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217話 真の狙い
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準備を終えて宿屋を出る。目的地に向かう行商人を探してそこに相乗りさせてもらった。私たちは服装をよく見かけれる町娘のような恰好に着替え、馬車に駆け込む。
特に怪しまれる様子もなければ、木札の集合に乗った人間にも見えていないはず。とりあえず目的の村に行くまではこの雰囲気で行きましょう。
別にバレバレな恰好で向かってもよかったのですが、露骨な反乱分子の恰好をしていると、万が一王国側が木札の件に気づいていた際に、取り締まられかねないことと、私たちは実際の年齢より六年も加齢しているため、実際身分の証明が不可能なのである。
だから直前までは無関係を装わなければならない。大きな荷台の馬車の中には詩人や旅行者を除けば物騒な男たちばかり。あからさまに木札に関わる話までしていたほどだ。
馬車の揺れが激しい。いい馬車じゃないか、それとも整備されていない道なのか。それでも何度か馬車が行き来すれば多少は道ができてここまで揺れないはずだろう。そうでなければ、よほど田舎の村に向かっているとしか考えられない。
しばらくしないうちに馬車は止められた。どうやら検問がはられていたようで、馬車の中を探られる。騎士団の人間がゾロゾロ入ってきて乗客である私たちは全員おろされてしまいました。
運がいいことに顔見知りの騎士はいない様子。私の捜索だとしても、顔の特徴が同じ他人と判断してもらえるでしょう。
しばらくしないうちに木札を持たされていたほとんどの男たちが連行。私たちは風貌や、幻惑魔法の使用が確認されなかったため、特に取り調べもなくスルーしてもらいました。
一応、使える魔法だけ確認されたため、私は守護魔法を、ジャンヌは弱めの波動魔法だけ披露して難を逃れました。
私は失踪者のリストにいる可能性がありますが、ジャンヌはわからない。けれど、光の波動魔法の使い手は少なすぎる上に、私とジャンヌの関係性は広く知れ渡っている。
ジャンヌさんの光の波動魔法は有名すぎる上に、馬上槍大会では都合が悪いことにお母様も観戦していました。まず光の波動魔法使いが現れれば私もいるのではないかと捜索されかねない。
連行された男たちがいなくなってがらがらになった馬車に乗せられた私達。もう検問のような行為はないにせよ、まだまだ油断禁物。騎士団にばれているということは、集合場所で一斉検挙もありうる。どう動こうか村につき次第ジャンヌと作戦会議が必要ね。
私たちは怪しまれないようにたわいもない話をしたりしてその場をやり過ごす。別に今はどう思われようと問題ないかもしれませんが、万が一ということもある。
いつしか村につき、ジャンヌと話し合った結果。集合場所に集まることは辞める代わりに様子をうかがえる場所にいようということになった。
村のはずれの森の中。まだ日が沈んでいない頃に、私とジャンヌはそこにいた。周囲は木々に囲まれていて、【紫】のワンダーオーブの力を使っても誰の魔力も察知できない。今ならいいだろう。
「ジャンヌ、お願い」
「ええ、姫様。波動魔法、光の鳥」
彼女が作る光の鳥。六年という時間。食事も睡眠も省いて鍛錬にだけ注力した彼女が体得した光そのものを物体にする魔法。
それも生物のように象ってそのイメージをより強固にすることで、生物の特徴まで再現している。欠点は夜はとても目立つということ。光を弱めれると触れなくなってしまうこと。
二人で乗って空に飛べることを確認。
「これで行きましょう。下に光が行き届かないように私が幻惑魔法を使うわ」
「ありがとうございます」
さて、今夜の集合。騎士団が勝つか族が勝つか。場合によっては戦闘中に介入も必要ね。
それにしても、騎士団に探られてもなお、続けることに意味はあるのかしら。これって木札を使ってこの地方に騎士団を呼び寄せている?
……………………
「ジャンヌ、帰るわ」
「え? 何でですか? 今夜の集合の様子を見るのですよね」
「そんな素人集団、騎士団に任せちゃいなさい。本命は騎士団がこんな辺境に向かわされている今よ」
特に怪しまれる様子もなければ、木札の集合に乗った人間にも見えていないはず。とりあえず目的の村に行くまではこの雰囲気で行きましょう。
別にバレバレな恰好で向かってもよかったのですが、露骨な反乱分子の恰好をしていると、万が一王国側が木札の件に気づいていた際に、取り締まられかねないことと、私たちは実際の年齢より六年も加齢しているため、実際身分の証明が不可能なのである。
だから直前までは無関係を装わなければならない。大きな荷台の馬車の中には詩人や旅行者を除けば物騒な男たちばかり。あからさまに木札に関わる話までしていたほどだ。
馬車の揺れが激しい。いい馬車じゃないか、それとも整備されていない道なのか。それでも何度か馬車が行き来すれば多少は道ができてここまで揺れないはずだろう。そうでなければ、よほど田舎の村に向かっているとしか考えられない。
しばらくしないうちに馬車は止められた。どうやら検問がはられていたようで、馬車の中を探られる。騎士団の人間がゾロゾロ入ってきて乗客である私たちは全員おろされてしまいました。
運がいいことに顔見知りの騎士はいない様子。私の捜索だとしても、顔の特徴が同じ他人と判断してもらえるでしょう。
しばらくしないうちに木札を持たされていたほとんどの男たちが連行。私たちは風貌や、幻惑魔法の使用が確認されなかったため、特に取り調べもなくスルーしてもらいました。
一応、使える魔法だけ確認されたため、私は守護魔法を、ジャンヌは弱めの波動魔法だけ披露して難を逃れました。
私は失踪者のリストにいる可能性がありますが、ジャンヌはわからない。けれど、光の波動魔法の使い手は少なすぎる上に、私とジャンヌの関係性は広く知れ渡っている。
ジャンヌさんの光の波動魔法は有名すぎる上に、馬上槍大会では都合が悪いことにお母様も観戦していました。まず光の波動魔法使いが現れれば私もいるのではないかと捜索されかねない。
連行された男たちがいなくなってがらがらになった馬車に乗せられた私達。もう検問のような行為はないにせよ、まだまだ油断禁物。騎士団にばれているということは、集合場所で一斉検挙もありうる。どう動こうか村につき次第ジャンヌと作戦会議が必要ね。
私たちは怪しまれないようにたわいもない話をしたりしてその場をやり過ごす。別に今はどう思われようと問題ないかもしれませんが、万が一ということもある。
いつしか村につき、ジャンヌと話し合った結果。集合場所に集まることは辞める代わりに様子をうかがえる場所にいようということになった。
村のはずれの森の中。まだ日が沈んでいない頃に、私とジャンヌはそこにいた。周囲は木々に囲まれていて、【紫】のワンダーオーブの力を使っても誰の魔力も察知できない。今ならいいだろう。
「ジャンヌ、お願い」
「ええ、姫様。波動魔法、光の鳥」
彼女が作る光の鳥。六年という時間。食事も睡眠も省いて鍛錬にだけ注力した彼女が体得した光そのものを物体にする魔法。
それも生物のように象ってそのイメージをより強固にすることで、生物の特徴まで再現している。欠点は夜はとても目立つということ。光を弱めれると触れなくなってしまうこと。
二人で乗って空に飛べることを確認。
「これで行きましょう。下に光が行き届かないように私が幻惑魔法を使うわ」
「ありがとうございます」
さて、今夜の集合。騎士団が勝つか族が勝つか。場合によっては戦闘中に介入も必要ね。
それにしても、騎士団に探られてもなお、続けることに意味はあるのかしら。これって木札を使ってこの地方に騎士団を呼び寄せている?
……………………
「ジャンヌ、帰るわ」
「え? 何でですか? 今夜の集合の様子を見るのですよね」
「そんな素人集団、騎士団に任せちゃいなさい。本命は騎士団がこんな辺境に向かわされている今よ」
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