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206話 その言葉で十分よ
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今、この瞬間。私を庇ってエネルギーの塊に飲み込まれたスザンヌの姿。いいえ、もうエネルギー体だけが私の視界を占領していた。
「スザンヌ!」
彼女を呼ぶ声は、彼女の耳に届くだろうか。届いてくれただろうか。私は、誰の耳に届けるために、叫んだのだろうか。
彼女が隣にいることはまるで当たり前みたいだった。当たり前なんかじゃなった。私の甘えが、彼女を殺すことになったんだ。心の内側の黒い邪悪な心が暴れだしそうになる。浄化魔法によって吸収した邪な感情が私の深層心理をむしばむ。
ウィルフリードを痛めつけらた時のような感覚。でも、まだだ。まだスザンヌは死んでいない。【白】のワンダーオーブが【紫】に輝きだす。その力で私はまだスザンヌの生命の灯である魔力を感知できた。
【白】のワンダーオーブ。私に力を貸してくれるのね。まだスザンヌが生きているなら、諦めるなんて選択肢をとれるわけないじゃない。
このエネルギー体に身体を入れればまともでいられるわけがない。それでも、なんの防御手段のないスザンヌが無事だというなら、あれは触れた人間を即座に殺せる代物ではない。
「守護魔法、保護」
身体に最低限の防御装甲となるものを身に着け、私はそのエネルギーの中に飛び込んでスザンヌのいる場所に手を伸ばす。無理やり閉じ込められたスザンヌと違い、私は激流に手を突っ込むような感覚に襲われる。一歩、いいえ一ミリ進むことですら苦しすぎる。
こんな世界の中に閉じ込められているのねスザンヌ。
「今、助けるわ」
私が一歩進むことに苦戦していると、誰かが私の肩に手をのせる。そちらに視線を向けると白髪に赤と黒のオッドアイの男性。ブランクが隣にたっていた。
「え? あの鉄塊は?」
「あいつらが引き受けてくれた」
視線の先にはミゲルとアレクシスとリビオとジョアサン、それからオリバーがそれぞれ盾をもって鉄塊を押し返していました。
「このエネルギー体の中にはお前だけでは無理だ。俺だけでも難しい。それでどうしても行きたいというのなら、賭けに出ないか? エネルギーを放っている魔女の周囲は相変わらず金属がガードしている。だが、このエネルギー体を突っ切れば防御なんてさせない。俺は魔女を討つ。お前は仲間でも救えばいい」
「……願ってもない提案だわ」
私を返事を了承と受け取ったブランクは、私達二人の足元に青白い魔法陣を浮かばせる。私は時空魔法、逆再生でみんなに貸したワンダーオーブをすべて私の手元に集めた。
「ブランク、これを」
私は【白】以外のすべてのワンダーオーブを集めた小瓶をブランクに手渡す。ブランクはそれを見て頷き、小瓶を懐にしまい込んだ。仮にここですべてのワンダーオーブを奪われたとしても、私の本来の目的はアリゼを倒すこと。
あれは私にとってはもう無用の長物。でも、夢に出てきた神に言われた【黒】のワンダーオーブの件だけは……いいえ、今は目の前のことに集中しましょう。
ブランクの魔法の力によって私の身体は少しばかり強化されている。
「ブランク」
「なんだ」
「ここまで私を信じてくれてありがとね」
「……なんでだろうな。信じていたわけじゃなかったんだが……それでもお前を選んで良かったと思う」
「その言葉で十分よ、行きましょう」
「ああ」
私とブランクは互いに視線をぶつけてから一度頷いて、エネルギー体の中に一歩ずつ進んでいく。先ほどと違ってなんの抵抗もなくその光の中に足を運べました。
「スザンヌ!」
彼女を呼ぶ声は、彼女の耳に届くだろうか。届いてくれただろうか。私は、誰の耳に届けるために、叫んだのだろうか。
彼女が隣にいることはまるで当たり前みたいだった。当たり前なんかじゃなった。私の甘えが、彼女を殺すことになったんだ。心の内側の黒い邪悪な心が暴れだしそうになる。浄化魔法によって吸収した邪な感情が私の深層心理をむしばむ。
ウィルフリードを痛めつけらた時のような感覚。でも、まだだ。まだスザンヌは死んでいない。【白】のワンダーオーブが【紫】に輝きだす。その力で私はまだスザンヌの生命の灯である魔力を感知できた。
【白】のワンダーオーブ。私に力を貸してくれるのね。まだスザンヌが生きているなら、諦めるなんて選択肢をとれるわけないじゃない。
このエネルギー体に身体を入れればまともでいられるわけがない。それでも、なんの防御手段のないスザンヌが無事だというなら、あれは触れた人間を即座に殺せる代物ではない。
「守護魔法、保護」
身体に最低限の防御装甲となるものを身に着け、私はそのエネルギーの中に飛び込んでスザンヌのいる場所に手を伸ばす。無理やり閉じ込められたスザンヌと違い、私は激流に手を突っ込むような感覚に襲われる。一歩、いいえ一ミリ進むことですら苦しすぎる。
こんな世界の中に閉じ込められているのねスザンヌ。
「今、助けるわ」
私が一歩進むことに苦戦していると、誰かが私の肩に手をのせる。そちらに視線を向けると白髪に赤と黒のオッドアイの男性。ブランクが隣にたっていた。
「え? あの鉄塊は?」
「あいつらが引き受けてくれた」
視線の先にはミゲルとアレクシスとリビオとジョアサン、それからオリバーがそれぞれ盾をもって鉄塊を押し返していました。
「このエネルギー体の中にはお前だけでは無理だ。俺だけでも難しい。それでどうしても行きたいというのなら、賭けに出ないか? エネルギーを放っている魔女の周囲は相変わらず金属がガードしている。だが、このエネルギー体を突っ切れば防御なんてさせない。俺は魔女を討つ。お前は仲間でも救えばいい」
「……願ってもない提案だわ」
私を返事を了承と受け取ったブランクは、私達二人の足元に青白い魔法陣を浮かばせる。私は時空魔法、逆再生でみんなに貸したワンダーオーブをすべて私の手元に集めた。
「ブランク、これを」
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「ここまで私を信じてくれてありがとね」
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「その言葉で十分よ、行きましょう」
「ああ」
私とブランクは互いに視線をぶつけてから一度頷いて、エネルギー体の中に一歩ずつ進んでいく。先ほどと違ってなんの抵抗もなくその光の中に足を運べました。
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