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01話
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人間が暮らすエルドラド王国と竜人が暮らすアブソルート王国、ふたつの国家が存在するヤタ大陸のエルドラド国境付近にある小ぶりな館にアウラは居た。
普段の質素な服と違い上等な白い薄絹をまとった姿は中性的な彼の魅力を最大限に引き出しており、清廉さの奥にある抗いがたい妖艶さを見る者に印象付けている。しかし、華やかな衣装とは反対にアウラの表情は晴れず、少し後に来訪する予定の客人のためにお茶を用意しながら深く息を吐き出した。
(……大丈夫。今日もきっと成功させられる)
アウラはそう自分に言い聞かせて、熱湯の中で舞う茶葉をじっと見つめながら指示役から渡された情報をそらんじる。
「ターゲットはアブソルートの役人。エルドラド兵の捕虜を収監する施設の関係者で、情報を聞き出すために神経に作用する毒を服用させよ」
ティーポットのお湯が完全に飴色になると、アウラは少量の粉を混ぜ込む。指示役が用意した毒だ。もし、ターゲットがこのお茶を飲めばその時点でアウラの役目は終わる。しかし、警戒して口にしなかった場合はアウラの能力を使って毒を飲ませる必要が出てくる。アウラは自らの能力を活用する場面がこないことを祈った。
その時、部屋の扉が独特なリズムでノックされる。客人来訪の合図に、アウラは負の感情を振り払うよう頭を小さく振った後、不自然でない微笑みを張り付けて扉を開ける。
「お待ちしておりました」
扉の先に佇む図体の大きな竜人の男は、無言のままアウラの横を通り部屋の中へ入ると案内を待たずに椅子に腰かけた。アウラはその横柄な様子に内心で呆れながらも微笑みを崩さず歩み寄る。
(地位も権力もある竜人族が、大嫌いな人間のオメガを買いにくるなんて…なんて滑稽なんだろう)
「飲み物を用意しておりますが、お飲みになりますか」
「要らん。それよりも近くへ」
不機嫌に鼻を鳴らした男の元へ足音もなく近寄りながら、アウラは浮かべる笑みの種類を切り替えた。艶やかに誘うような笑顔を向けられた男の表情が入室後初めて動く。
椅子の横に辿りついたアウラは興味を示した男の頬をするりと撫でてから、自分の襟元を寛げてハリのある透き通るような白い肌を見せつけた。男の視線はわかりやすいほど露わになった肌に釘付けで、アウラはこの任務の成功を確信する。
(可哀想な人……自尊心を満たすために訪れた先で、国家の大切な情報を抜き取られるなんて少しも考えていないんだろうな)
アウラが自分のことを憐れんでいると知らない男は、アウラの腕を強引に引き寄せ膝の上に跨らせる。
「あっ……」
漏れ出たあえかな声に機嫌を良くしながら、男はアウラのはだけた腿をいやらしく撫でた。アウラは擽ったさに肩をすくめつつ目の前の首に腕を回し、こめかみ近くから生える竜人族の特徴である角を褒めそやす。
「立派な角ですね。竜人の皆さんは角の大きさに能力の高さが現れると聞きました」
向けられる言葉にニヤつく男に、赤く光る目を細め、アウラは男を見下ろすような姿勢のまま顔を寄せた。唇が触れ合う期待にごくりと喉を鳴らす男の口を指でなぞって開かせたアウラは、口の中に貯めていた唾液を舌を伝わせて一筋流し込む。
「焦らすつもりか?」
アウラの後頭部に手を回し引き寄せようと動いた男は、次の瞬間力を失くしてぐったりと椅子の背にもたれ掛かった。無様に口を開けて虚ろに宙を見つめる男の姿を見ながら膝から降りたアウラは、裾をなおしつつ呟く。
「焦らされるのは嫌いですか? でも、口付けた瞬間貴方の人生は終わりを迎えますよ」
悲しげに笑ったアウラはベッドに置いていた上着を羽織ると、枕元の呼び出しベルを鳴らした。響く音が小さくなる頃、部屋に黒ずくめの男女が入ってくる。
「アウラ、殺してはいないな」
「はい。意識が虚ろになる程度の量です」
声を掛けてきた男にアウラが答える間にターゲットの男の脈を計り瞳孔を確認していた女が、アウラの言葉を裏付けるように頷いた。黒ずくめの男はほうっと息を吐くと、アウラの背を押す。
「後はこちらで情報を聞き出す。お前はもう教会に戻っていい」
「はい」
アウラは緊張が解け、今にも震えだしそうな体を自らの腕で抱き締めながら、部屋を後にした。
国境から馬車に揺られること数刻。アウラはエルドラ王国の中心地にある、テレス教教会の本院で祈りを捧げていた。
(神よ……私の罪をお赦しください)
荘厳な雰囲気のなか、月の光を浴びて一心に希うアウラの姿はまるで1枚の絵画のようで溜息が出るほどだ。大抵の人間が声を掛けるのを躊躇うような状況であったが、まるで気にしない男が足音荒く寄ってくる。
「おい、愚図アウラ。クソ野郎が呼んでるぞ」
「……ヘリオス」
声に反応して顔を上げたアウラの長い髪がはらりと揺れ、白金の光を放つ。ヘリオスと呼ばれた男はそんな風景にすら苛立つのか、灰色がかった銀の髪をかき乱し舌を打った。アウラにも舌打ちは聞こえていたはずだが、いつものこと過ぎて気にならなくなっている彼は言及することなく頷いて返す。
「クソ野郎はどうかと思うよ。ミロ様は執務室にいらっしゃるの?」
「神の代行者とか言いながら、オレたちに黒いことさせるヤツをクソって呼ばずになんて呼ぶんだ」
うんざりしたような表情で悪し様に呻くヘリオスは、アウラの問いかけに答えるように親指で目的の人物がいる方向を指さした。
「竜人から人間を守るために必要なことをしているだけだよ」
アウラの優等生のような回答に、ヘリオスは肩をすくめるだけで返事をしようとしない。アウラはこれ以上言っても意味がないと理解しているので、苦笑しながら聖堂を離れた。
テレス教のトップである教皇の執務室を訪ねたアウラが緊張を隠しながら扉をノックすると、一瞬の間の後に中から低く少し掠れた声が入室を促す。
「入りたまえ」
「失礼いたします」
扉の正面の執務机から立ち上がった60代半ばほどの男は、厳格な見た目とは裏腹に優しげな笑みを浮かべアウラを歓迎する。手で執務机の前に配置されたソファを促すので、アウラは小さく会釈をしながら腰を下ろした。
「お帰り。今晩もうまくやれたようだね」
「はい、ミロ様」
アウラの正面に腰を下ろしたミロは満足そうに頷くと、慈しむように榛色の三白眼を細める。
「素晴らしいよアウラ。貴方の活躍のおかげで、竜人に虐げられる人間を救うことができるだろう」
褒め称える言葉に小さく首を横に振り、謙遜してみせるアウラ。
「いえ、全ては猊下のお導きがなければ成しえなかったことです。私にできることは多くありませんし……」
うなだれるように視線を下げるアウラの様子にミロは僅かに目をみはった後、優しく声を掛ける。
「アウラ。貴方は貴方にしかできないことをいつもこなしてくれているではないか。誰よりも苦しく難しいことを、その特異な体で」
ミロの言う特異な体とは、アウラの特殊な体質のことを指していた。アウラは、エルドラド王国の伝説に残る『毒姫』と同じ特殊な肉体を持っているのだ。
毒姫とは、竜人と袂を分かち国を起ち上げた初代エルドラド国王の影となって活躍した女性のことで、あらゆる毒や薬に耐性を持ち摂取した成分を蓄えることのできる奇跡の体質を持っていたと伝えられている。彼女はその類稀な体質を生かして己の肉体を激毒で満たし、唾液をはじめとした体液や髪の毛1本すらも武器にして数多の敵を屠ったのだ。
(……長く続く竜人との戦争に役立っていることはわかっている。でも、胸を張れることだとはどうしても思えない)
アウラの脳裏に14歳の頃から今晩に至るまでの間に出会った竜人たちが浮かぶ。一方で捨てられた自分を育ててくれた地元の教会の修道女たちと、可能性を見出してそばに置き不自由ない生活をおくらせてくれるミロの姿も浮かんでくる。戦場ではない場所で人を害して国を守ることの後ろめたさを感じる度に、アウラはこの考えは役に立ちたいと思う人々への一種の裏切りではないかとも考えてしまい、八方塞がりに陥ってしまうのだ。どう返事をするべきか迷ったアウラは、ミロの励ましの言葉に小さく頷くだけに止めた。
「自分のことを誇ると良い。そして、そんなアウラにしか任せられない重要な任務ができた」
アウラの心情も知らず、ミロは自身の膝に肘をついて膝の間で手を組んだ。目つきも雰囲気も変ったことに気が付いたアウラが姿勢を正すと、声を潜めて続ける。
「近々、アブソルート国側から休戦協定を持ちかけられる」
悪いことしか想像していなかったアウラは、想像と違って前向きな単語がもたらされたことに驚いた。引き締めていた表情を緩めミロに顔を寄せる。
「ようやく事態が進展するのですね……!」
しかし、ミロの表情は厳しいままで、アウラの期待を否定するように眉間の皺が増えた。
「違うのだよ、アウラ。アブソルートの若き王ジークは休戦を装って我々を油断させ、生け捕りにして奴隷とするつもりなのだ」
「っ!」
ミロの言葉に息を飲むアウラ。肖像画すら出回っていない秘密主義の現竜人王が鎖に繋いだ人間を好き勝手する姿が目に浮かぶようで、アウラの心臓は痛みを覚えるほど強く速く脈打った。
「国王陛下とも話をして、我が国は奴らの作戦に騙されているふりをしながらアブソルート王の暗殺を実行することになった」
平静を保とうとしていたアウラは、間を置かずに鈍器で頭を殴られたかのような衝撃をうけて思わず立ち上がる。
「竜人王を暗殺っ……?」
「アウラ」
そんなアウラの言動を窘めるようにミロが鋭く名前を呼ぶと、我に返ったアウラは体を縮こまらせながら座った。呆然としているようでありながら、アウラの脳は全速力で回転していて、これからミロに告げられるであろう言葉に辿りつく。
「その暗殺を担当するのが私……なのですか」
「ああ。協定の場ですぐに行動を起こすことはできない。少し日が空いてから隙を狙うのがいいだろう」
肯定されたことで、アウラの口の中は緊張でカラカラに渇いていった。
(初めての暗殺対象が竜人王だなんて……本当に僕にできるのか? 僕の潜入技術はそこまで高くないし、暗殺後に抜け出すのだって難しいだろう)
アウラは自分の不得手な技術に思い至り、冷や汗を流す。どう考えても自分では役不足だと思ったのだ。しかし、ふと唯一の答えに行き当たる。
(いや……僕が抜け出せなくてもいいのか。確実に竜人王を殺すことが目的で、情報を持ち帰る必要はない。となると、どうやって侵入するのかだけを考えるべきだ)
張り付く喉を懸命に動かし、アウラは確認しておきたいことを訊ねた。
「侵入方法はどのようにお考えですか」
逡巡で己のすべきことと課題を悟ったアウラに、ミロは小さく微笑んだ。
「休戦協定の証として、我が国いちの聖人であり貴重なオメガの貴方をアブソルート王に献上する」
余りに突拍子もない案にアウラはめまいを覚えたが、何も考えずにミロがこのようなことを言うはずもないこともわかっていたので、口を挟みたい気持ちを堪えて続きを待った。
「王妃にするも側室にするも、召使いにするもアチラの勝手だが、協定の証であり献上物であるアウラを、事を起こす前にぞんざいに扱うことはすまい。むしろこちらを安心させるための道具にするだろう」
「そうですね」
「アチラが動き出す前の短期間でアウラにはアブソルート王の興味を引き、寝所で毒殺するのだ」
ミロの鋭い瞳がギラリと光って、アウラは彼の本気度を悟る。この計画を皮切りに長い戦争に終止符を打つのだ、と。アウラは実行に対しての不安は薄れていたが、自身の性別に関しての不安はまだ僅かに残っていた。
「オメガであっても私は男ですが、大丈夫でしょうか」
「ふむ……そこは問題ないと考えているよ。竜人は人間よりもバース性に偏りがあって万年オメガ不足だ。強いアルファだと噂のあるアチラの王は、男オメガの物珍しさとアウラの中性的な美貌にすぐに興味を示すだろう。今までの愚かな竜人たちのように」
最後の言葉を聞いたアウラは、思わず納得してしまった。
「わかりました。その任務私にお任せください。教会の為、人間の明るい未来のために尽致します」
アウラの宣言に満足そうな表情を浮かべたミロは、目の前のテーブルに置かれた薄黄色のキャンドルに胸元から取り出したマッチで火をつける。
「向こうからの申し出は2ヶ月後の予定だ。その後調整を重ねながら半年後には協定の締結を目指す」
ポッと灯る小さな炎が、ミロの吐息で僅かに揺れる度にベルガモットの爽やかな香りが漂う。アウラはゆっくりと大きく息を吸い込み鼻孔の奥で微かなジャスミンの優しい香りを感じて息を吐き出した。
「期日までに相手の情報を少しでも多く取り入れなさい。それから、明日から毎日私の調合する新しい毒を飲んで体に馴染ませていくように」
「はい」
ミロの説明を聞きながら何度か深い呼吸を繰り返したアウラの体は無駄な力が抜けリラックスし始めた。
「ありがとうございます……ミロ様」
「いいんだ、アウラ。共に暗殺を成功させてみせよう」
「は、い……」
キャンドルから放たれるアロマの香りに包まれ夢見心地なアウラの頭を、ミロの無骨な手が撫でた。
「今日は疲れただろう──」
(ミロ様がまだ何か仰っているのに……もう体が限界みたいだ)
語り掛けるミロの優しい声と手に安堵を覚えながら、アウラは深い眠りに落ちていった。
半年後──。
アウラはこの半年間、文字通り血反吐を吐く思いをしてきた。アブソルートのジーク王暗殺のためにミロが調合した毒が今まで飲んできたどの毒よりも強かったのだ。
アウラは毒への耐性があるが、全く効かないわけではない。強い毒であればあるほど、体に馴染ませるのにも時間が掛かるのだ。一時期は全身の肌が爛れるほど影響を受けたし、内臓を痛めて何度も血を吐いた。しかし、計画を降りるつもりも中止にしてもらうつもりもなかったアウラは、諜報からの情報に目を通しつつ毎日毒を飲み続け、ようやく喉に痛みを覚えるだけの状態まで体を毒に馴染ませることに成功していた。今も今夜の分の毒を飲み干したところだった。
(っ……! 相変わらず焼けるような痛みだ。でも、このくらいならアブソルート国に入ってからも不審に思われることなく飲み続けられる)
痛みを堪えて手をついていた机の上に広がる報告書の束に目を落としたアウラは、一番上の書類をくしゃりと握った。
(情報量は少ないけれどジーク王のことも頭に入ったし、明後日の顔合わせで失敗しなければきっと暗殺は成功する。明日の早朝にはもう出立するんだし、早く寝なくては)
そう、自分を鼓舞しているアウラの耳に慌ただしい足音が聞こえてきた。普段はヘリオス以外誰一人として大きな音を立てて行動しないのにどうしたことだろうかと不思議に思いながら扉に近づいたアウラは、足音が扉の前で止まりノック音が部屋に響いたことで嫌な予感を覚える。
(まさか、計画に何か不備が生じた……?)
扉を開けた先に居た修道士をそっと中に招き入れ、彼の息が整うのを待った。少しの間でなんとか息を整えた男は、アウラの耳元に顔を寄せ小さな声で囁く。
「げっ、猊下からの伝言です。アブソルート王からアウラさんを迎え入れる体制について連絡があったとのこと」
「本当に?」
思わぬ報告に目を見開き聞き返すアウラに対し、男は激しく首を縦に振りながら先程より少し大きくなった声量で続けた。
「なんと、王妃として歓迎すると!」
「なっ……!?」
言葉続かず口をあんぐりと開けるアウラをよそに男は何か喋り続けていたが、アウラの耳はその音を情報として処理することができなかった。
(なんで急にそんなことを言い出したんだ。向こうなりの嫌がらせか? それにしては事が大きすぎるが……いや、今考えるべきはジーク王の真意ではなく向こうの婚姻に関する知識がゼロだということだ)
思い至ったアウラはサッと自分の血の気が下がっていく音を聞きながら、顔を真っ青にした。
(あちらの教会に席を儲けてくれるか、大きな縛りも挙式も必要ない側室に置かれるかくらいに思っていたから、王妃の線は消していた。もし無礼を働いてその場で協定を破綻する言い訳を相手に与えてしまったら……)
「ミロ様に相談に」
「いえ……猊下は既にアブソルート国に向けて出立されております。あちらでの対応を国王陛下から任されていらっしゃいますので。この報告は道中で報せを受け取った猊下からの早馬の情報となります」
(そうだった……挨拶はできないけれど先に行くと仰っていた)
頭を抱えてうずくまりたくなるアウラだったが、なんとか衝動を堪えて修道士に願い出た。
「アブソルート国の婚姻に関する資料を集めるのを手伝ってほしい。明後日までに全て頭に叩き込む」
普段の質素な服と違い上等な白い薄絹をまとった姿は中性的な彼の魅力を最大限に引き出しており、清廉さの奥にある抗いがたい妖艶さを見る者に印象付けている。しかし、華やかな衣装とは反対にアウラの表情は晴れず、少し後に来訪する予定の客人のためにお茶を用意しながら深く息を吐き出した。
(……大丈夫。今日もきっと成功させられる)
アウラはそう自分に言い聞かせて、熱湯の中で舞う茶葉をじっと見つめながら指示役から渡された情報をそらんじる。
「ターゲットはアブソルートの役人。エルドラド兵の捕虜を収監する施設の関係者で、情報を聞き出すために神経に作用する毒を服用させよ」
ティーポットのお湯が完全に飴色になると、アウラは少量の粉を混ぜ込む。指示役が用意した毒だ。もし、ターゲットがこのお茶を飲めばその時点でアウラの役目は終わる。しかし、警戒して口にしなかった場合はアウラの能力を使って毒を飲ませる必要が出てくる。アウラは自らの能力を活用する場面がこないことを祈った。
その時、部屋の扉が独特なリズムでノックされる。客人来訪の合図に、アウラは負の感情を振り払うよう頭を小さく振った後、不自然でない微笑みを張り付けて扉を開ける。
「お待ちしておりました」
扉の先に佇む図体の大きな竜人の男は、無言のままアウラの横を通り部屋の中へ入ると案内を待たずに椅子に腰かけた。アウラはその横柄な様子に内心で呆れながらも微笑みを崩さず歩み寄る。
(地位も権力もある竜人族が、大嫌いな人間のオメガを買いにくるなんて…なんて滑稽なんだろう)
「飲み物を用意しておりますが、お飲みになりますか」
「要らん。それよりも近くへ」
不機嫌に鼻を鳴らした男の元へ足音もなく近寄りながら、アウラは浮かべる笑みの種類を切り替えた。艶やかに誘うような笑顔を向けられた男の表情が入室後初めて動く。
椅子の横に辿りついたアウラは興味を示した男の頬をするりと撫でてから、自分の襟元を寛げてハリのある透き通るような白い肌を見せつけた。男の視線はわかりやすいほど露わになった肌に釘付けで、アウラはこの任務の成功を確信する。
(可哀想な人……自尊心を満たすために訪れた先で、国家の大切な情報を抜き取られるなんて少しも考えていないんだろうな)
アウラが自分のことを憐れんでいると知らない男は、アウラの腕を強引に引き寄せ膝の上に跨らせる。
「あっ……」
漏れ出たあえかな声に機嫌を良くしながら、男はアウラのはだけた腿をいやらしく撫でた。アウラは擽ったさに肩をすくめつつ目の前の首に腕を回し、こめかみ近くから生える竜人族の特徴である角を褒めそやす。
「立派な角ですね。竜人の皆さんは角の大きさに能力の高さが現れると聞きました」
向けられる言葉にニヤつく男に、赤く光る目を細め、アウラは男を見下ろすような姿勢のまま顔を寄せた。唇が触れ合う期待にごくりと喉を鳴らす男の口を指でなぞって開かせたアウラは、口の中に貯めていた唾液を舌を伝わせて一筋流し込む。
「焦らすつもりか?」
アウラの後頭部に手を回し引き寄せようと動いた男は、次の瞬間力を失くしてぐったりと椅子の背にもたれ掛かった。無様に口を開けて虚ろに宙を見つめる男の姿を見ながら膝から降りたアウラは、裾をなおしつつ呟く。
「焦らされるのは嫌いですか? でも、口付けた瞬間貴方の人生は終わりを迎えますよ」
悲しげに笑ったアウラはベッドに置いていた上着を羽織ると、枕元の呼び出しベルを鳴らした。響く音が小さくなる頃、部屋に黒ずくめの男女が入ってくる。
「アウラ、殺してはいないな」
「はい。意識が虚ろになる程度の量です」
声を掛けてきた男にアウラが答える間にターゲットの男の脈を計り瞳孔を確認していた女が、アウラの言葉を裏付けるように頷いた。黒ずくめの男はほうっと息を吐くと、アウラの背を押す。
「後はこちらで情報を聞き出す。お前はもう教会に戻っていい」
「はい」
アウラは緊張が解け、今にも震えだしそうな体を自らの腕で抱き締めながら、部屋を後にした。
国境から馬車に揺られること数刻。アウラはエルドラ王国の中心地にある、テレス教教会の本院で祈りを捧げていた。
(神よ……私の罪をお赦しください)
荘厳な雰囲気のなか、月の光を浴びて一心に希うアウラの姿はまるで1枚の絵画のようで溜息が出るほどだ。大抵の人間が声を掛けるのを躊躇うような状況であったが、まるで気にしない男が足音荒く寄ってくる。
「おい、愚図アウラ。クソ野郎が呼んでるぞ」
「……ヘリオス」
声に反応して顔を上げたアウラの長い髪がはらりと揺れ、白金の光を放つ。ヘリオスと呼ばれた男はそんな風景にすら苛立つのか、灰色がかった銀の髪をかき乱し舌を打った。アウラにも舌打ちは聞こえていたはずだが、いつものこと過ぎて気にならなくなっている彼は言及することなく頷いて返す。
「クソ野郎はどうかと思うよ。ミロ様は執務室にいらっしゃるの?」
「神の代行者とか言いながら、オレたちに黒いことさせるヤツをクソって呼ばずになんて呼ぶんだ」
うんざりしたような表情で悪し様に呻くヘリオスは、アウラの問いかけに答えるように親指で目的の人物がいる方向を指さした。
「竜人から人間を守るために必要なことをしているだけだよ」
アウラの優等生のような回答に、ヘリオスは肩をすくめるだけで返事をしようとしない。アウラはこれ以上言っても意味がないと理解しているので、苦笑しながら聖堂を離れた。
テレス教のトップである教皇の執務室を訪ねたアウラが緊張を隠しながら扉をノックすると、一瞬の間の後に中から低く少し掠れた声が入室を促す。
「入りたまえ」
「失礼いたします」
扉の正面の執務机から立ち上がった60代半ばほどの男は、厳格な見た目とは裏腹に優しげな笑みを浮かべアウラを歓迎する。手で執務机の前に配置されたソファを促すので、アウラは小さく会釈をしながら腰を下ろした。
「お帰り。今晩もうまくやれたようだね」
「はい、ミロ様」
アウラの正面に腰を下ろしたミロは満足そうに頷くと、慈しむように榛色の三白眼を細める。
「素晴らしいよアウラ。貴方の活躍のおかげで、竜人に虐げられる人間を救うことができるだろう」
褒め称える言葉に小さく首を横に振り、謙遜してみせるアウラ。
「いえ、全ては猊下のお導きがなければ成しえなかったことです。私にできることは多くありませんし……」
うなだれるように視線を下げるアウラの様子にミロは僅かに目をみはった後、優しく声を掛ける。
「アウラ。貴方は貴方にしかできないことをいつもこなしてくれているではないか。誰よりも苦しく難しいことを、その特異な体で」
ミロの言う特異な体とは、アウラの特殊な体質のことを指していた。アウラは、エルドラド王国の伝説に残る『毒姫』と同じ特殊な肉体を持っているのだ。
毒姫とは、竜人と袂を分かち国を起ち上げた初代エルドラド国王の影となって活躍した女性のことで、あらゆる毒や薬に耐性を持ち摂取した成分を蓄えることのできる奇跡の体質を持っていたと伝えられている。彼女はその類稀な体質を生かして己の肉体を激毒で満たし、唾液をはじめとした体液や髪の毛1本すらも武器にして数多の敵を屠ったのだ。
(……長く続く竜人との戦争に役立っていることはわかっている。でも、胸を張れることだとはどうしても思えない)
アウラの脳裏に14歳の頃から今晩に至るまでの間に出会った竜人たちが浮かぶ。一方で捨てられた自分を育ててくれた地元の教会の修道女たちと、可能性を見出してそばに置き不自由ない生活をおくらせてくれるミロの姿も浮かんでくる。戦場ではない場所で人を害して国を守ることの後ろめたさを感じる度に、アウラはこの考えは役に立ちたいと思う人々への一種の裏切りではないかとも考えてしまい、八方塞がりに陥ってしまうのだ。どう返事をするべきか迷ったアウラは、ミロの励ましの言葉に小さく頷くだけに止めた。
「自分のことを誇ると良い。そして、そんなアウラにしか任せられない重要な任務ができた」
アウラの心情も知らず、ミロは自身の膝に肘をついて膝の間で手を組んだ。目つきも雰囲気も変ったことに気が付いたアウラが姿勢を正すと、声を潜めて続ける。
「近々、アブソルート国側から休戦協定を持ちかけられる」
悪いことしか想像していなかったアウラは、想像と違って前向きな単語がもたらされたことに驚いた。引き締めていた表情を緩めミロに顔を寄せる。
「ようやく事態が進展するのですね……!」
しかし、ミロの表情は厳しいままで、アウラの期待を否定するように眉間の皺が増えた。
「違うのだよ、アウラ。アブソルートの若き王ジークは休戦を装って我々を油断させ、生け捕りにして奴隷とするつもりなのだ」
「っ!」
ミロの言葉に息を飲むアウラ。肖像画すら出回っていない秘密主義の現竜人王が鎖に繋いだ人間を好き勝手する姿が目に浮かぶようで、アウラの心臓は痛みを覚えるほど強く速く脈打った。
「国王陛下とも話をして、我が国は奴らの作戦に騙されているふりをしながらアブソルート王の暗殺を実行することになった」
平静を保とうとしていたアウラは、間を置かずに鈍器で頭を殴られたかのような衝撃をうけて思わず立ち上がる。
「竜人王を暗殺っ……?」
「アウラ」
そんなアウラの言動を窘めるようにミロが鋭く名前を呼ぶと、我に返ったアウラは体を縮こまらせながら座った。呆然としているようでありながら、アウラの脳は全速力で回転していて、これからミロに告げられるであろう言葉に辿りつく。
「その暗殺を担当するのが私……なのですか」
「ああ。協定の場ですぐに行動を起こすことはできない。少し日が空いてから隙を狙うのがいいだろう」
肯定されたことで、アウラの口の中は緊張でカラカラに渇いていった。
(初めての暗殺対象が竜人王だなんて……本当に僕にできるのか? 僕の潜入技術はそこまで高くないし、暗殺後に抜け出すのだって難しいだろう)
アウラは自分の不得手な技術に思い至り、冷や汗を流す。どう考えても自分では役不足だと思ったのだ。しかし、ふと唯一の答えに行き当たる。
(いや……僕が抜け出せなくてもいいのか。確実に竜人王を殺すことが目的で、情報を持ち帰る必要はない。となると、どうやって侵入するのかだけを考えるべきだ)
張り付く喉を懸命に動かし、アウラは確認しておきたいことを訊ねた。
「侵入方法はどのようにお考えですか」
逡巡で己のすべきことと課題を悟ったアウラに、ミロは小さく微笑んだ。
「休戦協定の証として、我が国いちの聖人であり貴重なオメガの貴方をアブソルート王に献上する」
余りに突拍子もない案にアウラはめまいを覚えたが、何も考えずにミロがこのようなことを言うはずもないこともわかっていたので、口を挟みたい気持ちを堪えて続きを待った。
「王妃にするも側室にするも、召使いにするもアチラの勝手だが、協定の証であり献上物であるアウラを、事を起こす前にぞんざいに扱うことはすまい。むしろこちらを安心させるための道具にするだろう」
「そうですね」
「アチラが動き出す前の短期間でアウラにはアブソルート王の興味を引き、寝所で毒殺するのだ」
ミロの鋭い瞳がギラリと光って、アウラは彼の本気度を悟る。この計画を皮切りに長い戦争に終止符を打つのだ、と。アウラは実行に対しての不安は薄れていたが、自身の性別に関しての不安はまだ僅かに残っていた。
「オメガであっても私は男ですが、大丈夫でしょうか」
「ふむ……そこは問題ないと考えているよ。竜人は人間よりもバース性に偏りがあって万年オメガ不足だ。強いアルファだと噂のあるアチラの王は、男オメガの物珍しさとアウラの中性的な美貌にすぐに興味を示すだろう。今までの愚かな竜人たちのように」
最後の言葉を聞いたアウラは、思わず納得してしまった。
「わかりました。その任務私にお任せください。教会の為、人間の明るい未来のために尽致します」
アウラの宣言に満足そうな表情を浮かべたミロは、目の前のテーブルに置かれた薄黄色のキャンドルに胸元から取り出したマッチで火をつける。
「向こうからの申し出は2ヶ月後の予定だ。その後調整を重ねながら半年後には協定の締結を目指す」
ポッと灯る小さな炎が、ミロの吐息で僅かに揺れる度にベルガモットの爽やかな香りが漂う。アウラはゆっくりと大きく息を吸い込み鼻孔の奥で微かなジャスミンの優しい香りを感じて息を吐き出した。
「期日までに相手の情報を少しでも多く取り入れなさい。それから、明日から毎日私の調合する新しい毒を飲んで体に馴染ませていくように」
「はい」
ミロの説明を聞きながら何度か深い呼吸を繰り返したアウラの体は無駄な力が抜けリラックスし始めた。
「ありがとうございます……ミロ様」
「いいんだ、アウラ。共に暗殺を成功させてみせよう」
「は、い……」
キャンドルから放たれるアロマの香りに包まれ夢見心地なアウラの頭を、ミロの無骨な手が撫でた。
「今日は疲れただろう──」
(ミロ様がまだ何か仰っているのに……もう体が限界みたいだ)
語り掛けるミロの優しい声と手に安堵を覚えながら、アウラは深い眠りに落ちていった。
半年後──。
アウラはこの半年間、文字通り血反吐を吐く思いをしてきた。アブソルートのジーク王暗殺のためにミロが調合した毒が今まで飲んできたどの毒よりも強かったのだ。
アウラは毒への耐性があるが、全く効かないわけではない。強い毒であればあるほど、体に馴染ませるのにも時間が掛かるのだ。一時期は全身の肌が爛れるほど影響を受けたし、内臓を痛めて何度も血を吐いた。しかし、計画を降りるつもりも中止にしてもらうつもりもなかったアウラは、諜報からの情報に目を通しつつ毎日毒を飲み続け、ようやく喉に痛みを覚えるだけの状態まで体を毒に馴染ませることに成功していた。今も今夜の分の毒を飲み干したところだった。
(っ……! 相変わらず焼けるような痛みだ。でも、このくらいならアブソルート国に入ってからも不審に思われることなく飲み続けられる)
痛みを堪えて手をついていた机の上に広がる報告書の束に目を落としたアウラは、一番上の書類をくしゃりと握った。
(情報量は少ないけれどジーク王のことも頭に入ったし、明後日の顔合わせで失敗しなければきっと暗殺は成功する。明日の早朝にはもう出立するんだし、早く寝なくては)
そう、自分を鼓舞しているアウラの耳に慌ただしい足音が聞こえてきた。普段はヘリオス以外誰一人として大きな音を立てて行動しないのにどうしたことだろうかと不思議に思いながら扉に近づいたアウラは、足音が扉の前で止まりノック音が部屋に響いたことで嫌な予感を覚える。
(まさか、計画に何か不備が生じた……?)
扉を開けた先に居た修道士をそっと中に招き入れ、彼の息が整うのを待った。少しの間でなんとか息を整えた男は、アウラの耳元に顔を寄せ小さな声で囁く。
「げっ、猊下からの伝言です。アブソルート王からアウラさんを迎え入れる体制について連絡があったとのこと」
「本当に?」
思わぬ報告に目を見開き聞き返すアウラに対し、男は激しく首を縦に振りながら先程より少し大きくなった声量で続けた。
「なんと、王妃として歓迎すると!」
「なっ……!?」
言葉続かず口をあんぐりと開けるアウラをよそに男は何か喋り続けていたが、アウラの耳はその音を情報として処理することができなかった。
(なんで急にそんなことを言い出したんだ。向こうなりの嫌がらせか? それにしては事が大きすぎるが……いや、今考えるべきはジーク王の真意ではなく向こうの婚姻に関する知識がゼロだということだ)
思い至ったアウラはサッと自分の血の気が下がっていく音を聞きながら、顔を真っ青にした。
(あちらの教会に席を儲けてくれるか、大きな縛りも挙式も必要ない側室に置かれるかくらいに思っていたから、王妃の線は消していた。もし無礼を働いてその場で協定を破綻する言い訳を相手に与えてしまったら……)
「ミロ様に相談に」
「いえ……猊下は既にアブソルート国に向けて出立されております。あちらでの対応を国王陛下から任されていらっしゃいますので。この報告は道中で報せを受け取った猊下からの早馬の情報となります」
(そうだった……挨拶はできないけれど先に行くと仰っていた)
頭を抱えてうずくまりたくなるアウラだったが、なんとか衝動を堪えて修道士に願い出た。
「アブソルート国の婚姻に関する資料を集めるのを手伝ってほしい。明後日までに全て頭に叩き込む」
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