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161話 魔王城
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全員集合。今度こそ誰一人偽物じゃないことを確認し、私達は現状の再確認をすることにしました。
「わかっていることはここが魔界ということだけね」
「そして奴らの狙いは私と王国の姫のようですね」
私達は何に使うにしても都合がいいと言うことなのでしょう。戦争に使うにしろ身代金目当ての人質にするにもこれ以上の獲物はいない。
「とにかく私達は何とかブラン王国の方角を探りたいのですけど、誰か知識のある方は?」
例え地続きと知っていても、位置関係までは知りません。
「俺がわかる」
「俺もです」
そこで手を挙げたのはリビオとミゲル。リビオは研究の為に魔界に行くことを想定していたこと。
ミゲルはいずれ騎士になることを考えて魔界の方角を把握済みだったそうです。
「ブラン王国から北東の山を越えた先が魔界。つまり…………あの山です」
「ええ、リビオの知識と俺の知識も一致します」
昨日ほどではありませんが、うっすら遠くのものまで見えるようになりました。
そこには大きな城のある山がそびえたっていました。
「あれは?」
「おそらく魔王城ですね。魔王城はいつ攻め入られるかわからないがゆえに、定期的に転移しているようです。まさかブラン王国の国境付近に転移していたとは」
魔王…………復活しているのかしら。でも、王国に攻め込んだ形跡もないのよね。
ジェラールルートバッドエンドの場合、ヒロインが王国を滅ぼさなければいけないから、魔王が登場しないようなシナリオなのかしら。
「気になることがあるの…………魔王城に行ってみてもいいかしら?」
「危険です!」
真っ先にアレクシスが止めようとしました。周囲にいる皆様もそれに賛同する中、たった一人私の意見に同調してくれる人がいました。
「僕は姫様の意見に賛成です」
「ジョアサン!」
「僕もあそこに確かめたいことがあります」
ジョアサンはじっと魔王城を見つめる。あそこに何か因縁でもあるのかしら。それともやっぱり聖職者だから?
よくわかりませんが、私とジョアサン。私の意見に絶対反対しないスザンヌ。
それから面白そうだからという理由でオリバーが賛同し、他のみんなもしぶしぶ納得してくださりました。
魔王城攻略。ワンダーオーブの力があれば多分何とかなるわ。
ヒロインだって学生の頃に【赤】のワンダーオーブ一つで攻略したのですし、大丈夫よ。
私達は真っすぐ魔王城に向かいます。道中の魔獣も上手く連携していき撃破。
特にビルジニが剣を錬成したおかげで、ミゲルが一対一でも大型の魔獣と互角以上に渡り合ってくれています。
ジョアサンの治癒魔法もあり、疲労も飛ばしながら山道を登り進むと、そこには大きな城門のある魔王城が、禍々しい魔力を放ち続けていました。
大きな城門を壊すのは簡単ですが、全員が視線を交わす。
「正面から行くべきよ」
「そうね、この程度の門なら私の波動魔法で充分だわ」
「エレガントじゃないね。王国民は蛮族なのかな」
「姫君は豪快と言って欲しいですね」
真っ先に喋り出した私に、それに賛同するカトリーヌさん。
私達をみて呆れるようにしていたオリバーと、私のフォローをするビルジニ。
「付与魔法で飛ぶのはどうだろうか?」
「空間魔法で転移もできるな」
ミゲルとリビオが提案したのは浮遊と転移。私達は互いの意見を言い合い、騒ぎを起こさないで進む方針を選びました。
つまり、波動魔法による破壊でもなければ、付与魔法による目立ち移動でもない。
時空魔法による転移を移動手段として選びました。
私とアレクシス二人がかりで全員を転移させます。
そして魔王城の内側に全員転移が終わると、そこは赤い絨毯がぼろきれになった内装。
ひび割れた壁。蜘蛛の巣の張った天井。
歩けば埃の形がくっきり残る床。
「廃墟ね」
「魔界では掃除をする習慣がないのでしょうか」
「ジャンヌさん、そう言うことではないと思うわ」
おそらくここにもう城主は…………いえ、城主がいたとしても部下がいないのね。
「玉座の間に向かいましょう。間取り的にこちらかと」
ミゲルが即座に判断して先導した先には螺旋階段がありました。私達は一列になりその階段を登ります。
最上階。私達が足を踏みしめる前に、いくつかの同じ足跡が右往左往した跡。
既に何者かがいる?
「来てしまったか」
奥の部屋から一人の男の声。私達はその声の元に向かって進んで行きました。
「わかっていることはここが魔界ということだけね」
「そして奴らの狙いは私と王国の姫のようですね」
私達は何に使うにしても都合がいいと言うことなのでしょう。戦争に使うにしろ身代金目当ての人質にするにもこれ以上の獲物はいない。
「とにかく私達は何とかブラン王国の方角を探りたいのですけど、誰か知識のある方は?」
例え地続きと知っていても、位置関係までは知りません。
「俺がわかる」
「俺もです」
そこで手を挙げたのはリビオとミゲル。リビオは研究の為に魔界に行くことを想定していたこと。
ミゲルはいずれ騎士になることを考えて魔界の方角を把握済みだったそうです。
「ブラン王国から北東の山を越えた先が魔界。つまり…………あの山です」
「ええ、リビオの知識と俺の知識も一致します」
昨日ほどではありませんが、うっすら遠くのものまで見えるようになりました。
そこには大きな城のある山がそびえたっていました。
「あれは?」
「おそらく魔王城ですね。魔王城はいつ攻め入られるかわからないがゆえに、定期的に転移しているようです。まさかブラン王国の国境付近に転移していたとは」
魔王…………復活しているのかしら。でも、王国に攻め込んだ形跡もないのよね。
ジェラールルートバッドエンドの場合、ヒロインが王国を滅ぼさなければいけないから、魔王が登場しないようなシナリオなのかしら。
「気になることがあるの…………魔王城に行ってみてもいいかしら?」
「危険です!」
真っ先にアレクシスが止めようとしました。周囲にいる皆様もそれに賛同する中、たった一人私の意見に同調してくれる人がいました。
「僕は姫様の意見に賛成です」
「ジョアサン!」
「僕もあそこに確かめたいことがあります」
ジョアサンはじっと魔王城を見つめる。あそこに何か因縁でもあるのかしら。それともやっぱり聖職者だから?
よくわかりませんが、私とジョアサン。私の意見に絶対反対しないスザンヌ。
それから面白そうだからという理由でオリバーが賛同し、他のみんなもしぶしぶ納得してくださりました。
魔王城攻略。ワンダーオーブの力があれば多分何とかなるわ。
ヒロインだって学生の頃に【赤】のワンダーオーブ一つで攻略したのですし、大丈夫よ。
私達は真っすぐ魔王城に向かいます。道中の魔獣も上手く連携していき撃破。
特にビルジニが剣を錬成したおかげで、ミゲルが一対一でも大型の魔獣と互角以上に渡り合ってくれています。
ジョアサンの治癒魔法もあり、疲労も飛ばしながら山道を登り進むと、そこには大きな城門のある魔王城が、禍々しい魔力を放ち続けていました。
大きな城門を壊すのは簡単ですが、全員が視線を交わす。
「正面から行くべきよ」
「そうね、この程度の門なら私の波動魔法で充分だわ」
「エレガントじゃないね。王国民は蛮族なのかな」
「姫君は豪快と言って欲しいですね」
真っ先に喋り出した私に、それに賛同するカトリーヌさん。
私達をみて呆れるようにしていたオリバーと、私のフォローをするビルジニ。
「付与魔法で飛ぶのはどうだろうか?」
「空間魔法で転移もできるな」
ミゲルとリビオが提案したのは浮遊と転移。私達は互いの意見を言い合い、騒ぎを起こさないで進む方針を選びました。
つまり、波動魔法による破壊でもなければ、付与魔法による目立ち移動でもない。
時空魔法による転移を移動手段として選びました。
私とアレクシス二人がかりで全員を転移させます。
そして魔王城の内側に全員転移が終わると、そこは赤い絨毯がぼろきれになった内装。
ひび割れた壁。蜘蛛の巣の張った天井。
歩けば埃の形がくっきり残る床。
「廃墟ね」
「魔界では掃除をする習慣がないのでしょうか」
「ジャンヌさん、そう言うことではないと思うわ」
おそらくここにもう城主は…………いえ、城主がいたとしても部下がいないのね。
「玉座の間に向かいましょう。間取り的にこちらかと」
ミゲルが即座に判断して先導した先には螺旋階段がありました。私達は一列になりその階段を登ります。
最上階。私達が足を踏みしめる前に、いくつかの同じ足跡が右往左往した跡。
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奥の部屋から一人の男の声。私達はその声の元に向かって進んで行きました。
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