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パーティーが始まる
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あ、しまった。
ハロウィンパーティーを我が家で行うにあたり、俺はジュース担当だった。
今からスーパーに買いに行っても間に合うか。
ササッと行って来よう!
足早にスーパーへ行き、ジュースを大量購入。
また足早にマンションへと戻る途中、やたらと人が立ち止まっているのに気付いた。
みんなが一点を凝視している。何だ?
ああ、カイルか。
カイルが赤白のツキのコスプレをしている。
黒いシャツに真っ白いスーツ、赤いスカーフを首から垂らし、白いハット。
おお、衣装完璧じゃん。
ただ、カイルがやるとヤクザには見えない。
撮影途中で迷子になったキッズモデルだ。
分かりやすい地図を渡したつもりだったが、俺が書いたノートの切れ端を手にカイルが突っ立っている。
かっわいい。もうちょっとだけ俺も眺めていよう。
周りの人だかりもカイルにスマホを向け、写真撮影に余念がない。
そんな人たちをカイルは戸惑った視線で見回す。
……あ……ごめん、カイル。
気分良くはねえよな。よし、この観衆の注目を浴びるのは気後れするが、これ以上カイルを見せものにできない。
「ホワイ……ジャパニーズピーポー」
カイル、と声を掛けようとしたのだが、カイルのつぶやきがツボに入ってしまった。
「なんでそのチョイスなんだよ! 日本語ペラペラなのに!」
「ミヅキ!」
心細かったんだろう、カイルが10000点の笑顔で抱きついてくる。
もう周りの視線なんて気にならない。
俺の視界に入るのはカイルだけだぜ?
重いが2つの袋を右手にまとめて持ち、左手はカイルの手を握る。
あー、かわいい。意外と手がヒンヤリしてんのまでかわいい。
部屋のドアの前には、すでに明翔、颯太、一条、タカトゥーがいる。
「お前ら意外と時間通りに来るのな」
「まずは時間にいなかったことを謝ったらどうなんだ」
一条はオーソドックスにドラキュラの仮装か。ドンキで手軽に済ませやがったな。超似合ってるけど。
颯太はカイルを見た時から予想していた。
黒いシャツに赤いスーツ、首から白いスカーフを垂らして赤いハット。
赤白の赤いヤクザである。こちらも到底ヤクザには見えない。
鍵を開け、靴を脱ぎ部屋に上がり込む明翔とタカトゥーを思わず睨む。
「なんで世界観揃えてんだよ」
「絶対明翔に似合うと思ってさー」
「似合ってるけども。お前は明翔に何をさせたいんだ」
アニメキャラのコスプレはあるあるかとは思うが、体操のお兄さんのコスプレなのでやたらピッタリしたただのポロシャツにジャージのズボンである。
なんのドキドキ感もねえ……。
「いやあ、きっと呂久村が期待してるだろうから打ち砕きに行ってやろうと思って」
「狙い通りだよ!」
明翔は満足そうに笑っているので、お気に入りらしい。
「これ、すっげー動きやすい! 普段着にしよっかな」
「いいんじゃね」
明翔にただのポロシャツを着せておいて、タカトゥーは歌のお兄さんの衣装だから白いシャツに割と派手な水色のベストと蝶ネクタイ。
まだこっちの方が良かったなあ。
「てか、呂久村それ仮装してなくね?」
「してるよ。ニートの仮装」
「マジか」
ガチャッとドアから音がした。
え?
と思ってドアが開いていくのを凝視する。
「柳?」
長い金髪をダラリと下ろしてうつむいているから顔はよく見えないが、今俺の家を訪ねてくるような金髪は柳しかいない。
「ピンポンくらい鳴ら――」
ゆっくりと柳が顔を上げる。
青い皮膚、赤い傷、流れる血、口の周りにも血がべったりとこびりついている。
カッと目を開いた眼球は真っ白。
「ぎゃああああああああああ」
全員絶叫である。
俺も恐怖で体がビクッと飛び上がったのは初めてだった。
「遅れて悪かったね。コンタクトを入れるのに意外と手間取ってしまって」
「ぎゃああああああああああ」
誰も聞いてないのにしゃべり続ける柳が恐ろしい。
「本場のハロウィンとはゾンビや悪霊が来るものらしくてね。僕は本物を愛するから忠実に再現してみたよ」
「ぎゃああああああああああん」
かわいいカイルが一条に抱きついて泣いている。
叫び続けていた颯太がヨシヨシとカイルをなでる一条に気付いてしまった。
「帰れ! 柳――! カイルが怯える!!」
柳を蹴り飛ばしてドアを閉め、鍵を掛け念のためロック。
「おーい! せっかく気合い入れてきたのにー。開けてよー」
「入れすぎだ! 帰れ! じゃーな!」
ドンドンとドアを叩く柳に別れを告げ、カイルを抱えてリビングへと向かう。
「大丈夫だ、カイル。魔物は俺が成敗したから」
「うん」
かわいそうに、よほど怖かったのかカイルはまだぐしゅぐしゅと鼻を鳴らす。
「そうだ、ジュース飲む? カイル、トマトジュース好きだって言ってたから買ってあるよ」
「飲む! ありがとう! ミヅキ!」
顔を上げてパッと笑うカイルがかわいい。
後片付けが簡単なように紙コップにそれぞれジュースを入れて、さあパーティーの始まりだ!
ハロウィンパーティーを我が家で行うにあたり、俺はジュース担当だった。
今からスーパーに買いに行っても間に合うか。
ササッと行って来よう!
足早にスーパーへ行き、ジュースを大量購入。
また足早にマンションへと戻る途中、やたらと人が立ち止まっているのに気付いた。
みんなが一点を凝視している。何だ?
ああ、カイルか。
カイルが赤白のツキのコスプレをしている。
黒いシャツに真っ白いスーツ、赤いスカーフを首から垂らし、白いハット。
おお、衣装完璧じゃん。
ただ、カイルがやるとヤクザには見えない。
撮影途中で迷子になったキッズモデルだ。
分かりやすい地図を渡したつもりだったが、俺が書いたノートの切れ端を手にカイルが突っ立っている。
かっわいい。もうちょっとだけ俺も眺めていよう。
周りの人だかりもカイルにスマホを向け、写真撮影に余念がない。
そんな人たちをカイルは戸惑った視線で見回す。
……あ……ごめん、カイル。
気分良くはねえよな。よし、この観衆の注目を浴びるのは気後れするが、これ以上カイルを見せものにできない。
「ホワイ……ジャパニーズピーポー」
カイル、と声を掛けようとしたのだが、カイルのつぶやきがツボに入ってしまった。
「なんでそのチョイスなんだよ! 日本語ペラペラなのに!」
「ミヅキ!」
心細かったんだろう、カイルが10000点の笑顔で抱きついてくる。
もう周りの視線なんて気にならない。
俺の視界に入るのはカイルだけだぜ?
重いが2つの袋を右手にまとめて持ち、左手はカイルの手を握る。
あー、かわいい。意外と手がヒンヤリしてんのまでかわいい。
部屋のドアの前には、すでに明翔、颯太、一条、タカトゥーがいる。
「お前ら意外と時間通りに来るのな」
「まずは時間にいなかったことを謝ったらどうなんだ」
一条はオーソドックスにドラキュラの仮装か。ドンキで手軽に済ませやがったな。超似合ってるけど。
颯太はカイルを見た時から予想していた。
黒いシャツに赤いスーツ、首から白いスカーフを垂らして赤いハット。
赤白の赤いヤクザである。こちらも到底ヤクザには見えない。
鍵を開け、靴を脱ぎ部屋に上がり込む明翔とタカトゥーを思わず睨む。
「なんで世界観揃えてんだよ」
「絶対明翔に似合うと思ってさー」
「似合ってるけども。お前は明翔に何をさせたいんだ」
アニメキャラのコスプレはあるあるかとは思うが、体操のお兄さんのコスプレなのでやたらピッタリしたただのポロシャツにジャージのズボンである。
なんのドキドキ感もねえ……。
「いやあ、きっと呂久村が期待してるだろうから打ち砕きに行ってやろうと思って」
「狙い通りだよ!」
明翔は満足そうに笑っているので、お気に入りらしい。
「これ、すっげー動きやすい! 普段着にしよっかな」
「いいんじゃね」
明翔にただのポロシャツを着せておいて、タカトゥーは歌のお兄さんの衣装だから白いシャツに割と派手な水色のベストと蝶ネクタイ。
まだこっちの方が良かったなあ。
「てか、呂久村それ仮装してなくね?」
「してるよ。ニートの仮装」
「マジか」
ガチャッとドアから音がした。
え?
と思ってドアが開いていくのを凝視する。
「柳?」
長い金髪をダラリと下ろしてうつむいているから顔はよく見えないが、今俺の家を訪ねてくるような金髪は柳しかいない。
「ピンポンくらい鳴ら――」
ゆっくりと柳が顔を上げる。
青い皮膚、赤い傷、流れる血、口の周りにも血がべったりとこびりついている。
カッと目を開いた眼球は真っ白。
「ぎゃああああああああああ」
全員絶叫である。
俺も恐怖で体がビクッと飛び上がったのは初めてだった。
「遅れて悪かったね。コンタクトを入れるのに意外と手間取ってしまって」
「ぎゃああああああああああ」
誰も聞いてないのにしゃべり続ける柳が恐ろしい。
「本場のハロウィンとはゾンビや悪霊が来るものらしくてね。僕は本物を愛するから忠実に再現してみたよ」
「ぎゃああああああああああん」
かわいいカイルが一条に抱きついて泣いている。
叫び続けていた颯太がヨシヨシとカイルをなでる一条に気付いてしまった。
「帰れ! 柳――! カイルが怯える!!」
柳を蹴り飛ばしてドアを閉め、鍵を掛け念のためロック。
「おーい! せっかく気合い入れてきたのにー。開けてよー」
「入れすぎだ! 帰れ! じゃーな!」
ドンドンとドアを叩く柳に別れを告げ、カイルを抱えてリビングへと向かう。
「大丈夫だ、カイル。魔物は俺が成敗したから」
「うん」
かわいそうに、よほど怖かったのかカイルはまだぐしゅぐしゅと鼻を鳴らす。
「そうだ、ジュース飲む? カイル、トマトジュース好きだって言ってたから買ってあるよ」
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