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一章 出会いと魔女の本領発揮

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屋敷に帰り(スライムつき)、書斎で文献を眺めながらスライムをつつく。
「すっごくいまさらだけど、このスライムってどうやって育てるのかしら……ご飯ってなにが必要なの?お手洗いとかも必要?」
「いいえ、スライムには基本食事や排泄などはいりません。」
「ひえっ!?」
耳元で良い声で囁かれビビる。振り向けば、金髪をポニーテール状態にしている、人によっては冷たいと思うだろう凛々しい顔のイケメンが執事服のようなものを来て、蝶を舞わせながら立っていた。
「あの……貴方は……??」
「申し遅れました。掃除妖精、
ジェイ・ジャックと申します。掃除妖精とは言ってますが、家事全般させていただいてます。砂漠でのテントのときも、ご要望を読み取りすぐさま作らせていただきました。」
「えっ、あれあなたなの!?すぐに出てきたけど……。」
「ええ、私は時間を止めることができますので。」
ぱちん、と彼が音を鳴らすと同時に、目の前にコーヒーが置かれる。
「いかがでしょう。お嬢様がこの屋敷をお作りになってから、住まわせていただいておりますが、お嬢様はご満足いただけてますでしょうか?」
「あ……じゃあいつのまにか廊下がきれいになってたりお風呂のバリエーションが花風呂になってたりして豊かなのも……。」
「私でございます。」
「いつもありがとう!!」
そういえば、魔法使えるからって調子にのって大きな屋敷作って、そうじたいへーんってあとで気づいたけどいつのまにかきれいになってたりして不思議だったのよね。
「ちなみにどうしてお嬢様……?」
「お嬢様はまだお若いですし、夫もおりませんし……ああ、私を夫にいたします?それなら奥様とお呼びしますが。」
「いや……夫が妻を奥様呼びはおかしいわよ?」
「おや、そうですか……?残念です。一応稼ぐ力はございますよ?たまに冒険者としてドラゴン退治しに行きますし。お金は全て金庫にはいってます。ああ、安心してください私のものは貴方のものですので。」
「逆ジャイ◯ンみたいね……。いや申し訳ないわ、貴方のお金なのに……。ごめんなさいね。」
お金はすぐ返すわ、なんとか働いて……といえば絶望したように膝から崩れ落ちた。
「そんな、貴方に貢ぐのが私の楽しみなのに……!?」
「私の立ち位置どうなってるの……!?」
「愛しい人です!最初はまぁ住むところがあるならってかんじでしたが、お嬢様をみた瞬間一目惚れで私が使われるならこの人しかいないと思ったのです!」
「あら……そうなのね……??」
なんかいいらしい。ならありがたくお借りするわといえば、借りないでくださいもらってください!とその冷淡な顔つきに似合わず元気よく言われる。こういうときはこうよね、おもしれー男……。
彼はそのあと美味しいサンドイッチを振る舞ってくれて、一緒に食べた。まぁ新しい住人が増えました!……というか認識しました。
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