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Scene 2: 氷解、あるいは飽和する熱
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唇が離れても銀色の糸が切れない。
ちゅ、ぷぁ……という卑猥な水音が静まり返ったホテルの室内にやけに大きく響いた。
「はっ……ぁ……っ、な、なに……今の……」
透子はベッドの端に腰掛けたまま呆然と自分の唇に指を這わせている。
瞳孔が開いている。
無理もない。
今のキスはただのキスではない。
過去六回のループで彼女が最も感じ入る舌の角度、吸い付く強さ、唇を噛むタイミング――そのすべてを再現した「正解のキス」だ。
「……三枝くん……どうして、わたしの……弱いところ、知って……」
「言ったでしょう。体が覚えていると」
俺は彼女の足元に跪き黒のストッキングに包まれた細い足首を掴んだ。
「ひぃっ!?」
「足首の内側。ここはあなたが一番油断している場所だ」
親指の腹でくるぶしの下をぐり、と押し込む。
「あ゛ッ!?や、やだ、そこ……電気が、走る……ッ!」
透子がのけぞりシーツを鷲掴みにする。
通常なら少し擽ったい程度の刺激だ。
だが、七度目の彼女にとっては違う。
神経が剥き出しになったかのように微かな圧力が脳髄直結の快楽信号へと変換される。
俺はその反応を楽しみながらゆっくりと手を上へ滑らせていく。
ふくらはぎ、膝裏、そして太腿へ。
「まっ、待って……あ、あがってこないで……っ」
「震えてますよ、透子さん。……濡れた下着が太腿に張り付いて気持ち悪いでしょう」
俺の手が彼女のタイトスカートの裾から内部へと侵入する。
熱気がこもっていた。
むせ返るような濃厚な雌の匂い。
◆ 氷川透子
(わからない……わからないわからないッ!)
混乱で頭が破裂しそうだった。
彼の手が太腿を撫で上げているだけなのに、まるで熱した鉄棒で内側を掻き回されているような、重く、甘い痺れが腰全体に広がっていく。
(三枝君の手、こんなに熱かったっけ?……違う、わたしの肌が彼を吸い込もうとしてるんだ)
「やめ……やめて、わたしは上司よ……こんなこと……」
口では拒絶しているのに彼の手が太腿の内側、柔らかい肉をつまみ上げた瞬間、わたしの腰はビクンと跳ねてあろうことか彼の掌に秘部を押し付けようと動いてしまった。
(うそ……なんで?もっと触ってほしいなんて思ってないのに!)
「あっ、あぁぁ……っ!声が、止まらない……ッ!」
自分の喉から出ているとは思えない、甘ったるい嬌声。
彼がストッキングの上からじわりと濡れたクロッチ(股布)を指でなぞる。
ただなぞっただけ。
それだけで背骨を駆け上がる閃光のような快感が走り、視界がチカチカと明滅した。
「すごい……。布越しなのにクリトリスがこんなに硬くなってる」
「い、言わないで……!聞きたくな、い……ッ!」
「前のループではここを舐められるのが好きでしたよね?」
「知らな、い……そんなこと、おぼえて、な……ひぁッ!?」
彼が張り詰めたクリトリスを、爪先でカリッと弾いた。
「~~~~ッッ!!??」
声にならない絶叫。
呼吸が止まる。
たった一撃。
それだけで全身の筋肉が硬直するほどの絶頂感が襲ってきた。
イッてしまう。
まだ服も脱いでいないのに。
指一本入れられていないのに。
(だめ、壊れる……これ以上されたら、わたし、もう仕事に戻れない……ッ!)
◆
白目を剥いて痙攣する透子の様子を見て俺は確信する。
感度は「蓄積」どころか「増幅」されている。
一度目のループで一時間かけて開発した感度が今は指先一つで再現できる。
「楽にしていいんですよ。……服、邪魔ですね」
俺は彼女をベッドに押し倒し乱れたブラウスの前を寛げた。
純白のブラの奥で乳房が激しく脈打っているのがわかる。
「あ、ぁ……見な、いで……」
彼女は弱々しく抵抗し腕で胸を隠そうとする。
その腕を優しく、しかし強引に頭上へと縫い留める。
「隠さないで。……この胸も俺が育てたんですから」
俺はブラのホックを外さずカップを強引に引き下げた。
弾力のある乳房が、ぷるん、と露わになる。
先端の突起はすでに熟したベリーのように充血し勃ち上がっていた。
「い、いやぁ……っ!空気に触れただけで……痛い、痛いぐらい感じるのぉ……ッ!」
「痛いんじゃない。気持ちいいんです」
俺は露わになった左の突起を唇で軽く食んだ。
舌先で転がすのではなく赤子のよう強く吸い上げる。
「じゅっ、ちゅぅ……」
「ぎぃぃぃああああっ!!?」
透子の身体が弓なりに反る。
彼女の踵がシーツを激しく蹴りつけ固定された腕が俺の手を握り潰さんばかりに力を込める。
「あ゛あ゛っ、あ゛ぁッ!脳みそ、脳みそ吸われてるぅッ!!おかしくなる、バカになるぅッ!!」
「そう、その声です。……透子さん、思い出して」
俺は吸うのをやめ、唾液で濡れそぼった突起に、ふぅ、と息を吹きかけた。
「ひゃうッ!?」
気化熱の冷たさと過敏な神経への刺激。
彼女はガクガクと顎を震わせ焦点の合わない目で天井を見上げている。
もう、上司としての威厳は欠片もない。
そこにあるのは快楽という名の暴力に屈し、次の刺激を物乞いする一匹の雌の姿だけだ。
「三枝、くん……おねがい……」
透子が、掠れた声で呟く。
潤んだ瞳が、俺を捉える。
「……焦らさないで……。中……なかに、ほしい……」
「中?何が欲しいんですか?」
「あなたの……熱いやつ……。はやく……わたしを貫いて……」
陥落。
いや、覚醒。
俺は満足げに微笑むと自身のベルトに手をかけた。
彼女の望み通り、このループで最初のそして最高の「結合」をプレゼントするために。
「いいでしょう。……七回分の愛、全部注ぎ込みますから。受け止めてくださいね」
「ぁ……あぁ……っ、うれしい……」
彼女は恍惚とした表情で自ら脚をM字に開き、濡れそぼった秘所を俺に見せつけた。
ストッキングは破れ、下着は横にずらされ、愛液と粘液で太腿の内側まで光っている。
準備は整った。
これから始まるのはセックスではない。
魂の刻印作業だ。
ちゅ、ぷぁ……という卑猥な水音が静まり返ったホテルの室内にやけに大きく響いた。
「はっ……ぁ……っ、な、なに……今の……」
透子はベッドの端に腰掛けたまま呆然と自分の唇に指を這わせている。
瞳孔が開いている。
無理もない。
今のキスはただのキスではない。
過去六回のループで彼女が最も感じ入る舌の角度、吸い付く強さ、唇を噛むタイミング――そのすべてを再現した「正解のキス」だ。
「……三枝くん……どうして、わたしの……弱いところ、知って……」
「言ったでしょう。体が覚えていると」
俺は彼女の足元に跪き黒のストッキングに包まれた細い足首を掴んだ。
「ひぃっ!?」
「足首の内側。ここはあなたが一番油断している場所だ」
親指の腹でくるぶしの下をぐり、と押し込む。
「あ゛ッ!?や、やだ、そこ……電気が、走る……ッ!」
透子がのけぞりシーツを鷲掴みにする。
通常なら少し擽ったい程度の刺激だ。
だが、七度目の彼女にとっては違う。
神経が剥き出しになったかのように微かな圧力が脳髄直結の快楽信号へと変換される。
俺はその反応を楽しみながらゆっくりと手を上へ滑らせていく。
ふくらはぎ、膝裏、そして太腿へ。
「まっ、待って……あ、あがってこないで……っ」
「震えてますよ、透子さん。……濡れた下着が太腿に張り付いて気持ち悪いでしょう」
俺の手が彼女のタイトスカートの裾から内部へと侵入する。
熱気がこもっていた。
むせ返るような濃厚な雌の匂い。
◆ 氷川透子
(わからない……わからないわからないッ!)
混乱で頭が破裂しそうだった。
彼の手が太腿を撫で上げているだけなのに、まるで熱した鉄棒で内側を掻き回されているような、重く、甘い痺れが腰全体に広がっていく。
(三枝君の手、こんなに熱かったっけ?……違う、わたしの肌が彼を吸い込もうとしてるんだ)
「やめ……やめて、わたしは上司よ……こんなこと……」
口では拒絶しているのに彼の手が太腿の内側、柔らかい肉をつまみ上げた瞬間、わたしの腰はビクンと跳ねてあろうことか彼の掌に秘部を押し付けようと動いてしまった。
(うそ……なんで?もっと触ってほしいなんて思ってないのに!)
「あっ、あぁぁ……っ!声が、止まらない……ッ!」
自分の喉から出ているとは思えない、甘ったるい嬌声。
彼がストッキングの上からじわりと濡れたクロッチ(股布)を指でなぞる。
ただなぞっただけ。
それだけで背骨を駆け上がる閃光のような快感が走り、視界がチカチカと明滅した。
「すごい……。布越しなのにクリトリスがこんなに硬くなってる」
「い、言わないで……!聞きたくな、い……ッ!」
「前のループではここを舐められるのが好きでしたよね?」
「知らな、い……そんなこと、おぼえて、な……ひぁッ!?」
彼が張り詰めたクリトリスを、爪先でカリッと弾いた。
「~~~~ッッ!!??」
声にならない絶叫。
呼吸が止まる。
たった一撃。
それだけで全身の筋肉が硬直するほどの絶頂感が襲ってきた。
イッてしまう。
まだ服も脱いでいないのに。
指一本入れられていないのに。
(だめ、壊れる……これ以上されたら、わたし、もう仕事に戻れない……ッ!)
◆
白目を剥いて痙攣する透子の様子を見て俺は確信する。
感度は「蓄積」どころか「増幅」されている。
一度目のループで一時間かけて開発した感度が今は指先一つで再現できる。
「楽にしていいんですよ。……服、邪魔ですね」
俺は彼女をベッドに押し倒し乱れたブラウスの前を寛げた。
純白のブラの奥で乳房が激しく脈打っているのがわかる。
「あ、ぁ……見な、いで……」
彼女は弱々しく抵抗し腕で胸を隠そうとする。
その腕を優しく、しかし強引に頭上へと縫い留める。
「隠さないで。……この胸も俺が育てたんですから」
俺はブラのホックを外さずカップを強引に引き下げた。
弾力のある乳房が、ぷるん、と露わになる。
先端の突起はすでに熟したベリーのように充血し勃ち上がっていた。
「い、いやぁ……っ!空気に触れただけで……痛い、痛いぐらい感じるのぉ……ッ!」
「痛いんじゃない。気持ちいいんです」
俺は露わになった左の突起を唇で軽く食んだ。
舌先で転がすのではなく赤子のよう強く吸い上げる。
「じゅっ、ちゅぅ……」
「ぎぃぃぃああああっ!!?」
透子の身体が弓なりに反る。
彼女の踵がシーツを激しく蹴りつけ固定された腕が俺の手を握り潰さんばかりに力を込める。
「あ゛あ゛っ、あ゛ぁッ!脳みそ、脳みそ吸われてるぅッ!!おかしくなる、バカになるぅッ!!」
「そう、その声です。……透子さん、思い出して」
俺は吸うのをやめ、唾液で濡れそぼった突起に、ふぅ、と息を吹きかけた。
「ひゃうッ!?」
気化熱の冷たさと過敏な神経への刺激。
彼女はガクガクと顎を震わせ焦点の合わない目で天井を見上げている。
もう、上司としての威厳は欠片もない。
そこにあるのは快楽という名の暴力に屈し、次の刺激を物乞いする一匹の雌の姿だけだ。
「三枝、くん……おねがい……」
透子が、掠れた声で呟く。
潤んだ瞳が、俺を捉える。
「……焦らさないで……。中……なかに、ほしい……」
「中?何が欲しいんですか?」
「あなたの……熱いやつ……。はやく……わたしを貫いて……」
陥落。
いや、覚醒。
俺は満足げに微笑むと自身のベルトに手をかけた。
彼女の望み通り、このループで最初のそして最高の「結合」をプレゼントするために。
「いいでしょう。……七回分の愛、全部注ぎ込みますから。受け止めてくださいね」
「ぁ……あぁ……っ、うれしい……」
彼女は恍惚とした表情で自ら脚をM字に開き、濡れそぼった秘所を俺に見せつけた。
ストッキングは破れ、下着は横にずらされ、愛液と粘液で太腿の内側まで光っている。
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