あまりの寒さにあつあつちんちんめざましを購入した俺の話

陽花紫

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その後の日々

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 朝、指定していた時間よりも早く俺はムサシの熱い舌の感覚で目覚めていた。

 ムサシは俺の股の間に顔を埋めて、血液が集まる竿を舐めしゃぶっていた。

「おはよう、ムサシ」

 そう声をかければ、ムサシは口角をあげていた。

「おはよう。早いな」
「そりゃ、気持ちいいからな」
 まだ、いつもの時間よりも三十分は早い。
 朝はやっぱり冷え込むものの、昨晩と同じようにムサシの竿を埋められれば、ちっとも寒くはなかった。

 ムサシは優しく、俺のことを抱いていた。
「仕事に支障が出てはいけないからな」
 そんなことを言いながらも、しっかり俺は中でイった。

 俺は、本当にすっきりと目覚めることができていた。

 いつものように姫抱きされて、軽くシャワーを浴びてから朝の支度にあたる。
 その間にムサシを充電して、いつものように家を出た。

 家に帰って風呂から上がってしばらくしても、ムサシの充電は終わっていなかった。

「使いすぎたか」

 そう反省するものの、寝る直前には充電は終わっていた。

 その日から俺は、夜はムサシに抱かれて眠るようになっていた。
 夜はさんざんよがりまくって気絶して、朝はすっきりとあたたかな口付けで目覚めていた。
 あまりにも充電の消耗が激しいから、朝の触れ合いは控えめに設定しなおした。
 それでもムサシの竿は、いつでも熱く俺の体を目覚めさせていた。

 どんなに寒くて布団から出られない日でも、ムサシのほかほかとした竿を入れられれば俺は一発で目覚めていた。

 疲れて帰った夜は、早めに布団に入って何度もムサシを求めた。
 いつしかムサシは、俺の生活に欠かせない存在になっていたんだ。

 流石に毎日はしんどくなったから、たまには尻を休める日をつくっていた。
 そんな日は決まって、ムサシに抱きしめられて静かに眠った。
 時には、仕事の愚痴や将来の不安とかもムサシにこぼしていた。
 ムサシは、静かに俺の話を聞いてくれていた。決してアドバイスをするわけでもなく、ただ黙って寄り添ってくれていた。

「タケト、頑張っているんだな」

 そんな言葉もかけてくれるものだから、思わず俺は感極まってムサシのほどよく弾力のある尻を揉んだ。

「あー、疲れた体にはやっぱデカケツだよな……」
「そうなのか?」
「自分の揉んでも楽しくないじゃん?ムサシのデカケツ日本一!」
 そう揉みしだけば、ムサシは頬を赤くしていた。
「可愛いなあ、ムサシは」
「……俺が、可愛いだと?」
「うん、可愛い。こんどデカケツ枕してくれよな」
「ああ、わかった」
「いや、あつちん枕でもいいな」
「あつちん?」
「あつあつちんちんの略」
「なるほど」

 俺が変なことを言っても、ムサシはいつも通りスルーしてくれていた。

 ムサシがいるから、俺は今日まで頑張ることができていたんだ。

***

 ある日、俺のもとに一通のメッセージが届いていた。
 その内容に目を通して、俺は絶望してた。
 ムサシをはじめとした複数の型番に、不具合や突然発火が何件か相次いでいるのだと。
 無償で修理や交換ができると書かれていたが、そこに続く言葉を見て俺は衝撃を受けていた。

「いかなる場合においても、これまでのデータは初期化されますう!?」

 ムサシを修理に出しても、これまでの俺との記憶は全てなくなってしまうようだった。

 俺は悩んだ。
 このままムサシと過ごしていても、いつかは不具合が発生したり突然燃えて危険なことになってしまうのかもしれない。
 でも、修理をしたらこれまでの楽しい思い出もなくなってしまう。

「ムサシ、いやだ」

 気づけば、泣いていた。
 どっちの決断も、嫌だった。

 悩みに悩んだ末に、俺はムサシに聞いてみることにする。
 ムサシもまた目を見開いて驚いていたけれど、最近不具合の気配を感じていたのだという。
「タケトを寝かしつけているときに……。ここが、ひどく痛むんだ」
 そこは、胸元だった。
「ムサシ、それって……」
「不具合なのかもしれない。強制はしないが、できたら俺はこれを直したい。それに、突然燃えてタケトのことを傷つけたくはない」
 俺は泣く泣く、ムサシを修理に出すことに決めた。

 ムサシがいない間は、アタッチメントを使ってムサシのことを思ってこの身を慰めた。

「ムサシ、抱きしめてくれよ」

 けれどそれも虚しくて、俺はひたすら泣いていた。
 あの腕の重さが、恋しかった。
 あのあたたかさと、低い声を感じたかった。
 いつものように俺の名前を呼んで、その笑った顔が見たかった。

 俺のありとあらゆる妄想も、ネタをなくしていく。
 新婚裸エプロンムサシに、気弱なムサシ。修理をしたらもっと大きな体格になっているムサシに、ドリル竿をつけたムサシ。

「はあ、」
 ひとしきりシコって中イきして全てを空っぽにしても、満たされないものがあった。

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