婚約破棄の上に家を追放された直後に聖女としての力に目覚めました。

三葉 空

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第5話 聖女さまのお仕事

 朝食後、神殿に務めるみなさんの会合が開かれました。

「既にご存知の通り、新たなる聖女ユリナ様が誕生されました。つきましては、この一件を王家に報告をした次第でございます」

 神官長のオクトレイル様がおっしゃいます。

「まだ返事は来ておりませんが、近い内に王城へと招かれることでしょう。ユリナ様、どうか心の準備をお願いいたします」

「か、かしこまりました。王城に招かれるなんて、緊張しますね」

「それくらい、聖女さまは大事な存在ですから。しかも、先代が亡きあと、しばらくずっと不在でしたからね。国王陛下もお喜びのことでしょう。これでまた国の平和が守られると」

「あはは……」

 役割を与えられて嬉しい気持ちはもちろんありますが、それでもやはりプレッシャーが大きすぎて不安な気持ちも抱いてしまいます。所詮はまだまだ小娘の私が果たして、この国を守ることが出来るのかと……

『大丈夫です、あなたら出来ます』

 ふと、神託を賜りました。私はキュッと気持ちが引き締まります。

「あの、オクトレイル様。聖女としての具体的なお仕事、もっと教えて下さい」

 私はやる気が湧いて来たので、積極的に問いかけます。

「かしこまりました。聖女たるユリナ様には、朝、昼、晩に1回ずつ、お祈りをしていただきます」

「はい。それから?」

「あとは……ゆっくりなさって下さい」

「……えっ?」

 私は目をパチクリとさせます。

「そ、それだけで良いのですか?」

「まあ、他にも儀式の際に立ち会っていただくなど、やることはございますが……基本的なお仕事はその1日3回のお祈りだけです」

 な、何と……それはまた……

「も、申し訳ないので、他にも何かお仕事下さい」

「ユリナ様、お気持ちはとてもありがたいです。しかし、あまり無理をなさって体調を崩されると困りますので……」

「平気です。以前はもっと、ハードワークをこなしていましたので」

 私が大きくなると、両親……元両親は仕事を丸投げして来たので。そういえば、私がいなくなってから、ちゃんと仕事は回せているのでしょうか? 貴族と家でも、ただ優雅に過ごすだけではなく、その家を存続させて行くために色々な仕事をこなさなければならないのですから。

「では……私の書類チェックをお手伝いしていただけますか?」

「かしこまりました」

 本当は、それだけだと全然物足りないのですが。まあ、まだ聖女としての仕事を始めてばかりですから。確実に安心してこなせるようになるまでは、きちんと様子を見ましょう。
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