痴漢願望の女達 〜欲望に落ちる劣情と、恋に昇華される劣情〜

鮭茶漬 梅茶

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とあるOLと年下青年のお話

年下のカレを求めてーー

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 シュウとの邂逅から早1ヶ月弱。
 いつものように仕事を終えた香織は、いつものように帰りの電車に揺られていた。

「んっ……ふぅ……ぁ♪」

 周囲には何人もの背の高い男達が囲むような状態で。背後に立った若い男が香織に抱きつくようにしながら、その豊満な乳房と股座に触れていた。

(違う、この人も上手だけど……シュウ君じゃない……)

 あれから三度目の痴漢掲示板の利用。
 シュウと出会った条件に加え、相手の指名に若い男性とだけ付け加え。今日も香織は痴漢をされていた。
 指定車両だけは違ったが。
 自宅から少し外れた経路とはいえ、同じような条件で何度も痴漢を依頼するリスクは承知していたが。
 シュウとの再会に脳を焼かれた香織は、結局はすがるように募集をかけて待つしかできなかった。

(ああ、そろそろ時間……)

 背後の青年の手腕は実に巧みだった。
 十分弱の間にブラウスをはだけさせられ、スカートを捲られ。
 下着の上から程よい力加減で触れられる間に、香織の身体は熱を帯び股座も湿り気を帯びていた。
 電車のに揺られながら、心地よい気持ちよさが身体に広げられていく。
 だというのに、心の方はアンニュイな沈んだ気持ちだった。
 青年は若いながら機微に聡いのか、性格か。残り時間が迫る中淡々とショーツの中へ手を挿入する。

「んっ!? フッ~~……」

 香織はその動作が分かっていたかのように、抵抗することなく口元に力を込める。
 絶妙な力加減で青年の指先が陰核に伸び、手慣れた様子で微細な振動と共に撫で擦ってくる。
 同時に、はしたなくブラジャーに浮かぶ乳頭も摘まれ。こちらも絶妙な加減で敏感な粒を刺激してくる。

(前の二人も、シュウ君程大胆じゃなかった……私が乗り気じゃないことに気づいてるから、最低限で終わらせようとしてる?)
(周りの囲いの人もずいぶん慣れてるみたいだし……)
(やっぱり、あの掲示板……普通じゃない? 普通、ただマッチングしただけで……こんなに、統率取れないよね……)

 今まさに絶頂を迎えようというのに、心はソコには向かない。

「あふ……ィーー!!」

 だが、敏感な肉体は心沈もうと、自慰とは比べものにならぬ快楽を感じて果ててしまう。
 必死に声を押し殺しながら、今日も香織は誰とも知れぬ男が与えてくる快楽に果ててしまう。
 心地よさに足の力が抜けそうになりふらつき。倒れぬように気を持ち直す中。
 正面の男がスマホ画面を見せてくる。
 延長するかが書かれている。
 この行為も既に四回目。
 香織は慣れた調子で自らもスマホを取り出すと、端的に延長を拒否した。
 周囲の男達も青年も特に妙な行為は行わず。
 壁役は壁に徹しながら、背後の青年が股座をウェットティッシュで拭き始める。
 香織の方も慣れた調子で、乱れた胸元を直すと青年の拭き終わりを待ってスカートも直した。

(まだ、恥ずかしさはあるけど……私も慣れたものね)

 おおよその流れが同じこともあり、機械的な行動に安心感を覚える香織は。少し前の自分では思いもしなかったであろうサバサバ加減で。淡々と痴漢行為を終えた。
 駅に到着するや、男達は散開してホームに下車していく。
 残された香織は手すりに捕まったまま、アプリのチャット画面を開いた。
 先程集団痴漢してくれた匿名の相手たちに。単調だが短く丁重なお礼のメッセージを書き込む。

「ふぅ~~……」

 身体には満足感があるというのに、心の方はポッカリ穴が開いたよう。

(いつまで、こんな馬鹿なまね……そもそも、シュウ君だって、たまたま利用しただけかもしれないし……)
(でも、あの男の人達の行動……マニュアルに沿ってるとしか思えない程、同じ流れ……)
(掲示板には、慣れた人が手引きみたいなことも書いてたけど……だからってーー会社……とか、裏にないよね?)

 シュウへの想いと、あまりに手慣れたマニュアルじみた痴漢達への疑念にボーッとしてしまう香織。
 絶頂直後なこともあり気が抜けてしまっている。
 突然、スカート越しに臀部が撫でられる。

(な、なに!? まさか、あの若い男の人、降りずに残って!?)

 青年の下車までは気が回っておらず、統制の取れていた行為が思い違いか。青年が暴走したのかと勘繰る香織。
 同時に、偶然他の乗客の手が触れただけかとも考えたが。手の平は明らかに臀部に向かい。尻を撫でてくる。

「へへっ!?」

(ち、違う!! さっきの人じゃない!? それに、聞き覚えがあるようなーー)

 手の動きにはコチラを気にかけるような感じはぜず。撫でる動きにはいやなねちっこさを感じる。
 その上、背後から漏れた奇妙で不快な短い笑いは。誠実そうであった青年のソレとは思えない。
 その上、ただの笑いだというのに、香織はデジャブを感じていた。
 その正体が分からぬうちから、背後から伸びた手が豊満な香織の乳房を掬うように触れてくる。
 
「ぁっ……♪」

 敏感な乳頭がブラジャーの中で擦れ。絶頂したばかりの身体は緊張と不快感に苛まれながらも、素直に感じてしまう。

「いつもより、可愛い声を出すじゃないか……やっぱり、痴漢にでもあってたのかい?」

「ぶ!? ちょ……」

 聞き馴染んだ声に香織の心臓が止まりそうになる。
 相手は、普段からセクハラをしてくる部長だった。
 その上、痴漢されたと図星を突かれ、香織は震えてしまう。
 予想外の自体にフリーズする香織。

(な、なんで部長が居るの!? それに、見られて!?)

 部長はたんに、香織を見かけた直後に。近づこうとした際に不自然な人の壁に阻まれ。
 壁が消えるや頬を上気させた香織の姿に卑猥な予想をしてカマをかけただけだった。
 部長自体香織が痴漢掲示板に書き込んだなどとは夢にも思っていない。
 だが、そんなことを知らない香織からすれば、人壁に隙間でもできて見られたのだと考えてしまう。
 途端、周囲の乗客にも見られたかもという予測が働いてしまい。
 もやは、怯えて石のように固まり地面を見つめるしかできなかった。

「かわいそうに……痴漢なんかにあって……次の駅で降りなさい……私が、慰めてあげよう」

 一切の労りを感じさせぬ、下心に満ちた声音。
 その上、部長はスマホをチラつかせてきた。

(まさか!? と、撮られて!?)

 カマかけが成功した部長が、言外に偽りの証拠を匂わせ脅しをチラつかせてくる。
 香織は思わず口元を抑えてしまい。
 部長は背後で成功を確信したのかニタっと笑みを溢した。

「怖かっただろう。少しどこかで休もうか……ふふ」

 逃げたい意思に反して、気弱な香織はなされるがままホテルにでも連れ込まれるのかと考えた。
 もはや逃げられない。

「イッタぁぁぁ!?」

 部長の身体がスライドし、胸を撫でた手が腰に降りてきたことを認識した直後。
 部長は悲鳴をあげて香織から飛び退いた。

「ああ!? ゴメンなさい!! 思いっきり、足踏んづけちゃって」

「ッ!?」

 横から聞こえてきた若い男性の声は、そのまま香織の真後ろへと移動した。
 ちょうど、隙間ができた部長との間に割り込む格好になる。
 だが、そんなことよりもソノ声に香織は耳を奪われた。
 硬直した身体は未だ振り向くことができないでいるが。
 部長とは違い、ほんの二、三個言しか聞いたことのない声であっても、その声自体に清涼感が宿ったかのような美声は耳に残っている。

(シュウ君!!)

 聞き違えるはずもない。焦がれたシュウの声だった。

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