BAD END STORY ~父はメインヒーローで母は悪役令嬢。そしてヒロインは最悪の魔女!?~

大鳳葵生

文字の大きさ
134 / 228

130話 馬上槍大会のご案内

しおりを挟む
 新規採用の教員の紹介が終わった直後、私達は新たなにクラス再編まで行われることが発表されました。

 今後は各分野専用の魔法の授業は、すべて全クラス同時並行でおこわなれることになり、各教員の指定する教室やグランドに生徒が向かう形式になりました。

 ちなみに、従来では第一適性の魔法しか講義を受けられませんでしたが、今後は講義の度に適性のある講義に参加してよいという方針だそうです。

 つまり、私は波動魔法と時空魔法の講義。アンヌ先生とお母様の講義に参加ができます。

 まるで大学のカリキュラムね。まあ、でもこの方が様々な魔法使いと合同で授業をしやすく、連携も取りやすいという名目なのでしょうね。

 それにしても、私の担任がエリザベートって職権乱用なのではないでしょうか。絶対に職権乱用です。さすが悪役令嬢! ずるい!

 私達のクラスは全員ではありませんが、比較的に身分の高い生徒が集められているように思えます。ジャンヌさんとは別々のクラスになってしまいましたが、タッグ制度は引き続きなのでしょうか。

 周囲を見渡して知っている顔と言えばポツポツいらっしゃいますが、カトリーヌさんとオリバーね。

 相変わらず前の席は貴族が独占していますのね。

 後ろを見れば、元牢屋仲間プリズンメイトのメラニーさんなど、平民生徒もいらっしゃいましたが、今までのAクラスの時と違い、一列しかいらっしゃいません。

 選ばれた人間だけが編成されていると言うことでしょうか。よく見れば、平民生徒たちの身なりもそれなりに良い。

 …………ああ、そうか。このクラスは比較的に戦闘から遠ざけられたクラスなんだ!?

 エリザベートは監視だ。王族である私が逆らえない様に、私より偉い人間が直接傍にいられるように教員になったんだ。

 つまりこの再編成は、ジェラールとエリザベートの指示。今朝方、ジェラールが出かけていくエリザベートを見ていたのも、今日のことを考えていたのね。

 やられたわ。このままでは放課後の移動も全部制限されかねない。

 さらに言えば、エリザベートは時空魔法と幻惑魔法の使い手。私の非公式の幻惑魔法なんて一瞬で見破られるでしょう。

「それでは本日の講義を始めたいのですが、その前に私が王妃であるとお気づきの皆様には、私が職権乱用でここにいると思われても仕方ありませんので、まずは実力差をお見せしましょう。全員で私を殺すつもりで魔法を行使なさい」

 いや、それいきなり王妃に言われ、魔法ぶっ放せる猪突猛進のイノシシ生徒いないでしょう。

「波動魔法、巨砲キャノン

 いの一番に大技をかっ飛ばしたのは銀髪にエリザベートと同じ深紅の瞳の生徒。カトリーヌさんでした。貴女でしたかイノシシ。

「…………」

 轟音が教室を襲い、その波動魔法はエリザベート目掛けて真っすぐ飛んでいきますが、エリザベートはそれを見てため息をついて素手で受け止めて見せた。

「え?」「素手?」「嘘?」「なんで?」「カリーナ家の息女って破壊力のある波動魔法の娘だろ?」

「本来、波動魔法は自分よりも魔力量があり、実力のある相手でも、相手の魔力量関係なしに、物理的に干渉し、攻撃ができる唯一の魔法です。ですが、それはより圧倒的な魔力量で他の魔法と同じように自身の肉体で防ぐことが可能です。魔力量は魔術師が魔法を研鑽するごとに比例し、成長する。すなわち、先ほどの光景こそが、私の人生の結果です」

 カトリーヌさんの渾身の波動魔法を素手で防ぐ。あんなものを見せられてしまえば、もう誰も目の前にいる人間に権力でも魔術でも敵わないと理解する。

 生徒たちで出し抜こうと考えることも、難しい。

 これはきっと実力差を見せることによって、職権乱用の疑いを晴らすのが目的ではなく、私がクラスメイトと協力して何かエリザベートの意図しないことをしない為に釘を打たれたんだ。

 ブランクといい、ジャンヌさん達といい、ジェラールややエリザベートといい、あとオリバーのバカといい、どうしてこう上手く回らないのよ。

 もしかして、私の味方ってスザンヌだけ?

 そんなことを考えていると、エリザベートが教卓の横に一枚のボードを立てかけました。

 黒板でも発明したら一儲けできそうね。何か文字が書かれたボードをぼーっと眺めていますと、そこには馬上槍大会の文字が堂々と書かれていました。

「一か月後、我が魔法学園では馬上槍大会が開催されることになりました。歴史としては私が卒業して数年後くらいから始まって今年で大会も十回目を迎えることとなり…………」

 エリザベートが大会の説明を始める。馬上槍大会ね。乙女ゲームにないイベントはあまり重要なイベントにならないし、どうでもいいのよね。

 …………いえ、乙女ゲームにありませんでしたが、ある意味魔法遠征はすごく重要なイベントだったといえなくもないのですが。

 馬上槍かぁ。こんなものに出ていたら、余計にワンダーオーブを手に入れる機会を失いそうだわ。参加不参加も自由なら、私は不参加が丁度いいわね。
しおりを挟む
感想 14

あなたにおすすめの小説

『白い結婚だったので、勝手に離婚しました。何か問題あります?』

夢窓(ゆめまど)
恋愛
「――離婚届、受理されました。お疲れさまでした」 教会の事務官がそう言ったとき、私は心の底からこう思った。 ああ、これでようやく三年分の無視に終止符を打てるわ。 王命による“形式結婚”。 夫の顔も知らず、手紙もなし、戦地から帰ってきたという噂すらない。 だから、はい、離婚。勝手に。 白い結婚だったので、勝手に離婚しました。 何か問題あります?

処刑前夜に逃亡した悪役令嬢、五年後に氷の公爵様に捕まる〜冷徹旦那様が溺愛パパに豹変しましたが私の抱いている赤ちゃん実は人生2周目です〜

放浪人
恋愛
「処刑されるなんて真っ平ごめんです!」 無実の罪で投獄された悪役令嬢レティシア(中身は元社畜のアラサー日本人)は、処刑前夜、お腹の子供と共に脱獄し、辺境の田舎村へ逃亡した。 それから五年。薬師として穏やかに暮らしていた彼女のもとに、かつて自分を冷遇し、処刑を命じた夫――「氷の公爵」アレクセイが現れる。 殺される!と震えるレティシアだったが、再会した彼は地面に頭を擦り付け、まさかの溺愛キャラに豹変していて!? 「愛しているレティシア! 二度と離さない!」 「(顔が怖いです公爵様……!)」 不器用すぎて顔が怖い旦那様の暴走する溺愛。 そして、二人の息子であるシオン(1歳)は、実は前世で魔王を倒した「英雄」の生まれ変わりだった! 「パパとママは僕が守る(物理)」 最強の赤ちゃんが裏で暗躍し、聖女(自称)の陰謀も、帝国の侵略も、古代兵器も、ガラガラ一振りで粉砕していく。

悪役令嬢の心変わり

ナナスケ
恋愛
不慮の事故によって20代で命を落としてしまった雨月 夕は乙女ゲーム[聖女の涙]の悪役令嬢に転生してしまっていた。 7歳の誕生日10日前に前世の記憶を取り戻した夕は悪役令嬢、ダリア・クロウリーとして最悪の結末 処刑エンドを回避すべく手始めに婚約者の第2王子との婚約を破棄。 そして、処刑エンドに繋がりそうなルートを回避すべく奮闘する勘違いラブロマンス! カッコイイ系主人公が男社会と自分に仇なす者たちを斬るっ!

転生者はチートな悪役令嬢になりました〜私を死なせた貴方を許しません〜

みおな
恋愛
 私が転生したのは、乙女ゲームの世界でした。何ですか?このライトノベル的な展開は。  しかも、転生先の悪役令嬢は公爵家の婚約者に冤罪をかけられて、処刑されてるじゃないですか。  冗談は顔だけにして下さい。元々、好きでもなかった婚約者に、何で殺されなきゃならないんですか!  わかりました。私が転生したのは、この悪役令嬢を「救う」ためなんですね?  それなら、ついでに公爵家との婚約も回避しましょう。おまけで貴方にも仕返しさせていただきますね?

転生したら悪役令嬢だった婚約者様の溺愛に気づいたようですが、実は私も無関心でした

ハリネズミの肉球
恋愛
気づけば私は、“悪役令嬢”として断罪寸前――しかも、乙女ゲームのクライマックス目前!? 容赦ないヒロインと取り巻きたちに追いつめられ、開き直った私はこう言い放った。 「……まぁ、別に婚約者様にも未練ないし?」 ところが。 ずっと私に冷たかった“婚約者様”こと第一王子アレクシスが、まさかの豹変。 無関心だったはずの彼が、なぜか私にだけやたらと優しい。甘い。距離が近い……って、え、なにこれ、溺愛モード突入!?今さらどういうつもり!? でも、よく考えたら―― 私だって最初からアレクシスに興味なんてなかったんですけど?(ほんとに) お互いに「どうでもいい」と思っていたはずの関係が、“転生”という非常識な出来事をきっかけに、静かに、でも確実に動き始める。 これは、すれ違いと誤解の果てに生まれる、ちょっとズレたふたりの再恋(?)物語。 じれじれで不器用な“無自覚すれ違いラブ”、ここに開幕――! 本作は、アルファポリス様、小説家になろう様、カクヨム様にて掲載させていただいております。 アイデア提供者:ゆう(YuFidi) URL:https://note.com/yufidi88/n/n8caa44812464

完結 辺境伯様に嫁いで半年、完全に忘れられているようです   

ヴァンドール
恋愛
実家でも忘れられた存在で 嫁いだ辺境伯様にも離れに追いやられ、それすら 忘れ去られて早、半年が過ぎました。

わがままな婚約者はお嫌いらしいので婚約解消を提案してあげたのに、反応が思っていたのと違うんですが

水谷繭
恋愛
公爵令嬢のリリアーヌは、婚約者のジェラール王子を追いかけてはいつも冷たくあしらわれていた。 王子の態度に落ち込んだリリアーヌが公園を散策していると、転んで頭を打ってしまう。 数日間寝込むはめになったリリアーヌ。眠っている間に前世の記憶が流れ込み、リリアーヌは今自分がいるのは前世で読んでいたWeb漫画の世界だったことに気づく。 記憶を思い出してみると冷静になり、あれだけ執着していた王子をどうしてそこまで好きだったのかわからなくなる。 リリアーヌは王子と婚約解消して、新しい人生を歩むことを決意するが…… ◆表紙はGirly Drop様からお借りしました ◇小説家になろうにも掲載しています

乙女ゲームの悪役令嬢、ですか

碧井 汐桜香
ファンタジー
王子様って、本当に平民のヒロインに惚れるのだろうか?

処理中です...