も綺麗ですよ?」
「これがプロポーズ!?」
「姫様、頭打ちましたか?」
もう一人いたわね。深紅の瞳の持主。近いうちに彼女とも接触しましょう。そして洗いざらい吐かせる。
エリザベートにもジルにもできませんが、彼女ならいいですよね。
魔法学園の再開より先にするか、再開後に拉致するか。今はその計画を立てるのが楽しみで仕方ありませんでした。
「お姉様怖い」
「見てはいけませんジル様。お部屋に戻りましょう」
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