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一章 出会いと魔女の本領発揮『憤怒』
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(なにこれ……。)
大きなスクーターのようなものが、砂漠のとある付近にて発生していた。発生、というのもおかしいかもしれない。拝啓お母様、お父様。私はスクーターを発見いたしました。異世界で。
(まさか扉を開けたらそこが砂漠とは思わないじゃない?この世界どこで○ドアもあるのね……。)
げんなりとしながらふりかえれば、もうすでに扉は跡形もなく消え去っており、なくなく砂漠をさ迷うこととなったのだ。
「と、言っても……魔法で水も食料も出せるし……まってこれなら……。」
思い出すはあのハリ○タのキャンプ用の家……テント。
「うぃんがー……だめねこれは著作権が……しかも違う呪文だわ。……家よでなさい!」
私が持ち歩く魔法の杖(家にいつのまにか飾られていた、綺麗な装飾のついた、なぜか折れない杖)をふれば、するすると音を控えながらテントが出来上がってゆく。完成と共に足を踏み入れれば、中にはとても広いリビングと部屋がいくつか……。
(これ何畳よ……ひぃ、ふぅ、みぃ……30畳以上あるでしょ!?)
ちなみにトップクラスの高級マンションは25畳ほどである。おそろしや、しかもこれはリビングだけでである。
お腹空いたわと半分遠くへ思考をとばしていれば、宝石のついた机の上に音ひとつなくフレンチトーストと牛乳が現れる。もっと念じればパンケーキがでた。
震えながら外にでて空気を吸う。目の前の蝶が気になるが……なんで砂漠に蝶々いるのよ。と疑問に思えば、どんどんと増えている。発生源はどこ!?と虫嫌いの私は血眼で探せば、どうやら杖かららしい。
この杖は空気を読み雰囲気を上げる機能もあるらしい。これが虫嫌いの私でなければ最高の絶景だったでしょう。あわてて杖に、蝶々をこれ以上増やさないでと懇願すれば、止まってくれた。安心しながらテントに入り……
「探索よー!!」
おー!と右腕を掲げたのだった。だってこんなに広いとワクワクするんだもの。
やる気に満ち溢れた私は、蝶々があんな不幸を呼ぶとは思いもしなかったわ。
「み、水は……。」
「もうありません……。」
部下に確認しても、もう食料も底をつきたという。褐色の肌を汗に濡らせ、髪をかき混ぜおえた腕を下ろす。
人々に忌み嫌われる王として私は、ごく少数の部下を引き連れ国をでた。元々、見えざるものの声が聞こえる体質の私は、忌み子だと家族に嫌われた。灼熱の国だというのに、冷たさを表すような白い髪は、災いのこだと国民に知らしめた。しかし、実力でのし上がり、ようやく認めてもらえたと思ったところで……国民として正しい姿の弟が、私を冤罪で処刑にしようと目論んだ。もちろん、殺られる気はさらさらなく、察知したときから、脱出の目処は立てていた。しかし、国民が安泰に過ごすことを考えれば、なかなか思いは踏みきれなかった。しかし、いよいよ国民を味方に付けた弟をみれば……尻尾を巻いて無様に逃げるしか道はなかった。
「我々はここまでなのか……。」
神は残酷だ。ここまでしても、救いの手すら差しのべてくれない。
(悪魔でもなんでもいい、だれか、我々を……)「助けてくれ……」
藁にもすがる思いで、辛うじて喉を振り絞り声を出す。
すると、透明な、薄く紫のような、赤いような、いろとりどりの蝶が我々に近づいてきた。
(なぜ、こんな砂漠に蝶が……?)
書物で見たことしかない蝶は、図面よりもはるかに幻想的であった。その蝶は、まるで着いてこいとでも言うように、私の頭の上を飛び回ったと思うと、どこかへ向かっていく。
「……みなのもの、蝶についていけ。」
証拠はない、しかし確証はあった。蝶についていけば、助かる、と。
ざっ、ざっと足を踏み鳴らし、ない体力を絞り出して歩けば、着いたのは小さな布の塊だった。
蝶は、入り口のように布が捲れるところをひらひらと飛んでいる。
(人がいるのか……?運が良ければ、食料……せめて、水だけでも貰えるかもしれない。)
そのとき、隊員の一人が、このままではいけません!物資を奪わなければ生きていけません!と叫び出す。暑さや空腹でやられているのか、正常ではない考えを導きだしているようだ。それは、その隊員だけでなく、他の者たちも……。
「まて!」
「ですが王!全滅では我々の野望は叶いませぬ!あなたの、国民を豊かにするという望みはどうなるのです!?」
「っ……。ならば、私だけが入り、交渉しよう。もしだめだったときは……力を貸してくれ。」
そう言い残し、葛藤のすえ、捲る。
足を踏み入れたとたん、ぐるりと視界の風景がかわり。
「なんだこれは……!?」
王族よりも豪華絢爛な物が飾られ、天界にでも紛れ込んだかのように錯覚さえする部屋は、そとからみてどう考えても想像つかないだろう。
宝石で飾られた机?には、パンがなにかにひたしてあるようなものと、白い液体が入れ物に入っている。その横には、丸く薄いものが重ねられて置かれていた。みたところ食べ物のようだ。
ぐぅ~
(家主には申し訳ないが……。)
ごくりと喉がなり、次の瞬間には食い尽くしてしまっていた。しかし、口のなかはあの至福の味を覚えている。
どうやら家主は大変金持ちらしい。これならば多少強奪しても……と邪な思考がよぎったとき、ギィと音を立て奥の扉が開く。
(奥に進めということか……?)
警戒しながら進むと、ひとつの部屋へと繋がっていた。
恐る恐る扉を開けば、そこには、この世界には希少なはずの女が、色香を振り撒きながら、椅子に座っていた。
いらっしゃい、と私に微笑みかけて。
(えっ、だれだれだれよこの人!?)
怪しい女ごっこをしたくなり杖に命じてドアをギッタンバッタン遠隔で開けてたらしらないなんかアラブっぽいイケメンが入ってきたんですけど!?
(えっ、これ杖ちゃんによる幻!?なんかうなずいてる気がするわ、きっとそうなのよね!?)
無理やり自分を納得させごっこを続ける。じゃないと不審者が入ってきた恐怖に勝てなかったのよ………(泣)
「食料を、くれないか。」
両膝をつきこちらに懇願するその表情はまさに哀れと言うような……なんか映画みたいな演技力ねこの幻。
「仲間を、助けてくれないか!死にそうなんだ……!」
「あら、食料だけでいいの?」
(なんかのってきちゃったわ♥️)
するり、と彼に近づき胸元をトン、と人差し指で指す。
「貴方が対価を支払うなら、満足するまでここに置いてあげるわ。ええ、いいのよ、仲間たちは好きにしていてかまわないわ。対価は、貴方だけが払ってくれれば。」
「……ああ、必ず支払おう。奴隷にだってどんな風にでも好きに扱ってくれてかまわない。こんなに美しい人を最後にみれるとは光栄だ。」
その諦めたような表情をみて、違和感を抱く。
「……仲間をつれてきていいわよ。」
数分まってれば、30人近くを連れてきた。幻にしてはおかしい、多すぎる。
(……まさか、本物?)
もう一度アラブっぽいイケメンに近づき頬をさわる。触感、暖かさ、人間だわ!?
「対価はなんだ?」
「……の、のちのち伝えるわ。体を休めるのが先ですよ……?部屋は、好きなように使っていいですから……。」
「!……感謝する。」
へやから彼らがいなくなったあと、するずると座り込む。頭のなかはどうしましょうということでいっぱいだ。もう帰りたいわ。
寝室に向かい寝ようと、この部屋のドアを開けば、そこはいつもの私の家の寝室。
(そう言えば私転移できるわ。)
どうやらどこでもドアはいつでも出せるようでした。
大きなスクーターのようなものが、砂漠のとある付近にて発生していた。発生、というのもおかしいかもしれない。拝啓お母様、お父様。私はスクーターを発見いたしました。異世界で。
(まさか扉を開けたらそこが砂漠とは思わないじゃない?この世界どこで○ドアもあるのね……。)
げんなりとしながらふりかえれば、もうすでに扉は跡形もなく消え去っており、なくなく砂漠をさ迷うこととなったのだ。
「と、言っても……魔法で水も食料も出せるし……まってこれなら……。」
思い出すはあのハリ○タのキャンプ用の家……テント。
「うぃんがー……だめねこれは著作権が……しかも違う呪文だわ。……家よでなさい!」
私が持ち歩く魔法の杖(家にいつのまにか飾られていた、綺麗な装飾のついた、なぜか折れない杖)をふれば、するすると音を控えながらテントが出来上がってゆく。完成と共に足を踏み入れれば、中にはとても広いリビングと部屋がいくつか……。
(これ何畳よ……ひぃ、ふぅ、みぃ……30畳以上あるでしょ!?)
ちなみにトップクラスの高級マンションは25畳ほどである。おそろしや、しかもこれはリビングだけでである。
お腹空いたわと半分遠くへ思考をとばしていれば、宝石のついた机の上に音ひとつなくフレンチトーストと牛乳が現れる。もっと念じればパンケーキがでた。
震えながら外にでて空気を吸う。目の前の蝶が気になるが……なんで砂漠に蝶々いるのよ。と疑問に思えば、どんどんと増えている。発生源はどこ!?と虫嫌いの私は血眼で探せば、どうやら杖かららしい。
この杖は空気を読み雰囲気を上げる機能もあるらしい。これが虫嫌いの私でなければ最高の絶景だったでしょう。あわてて杖に、蝶々をこれ以上増やさないでと懇願すれば、止まってくれた。安心しながらテントに入り……
「探索よー!!」
おー!と右腕を掲げたのだった。だってこんなに広いとワクワクするんだもの。
やる気に満ち溢れた私は、蝶々があんな不幸を呼ぶとは思いもしなかったわ。
「み、水は……。」
「もうありません……。」
部下に確認しても、もう食料も底をつきたという。褐色の肌を汗に濡らせ、髪をかき混ぜおえた腕を下ろす。
人々に忌み嫌われる王として私は、ごく少数の部下を引き連れ国をでた。元々、見えざるものの声が聞こえる体質の私は、忌み子だと家族に嫌われた。灼熱の国だというのに、冷たさを表すような白い髪は、災いのこだと国民に知らしめた。しかし、実力でのし上がり、ようやく認めてもらえたと思ったところで……国民として正しい姿の弟が、私を冤罪で処刑にしようと目論んだ。もちろん、殺られる気はさらさらなく、察知したときから、脱出の目処は立てていた。しかし、国民が安泰に過ごすことを考えれば、なかなか思いは踏みきれなかった。しかし、いよいよ国民を味方に付けた弟をみれば……尻尾を巻いて無様に逃げるしか道はなかった。
「我々はここまでなのか……。」
神は残酷だ。ここまでしても、救いの手すら差しのべてくれない。
(悪魔でもなんでもいい、だれか、我々を……)「助けてくれ……」
藁にもすがる思いで、辛うじて喉を振り絞り声を出す。
すると、透明な、薄く紫のような、赤いような、いろとりどりの蝶が我々に近づいてきた。
(なぜ、こんな砂漠に蝶が……?)
書物で見たことしかない蝶は、図面よりもはるかに幻想的であった。その蝶は、まるで着いてこいとでも言うように、私の頭の上を飛び回ったと思うと、どこかへ向かっていく。
「……みなのもの、蝶についていけ。」
証拠はない、しかし確証はあった。蝶についていけば、助かる、と。
ざっ、ざっと足を踏み鳴らし、ない体力を絞り出して歩けば、着いたのは小さな布の塊だった。
蝶は、入り口のように布が捲れるところをひらひらと飛んでいる。
(人がいるのか……?運が良ければ、食料……せめて、水だけでも貰えるかもしれない。)
そのとき、隊員の一人が、このままではいけません!物資を奪わなければ生きていけません!と叫び出す。暑さや空腹でやられているのか、正常ではない考えを導きだしているようだ。それは、その隊員だけでなく、他の者たちも……。
「まて!」
「ですが王!全滅では我々の野望は叶いませぬ!あなたの、国民を豊かにするという望みはどうなるのです!?」
「っ……。ならば、私だけが入り、交渉しよう。もしだめだったときは……力を貸してくれ。」
そう言い残し、葛藤のすえ、捲る。
足を踏み入れたとたん、ぐるりと視界の風景がかわり。
「なんだこれは……!?」
王族よりも豪華絢爛な物が飾られ、天界にでも紛れ込んだかのように錯覚さえする部屋は、そとからみてどう考えても想像つかないだろう。
宝石で飾られた机?には、パンがなにかにひたしてあるようなものと、白い液体が入れ物に入っている。その横には、丸く薄いものが重ねられて置かれていた。みたところ食べ物のようだ。
ぐぅ~
(家主には申し訳ないが……。)
ごくりと喉がなり、次の瞬間には食い尽くしてしまっていた。しかし、口のなかはあの至福の味を覚えている。
どうやら家主は大変金持ちらしい。これならば多少強奪しても……と邪な思考がよぎったとき、ギィと音を立て奥の扉が開く。
(奥に進めということか……?)
警戒しながら進むと、ひとつの部屋へと繋がっていた。
恐る恐る扉を開けば、そこには、この世界には希少なはずの女が、色香を振り撒きながら、椅子に座っていた。
いらっしゃい、と私に微笑みかけて。
(えっ、だれだれだれよこの人!?)
怪しい女ごっこをしたくなり杖に命じてドアをギッタンバッタン遠隔で開けてたらしらないなんかアラブっぽいイケメンが入ってきたんですけど!?
(えっ、これ杖ちゃんによる幻!?なんかうなずいてる気がするわ、きっとそうなのよね!?)
無理やり自分を納得させごっこを続ける。じゃないと不審者が入ってきた恐怖に勝てなかったのよ………(泣)
「食料を、くれないか。」
両膝をつきこちらに懇願するその表情はまさに哀れと言うような……なんか映画みたいな演技力ねこの幻。
「仲間を、助けてくれないか!死にそうなんだ……!」
「あら、食料だけでいいの?」
(なんかのってきちゃったわ♥️)
するり、と彼に近づき胸元をトン、と人差し指で指す。
「貴方が対価を支払うなら、満足するまでここに置いてあげるわ。ええ、いいのよ、仲間たちは好きにしていてかまわないわ。対価は、貴方だけが払ってくれれば。」
「……ああ、必ず支払おう。奴隷にだってどんな風にでも好きに扱ってくれてかまわない。こんなに美しい人を最後にみれるとは光栄だ。」
その諦めたような表情をみて、違和感を抱く。
「……仲間をつれてきていいわよ。」
数分まってれば、30人近くを連れてきた。幻にしてはおかしい、多すぎる。
(……まさか、本物?)
もう一度アラブっぽいイケメンに近づき頬をさわる。触感、暖かさ、人間だわ!?
「対価はなんだ?」
「……の、のちのち伝えるわ。体を休めるのが先ですよ……?部屋は、好きなように使っていいですから……。」
「!……感謝する。」
へやから彼らがいなくなったあと、するずると座り込む。頭のなかはどうしましょうということでいっぱいだ。もう帰りたいわ。
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