上 下
4 / 68

4

しおりを挟む

「最近まで平気で全裸でウロウロして、気持ち悪いから服着ろよ!て注意したらようやく服着てますし!食事中にもセックスの話しを平気でするし!アホなんです、兄貴!」

「え、あ、うん」

言葉がない。

「パッと見は美少年なのにね」

取り繕うと、

「全然です!ハルさんの方が100倍美人です」

そう捲し立てると恥ずかしいのか頬を染める。

「び、美人...?」

女顔っちゃ女顔ではあるが、170センチ、細身ではあるし、ネコでもあるが...初めて美人、と言われた。

「はい!抱かれてる時のハルさん、とてもセクシーですし...実物も美人で、そ、その」

「え、あ、うん...?」

「ハルさん見ていたら勃起しちゃいました」

「えっ」

「きょ、今日、泊まっていきませんか」

「い、いや、友達も数人来ているし...」

ついでに彼氏も。

「また遊び来るから」

そう言って、俺は彼氏、達哉や彼の兄貴、悠人の部屋に戻った。

「随分、遅かったな」

「あ、ちょ、ちょっと迷っちゃって」

親が医者なだけあり、豪邸ではある。

3人は相変わらず、テレビゲームに夢中だ。

「あー、いつも1人でゲームしてるから面白いー!もう、今日泊まってよ!」

悠人からまさかの声。

「俺、明日、仕事なんだよなあ、瑞希はオフだろ?泊まったら」

「えっ?いいよ、俺は。ゲームしないしさ」

「瑞希さんにも聞きたいことあるし、泊まってってくださいよお」

「...聞きたいこと?」

「ゲイビで売れっ子になる秘訣。俺もせっかくだし売れたいもん!」

「...なんの為?」

「ゲームの新作って次々に出るから、てか、店ごと買いたいくらい!」

かなりなおバカな話しをしながら悠人は満面の笑みだ。

「秘訣はさっき教えただろ」

「よくわかんないんで、また教えてください、俺、なんでか親から小遣い、貰えないから」

変な理由で悠人は焦っているらしい。

なかなか見た目によらず悠人は面白い、というか少しアホな気がする俺だった。
しおりを挟む
1 / 5

この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!

あなたに愛や恋は求めません

恋愛 / 連載中 24h.ポイント:101,889pt お気に入り:8,936

妖精のいたずら

恋愛 / 完結 24h.ポイント:420pt お気に入り:392

父と息子

BL / 連載中 24h.ポイント:28pt お気に入り:115

エースはまだ自分の限界を知らない

キャラ文芸 / 連載中 24h.ポイント:21pt お気に入り:21

僕っ娘は背徳的な恋がしたい。

恋愛 / 完結 24h.ポイント:7pt お気に入り:5

【短編】わかたれた道

恋愛 / 完結 24h.ポイント:49pt お気に入り:22

文化祭

青春 / 完結 24h.ポイント:56pt お気に入り:1

飯がうまそうなミステリ

エッセイ・ノンフィクション / 完結 24h.ポイント:0pt お気に入り:0

祭囃子と森の動物たち

ライト文芸 / 完結 24h.ポイント:0pt お気に入り:1

【本編完結】春待つ桜 君待つ紫苑

キャラ文芸 / 完結 24h.ポイント:0pt お気に入り:3

処理中です...