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163話 夜風は乱暴に髪を乱す
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魔王城内部を散策すると、どうやら生活空間は魔王が向かった通路の先だけみたいで、その空間だけは他と違って埃が溜まっていませんでした。
部屋も複数ありましたが、男女で別れて一緒に眠ることにしました。
仮にも魔王城。それにまだ魔王ノワールを百パーセント信用できるわけではない。
私達はダイニングルームらしき部屋で全員で話し合うことにしました。
「食事ってやっぱり今まで通り現地調達すれば良いのかしら?」
魔王は部屋を好きにしていいことと、一日一人を転移させてくれること以外は何も協力してくれないだろう。
そう考えたら私達にはやはり食糧問題が発生してしまう。
それに関してはスザンヌがすぐに答えてくれました。
「この辺りを調べてみましたが、キッチンと食糧庫がありました。明日、魔王に使っていいのか訊いてみましょう」
「そう、使えるなら便利ね。無理なら魚や果物を取りに行くしかないわよね。それから次は明日からは誰が帰還するか。魔王が選ぶのか私達に選ぶ権利があるのか。これが重要よね」
私が最後まで残ることを知っているみんなは、なるべく自分も最後まで残ると名乗り出てくれました。
「しかし、飛ばす相手も魔王次第。結局これも今は解決しないのではないでしょうか?」
アレクシスの発言に全員が納得してしまう。結局私達に今できることは限られていて、今はここで何をするか。
魔王が信用できる人物なのか。今はそれくらいしか話し合えない。魔王って人物って表現であってるのかしら。
とりあえずアレクシス、リビオ、ビルジニ、ジャンヌさんの四人は未だに彼を信用しておらず、カトリーヌも懐疑的。
ジョアサンは信用はしたくないと言って、オリバーは面白い方に転がるならそれでよいといいました。
その日は全員早めに眠ることにして、男女別れて眠りにつきます。
私は未だに寝付けないでいましたので、少しだけ魔王城を散歩することにしました。
高い塔を登ると、魔界が一望できる場所にたどり着きます。
反対側にある大きな山の向こうには、ブラン王国があるはずですが、それを確認することはできません。
「案外、すぐ近くなのかな」
私がそう言いながら手を伸ばすと、高い塔の上のせいか、急な突風に攫われてしまい、思いっきり吹き飛ばされてしまいそうになりました。
「きゃっ!?」
しかし、私の体が吹き飛ぶ前に私には防護膜のような魔力に覆われ、何とか持ちこたえることができました。
「眠らないのか?」
私のすぐ後ろに立っていたのは、魔王本人でした。冷たい夜風に私達の髪が揺れる。
魔王は左右の色の異なる瞳で私を見つめ、私は見覚えのあるカラーリングに対し、出会ってからの疑問をぶつけることにした。
「貴方、ブランクよね?」
「少し違うな。あれは投影だ。俺の仮初の姿をお前の目の前に映し出しているに過ぎない」
「そう、ブランクなのね」
私の問いに、ノワールは答えない。その沈黙は肯定ととらえることができました。
理由はわかりませんが、ジョアサンはブランクを判別できますし、カトリーヌも深紅の瞳で感づいていた様子。
それでも、素顔を見たことない二人は似た存在止まりだったのでしょう。
しかし、私には一目でブランクと分かった。
白髪に深紅と漆黒のオッドアイ。彼以外にいるだろうか。
それに、ブランクの人知を超えた魔法も、魔王だと言われれば頷けます。
「それで魔王様はワンダーオーブの力に頼って何が必要なのかしら」
「ワンダーオーブに奪われたものを取り返す」
「…………そう、だったら今までの行為は無駄ね」
「何?」
「貴方が必要としているのは、既に目覚めたワンダーオーブよ。それはつまり【赤】のワンダーオーブなんじゃないかしら?」
彼は奪われた。【赤】のワンダーオーブによって浄化された後の魔王なんだわ。
もしそう言うことなら、今この場にいる魔王は浄化済みの存在。そして浄化したのはヒロイン、アリゼでしょう。
それにしても、【赤】のワンダーオーブで浄化されたってことは…………こいつはアレを取り返したいと言うことなのね。
「そんなに取り返したいの?」
「そうだな。魔王、いや王であるには必要な欲望だ」
ノワールにそう言われ、私はまあ確かにそうね。としか言えないなんとも言えない気持ちになりました。
「貴方がブランクだと話せば、少しはみんなも信用してくれるかしら」
「逆もあるだろう。ブランクを信用されなくなるかもしれない」
「そうね。でも、私は信用しているわ」
「…………魔王だぞ?」
「魔王でも…………貴方には一番最初に対等に扱って貰えた気がするの」
「俺も乱暴な言葉を使われたのは、お前が久しぶりかもな」
「そういえば貴方って二千年前から転生したのよね? その話、聞かせてよ」
「…………夜は冷えるな。そろそろ眠るといい」
そう言われた瞬間。私の足元に青い魔法陣が発生し、私はベッドの上に強制転移させられていました。
部屋も複数ありましたが、男女で別れて一緒に眠ることにしました。
仮にも魔王城。それにまだ魔王ノワールを百パーセント信用できるわけではない。
私達はダイニングルームらしき部屋で全員で話し合うことにしました。
「食事ってやっぱり今まで通り現地調達すれば良いのかしら?」
魔王は部屋を好きにしていいことと、一日一人を転移させてくれること以外は何も協力してくれないだろう。
そう考えたら私達にはやはり食糧問題が発生してしまう。
それに関してはスザンヌがすぐに答えてくれました。
「この辺りを調べてみましたが、キッチンと食糧庫がありました。明日、魔王に使っていいのか訊いてみましょう」
「そう、使えるなら便利ね。無理なら魚や果物を取りに行くしかないわよね。それから次は明日からは誰が帰還するか。魔王が選ぶのか私達に選ぶ権利があるのか。これが重要よね」
私が最後まで残ることを知っているみんなは、なるべく自分も最後まで残ると名乗り出てくれました。
「しかし、飛ばす相手も魔王次第。結局これも今は解決しないのではないでしょうか?」
アレクシスの発言に全員が納得してしまう。結局私達に今できることは限られていて、今はここで何をするか。
魔王が信用できる人物なのか。今はそれくらいしか話し合えない。魔王って人物って表現であってるのかしら。
とりあえずアレクシス、リビオ、ビルジニ、ジャンヌさんの四人は未だに彼を信用しておらず、カトリーヌも懐疑的。
ジョアサンは信用はしたくないと言って、オリバーは面白い方に転がるならそれでよいといいました。
その日は全員早めに眠ることにして、男女別れて眠りにつきます。
私は未だに寝付けないでいましたので、少しだけ魔王城を散歩することにしました。
高い塔を登ると、魔界が一望できる場所にたどり着きます。
反対側にある大きな山の向こうには、ブラン王国があるはずですが、それを確認することはできません。
「案外、すぐ近くなのかな」
私がそう言いながら手を伸ばすと、高い塔の上のせいか、急な突風に攫われてしまい、思いっきり吹き飛ばされてしまいそうになりました。
「きゃっ!?」
しかし、私の体が吹き飛ぶ前に私には防護膜のような魔力に覆われ、何とか持ちこたえることができました。
「眠らないのか?」
私のすぐ後ろに立っていたのは、魔王本人でした。冷たい夜風に私達の髪が揺れる。
魔王は左右の色の異なる瞳で私を見つめ、私は見覚えのあるカラーリングに対し、出会ってからの疑問をぶつけることにした。
「貴方、ブランクよね?」
「少し違うな。あれは投影だ。俺の仮初の姿をお前の目の前に映し出しているに過ぎない」
「そう、ブランクなのね」
私の問いに、ノワールは答えない。その沈黙は肯定ととらえることができました。
理由はわかりませんが、ジョアサンはブランクを判別できますし、カトリーヌも深紅の瞳で感づいていた様子。
それでも、素顔を見たことない二人は似た存在止まりだったのでしょう。
しかし、私には一目でブランクと分かった。
白髪に深紅と漆黒のオッドアイ。彼以外にいるだろうか。
それに、ブランクの人知を超えた魔法も、魔王だと言われれば頷けます。
「それで魔王様はワンダーオーブの力に頼って何が必要なのかしら」
「ワンダーオーブに奪われたものを取り返す」
「…………そう、だったら今までの行為は無駄ね」
「何?」
「貴方が必要としているのは、既に目覚めたワンダーオーブよ。それはつまり【赤】のワンダーオーブなんじゃないかしら?」
彼は奪われた。【赤】のワンダーオーブによって浄化された後の魔王なんだわ。
もしそう言うことなら、今この場にいる魔王は浄化済みの存在。そして浄化したのはヒロイン、アリゼでしょう。
それにしても、【赤】のワンダーオーブで浄化されたってことは…………こいつはアレを取り返したいと言うことなのね。
「そんなに取り返したいの?」
「そうだな。魔王、いや王であるには必要な欲望だ」
ノワールにそう言われ、私はまあ確かにそうね。としか言えないなんとも言えない気持ちになりました。
「貴方がブランクだと話せば、少しはみんなも信用してくれるかしら」
「逆もあるだろう。ブランクを信用されなくなるかもしれない」
「そうね。でも、私は信用しているわ」
「…………魔王だぞ?」
「魔王でも…………貴方には一番最初に対等に扱って貰えた気がするの」
「俺も乱暴な言葉を使われたのは、お前が久しぶりかもな」
「そういえば貴方って二千年前から転生したのよね? その話、聞かせてよ」
「…………夜は冷えるな。そろそろ眠るといい」
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