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218話 再来、最悪の魔女
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「波動魔法、光の鳥」
ジャンヌの波動魔法により、光の鳥が生成される。象られたそれは魔力により直接触れることまで可能になった。
私たちはその鳥に乗って王都まで高速で帰還を試みる。
「遅いわ。守護魔法、保護。時空魔法、超加速」
いくら光の鳥でも、私たちを乗せる以上、一定の速度を出せずに遅くなる。けど、そんなもの私の前では関係ないわ。
出せる速さなら出し切るべき。それくらいしなければ間に合わないくらい私たちは遠くに追いやられてしまった。
私も六年間何もしていなかったわけじゃない。だけど時空魔法、転移の距離が以前より伸びたとはいえここまで遠い土地では不可能だわ。
「ジャンヌ、耐えられる?」
「問題ありません姫様」
私の守護魔法でいくら保護しても、光に近い速さを人体に受けていたら一定以上の負荷が肉体にかかってしまう。
「回復魔法、治癒」
肉体の負荷の軽減のために回復魔法まで重ね掛け。これの発動によって、私は三つの魔法を同時に行使してしまった。
本来なら、魔力の枯渇もあり得る行為ですが、私の手元には七つのワンダーオーブがあり、不可能を可能にしていた。
上空の旅は終焉を迎える。私達の速度ならありえなくもない速さ。すぐに降り立って王都に帰還した。
「まだ無事みたいですね」
「でも、そろそろことが起きてもおかしくはないわ」
王都内はまだまだ平和。とは言い切れる様子ではない。復興作業の件もありますが、姫であるクリスティーンの失踪により大混乱。まあ、後者の原因は私なんですけど。
しかし、禁術となる時空魔法の使用がバレるわけにはいかないし、私たちはもう人前には出られない。少なくとも、姫としては…………
それでも一応、禁術の痕跡を消して復帰する手段もあることにはある。だって簡単なことよ。六年も年を取ったのだから、六年間時間を止めて眠ればいいのよ。まあ、そんな時間は今はないし、そもそも眠る場所もないけどね。
その簡単なことをするには、やはりアリゼを倒した後しかありえない。
「来るとしたら復興作業で疲労したばかりの労働後か……就寝のタイミングね。でも夜こそ警備はしっかりしている。だから夕方。もしそうでないなら」
「そうでないなら?」
「……明け方ね」
「明け方? それはなぜでしょうか?」
「夜の警備の手が一番緩くなるタイミングなのよ。警備兵が極限まで疲労していることと、入れ替わり目前で気が緩んでいるタイミングでもあるわ」
なるほど、とジャンヌが返事をし、私たちは早め早めの休息をとって明け方に備えることにしました。特に魔法を無理やり行使したばかり、私たちは少々疲れ気味の状態。
そして早朝目前。最後の準備を終えた私たちは、国境のどこにでも転移できる準備を整えていました。神々のもとに送られた皆様はもう戻られたでしょうか。それとも…………まだ
「アリゼが現れたら即座に向かうわ。それから青鉛のミユキ。彼女は植物を操っていましたね。おそらくあれは植物を超回復させて元の姿に戻した回復魔法よ」
「回復魔法…………つまり、彼女自身も回復などをして持久戦に持ち込まれる可能性がありますね」
「ええ、でもそれはなんとかなるわ。むしろ、彼女とはしっかり話し合う必要があるのよ」
私がそう言ったことに、ジャンヌはなぜかと聞きたそうにしていましたが、口に出すことはありませんでした。こちらとしても正直、それでありがたい。前世の話なんてされても困るだけでしょうからね。
アリゼにとってこの襲撃。エピローグではただの復讐だと簡素に書かれていましたが、真の目的はジェラールとエリザベートのはず。となれば、戦力の減った今だったら直接王宮に乗り込んでくるはずだわ。
「どこにいても転移してしまえば同じですし、予測ですが敵の現れる場所に向かいましょうか」
「はい」
王宮の壁に転移し、誰にもばれないように気配と魔力を消し去る。久々に帰ってきた王宮。内部に入るのは体感でいえば六年ぶりとなる。今すぐ戻って自室のベッドで眠りたい。
王家の夫婦が眠る宮殿。幼いころは何度も足を運び、今では食事をするために毎日迎えるようになった宮殿。私にとってあそこにある思い出は、最も温かいものだった。だからこそ、壊させやしない。今の現実時間よりも六歳も年をとった姿では、娘と理解してもらえなくても、私はあの二人の娘だから。
そして魔力の感知から、異質な魔力の流れを感じ取る。その異質さは、間違いなくワンダーオーブのもの。ワンダーオーブを持っているのは、私以外にはもうアリゼしかいない。
「来たわ」
私はジャンヌの手を握り、彼女と二人で襲撃を始める前のアリゼの目の前に現れた。
「久しぶりね」
「……誰だったかしら?」
ジャンヌの波動魔法により、光の鳥が生成される。象られたそれは魔力により直接触れることまで可能になった。
私たちはその鳥に乗って王都まで高速で帰還を試みる。
「遅いわ。守護魔法、保護。時空魔法、超加速」
いくら光の鳥でも、私たちを乗せる以上、一定の速度を出せずに遅くなる。けど、そんなもの私の前では関係ないわ。
出せる速さなら出し切るべき。それくらいしなければ間に合わないくらい私たちは遠くに追いやられてしまった。
私も六年間何もしていなかったわけじゃない。だけど時空魔法、転移の距離が以前より伸びたとはいえここまで遠い土地では不可能だわ。
「ジャンヌ、耐えられる?」
「問題ありません姫様」
私の守護魔法でいくら保護しても、光に近い速さを人体に受けていたら一定以上の負荷が肉体にかかってしまう。
「回復魔法、治癒」
肉体の負荷の軽減のために回復魔法まで重ね掛け。これの発動によって、私は三つの魔法を同時に行使してしまった。
本来なら、魔力の枯渇もあり得る行為ですが、私の手元には七つのワンダーオーブがあり、不可能を可能にしていた。
上空の旅は終焉を迎える。私達の速度ならありえなくもない速さ。すぐに降り立って王都に帰還した。
「まだ無事みたいですね」
「でも、そろそろことが起きてもおかしくはないわ」
王都内はまだまだ平和。とは言い切れる様子ではない。復興作業の件もありますが、姫であるクリスティーンの失踪により大混乱。まあ、後者の原因は私なんですけど。
しかし、禁術となる時空魔法の使用がバレるわけにはいかないし、私たちはもう人前には出られない。少なくとも、姫としては…………
それでも一応、禁術の痕跡を消して復帰する手段もあることにはある。だって簡単なことよ。六年も年を取ったのだから、六年間時間を止めて眠ればいいのよ。まあ、そんな時間は今はないし、そもそも眠る場所もないけどね。
その簡単なことをするには、やはりアリゼを倒した後しかありえない。
「来るとしたら復興作業で疲労したばかりの労働後か……就寝のタイミングね。でも夜こそ警備はしっかりしている。だから夕方。もしそうでないなら」
「そうでないなら?」
「……明け方ね」
「明け方? それはなぜでしょうか?」
「夜の警備の手が一番緩くなるタイミングなのよ。警備兵が極限まで疲労していることと、入れ替わり目前で気が緩んでいるタイミングでもあるわ」
なるほど、とジャンヌが返事をし、私たちは早め早めの休息をとって明け方に備えることにしました。特に魔法を無理やり行使したばかり、私たちは少々疲れ気味の状態。
そして早朝目前。最後の準備を終えた私たちは、国境のどこにでも転移できる準備を整えていました。神々のもとに送られた皆様はもう戻られたでしょうか。それとも…………まだ
「アリゼが現れたら即座に向かうわ。それから青鉛のミユキ。彼女は植物を操っていましたね。おそらくあれは植物を超回復させて元の姿に戻した回復魔法よ」
「回復魔法…………つまり、彼女自身も回復などをして持久戦に持ち込まれる可能性がありますね」
「ええ、でもそれはなんとかなるわ。むしろ、彼女とはしっかり話し合う必要があるのよ」
私がそう言ったことに、ジャンヌはなぜかと聞きたそうにしていましたが、口に出すことはありませんでした。こちらとしても正直、それでありがたい。前世の話なんてされても困るだけでしょうからね。
アリゼにとってこの襲撃。エピローグではただの復讐だと簡素に書かれていましたが、真の目的はジェラールとエリザベートのはず。となれば、戦力の減った今だったら直接王宮に乗り込んでくるはずだわ。
「どこにいても転移してしまえば同じですし、予測ですが敵の現れる場所に向かいましょうか」
「はい」
王宮の壁に転移し、誰にもばれないように気配と魔力を消し去る。久々に帰ってきた王宮。内部に入るのは体感でいえば六年ぶりとなる。今すぐ戻って自室のベッドで眠りたい。
王家の夫婦が眠る宮殿。幼いころは何度も足を運び、今では食事をするために毎日迎えるようになった宮殿。私にとってあそこにある思い出は、最も温かいものだった。だからこそ、壊させやしない。今の現実時間よりも六歳も年をとった姿では、娘と理解してもらえなくても、私はあの二人の娘だから。
そして魔力の感知から、異質な魔力の流れを感じ取る。その異質さは、間違いなくワンダーオーブのもの。ワンダーオーブを持っているのは、私以外にはもうアリゼしかいない。
「来たわ」
私はジャンヌの手を握り、彼女と二人で襲撃を始める前のアリゼの目の前に現れた。
「久しぶりね」
「……誰だったかしら?」
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