侯爵令嬢は婚約者(仮)がお嫌い

ハシモト

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第1章

6話、怪しい訪問者

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兄が邸を去るのを見送ると、兄の言いつけ通り私は自室に戻った。
使用人達にもそうする様にと勧められ、本格的に何があるのか気になって仕方がない。
しかし兄との約束は破るまいと好奇心を抑えて部屋に大人しくいる次第だ。

「午後は暇ね…。 」

独り言ちり、広い寝台に身を投げれば、途端に眠気に襲われた。
寝台というものは、どうしてこんなにも眠気を誘うのか…。
私はその眠気に逆らう事なく静かに眠りに落ちた。




「お引き取りください! 」
「いや、事前にさきぶれを出した筈だか?届いていないのか?」
「今日は旦那様も坊ちゃんも居りません!」
「いやいや!全くもって、そちらの主人や跡取り様に用はない!用があるのは妹の方だ!」
「ですから、お嬢様も外出されておりまして!」
「嘘をつくな!わからんメイドだ、兎に角そこを通せ、僕を誰だと心得る!」


下が騒がしく目が覚めた。
何事だろうか?声を聞くあたり、メイドと男性らしき訪問者が言い争ってるようである。
まさかこれが兄の言っていた部屋から出るな、に繋がる何かではないのだろうか。

しばらく様子見として、自室のドアに聞き耳を立てて下の音を拾ったが、随分と激化して来てはいやしないだろうか。
はっきりと内容まで聞き取ることはできないが声量の変化で大体の様子は把握できた。
メイドの方には何人か加勢も入ったようで益々騒がしさが増す。

こんな時にはこの家の不在を預かっている私が止めに入るのが一番の解決策で正しい選択なのではないか?
その考えに思い至ると、兄との約束を無視して私は直ぐにドアを押し開けて早足で玄関の方に向かった。

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