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205話 私は幸せでした
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アリゼはゆっくりと瞳を動かし、やがてその瞳は私を捉えて動きを止める。
「貴女が中心で回っているのは間違いなさそうね」
そういった彼女の周りに浮き上がる剣やメイス。斧や槍などが浮かび上がる。
アリゼが使う魔法はまだ断定できていませんが、彼女は武器を自在に操っていることまではわかります。
幻惑魔法でもない。一体どういう原理なのかしら。無数の武器が自在に動き回りながら私たちに襲いかかる。しかし、その程度の量の武器では、彼女一人で弾き返せるわ。
結界が使えるミゲルがこちら側にいませんが、一網打尽は彼女の専売特許だからね。
「リビオ、【緑】をジャンヌに!! ビルジニ、【橙】をカトリーヌに渡して頂戴!」
私の言葉に反応してリビオとビルジニがワンダーオーブをそれぞれに投げ渡し、カトリーヌは受け止め、ジャンヌは手を滑らせますが、ジョアサンに拾ってもらっていました。
「波動魔法、破壊」
「波動魔法、閃光」
カトリーヌは無詠唱とまではいきませんが、即座に膨大な魔力をため込んで巨大な波動魔法を放ちます。そしてジャンヌさんは膨大な魔力から放たれる光を使い、アリゼの視界を奪って武器の軌道を操れないようにしました。
カトリーヌの波動魔法を前にして形を保てる武器はなく、ジャンヌの波動魔法の前に目を開けていられる人もいない。そう思っていましたが、私の真後ろに突如現れる人の気配。
「うそ!? 時空魔法?」
あまりの速さに時空魔法を疑うほど。彼女の魔法の一つが時空魔法と考えるのが普通でしょうか。ですが加速にしては速すぎるし、ロマンと同じように守護魔法と併用しているようにも見えない。
考えている時間はない。対処しなければ。
「波動魔法、隆起」
彼女の足元の大地を隆起させて彼女の身体を狙うが、その前に宙に浮いた盾が割り込み私の攻撃を受け止める。
すぐ近くにいたアレクシスがビルジニが錬金付与魔法で作成した剣を受取り斬りかかるも、別の鎌がアレクシスを襲い、それを回避する。
少し離れた位置にいたミゲルが急いでこちらに戻ってくる前に、瞬間移動したブランクがアリゼに向かって爪を立てるように構えた右腕を伸ばしたが、それは何かの結界ではじかれてしまいました。
「アンタからつぶせば機能しなくなる。死んで頂戴」
そういった彼女は右手を私の方に伸ばし、手のひらを開いた状態から閉じるように握りしめる。
その瞬間、周囲の金属が私めがけて急激に集まり始めた。
「姫様!!」
近くにいたミゲルが無数の武器をはじきつつ、結界を張ってくださります。しかし、結界もすぐに浪費してしまい、ひび割れ直前。まずい。でも、攻撃があたる直前ならいけるかもしれない。
私はミゲルの腕をつかみ、【白】のワンダーオーブが【橙】に光輝きます。今なら私もできるかもしれない。無詠唱の転移。
根拠のない自信で私は転移を試みる。どちらにせよここで失敗したら終わりなんだから、賭けに出る方が良いに決まっている。
私とミゲルは武器がぶつかるその瞬間にショートワープをして回避する。しかし、私たちのところに固められた金属の塊は、その塊のまま私の方に向かって突進してきてしまいました。
私はとっさにミゲルに突き飛ばされますが、塊はクイっと軌道を私に変える。それに気づいたミゲルがしまったと叫ぶがもう遅い。巨大な鉄塊は私を押しつぶそうと迫ってきていた。
「じっとしていろ間抜け!」
目の前に現れた黒衣の魔王。ブランクが金属の塊を全身で受け止めた。吹き出る生温かな液体が私の顔にかかってしまう。
怖い。私が声を発することができないその時、ブランクが後方にいるみんなの方に視線を向けて叫ぶ。
「神官見習い、ヒールだ!」
「神官見習いではないんだけどね、回復魔法、治療」
ジョアサンが目の前にいるブランクの身体に回復魔法をかける。しかし、ただ受け止めている間に何もしかけて来ないアリゼでもない。先ほどと同じような速度で私の目の前に現れた彼女は、手で手刀のような形を作ると、そこから魔力のエネルギーが放出されて大きな刃のようなものを形成しました。
その刃を振り上げる。今度こそ負けてしまう。そう思った瞬間。私とアリゼの間に茶髪のメイド服を来た女性が割って入る。
「スザンヌ!!」
スザンヌは付与魔法しか使えない! 付与魔法は自身の強化に使えないことから、個人での戦闘向きではない。だからいま彼女は完全に無防備だ。
このままではあのエネルギーの塊はスザンヌを襲う。
「姫様…………いいえ、クリスティーン。最後に友になれて、私は幸せでした」
アリゼがエネルギーの塊を振り下ろす。そして彼女は光と一体化してしまった。
「貴女が中心で回っているのは間違いなさそうね」
そういった彼女の周りに浮き上がる剣やメイス。斧や槍などが浮かび上がる。
アリゼが使う魔法はまだ断定できていませんが、彼女は武器を自在に操っていることまではわかります。
幻惑魔法でもない。一体どういう原理なのかしら。無数の武器が自在に動き回りながら私たちに襲いかかる。しかし、その程度の量の武器では、彼女一人で弾き返せるわ。
結界が使えるミゲルがこちら側にいませんが、一網打尽は彼女の専売特許だからね。
「リビオ、【緑】をジャンヌに!! ビルジニ、【橙】をカトリーヌに渡して頂戴!」
私の言葉に反応してリビオとビルジニがワンダーオーブをそれぞれに投げ渡し、カトリーヌは受け止め、ジャンヌは手を滑らせますが、ジョアサンに拾ってもらっていました。
「波動魔法、破壊」
「波動魔法、閃光」
カトリーヌは無詠唱とまではいきませんが、即座に膨大な魔力をため込んで巨大な波動魔法を放ちます。そしてジャンヌさんは膨大な魔力から放たれる光を使い、アリゼの視界を奪って武器の軌道を操れないようにしました。
カトリーヌの波動魔法を前にして形を保てる武器はなく、ジャンヌの波動魔法の前に目を開けていられる人もいない。そう思っていましたが、私の真後ろに突如現れる人の気配。
「うそ!? 時空魔法?」
あまりの速さに時空魔法を疑うほど。彼女の魔法の一つが時空魔法と考えるのが普通でしょうか。ですが加速にしては速すぎるし、ロマンと同じように守護魔法と併用しているようにも見えない。
考えている時間はない。対処しなければ。
「波動魔法、隆起」
彼女の足元の大地を隆起させて彼女の身体を狙うが、その前に宙に浮いた盾が割り込み私の攻撃を受け止める。
すぐ近くにいたアレクシスがビルジニが錬金付与魔法で作成した剣を受取り斬りかかるも、別の鎌がアレクシスを襲い、それを回避する。
少し離れた位置にいたミゲルが急いでこちらに戻ってくる前に、瞬間移動したブランクがアリゼに向かって爪を立てるように構えた右腕を伸ばしたが、それは何かの結界ではじかれてしまいました。
「アンタからつぶせば機能しなくなる。死んで頂戴」
そういった彼女は右手を私の方に伸ばし、手のひらを開いた状態から閉じるように握りしめる。
その瞬間、周囲の金属が私めがけて急激に集まり始めた。
「姫様!!」
近くにいたミゲルが無数の武器をはじきつつ、結界を張ってくださります。しかし、結界もすぐに浪費してしまい、ひび割れ直前。まずい。でも、攻撃があたる直前ならいけるかもしれない。
私はミゲルの腕をつかみ、【白】のワンダーオーブが【橙】に光輝きます。今なら私もできるかもしれない。無詠唱の転移。
根拠のない自信で私は転移を試みる。どちらにせよここで失敗したら終わりなんだから、賭けに出る方が良いに決まっている。
私とミゲルは武器がぶつかるその瞬間にショートワープをして回避する。しかし、私たちのところに固められた金属の塊は、その塊のまま私の方に向かって突進してきてしまいました。
私はとっさにミゲルに突き飛ばされますが、塊はクイっと軌道を私に変える。それに気づいたミゲルがしまったと叫ぶがもう遅い。巨大な鉄塊は私を押しつぶそうと迫ってきていた。
「じっとしていろ間抜け!」
目の前に現れた黒衣の魔王。ブランクが金属の塊を全身で受け止めた。吹き出る生温かな液体が私の顔にかかってしまう。
怖い。私が声を発することができないその時、ブランクが後方にいるみんなの方に視線を向けて叫ぶ。
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ジョアサンが目の前にいるブランクの身体に回復魔法をかける。しかし、ただ受け止めている間に何もしかけて来ないアリゼでもない。先ほどと同じような速度で私の目の前に現れた彼女は、手で手刀のような形を作ると、そこから魔力のエネルギーが放出されて大きな刃のようなものを形成しました。
その刃を振り上げる。今度こそ負けてしまう。そう思った瞬間。私とアリゼの間に茶髪のメイド服を来た女性が割って入る。
「スザンヌ!!」
スザンヌは付与魔法しか使えない! 付与魔法は自身の強化に使えないことから、個人での戦闘向きではない。だからいま彼女は完全に無防備だ。
このままではあのエネルギーの塊はスザンヌを襲う。
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