13 / 24
【お邪魔しま~す ー後編ー 】
しおりを挟む
初めてプレイしたUMOを存分に楽しんだ銀仁朗が「わし、UMO好きやわ」と満足そうに笑顔で呟いた。
それを聞いた麻美が「持って来てよかった~」と言い、銀仁朗に笑顔を返す。
「麻美、ありがと。小学校の修学旅行ぶりにやったけど、楽しかったね」
「ね~。でもまさか銀ちゃんにも負けるとは……無念」
玲は、頭を抱え悔しがる麻美の背中を優しく撫で「よしよし、次は頑張ろうねー」と言って慰めた。その時、不意に麻美の背後に置いてあった荷物に足が当たってしまった。
「あ、ごめん蹴っちゃった」
「全然大丈夫だよ~」
「てか、この大きな荷物は何? 来たときから気になってたんだけど」
「ふふふ、気になっちゃいましたか。では諸君、今日のメーンイベントと行こうか~」
「お、なんや。UMOよりオモロいもんがまだあんのかいな」
「銀ちゃんが楽しめそうなおもちゃを探してたら、兄ちゃんが昔遊んでたコレを見つけたんだ~」
「まさか、勝手に持ってきたの?」
「ちゃんと許可は得てるよ~。もうやらないから、気に入ったらあげてもいいって言ってたし」
「なんやなんや。勿体ぶらずに早よ開けぇな」
「はいは~い。では……ご開帳~」
大きな袋から出てきたのは、玲にも見覚えのあるパッケージだった。
「あ、これは『野球ボード』だね! おもちゃ屋さんで見たことある」
「そそ。これなら銀ちゃんも遊べそうでしょ!」
「確かにいいかも」
「野球ボード、言うたか? 野球なら大川のおっちゃんとやったことあるけど、野球ボードいうんは初めてやな」
聞きなれない名前が出てきたので、麻美が質問する。
「玲、大川のおっちゃんって誰?」
「銀ちゃんの飼育員してた人だよ。銀ちゃんに言葉教えた人でもあるんだ」
「おぉ。大川のおっちゃんさんのおかげで、今この尊き時間を過ごせているという訳ですな。大川のおっちゃんさん、感謝永遠に……」
空を見上げて手を合わせる麻美に、銀仁朗がツッコむ。
「なんか往生したみたいな言い方しとるけど、まだご健在やで。今は淡路島にあるウェールズの丘いう所でコアラの飼育員やっとるはずや」
「そこで、銀ちゃん第二号を養成してるかもだね~」
「どやろな」
「んじゃ、雑談はこのくらいにして、野球ボードやっていきましょうか~」
「私もやったことないので、麻美先生ご教示お願い致します」
「ふむ、よかろう。ではまずお手本として、うちと玲でやってみるから、銀ちゃんはちょっと見ててね~」
「はいよ」
「始めに、じゃんけんして勝った人が、先に打つ人やるか、投げる人やるか決めま~す」
二人は「じゃんけんポン」という掛け声と共に手を出した。
「あ、うちの勝ちだから、先に打つ方やろうかな~」
「おっけー」
「では、投げる人——って何て言うんだっけ?」
「ピッチャーじゃない?」
「そう、それ! 玲がピッチャーね。ここの溝にボールをセットして、ここのレバーを引いて離すと、ほらこの通りボールが投げられま~す」
「なるほど。レバーの引く力を調整したら早いボールと遅いボールが投げ分けられるって書いてある」
「打たれないようにするには、駆け引きが重要だからね~」
「投げ方はよう分かったから、次は打つ方の説明よろしゅう」
「りょ。で、打つ人は……何だっけ?」
「えっと……バットマン?」
「それ、黒いスーパーマンみたいなやつじゃね?」
「ちょっとお調べ致しますね~。少々お待ち下さい……あ、惜しい。バッターだった」
「聞いたことある!」
とても初歩的なところで壁にぶち当たる二人を見て、銀仁朗はこめかみを掻いた。
「なんや二人とも、全然野球の知識ないやないか」
「実は野球やっこと一度もないんだよね~。兄ちゃんが小学生の頃にやってたのをちょっと見てたくらいで、あんまり興味なかったし」
「うちのお父さんは、休みの日はいつもテレビで野球観てるけど、私もあまり興味持って見たことない」
「大川のおっちゃんも、野球は女子より男子に人気なスポーツやとは言うてたな」
「そそ、だからルールとか聞かれても分からんのですよ~。あはは~」
開き直った麻美に、同意を示すように玲も前向きな発言をする。
「まぁ、なんとなく楽しく遊べたらいいんじゃないかな」
「玲の言う通り! で、何してたっけ? あぁ、打ち方の説明の続きだね。打つ方は、こっちのレバーを引いて放すとバットが振れま~す。投げたボールにタイミング良く当てられたらオッケーです」
「単純だけど、意外と難しそう」
「なんとかなるっしょ! んじゃルール説明も終わったし、いざ第一回戦、やってみよ~う♪」
「そうだね、やるからには負けないよ」
「臨むところだ!」
最後のバッターをアウトに抑えた麻美が、腰に手を当て勝ち誇った。
「へっへーん。楽勝だったな~」
麻美は勝利を喜びながらも、内心ではUMOのリベンジを果たせたことに安堵していた。
「全然当たらなかったよぉ。そしてめっちゃ打たれたよぉ。銀ちゃん、私の仇を討ってきて!」
「りょーかいや。頭の中での練習はバッチシできてあんでー」
「初心者とはいえ、うちは手加減しまへんで~。いざ尋常に勝負だ!」
「わし、先打たせてもろてえぇか?」
「もちろん。じゃあ、うちがピッチャーで始めるよ~」
「よっしゃ、こーい!」
「ピッチャー、第一球……投げた!」
「おりゃぁぁぁぁ」
銀仁朗の気合とは裏腹に、バットは見事に空を切る。
「空振りで1ストラーイク」
「よ、よし。次は当てるで!」
「第二球、投げまーす」
「そりゃ! おっ、当たった!」
「でもファールだから、2ストライクだね。これで追い込んだよ~」
「大丈夫や、今のでコツ掴んだわ」
「ふっふっふ。絶対抑えてやんよ」
「その自信、わしのバットでへし折ったる!」
そして迎えた三投目……その事件は起きたのだった——。
「第三球……投げました!」
「うぉりゃー! って……はぁ⁈」
銀仁朗のバットは、再び空を切った……が、ボールはどこにも見当たらない。
「よっしゃー! 空振り三振‼」
「ちょちょちょ、ちょ待てよ! おかしいやん! 玉消えてもたがな」
「そだね~、消えたね~」
「なんでやねん!」
麻美はドヤ顔を決めながら楽し気に言い放った。
「必殺の……消える魔球だよ!」
「いや、玉消えるとか聞いてへんがな」
「うん、言ってないもん」
「卑怯や……この娘、むっちゃ卑怯や!」
「勝つ為には何でもやるぜ、うちは。これが本当の隠し玉じゃい!」
玲は、慈悲深い仏の様な顔をしながら麻美を諌める。
「麻美さん、素人相手に大人気ないですわよ」
「ゔっ、玲様……。そんな顔で私を見ないでぇ~」
「とりあえず、さっきのやり方をきちんと我々にも教えてもらえますか?」
「はっ、はい喜んでぇ~」
「ゲームはフェアでなくっちゃね」
銀仁朗の第一打席は、麻美の小細工による波乱の幕切れとなったが、その後は思いのほか白熱した戦いが繰り広げられた。
「銀ちゃんやるねぇ~。初めてなのにホームランまで打っちゃうし!」
「でも、結果はわしの負けや。悔しいのぉ」
「その気持ち、よ~く分かるよ。うちも、兄ちゃんにずっとコテンパンにされてきたからね~」
「もっかいやろ! 今度は玲とわしでやろや」
「最下位決定戦だね~」
少々嫌味な言い方をされ、玲が剣呑な目つきをする。
「麻美、うちら初心者なんだから、そんな言い方しないで」
「ごめんごめん。でも銀ちゃん、野球ボード気に入ってくれたみたいで良かった~」
「わし、野球ボード好っきゃ」
「ならあげるよ。兄ちゃんからは許可貰ってるし!」
「ホンマか! 嬉しいなぁ。ありがとう麻美。お礼に、ユーカリたんまり持って帰ってな」
「だからいらねーって」
麻美がそう言うと、部屋の中は笑い声に包まれた。
「お邪魔しました~」
玄関から麻美の挨拶が聞こえてきたので、英莉子はソファから立ち上がり、見送りに向かった。
「あら、麻美ちゃん。もう帰るの?」
「銀ちゃん、遊び疲れたみたいで寝ちゃいましたし」
「そう。相手してくれてありがとね。またいつでもいらして」
麻美は丁寧にお辞儀をし、上体を起こそうとした時、英莉子の後ろに隠れている桜の存在に気がついた。
「ありがとうございます。あ、桜ちゃんだ~! ヤッホ~。ずいぶん大きくなったね~。玲に少し似てきた?」
「麻美ちゃん……うちも一緒に遊びたかったなぁ。今度来たときは、桜も一緒に遊んでいい?」
まだ、あどけなさが残る少女からの可愛い懇願に、麻美の変なスイッチが入った。
「大原家……何て尊いの! 銀ちゃんも、桜ちゃんも可愛いが過ぎるんすけどぉ~‼」
「麻美、落ち着いて。鼻息が荒くなってるよ!」
「おっと、いけねぇ……」
「ふふっ。今日は本当に来てくれてありがとね。銀ちゃんもすっごく喜んでた。野球ボードのお礼、お兄さんに言っておいてね」
「わかった。伝えとく」
「そだ! 持って帰る?」
「何を?」
「ユーカリ」
「いらんわ」
「だよねー」
再び二人は仲良く笑い合うと、麻美は玲の家を後にした。
それを聞いた麻美が「持って来てよかった~」と言い、銀仁朗に笑顔を返す。
「麻美、ありがと。小学校の修学旅行ぶりにやったけど、楽しかったね」
「ね~。でもまさか銀ちゃんにも負けるとは……無念」
玲は、頭を抱え悔しがる麻美の背中を優しく撫で「よしよし、次は頑張ろうねー」と言って慰めた。その時、不意に麻美の背後に置いてあった荷物に足が当たってしまった。
「あ、ごめん蹴っちゃった」
「全然大丈夫だよ~」
「てか、この大きな荷物は何? 来たときから気になってたんだけど」
「ふふふ、気になっちゃいましたか。では諸君、今日のメーンイベントと行こうか~」
「お、なんや。UMOよりオモロいもんがまだあんのかいな」
「銀ちゃんが楽しめそうなおもちゃを探してたら、兄ちゃんが昔遊んでたコレを見つけたんだ~」
「まさか、勝手に持ってきたの?」
「ちゃんと許可は得てるよ~。もうやらないから、気に入ったらあげてもいいって言ってたし」
「なんやなんや。勿体ぶらずに早よ開けぇな」
「はいは~い。では……ご開帳~」
大きな袋から出てきたのは、玲にも見覚えのあるパッケージだった。
「あ、これは『野球ボード』だね! おもちゃ屋さんで見たことある」
「そそ。これなら銀ちゃんも遊べそうでしょ!」
「確かにいいかも」
「野球ボード、言うたか? 野球なら大川のおっちゃんとやったことあるけど、野球ボードいうんは初めてやな」
聞きなれない名前が出てきたので、麻美が質問する。
「玲、大川のおっちゃんって誰?」
「銀ちゃんの飼育員してた人だよ。銀ちゃんに言葉教えた人でもあるんだ」
「おぉ。大川のおっちゃんさんのおかげで、今この尊き時間を過ごせているという訳ですな。大川のおっちゃんさん、感謝永遠に……」
空を見上げて手を合わせる麻美に、銀仁朗がツッコむ。
「なんか往生したみたいな言い方しとるけど、まだご健在やで。今は淡路島にあるウェールズの丘いう所でコアラの飼育員やっとるはずや」
「そこで、銀ちゃん第二号を養成してるかもだね~」
「どやろな」
「んじゃ、雑談はこのくらいにして、野球ボードやっていきましょうか~」
「私もやったことないので、麻美先生ご教示お願い致します」
「ふむ、よかろう。ではまずお手本として、うちと玲でやってみるから、銀ちゃんはちょっと見ててね~」
「はいよ」
「始めに、じゃんけんして勝った人が、先に打つ人やるか、投げる人やるか決めま~す」
二人は「じゃんけんポン」という掛け声と共に手を出した。
「あ、うちの勝ちだから、先に打つ方やろうかな~」
「おっけー」
「では、投げる人——って何て言うんだっけ?」
「ピッチャーじゃない?」
「そう、それ! 玲がピッチャーね。ここの溝にボールをセットして、ここのレバーを引いて離すと、ほらこの通りボールが投げられま~す」
「なるほど。レバーの引く力を調整したら早いボールと遅いボールが投げ分けられるって書いてある」
「打たれないようにするには、駆け引きが重要だからね~」
「投げ方はよう分かったから、次は打つ方の説明よろしゅう」
「りょ。で、打つ人は……何だっけ?」
「えっと……バットマン?」
「それ、黒いスーパーマンみたいなやつじゃね?」
「ちょっとお調べ致しますね~。少々お待ち下さい……あ、惜しい。バッターだった」
「聞いたことある!」
とても初歩的なところで壁にぶち当たる二人を見て、銀仁朗はこめかみを掻いた。
「なんや二人とも、全然野球の知識ないやないか」
「実は野球やっこと一度もないんだよね~。兄ちゃんが小学生の頃にやってたのをちょっと見てたくらいで、あんまり興味なかったし」
「うちのお父さんは、休みの日はいつもテレビで野球観てるけど、私もあまり興味持って見たことない」
「大川のおっちゃんも、野球は女子より男子に人気なスポーツやとは言うてたな」
「そそ、だからルールとか聞かれても分からんのですよ~。あはは~」
開き直った麻美に、同意を示すように玲も前向きな発言をする。
「まぁ、なんとなく楽しく遊べたらいいんじゃないかな」
「玲の言う通り! で、何してたっけ? あぁ、打ち方の説明の続きだね。打つ方は、こっちのレバーを引いて放すとバットが振れま~す。投げたボールにタイミング良く当てられたらオッケーです」
「単純だけど、意外と難しそう」
「なんとかなるっしょ! んじゃルール説明も終わったし、いざ第一回戦、やってみよ~う♪」
「そうだね、やるからには負けないよ」
「臨むところだ!」
最後のバッターをアウトに抑えた麻美が、腰に手を当て勝ち誇った。
「へっへーん。楽勝だったな~」
麻美は勝利を喜びながらも、内心ではUMOのリベンジを果たせたことに安堵していた。
「全然当たらなかったよぉ。そしてめっちゃ打たれたよぉ。銀ちゃん、私の仇を討ってきて!」
「りょーかいや。頭の中での練習はバッチシできてあんでー」
「初心者とはいえ、うちは手加減しまへんで~。いざ尋常に勝負だ!」
「わし、先打たせてもろてえぇか?」
「もちろん。じゃあ、うちがピッチャーで始めるよ~」
「よっしゃ、こーい!」
「ピッチャー、第一球……投げた!」
「おりゃぁぁぁぁ」
銀仁朗の気合とは裏腹に、バットは見事に空を切る。
「空振りで1ストラーイク」
「よ、よし。次は当てるで!」
「第二球、投げまーす」
「そりゃ! おっ、当たった!」
「でもファールだから、2ストライクだね。これで追い込んだよ~」
「大丈夫や、今のでコツ掴んだわ」
「ふっふっふ。絶対抑えてやんよ」
「その自信、わしのバットでへし折ったる!」
そして迎えた三投目……その事件は起きたのだった——。
「第三球……投げました!」
「うぉりゃー! って……はぁ⁈」
銀仁朗のバットは、再び空を切った……が、ボールはどこにも見当たらない。
「よっしゃー! 空振り三振‼」
「ちょちょちょ、ちょ待てよ! おかしいやん! 玉消えてもたがな」
「そだね~、消えたね~」
「なんでやねん!」
麻美はドヤ顔を決めながら楽し気に言い放った。
「必殺の……消える魔球だよ!」
「いや、玉消えるとか聞いてへんがな」
「うん、言ってないもん」
「卑怯や……この娘、むっちゃ卑怯や!」
「勝つ為には何でもやるぜ、うちは。これが本当の隠し玉じゃい!」
玲は、慈悲深い仏の様な顔をしながら麻美を諌める。
「麻美さん、素人相手に大人気ないですわよ」
「ゔっ、玲様……。そんな顔で私を見ないでぇ~」
「とりあえず、さっきのやり方をきちんと我々にも教えてもらえますか?」
「はっ、はい喜んでぇ~」
「ゲームはフェアでなくっちゃね」
銀仁朗の第一打席は、麻美の小細工による波乱の幕切れとなったが、その後は思いのほか白熱した戦いが繰り広げられた。
「銀ちゃんやるねぇ~。初めてなのにホームランまで打っちゃうし!」
「でも、結果はわしの負けや。悔しいのぉ」
「その気持ち、よ~く分かるよ。うちも、兄ちゃんにずっとコテンパンにされてきたからね~」
「もっかいやろ! 今度は玲とわしでやろや」
「最下位決定戦だね~」
少々嫌味な言い方をされ、玲が剣呑な目つきをする。
「麻美、うちら初心者なんだから、そんな言い方しないで」
「ごめんごめん。でも銀ちゃん、野球ボード気に入ってくれたみたいで良かった~」
「わし、野球ボード好っきゃ」
「ならあげるよ。兄ちゃんからは許可貰ってるし!」
「ホンマか! 嬉しいなぁ。ありがとう麻美。お礼に、ユーカリたんまり持って帰ってな」
「だからいらねーって」
麻美がそう言うと、部屋の中は笑い声に包まれた。
「お邪魔しました~」
玄関から麻美の挨拶が聞こえてきたので、英莉子はソファから立ち上がり、見送りに向かった。
「あら、麻美ちゃん。もう帰るの?」
「銀ちゃん、遊び疲れたみたいで寝ちゃいましたし」
「そう。相手してくれてありがとね。またいつでもいらして」
麻美は丁寧にお辞儀をし、上体を起こそうとした時、英莉子の後ろに隠れている桜の存在に気がついた。
「ありがとうございます。あ、桜ちゃんだ~! ヤッホ~。ずいぶん大きくなったね~。玲に少し似てきた?」
「麻美ちゃん……うちも一緒に遊びたかったなぁ。今度来たときは、桜も一緒に遊んでいい?」
まだ、あどけなさが残る少女からの可愛い懇願に、麻美の変なスイッチが入った。
「大原家……何て尊いの! 銀ちゃんも、桜ちゃんも可愛いが過ぎるんすけどぉ~‼」
「麻美、落ち着いて。鼻息が荒くなってるよ!」
「おっと、いけねぇ……」
「ふふっ。今日は本当に来てくれてありがとね。銀ちゃんもすっごく喜んでた。野球ボードのお礼、お兄さんに言っておいてね」
「わかった。伝えとく」
「そだ! 持って帰る?」
「何を?」
「ユーカリ」
「いらんわ」
「だよねー」
再び二人は仲良く笑い合うと、麻美は玲の家を後にした。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
痩せたがりの姫言(ひめごと)
エフ=宝泉薫
青春
ヒロインは痩せ姫。
姫自身、あるいは周囲の人たちが密かな本音をつぶやきます。
だから「姫言」と書いてひめごと。
別サイト(カクヨム)で書いている「隠し部屋のシルフィーたち」もテイストが似ているので、混ぜることにしました。
語り手も、語られる対象も、作品ごとに異なります。
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
天才天然天使様こと『三天美女』の汐崎真凜に勝手に婚姻届を出され、いつの間にか天使の旦那になったのだが...。【動画投稿】
田中又雄
恋愛
18の誕生日を迎えたその翌日のこと。
俺は分籍届を出すべく役所に来ていた...のだが。
「えっと...結論から申し上げますと...こちらの手続きは不要ですね」「...え?どういうことですか?」「昨日、婚姻届を出されているので親御様とは別の戸籍が作られていますので...」「...はい?」
そうやら俺は知らないうちに結婚していたようだった。
「あの...相手の人の名前は?」
「...汐崎真凛様...という方ですね」
その名前には心当たりがあった。
天才的な頭脳、マイペースで天然な性格、天使のような見た目から『三天美女』なんて呼ばれているうちの高校のアイドル的存在。
こうして俺は天使との-1日婚がスタートしたのだった。
【完結】愛されたかった僕の人生
Kanade
BL
✯オメガバース
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
お見合いから一年半の交際を経て、結婚(番婚)をして3年。
今日も《夫》は帰らない。
《夫》には僕以外の『番』がいる。
ねぇ、どうしてなの?
一目惚れだって言ったじゃない。
愛してるって言ってくれたじゃないか。
ねぇ、僕はもう要らないの…?
独りで過ごす『発情期』は辛いよ…。
居酒屋で記憶をなくしてから、大学の美少女からやたらと飲みに誘われるようになった件について
古野ジョン
青春
記憶をなくすほど飲み過ぎた翌日、俺は二日酔いで慌てて駅を駆けていた。
すると、たまたまコンコースでぶつかった相手が――大学でも有名な美少女!?
「また飲みに誘ってくれれば」って……何の話だ?
俺、君と話したことも無いんだけど……?
カクヨム・小説家になろう・ハーメルンにも投稿しています。
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる