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Scene 7(Last): 明日への結合
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小鳥のさえずりとカーテンの隙間から差し込む白い光。
重いまぶたを持ち上げるとそこには見慣れない天井があった。
……いや、見慣れた場所だ。
昨日何度も愛し合い、そして戦場となったホテルの部屋だ。
俺は跳ね起きるようにして枕元のスマホを掴んだ。
画面の日付を確認する。
『 6月12日(火) 07:15 』
「……進んだ」
息が漏れた。
あの呪われた6月11日が終わり、新しい朝が来ている。
佐伯の支配は消え時間は正しく刻まれ始めたのだ。
「んぅ……三枝、くん……?」
隣でもぞりとシーツが動いた。
透子がとろんとした瞳で俺を見上げている。
その肩には、昨夜俺が付けたキスマークが紅い花びらのように散っていた。
「おはようございます、透子さん」
「……おはよう。……ねぇ、今日、何日?」
「12日です。……俺たちの勝ちですよ」
その言葉を聞いた瞬間、彼女の顔がくしゃりと歪み、安堵の涙が真珠のようにこぼれ落ちた。
「よかった……。もう、死ななくていいのね……」
「ええ。もう誰も邪魔しません」
俺は彼女の柔らかな髪を撫で、抱き寄せた。
透子の体温。
柔らかさ。
鼓動。
そのすべてが昨夜よりもリアルに鮮明に感じられる。
「……ねぇ」
透子が俺の胸に顔を埋めたままもじもじと身を捩った。
「安心したら……なんだか、また……熱くなってきちゃった」
シーツの下で彼女の手が俺の下腹部へと這ってくる。
朝特有の、自然現象で硬くなっていた俺の分身を、彼女の熱い掌が優しく包み込んだ。
「透子さん……?」
「確かめさせて。……これが夢じゃないって。……今日という日がちゃんとここにあるって」
彼女の瞳は、もう「氷の女上司」のものではなかった。
愛する男にすべてを委ね甘える、ただ一人の可愛い女性の瞳だ。
「……仕方ないですね。遅刻しますよ?」
「いいの。……わたしは部長だもの。……重役出勤、しちゃうんだから」
悪戯っぽく微笑むと、彼女は俺を押し倒し自らその上に跨った。
「見て……朝の光で全部見えちゃう……」
彼女がゆっくりと腰を下ろしていく。
昨夜の激しい行為で少し腫れぼったくなっている秘所。
そこが、ゆっくりと、飲み込むように開いていく。
ぬぷり……ちゅぷ……。
「んっ……ぁ……。夜よりあったかい……」
「あぁ……すごい吸着力だ……」
激しいピストンはいらない。
ただ、深く、深く、重なり合うだけ。
彼女の肉壁が俺の形を慈しむように優しく締め付けてくる。
◆ 氷川透子
(幸せ……。体の中が陽だまりみたいにポカポカする)
彼のモノがわたしの一番深いところまで届いている。
昨日のような脳を焼かれるような刺激じゃない。
心臓と子宮が直接つながって、じわじわと満たされていくような、穏やかで、泣きたくなるような快感。
(あぁ、わたし……この人のことこんなに好きだったんだ)
「三枝くん……好き。……大好き」
「俺もです。透子さん」
彼の手がわたしの胸を優しく包む。
その温もりに呼応するように、腰が勝手に揺れる。
作られた快感じゃない。
わたしの意思で、わたしが気持ちいいから、動く。
「んぁ……っ、動くと、擦れて……きもちいい……っ」
「ゆっくりでいい。……たっぷり、感じて」
チュ、チュプ……。
部屋には愛を交わす水音と二人の甘い吐息だけが響く。
「いく……っ、三枝くん、いっしょに……朝の、してぇ……っ」
彼が呼応するように腰を突き上げる。
トプン、トプンと、波が打ち寄せるようなリズム。
その波に乗ってわたしの意識は真っ白な光の中へと溶けていく。
「んっ、んあぁぁぁ……っ!!しあわせぇぇ……っ!!」
穏やかな、けれど深い絶頂。
彼の熱い吐息とともに、新たな生命の源が胎内へと注ぎ込まれた。
◆
事後の静寂。
俺たちは汗ばんだ体を密着させたまま微睡みの中にいた。
「……ねぇ、三枝くん」
「はい」
「記憶は七回分だけど……」
透子は俺の胸に指先で『好き』と文字を書きながら恥ずかしそうに呟いた。
「これからは、毎日……更新してくれる?」
「もちろんです。……一生かけて、覚えきれないくらいの快感を刻み込みますよ」
「ふふっ。……覚悟しとく」
彼女は最高の笑顔を見せ俺の唇にキスをした。
官能の残響はもう消えない。
それは形を変え、愛という名の日常となって俺たちの未来へと続いていく。
(完)
重いまぶたを持ち上げるとそこには見慣れない天井があった。
……いや、見慣れた場所だ。
昨日何度も愛し合い、そして戦場となったホテルの部屋だ。
俺は跳ね起きるようにして枕元のスマホを掴んだ。
画面の日付を確認する。
『 6月12日(火) 07:15 』
「……進んだ」
息が漏れた。
あの呪われた6月11日が終わり、新しい朝が来ている。
佐伯の支配は消え時間は正しく刻まれ始めたのだ。
「んぅ……三枝、くん……?」
隣でもぞりとシーツが動いた。
透子がとろんとした瞳で俺を見上げている。
その肩には、昨夜俺が付けたキスマークが紅い花びらのように散っていた。
「おはようございます、透子さん」
「……おはよう。……ねぇ、今日、何日?」
「12日です。……俺たちの勝ちですよ」
その言葉を聞いた瞬間、彼女の顔がくしゃりと歪み、安堵の涙が真珠のようにこぼれ落ちた。
「よかった……。もう、死ななくていいのね……」
「ええ。もう誰も邪魔しません」
俺は彼女の柔らかな髪を撫で、抱き寄せた。
透子の体温。
柔らかさ。
鼓動。
そのすべてが昨夜よりもリアルに鮮明に感じられる。
「……ねぇ」
透子が俺の胸に顔を埋めたままもじもじと身を捩った。
「安心したら……なんだか、また……熱くなってきちゃった」
シーツの下で彼女の手が俺の下腹部へと這ってくる。
朝特有の、自然現象で硬くなっていた俺の分身を、彼女の熱い掌が優しく包み込んだ。
「透子さん……?」
「確かめさせて。……これが夢じゃないって。……今日という日がちゃんとここにあるって」
彼女の瞳は、もう「氷の女上司」のものではなかった。
愛する男にすべてを委ね甘える、ただ一人の可愛い女性の瞳だ。
「……仕方ないですね。遅刻しますよ?」
「いいの。……わたしは部長だもの。……重役出勤、しちゃうんだから」
悪戯っぽく微笑むと、彼女は俺を押し倒し自らその上に跨った。
「見て……朝の光で全部見えちゃう……」
彼女がゆっくりと腰を下ろしていく。
昨夜の激しい行為で少し腫れぼったくなっている秘所。
そこが、ゆっくりと、飲み込むように開いていく。
ぬぷり……ちゅぷ……。
「んっ……ぁ……。夜よりあったかい……」
「あぁ……すごい吸着力だ……」
激しいピストンはいらない。
ただ、深く、深く、重なり合うだけ。
彼女の肉壁が俺の形を慈しむように優しく締め付けてくる。
◆ 氷川透子
(幸せ……。体の中が陽だまりみたいにポカポカする)
彼のモノがわたしの一番深いところまで届いている。
昨日のような脳を焼かれるような刺激じゃない。
心臓と子宮が直接つながって、じわじわと満たされていくような、穏やかで、泣きたくなるような快感。
(あぁ、わたし……この人のことこんなに好きだったんだ)
「三枝くん……好き。……大好き」
「俺もです。透子さん」
彼の手がわたしの胸を優しく包む。
その温もりに呼応するように、腰が勝手に揺れる。
作られた快感じゃない。
わたしの意思で、わたしが気持ちいいから、動く。
「んぁ……っ、動くと、擦れて……きもちいい……っ」
「ゆっくりでいい。……たっぷり、感じて」
チュ、チュプ……。
部屋には愛を交わす水音と二人の甘い吐息だけが響く。
「いく……っ、三枝くん、いっしょに……朝の、してぇ……っ」
彼が呼応するように腰を突き上げる。
トプン、トプンと、波が打ち寄せるようなリズム。
その波に乗ってわたしの意識は真っ白な光の中へと溶けていく。
「んっ、んあぁぁぁ……っ!!しあわせぇぇ……っ!!」
穏やかな、けれど深い絶頂。
彼の熱い吐息とともに、新たな生命の源が胎内へと注ぎ込まれた。
◆
事後の静寂。
俺たちは汗ばんだ体を密着させたまま微睡みの中にいた。
「……ねぇ、三枝くん」
「はい」
「記憶は七回分だけど……」
透子は俺の胸に指先で『好き』と文字を書きながら恥ずかしそうに呟いた。
「これからは、毎日……更新してくれる?」
「もちろんです。……一生かけて、覚えきれないくらいの快感を刻み込みますよ」
「ふふっ。……覚悟しとく」
彼女は最高の笑顔を見せ俺の唇にキスをした。
官能の残響はもう消えない。
それは形を変え、愛という名の日常となって俺たちの未来へと続いていく。
(完)
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