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高崎塔夜の気付き
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教室に入った俺が目にした光景は、俺の席の前、明翔の席にタカトゥーが座り、そのひざに明翔が乗っているという許せるわけねーだろ、なんでそんな状態になってんだよ、なものだった。
「俺の椅子遠慮なく使ってくれていいのにー」
「深月! おはよ!」
嬉しそうに笑う明翔の横に俺の椅子を並べる。
「おはよ。こっち来い、明翔」
「呂久村、おはよー。ありがとね、けど大丈夫だよ。明翔軽くなったなあ」
何が大丈夫なんだよ!
何も大丈夫じゃねえんだよ!
俺は笑顔を貼り付けるもの限界だってのに、明翔は吞気に笑っている。
「1年前はまだ結構体重あったか。筋肉最盛期は俺80キロ超えてたからね」
「すっかりほっそりしちゃって」
明翔の脇の下からポンポンとウエストまで明翔の体を測定するようにタカトゥーが両手で触る。
その手首をつかんで引きはがす。
「やめろ」
「え、何、怖」
「あ……あー、いや、何してたんだよ、朝っぱらから」
「MV見てたの。ニュージーでめっちゃ流行ってたらしくて」
「MV?」
明翔のスマホじゃないからタカトゥーのなんだろう。
カッコいい外人さんが体にピッタリフィットした黒皮のつなぎで独特なダンスを踊っている。
たしかに日本でもバズりそう。
音がしないからよく見ると、明翔のマッシュの髪に隠れた耳にイヤホンがある。
イヤホン半分ことか、コイツまじ……。
「明翔、こっち座れ」
明翔の脇を抱えてよいしょ、と俺の椅子に座らせる。
「なーに、呂久村ー。私の親友なんだから他の子と仲良くしないでよねっ、とか小学生女児かよ」
「親友じゃねえ」
「え?」
ごめん、明翔。
俺より古い付き合いの親友に知られるのは嫌がるかもしれない。
それに、そもそも俺からクラスのヤツに言わんでほしいって頼んだのに。
だってこのクラス、めんどくさいのがいるんだもん。
「俺は彼氏だ。明翔と付き合ってる」
「え? 明翔と? え?」
完全に戸惑っとるな。
俺と明翔を交互に見たタカトゥーは、呆然となった。
「自分で言っちゃうスタイル」
「だから、ごめんて」
明翔はなぜか嬉しそうに笑ってる。
良かった、明翔的には言っても良かったらしい。
「その手があったか」
「その手?」
呆然としていたタカトゥーが、俺を見上げた。
キリッとした男らしいイケメンフェイスに、なぜか嫌な予感がよぎる。
「マリーアントワネットは言いました。パンがないならお菓子を食べればいいじゃない」
「誰? ハロウィンの話?」
「女に飽きてしまったなら、男を抱けばいいじゃない」
「は?!」
真剣な眼差しで、隣に座る明翔をジーッと見たタカトゥーがこちらを向いてうなずいた。
「うん、明翔ならいける。俺、生きがいを取り戻せたかもしんない」
思わず明翔の腕をつかんで走る。力技で明翔を廊下へと連れだした。
「あー、聞こえなくなっちゃった。どうしたの? 深月」
「聞いてなかったのか……良かった」
何あいつ、本気? 冗談?
「塔夜に返さなきゃ」
「俺が返す!」
イヤホンを外した明翔の前にサッと手を出す。白い小さなイヤホンを握り込んだ。
「めっちゃカッコいい! 深月も聴いてみてよ。すげー耳に残るよ。夢に出てきそう」
「日中は忘れる気満々なのな」
タカトゥーおすすめの曲が明翔内でお気に入り入りしたことは不服だが、その程度ならいっか。
「だって俺、起きてる間は9割深月のこと考えてるもん」
いきなり何?!
弾ける笑顔に弾き飛ばされそうなんだけど?!
9割……十分すぎるって頭では分かってるのに、不満なのマジで嫌だ。
「1割は誰のこと考えてんの」
「食いもん!」
とっさにひざを抱え込んでしゃがみ込んでしまう。
「深月? どうしたの?」
「……その言い方ずるいわー。明翔……」
てか、お前絶対食いもん1割じゃねえし。ヒト限定じゃねえのかよ……。
「深月? なんで顔隠してんの?」
「いーから、今は構うな」
ずるいわー、明翔、マジないわー。
「俺の椅子遠慮なく使ってくれていいのにー」
「深月! おはよ!」
嬉しそうに笑う明翔の横に俺の椅子を並べる。
「おはよ。こっち来い、明翔」
「呂久村、おはよー。ありがとね、けど大丈夫だよ。明翔軽くなったなあ」
何が大丈夫なんだよ!
何も大丈夫じゃねえんだよ!
俺は笑顔を貼り付けるもの限界だってのに、明翔は吞気に笑っている。
「1年前はまだ結構体重あったか。筋肉最盛期は俺80キロ超えてたからね」
「すっかりほっそりしちゃって」
明翔の脇の下からポンポンとウエストまで明翔の体を測定するようにタカトゥーが両手で触る。
その手首をつかんで引きはがす。
「やめろ」
「え、何、怖」
「あ……あー、いや、何してたんだよ、朝っぱらから」
「MV見てたの。ニュージーでめっちゃ流行ってたらしくて」
「MV?」
明翔のスマホじゃないからタカトゥーのなんだろう。
カッコいい外人さんが体にピッタリフィットした黒皮のつなぎで独特なダンスを踊っている。
たしかに日本でもバズりそう。
音がしないからよく見ると、明翔のマッシュの髪に隠れた耳にイヤホンがある。
イヤホン半分ことか、コイツまじ……。
「明翔、こっち座れ」
明翔の脇を抱えてよいしょ、と俺の椅子に座らせる。
「なーに、呂久村ー。私の親友なんだから他の子と仲良くしないでよねっ、とか小学生女児かよ」
「親友じゃねえ」
「え?」
ごめん、明翔。
俺より古い付き合いの親友に知られるのは嫌がるかもしれない。
それに、そもそも俺からクラスのヤツに言わんでほしいって頼んだのに。
だってこのクラス、めんどくさいのがいるんだもん。
「俺は彼氏だ。明翔と付き合ってる」
「え? 明翔と? え?」
完全に戸惑っとるな。
俺と明翔を交互に見たタカトゥーは、呆然となった。
「自分で言っちゃうスタイル」
「だから、ごめんて」
明翔はなぜか嬉しそうに笑ってる。
良かった、明翔的には言っても良かったらしい。
「その手があったか」
「その手?」
呆然としていたタカトゥーが、俺を見上げた。
キリッとした男らしいイケメンフェイスに、なぜか嫌な予感がよぎる。
「マリーアントワネットは言いました。パンがないならお菓子を食べればいいじゃない」
「誰? ハロウィンの話?」
「女に飽きてしまったなら、男を抱けばいいじゃない」
「は?!」
真剣な眼差しで、隣に座る明翔をジーッと見たタカトゥーがこちらを向いてうなずいた。
「うん、明翔ならいける。俺、生きがいを取り戻せたかもしんない」
思わず明翔の腕をつかんで走る。力技で明翔を廊下へと連れだした。
「あー、聞こえなくなっちゃった。どうしたの? 深月」
「聞いてなかったのか……良かった」
何あいつ、本気? 冗談?
「塔夜に返さなきゃ」
「俺が返す!」
イヤホンを外した明翔の前にサッと手を出す。白い小さなイヤホンを握り込んだ。
「めっちゃカッコいい! 深月も聴いてみてよ。すげー耳に残るよ。夢に出てきそう」
「日中は忘れる気満々なのな」
タカトゥーおすすめの曲が明翔内でお気に入り入りしたことは不服だが、その程度ならいっか。
「だって俺、起きてる間は9割深月のこと考えてるもん」
いきなり何?!
弾ける笑顔に弾き飛ばされそうなんだけど?!
9割……十分すぎるって頭では分かってるのに、不満なのマジで嫌だ。
「1割は誰のこと考えてんの」
「食いもん!」
とっさにひざを抱え込んでしゃがみ込んでしまう。
「深月? どうしたの?」
「……その言い方ずるいわー。明翔……」
てか、お前絶対食いもん1割じゃねえし。ヒト限定じゃねえのかよ……。
「深月? なんで顔隠してんの?」
「いーから、今は構うな」
ずるいわー、明翔、マジないわー。
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