イケボすぎる兄が、『義妹の中の人』をやったらバズった件について

のびすけ。

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第16章「夏だ!水着だ!リンクライブ撮影会♥」

撮影会開始!でもポーズが…おかしい!?

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「よしっ、スタンバイ完了! いよいよ配信、始まるよー!」



 神代カオルの声が響くVRスタジオ。

 LinkLiveの技術チームが総出で作り上げた仮想ビーチには、どこまでも青い空、光を反射する波、そして──



 白い砂浜に、水着姿のVたちがずらりと勢揃いしていた。



「……こ、これは……!」

「やばい、マジで天国」「ビキニの破壊力、えぐい」

「レイくんガチで命狙われるぞ」

「#LinkLive水着撮影会 がトレンド入りしてる!もう1位!」



 配信開始と同時に、視聴者数は爆伸び。コメント欄はお祭り騒ぎ。

 ポーズリクエストが矢のように飛び交い、ヒロインたちは戸惑いながらも“全力ファンサ”を始める。



「え、次は“彼氏に日焼け止め塗ってあげる風ポーズ”……? なにそれ、そんなの事前に聞いてない!」

 みなとが顔を真っ赤にしながらタオルを構える。



「んふふ~、い~い感じで照れてるねぇ。じゃあ、夜々ちゃん、今度は“膝枕して耳かきする風”ポーズいってみようか!」

「やらせる気満々じゃない!?」

 夜々が額を押さえながら座り込む。



「次、“スク水姿でスイカ割り準備する小学生風”って……だ、誰だリクエストしたの!? ほんとにやるの!?」

 いのりは泣きそうな顔で棒を構えながら、視線を泳がせていた。



「わ、わたしは……“一緒に浮き輪でぷかぷかする妹風ポーズ”? うぅ、そんなの……お兄ちゃんに見られてるのに……」

 ひよりは沈黙したまま、浮き輪を抱えたアバターで砂浜にぽつんと座り込む。



 そんな妹の姿を、こっそり陰から見守っていたのがコウ。

(……頑張ってる。ひより、ほんとに頑張ってるな)



「……コウくん、視線に出てるよ」

 カオルが横から声をかけてきた。



「え?」



「“お兄ちゃんの前で水着披露”って、内心ちょっと照れながらも期待してたの。さっき言ってたじゃない。“少しは見てほしいかも”って」



「……あれ、聞こえてたんですか」



「マネージャーですので」



 その頃、メグはというと──



「うわああっ!? またパーカー脱げた!?」

 水着アバターが勝手に“ラッシュガードを脱ぐモーション”に移行し、コメント欄が爆発。



「“うっかり見えそうポーズ”ありがとう!」「今日一バズった!」

「ありがとう神代マネ」「メグちゃん、覚醒してるよ!?」



「いや、事故ですから!? これ完全に設定ミスだから!!」



 パーカーをかぶり直しながら、メグは全力でモデリング班に睨みを利かせる。



 一方、るるはというと。



「にゃ~、ポーズってこうかにゃ?」

 猫耳フードを揺らしながら、カメラに向かって“甘えポーズ”。



「それではここで、るるさんの“あざとショット”入りまーす」

 カオルが静かにスイッチャーを切り替え、カメラがるるにズームイン。



「ふぇ……にゃぁぁ!? アップにしないでにゃ!!」

「かわいい!」「あざとい!」「最高!」「保護対象!」

「にゃんこアバターで世界平和くるぞ」



 視聴者コメントは終始ハイテンション。

 だがその裏で、事件が起こる。



「──あれ? なんかカメラ、勝手に動いてない?」



 夜々がふと、挙動に気づいた。



「え、フリービューになってる……?」「カメラ固定じゃなかったっけ?」



 そのとき、コメント欄がさらに異常加速。



「やばい、パンチラアングル可能になってる!」

「動くな!今の角度最高!」「もっと寄って!ズームして!」

「レイくん死んだ」「レイくん羨ましい」「いや、むしろ呪われろ」



「……おい、これマジでバグじゃないの!?」

 コウが立ち上がると、メグが叫ぶ。



「コウくん、モーション間違って操作した!? カメラ同期切れてるよ!!」

「ごめん、俺そんな操作した覚えないけど、バグったかも!!」

「一番やっちゃいけないのが今起きてるわよ!!!」

 夜々が肘掛けを叩いて叫ぶ。



「うぅぅ……お願い、見ないでぇ……」

 ひよりが顔を覆ってしゃがみ込む。



 るるはキャプチャ台から降りようとして、足を滑らせ──



「にゃぁぁっ!? バランス崩れたにゃ!!」

 アバターが見事に転倒モーション。



「見えた」「見えた」「絶対見えた」「俺たちの勝利」



 ──撮影会は、一瞬にして修羅場と化した。



「……カオルさん、どうにかできないんですか!? ログアウトさせてください!!」

 コウが操作端末を見つめながら訴える。



「無理。ログアウト処理はロックされてる」

 カオルがまったく悪びれずに答える。



「……嘘でしょ!?」



「……ふふ、いいんじゃない? たまには、壊れてるくらいで」

 夜々はどこか楽しげに笑っていた。



 やがて、システムは自動復旧し、カメラは再び固定モードへ。



 だが、記録は残った。ログもスクショも、そして“伝説”も。



 コメント欄はこう締めくくられていた。



「これはもう──LinkLive史に残る“神回”だろ」
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