10 / 34
第1章
7話、怪しい訪問者2
しおりを挟む
ロビーの方に赴くと、まだ悶着は続いているようだった。
何とかして止めなければっ!
そう思い、いつも張りあげることの無い声をロビーに震わせた。
「おやめ下さい!!何事ですか!!」
私が張り上げた声に反応して、その場にいた皆の注目が集まる。
「お嬢様!!お部屋から出てはいけませんと坊ちゃんも我々も申したではありませんか!」
侍女達がドタバタと駆け寄り、焦った様子で私を諌めた。
(ううっ、、お許し下さいお兄様…。)
罪悪感に駆られるが、今はそれどころでは無いだろうと心を入れ替え、その様に言わせる原因を作らせたであろう訪問者に目を向ける。
そこには、目麗しい黒髪の身綺麗な青年が立っていた。彼は私を見ては目を丸くし硬直が解けない様子であった。
私はメデューサかと独りツッコミをいれるが、そんな事はどうでもいい。
何の用が誰にあって侯爵邸に訪ねたのか問いたださねばならない。
怪しい人物であれば速攻警備員につき出さねばと周りであたふたする使用人を気に留めずコツコツと訪問者に近寄った。
その時である。
「門の方にゴテゴテの装飾品がついた趣味の悪い馬車が止まってると思えば、やはりお前か!何の了見があってここに足を踏み入れた、早々にお引き取り願おう!」
兄が帰って来た!!突然の救世主さながらの登場に安堵する。
「ヴィンセントお兄様!!」
「シルフィ!?何故部屋から出て来てるんだい!?」
いい反応です…。
御免なさいお兄様、お約束破ってしまいましたわ。
兄はシュンとする私の顔色から何かを察したのか、ため溜息をつくと、こちらに駆け寄った。
「シル、いいかい?今見た事は忘れるんだ。辛い思いが蘇るだろ?さぁ、部屋に戻ろう。」
優しく話しかける兄の言葉の意味が理解できず私は足を止める。
「辛い思い?ですか?」
そう問えば兄はおかしな顔をする。
「シル、もしかしてあいつが誰か分からない?」
「私がわかるお方なのですか?」
ぶふっ!!!!
兄と使用人達が一斉に吹き出した。
なぜ笑うのですか!?
「はは、お前が分からないんだったら、きっと彼とは初対面だろう。」
若干、腑に落ちない気もするが気にせまい。
「ちょっと待て!!!何が初対面なものか!!お、おい、お前!!僕が誰なのか分からないのか!?」
突然会話に入り込む訪問者に多少驚き、彼を下から上までじっくりと見た。
初対面では無い?でも、私の記憶に彼はいない。
それにしても初対面でお前とは少し失礼ではなくて?
「人違いをなさっているのでは?」
きっとそうに違いない。
兄も私に続けて彼の帰宅を促した。
「はは、そういう事だ。さぁ、早く帰った帰った。お呼びじゃ無いよ。」
呆然と立ち尽くして動かない彼の綺麗な顔はどうしてか生気のない死んだ魚の様な目になった。
「嘘だろ、し、シルフィ、、」
見知らぬ彼が私の名前を呼んだ。それと同時に身体を何かが巡る。
「何でしょう…。この懐かしい感じ…。今、身体中に鳥肌と悪寒が走りましたわ…。」
私の発言に兄は笑い転げ、使用人は気まずそうに目をそらし、目の先の訪問者は遂にいつ倒れてもおかしくはない様なひどい顔色でしゃがみ込んだ。
どうやらこの自体、収集がつかられなくなりそうです。
何とかして止めなければっ!
そう思い、いつも張りあげることの無い声をロビーに震わせた。
「おやめ下さい!!何事ですか!!」
私が張り上げた声に反応して、その場にいた皆の注目が集まる。
「お嬢様!!お部屋から出てはいけませんと坊ちゃんも我々も申したではありませんか!」
侍女達がドタバタと駆け寄り、焦った様子で私を諌めた。
(ううっ、、お許し下さいお兄様…。)
罪悪感に駆られるが、今はそれどころでは無いだろうと心を入れ替え、その様に言わせる原因を作らせたであろう訪問者に目を向ける。
そこには、目麗しい黒髪の身綺麗な青年が立っていた。彼は私を見ては目を丸くし硬直が解けない様子であった。
私はメデューサかと独りツッコミをいれるが、そんな事はどうでもいい。
何の用が誰にあって侯爵邸に訪ねたのか問いたださねばならない。
怪しい人物であれば速攻警備員につき出さねばと周りであたふたする使用人を気に留めずコツコツと訪問者に近寄った。
その時である。
「門の方にゴテゴテの装飾品がついた趣味の悪い馬車が止まってると思えば、やはりお前か!何の了見があってここに足を踏み入れた、早々にお引き取り願おう!」
兄が帰って来た!!突然の救世主さながらの登場に安堵する。
「ヴィンセントお兄様!!」
「シルフィ!?何故部屋から出て来てるんだい!?」
いい反応です…。
御免なさいお兄様、お約束破ってしまいましたわ。
兄はシュンとする私の顔色から何かを察したのか、ため溜息をつくと、こちらに駆け寄った。
「シル、いいかい?今見た事は忘れるんだ。辛い思いが蘇るだろ?さぁ、部屋に戻ろう。」
優しく話しかける兄の言葉の意味が理解できず私は足を止める。
「辛い思い?ですか?」
そう問えば兄はおかしな顔をする。
「シル、もしかしてあいつが誰か分からない?」
「私がわかるお方なのですか?」
ぶふっ!!!!
兄と使用人達が一斉に吹き出した。
なぜ笑うのですか!?
「はは、お前が分からないんだったら、きっと彼とは初対面だろう。」
若干、腑に落ちない気もするが気にせまい。
「ちょっと待て!!!何が初対面なものか!!お、おい、お前!!僕が誰なのか分からないのか!?」
突然会話に入り込む訪問者に多少驚き、彼を下から上までじっくりと見た。
初対面では無い?でも、私の記憶に彼はいない。
それにしても初対面でお前とは少し失礼ではなくて?
「人違いをなさっているのでは?」
きっとそうに違いない。
兄も私に続けて彼の帰宅を促した。
「はは、そういう事だ。さぁ、早く帰った帰った。お呼びじゃ無いよ。」
呆然と立ち尽くして動かない彼の綺麗な顔はどうしてか生気のない死んだ魚の様な目になった。
「嘘だろ、し、シルフィ、、」
見知らぬ彼が私の名前を呼んだ。それと同時に身体を何かが巡る。
「何でしょう…。この懐かしい感じ…。今、身体中に鳥肌と悪寒が走りましたわ…。」
私の発言に兄は笑い転げ、使用人は気まずそうに目をそらし、目の先の訪問者は遂にいつ倒れてもおかしくはない様なひどい顔色でしゃがみ込んだ。
どうやらこの自体、収集がつかられなくなりそうです。
0
あなたにおすすめの小説
私と子供より、夫は幼馴染とその子供のほうが大切でした。
小野 まい
恋愛
結婚記念日のディナーに夫のオスカーは現れない。
「マリアが熱を出したらしい」
駆けつけた先で、オスカーがマリアと息子カイルと楽しげに食事をする姿を妻のエリザが目撃する。
「また裏切られた……」
いつも幼馴染を優先するオスカーに、エリザの不満は限界に達していた。
「あなたは家族よりも幼馴染のほうが大事なのね」
離婚する気持ちが固まっていく。
【完結】結婚式前~婚約者の王太子に「最愛の女が別にいるので、お前を愛することはない」と言われました~
黒塔真実
恋愛
挙式が迫るなか婚約者の王太子に「結婚しても俺の最愛の女は別にいる。お前を愛することはない」とはっきり言い切られた公爵令嬢アデル。しかしどんなに婚約者としてないがしろにされても女性としての誇りを傷つけられても彼女は平気だった。なぜなら大切な「心の拠り所」があるから……。しかし、王立学園の卒業ダンスパーティーの夜、アデルはかつてない、世にも酷い仕打ちを受けるのだった―― ※神視点。■なろうにも別タイトルで重複投稿←【ジャンル日間4位】。
「君は完璧だから、放っておいても大丈夫」と笑った夫。~王宮から私が去ったあと「愛していた」と泣きついても、もう手遅れです~
水上
恋愛
「君は完璧だから、放っておいても大丈夫だ」
夫である王太子はそう笑い、泣き真似が得意な見習い令嬢ばかりを優先した。
王太子妃セシリアは、怒り狂うこともなく、静かに心を閉ざす。
「左様でございますか」
彼女は夫への期待というノイズを遮断し、離縁の準備を始めた。
うわさの行方
下沢翠花(しもざわすいか)
恋愛
まだ十歳で結婚したセシリア。
すぐに戦場へ行ってしまった夫のニールスは優しい人だった。
戦場から帰るまでは。
三年ぶりにあったニールスは、なぜかセシリアを遠ざける。
ニールスの素っ気ない態度に傷つき疲弊していくセシリアは謂れのない酷い噂に追い詰められて行く。
尽くしてきた婚約者に裏切られたので、婚約を解消しました〜彼が愛に気づいたのは、すべてを失ったあとでした〜
ともどーも
恋愛
「今回で最後だ。誓うよ」
これは二度目の『結婚式キャンセル』の時に言われた言葉。
四年間、愛する婚約者ディートリッヒのため尽くし続けてきたイリス。
だがディートリッヒは、イリスの献身を当然のものとし、やがて初恋の令嬢エレノアを優先するようになる。
裏切り、誤解、そして理不尽な糾弾。
心も身体も限界を迎えた夜、イリスは静かに決意した。
──もう、終わらせよう。
ディートリッヒが「脅しのつもり」で差し出した婚約解消の書類を、イリスは本当に提出してしまう。
すべてを失ってから、ようやく自分の愛に気づいたディートリッヒ。
しかしもう、イリスは振り返らない。
まだ完結まで執筆が終わっていません。
20話以降は不定期更新になります。
設定はゆるいです。
王妃そっちのけの王様は二人目の側室を娶る
家紋武範
恋愛
王妃は自分の人生を憂いていた。国王が王子の時代、彼が六歳、自分は五歳で婚約したものの、顔合わせする度に喧嘩。
しかし王妃はひそかに彼を愛していたのだ。
仲が最悪のまま二人は結婚し、結婚生活が始まるが当然国王は王妃の部屋に来ることはない。
そればかりか国王は側室を持ち、さらに二人目の側室を王宮に迎え入れたのだった。
王子を身籠りました
青の雀
恋愛
婚約者である王太子から、毒を盛って殺そうとした冤罪をかけられ収監されるが、その時すでに王太子の子供を身籠っていたセレンティー。
王太子に黙って、出産するも子供の容姿が王家特有の金髪金眼だった。
再び、王太子が毒を盛られ、死にかけた時、我が子と対面するが…というお話。
私が行方不明の皇女です~生死を彷徨って帰国したら信じていた初恋の従者は婚約していました~
marumi
恋愛
「あら アルヴェイン公爵がドゥーカス令嬢をエスコートされていますわ」
「ご婚約されたと噂を聞きましたが、まさか本当だとは!」
私は五年前までこの国の皇女エリシアだった。
暗殺事件に巻き込まれ、幼なじみで初恋の相手だった従者――アルヴェイン公子と共に命からがら隣国、エルダールへ亡命した。
彼の「必ず迎えに来る」その言葉を信じて、隣国の地で彼を待ち続けた……。
それなのに……。
やっとの思いで帰国した帝国の華やかなパーティー会場で、一際目立っているのは、彼と、社交界の華と言われる令嬢だった――。
※校正にAIを使用していますが、自身で考案したオリジナル小説です。
※イメージが伝わればと思い、表紙画像をAI生成してみました。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる