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1章 実験内容もわからないまま、とりあえずは様子見を

パーティー結成の下準備と、リアルでのエッチな親睦行為 3・5 中編

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「んっ!?」

 わずかだが確実に、クロッチに触れた指先が湿り気に触れる。
 二度三度と軽く指先で擦れる。湿り気はさして増えることはなかった。

(この感じだと……自慰の時程は興奮していないようね……濡れたとしても、今しがたね)

 経験則からコンビニでは濡れていなかったと考え安堵するも。自身もたいしたことなく濡れてしまっていることに愕然とする。

(こ、これも全部彼のせいだわ!! あ、あんなことをわたくしに……いやらしいマッサージをした挙句、無理やり!!)

「ふうっ!! ふぅ~……!!」

 ゲームでAIアバターのバトラにマッサージされた時のように、声を押し殺しながら官能を感じる雪菜。

(ゲームでは、わたくしの美しさに我慢できなくて襲って来たけれど……同じような状況?)
(さっきも、もしも二人きりなら……襲われーー)

 状況はずいぶん違うが、あの日雪菜を変えてしまった状況の焼き直しのように感じていた。
 片手は完全に服越しながら手の平に収まる美乳を撫でながら、ショーツ越しに秘部を刺激する状況に。
 ソフトタッチで、手の平全体を乳房に重ね。指先は乳房の輪郭をなぞるように動かす。
 秘部に伸ばした手もソフトタッチで。人差し指と中指の腹を、陰唇全体に押し付けながら撫でていく。
 興奮度低い状態の時は、このように昂りを上げていくのがマストだと雪菜は考えている。

「はあ、はあ!! 早くイカなきゃいけないのに!!」

(焦ることはないのよ……こういうのは、じっくり……じっくりと……でも、いつもよりも……)

 経験浅いなりに試す中で至った動きは。一定の速度で行われる面白みのない単調な動きだった。
 しかし、触れる部位からは形容し難いむず痒さが湧き起こり、得も言えない感覚が波及していく。
 その感覚の広がり方は、普段の自慰よりも数段早く感じた。

(あの腕の動かし方、相当激しく……早く扱いてるんじゃないかしら? 男の子って、そんなに激しくした方が……それとも、わたくしより先に始めていたから?)
(それと、腰や腕の角度的に……オチンチンは下の方へ向けて? ……ああ、勃起すると上向くから、射精しても汚さぬように、便器の方へ……)

 トイレ入り口と個室を交互に見ながら、割合は徐々に個室に向ける時間が増える。
 肝心のモノは見えないが、観察眼にも熱が込もる。
 雪菜の吐息も熱を帯び始め、足腰に砕ける程ではないが倦怠感を感じ始める。

(思えば、立ったままスルのは初めてね……バトラー君の脚が広がってる……コレなら……)

 壁に背をつけながら、ズリズリと腰を落としていく雪菜。
 膝が振り返られても見えないように、閉じながら腰を落としたかったが。それでは自慰を行いずらい。
 加えて、キレイに見えるがトイレの床に座り込む気にもなれない。

(もう少し……もう少しで見えそう……ッ!? 今のは!!)

 股座を弄ったまま腰を落とし切った際には、尻を浮かせた。腕一本分の脚を開く格好に落ち着いた。
 下降する最中戦人の股座の上部に覗いた影に、心臓が高鳴ったが。腰の高さを安定させてなお、肝心のモノは見えなかった。

(気のせい? いえ、腕の角度が安定していない……きっと、さっきはもう少し下向かせていたんだわ!!)

 刹那見えた影を追うように、首は伸び個室側へラインを割ってしまう。
 その頃には、乳房を撫でる手の平にはシコリを帯びた乳頭が当たり。秘部を撫でる指先からはほのかな水音と、明確な粘液の滲みが感じるように。

「ハアッ!? ンンフッ!?」

 準備の整いを感じた雪菜は、早速勃起した乳頭と、淫部を同時に撫でれば。身構えていてもキツく絞った口から喘ぎが漏れそうになる。
 深い吐息が漏れてしまい、慌てて首を引っ込める雪菜。
 数秒覗きを中断したの後、恐る恐る個室を覗き見に戻る。

(バレて……ないわね?)

 戦人は相変わらず息を乱し雪菜の名前を呟いていた。

「あふぅ~……♪」

 後になって入り口の方も見たが、相変わらず誰にもバレていない。
 絶妙な緊張感と安堵感が身体を駆け巡り続ける状況。
 雪菜の脚は思わず開き、軽いM字開脚になってしまう。
 膝は個室からも見えてしまう角度になってしまったが、雪菜は気づいても直す気にはならなかった。
 
(スカートが……捲れてしまって……こんな、はしたない格好♪)

 脚の長い雪菜の膝角度はかなり急。身じろぎ脚を開いた拍子に、スカートは捲れショーツが自分の目でも映りそうに。
 はしたない股開きに加えてショーツが見えるなど、普段の雪菜では看過できぬ状況。
 しかし、雪菜はさらに股を開いた。
 それどころか、爪先立ちになり、腰を斜め前に向かって突き上げるように掲げあげる。
 当然のようにスカートは捲れきり、純白のシルクショーツがまろび出る。
 レースがあしらわれた上品な高級ランジェリー。だというのに、作り出される卑猥な格好。
 その自ら作り出したのはしたない光景に背筋をゾクゾクとさせながら、ショーツに中へと手を挿入する。

「ふうっ!?」

 すっかり濡れそぼった秘裂に、直で指を這わせながら。必死に声を押し殺しながら自慰の熱量を上げていく。
 こうなれば、単調だった動きには明確な変化が訪れる。
 乳房の枠を撫でるばかりだった指先は、明確に乳房を揉み撫でながら乳頭も積極的に刺激する形に。
 胸で敏感なのは乳頭ながら。
 乳頭を摘み擦りながら、同時に乳房全体も揉み撫でれば。めくるめく甘い痺れが頂点を震源として波及していき。ただ敏感な部位を刺激するより官能的な快楽を感じることができる。
 
(やっぱり、普段よりも感度が上がるのが早いわ……)

 この状態なら、一人でに皮が剥け始める陰核の感度も上がっていることが予測できる。
 だが、雪菜は陰核にではなく。己がナカへ指を挿入させることを選択した。

「んくッ!? フッ!! ンフッ!!」

 敏感な乳首と陰核の二点、或いは三点集中による絶頂も好みだが、雪菜が今より心惹かれるのは、挿入による絶頂だった。

(見え!? また……また、一瞬だけ!?)

 相変わらず肉棒は絶妙な角度で当人の身体によって目隠しされている。
 地に伏すまでに身を屈めれば覗き込めるだろうが、そこまでの格好はプライドが許さない。
 しかし、戦人が小さく『イケるかも』と、幻聴を疑うレベルで呟いたような気がした時。雪菜のプライドは更に一段下がる。
 身体が半身程個室に向かい、首がググッと下へと下がる。
 胸を揉んでいた手が名残惜しそうにゆっくりと離れていき、遂に地面に手を着けてしまう。

(冗談じゃないわ!! ここまで来て、見れずじまいだなんて……ああ!?)

 手を着いた方の腕の肩が下がり、ソチラ側の膝が地面に接する。

「あふぅ♪ アッ♪ アッ♪」

 必死に声を押し殺す内に、荒くなった呼吸は鼻だけでは行えなくなり口からも漏れる。
 喉を締めるように自制しようとすれば、逆に口は開き。呼吸を求めるように口から舌を出しながら、苦しみ喘ぐように蠱惑的な吐息がでてしまう。
 美貌は苦悶と期待感に満ち満ちた官能的な歪み方をしており。
 その歪み方は、初体験の時にも自慰の時にも見せたことのないはしたない表情。
 そんな状態で、自重を腕にかけアゴが地に着くかと思える程に身を倒せば。
 欲情した雌犬が、主人の顔色を伺いながら餌に舌を伸ばすがごとき卑しさに。

(見えた!? 見えたわ!! バトラー君のオチンチン!? ああ、長くて……太い!!)
(思っていた通り、日本人の男性平均以上に間違いない!!)
(サイズも……ええ、きっと、ゲームのアバターと同じ……あんなモノが……あんなモノが、わたくしのナカに挿入されて……)
(しっかり、握りしめてあんなに激しく扱いて……硬い……のよね? 堅かったわ……鉄……とまではいかなかった……わよね?)
(ああ!? なんかが飛散して!? まさか、もうイって……いえ、あれは、カウパー……先走り汁というモノね!!)
(ほとばしってる!! ほとばしってるわ!!)

 明晰な頭の回転速い頭脳は、捲し立てるように肉棒の観察結果を脳内に刻み込む。
 浅黒くない経験の浅そうなモノだとか。
 皮は向けているものの、根本に少しダボつくことから仮性包茎だとか。
 両親が頭を覗き込めば気絶しかねない情報をインプットしていく令嬢。
 ゲーム内で姿見ぬまま擦り付けられ挿入された情報に。最近仕入れた性知識を合わせて様々なデータを弾き出すのに。時間にして三十秒もかからなかった。
 気がつけば、着いた片膝に誘われるように更に室内に入り込んでいた。立ち上がれないほどに震えている。
 手の支えも含めていなければ、完全に姿勢を崩す程に足腰が官能の波にヤラれていく。
 そんな状態でも、抽送する己が指の速度はむしろ激しさを増し。完全に水音が響いてしまう状態に。
 
「き、キタッ!! イクッ!!」

 戦人の射精は突然訪れた。だというのに、雪菜の身体も宣言に合わせて震える。

「わた……ぃィ……ッッッ~~!!??」

 上擦った声で自らも宣言しながら。
 肉棒をシッカリ目で補足し、射精の瞬間を焼き付けながら、抽送ばかりだった指の腹を曲げる。
 敏感な凹みを擦られた膣は一気に窄まるように緊張し。
 白濁液が勢いよく肉棒の鈴口から吹き出すのを見ながら。強烈な排泄感が体内から噴き出る。
 それなりに厚さのあるシルク生地からさえ、半透明な液体は貫通するように滲み出て。
 ショーツ端からもとめどなく普段の愛液よりも粘度低いサラついた液体が滴り続けた。

(わたくし……漏らして……いえ、これは……潮……と、いう?)

 あまりの排出量にソソウを真っ先に思い浮かべてしまうが。
 断続的な緊張と弛緩の連続と放出の圧倒的多幸感に、知識でしか知らない潮吹きに至ったのだと漠然的に理解する雪菜。
 あまりの脱力していく感覚に完全に姿勢を崩しそうになるが。最後のプライドで踏みとどまる。
 それでも、あわや舌先や頬が地面に着きそうな程に身を伏せながら。
 自分に比べ少量の放出に至った戦人を、恨めしそうに見上げる。

(こ、この程度の射精量ではなかったはずよ? わたくしのことを……こんな目に……ここまでさせておいて、その程度の絶頂だなどと……!!)

 しっかり射精を見届け切った令嬢は、あの日膣内と脳に焼きついた圧倒的射精量を忘れていなかった。

(まさか、あの時の感覚が……思い違いなだということはーー)

「はあ、はあ……無理やり、下向かせてだったから、満足感が……」

(!? そういうことね。勃起で上向いたオチンチンを、無理やり真逆に向かせたから、精子の登りが少なかったのね?)
(だったら……立位がベストかしら? いえ、重要なのは向きだから、以前のように寝バックでも、最大限の……あの時の鉄砲水が弾けたようなのが、最大限なのね♪)

 M字こそ崩れたものの、未だショーツ丸出しのまま、卑猥な分析を行いながら身を伏せる令嬢。
 徐々に身体の痙攣は収まり。自慰で感じたことのない満足感を感じながらも。強烈な好奇心が、身体の奥から更なる探究を要求してくる。

「ゆ、雪菜さんのせいだ、雪菜さんが、あんなことするからーー」

 その情動に動かされるように、雪菜の身体は幽鬼の如く立ち上がった。

「わたくしが……何かしら?」

 戦人が言葉を失い、身を強張らせた。

(ウフ♪ 緊張させちゃって……硬くするのは、オチンチンだけで良いのに♪)

 舌舐めずりさえしながら、フラつく身体を戦人の背に飛び込ませるように抱きついた。

「うわ!?」

 驚愕する戦人は、怯えたように震えていた。到底雪菜の身体の状態など気づいていない様子。

「わたくしのせいとは……どういうことなのかしら?」

 未だ腰を背後に突き出すような戦人に、雪菜は自然と腰を押し付けた。
 ソックスまで潮でぐしょ濡れながら、捲り上げていたスカートはほぼ濡れていないため。
 戦人からすれば、なんの痕跡も見れず。動揺するしかないのも無理はない。

(さあ、今度こそ見せてもらうわ……アナタのオチンチンのことを……ちゃんと♪)
(そして、わたくしが……わたくしの手で、ウフフ♪ 射精させてあげる♪)

 完全なメス顔で、男に腰を押し付けながら。
 令嬢はじっくり肉棒を堪能するため、戦人の背から首を覗き込ませていった。
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