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第23話

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「「クリフッ!」」

 部屋に入って来た。父さんと爺ちゃんは、勢いよく俺へ抱きついた。まあ、戦場で倒れて数日間眠っていたし心配されたんだろうと思った。

「ちょ、く、苦しい……」

 しかし、2人の抱き締める力が段々強くなっていき俺の首が締まっていき苦しくなってきた。俺のステータスでも、この2人の力を受けきれないのかと別の事で俺は驚きもしていた。

「クリフ、本当に心配したんじゃぞ」

「ご、ごめんね。心配かけて、僕何日眠っていたの?」

「……10日間眠り続けていたんじゃよ」

「10日ッ!」

 精々、2日か3日だと思っていたがそれ以上眠っていた様だ。いや、しかし俺の感覚的にはそこまで眠った感覚は無いんだけどな……

「クリフ、もしかして戦場で戦っている間ずっと【鬼人化】使っていたのかい?」

「あっ、うん。結構、長く使ってたよ」

「……クリフが眠っていたのは、その【鬼人化】のせいだよ。【鬼人化】は自身の能力を強化してくれるけどその分、持久力が減る量が異常に増えるんだよ。私でさえ、5分か精々我慢して10分なのにクリフは1時間以上使っていただろう」

 確かに、父さんに言われた通り【鬼人化】の使用時間を思いだしてみると、1時間以上普通に使っていた。

「ましてや、クリフは3歳児だから、消耗した分回復するのに10日間掛かったんだよ」

「そうだったの、ごめんなさい。父さん、爺ちゃん……」

 心配を掛けてしまった2人に謝った。

「クリフ、その言葉は後から来るリサラにもちゃんと言うんじゃぞ……相当、怒っておるが」

「ッ、じ、爺ちゃん……」

「無理じゃ、儂でさえ怒ったリサラは抑えきれん。自分の犯した罪を償うんじゃよ」

「確かに、怒った時のリサラは手が付けられませんね。……しかし、リサラは私達にも怒っていると思いますよ」

「……逃げようかのう。ッ!ク、クリフ何をする!」

 1人だけ逃走しようと考えている爺ちゃんに俺は闇属性の魔法を使い、爺ちゃんを闇の魔力で捕まえた。昔、婆ちゃんと勉強してる時に「エルフは、闇の力に弱い」と聞いていたので、爺ちゃんの背中に抱き着き闇の魔力を使い縛り付けた。

「……クリフ、本当に魔法が上手いな」

「えへへ、爺ちゃんに一杯教えて貰ったからね~」

「今じゃ、教えなければ良かったと思っておるよ……はあ、もうクリフ良いぞ【鬼】が到着じゃわい」

 爺ちゃんがそう言うと、部屋の外から「バンッ」と大きな音が聞こえ、大きな足音をたててこちらに向かってきている。

「死なぬよう、頑張るぞ」

「「ぉ~」」

 その後、部屋に着いた怒りMAX状態の母さんが熱気を出しながら現れ、1時間に亘って俺、爺ちゃん、父さんは怒られ続けた。1時間経過した時、俺だけ解放され残り2人の説教は、それ以降も続いた。
 しかし、解放された俺を待って居たのは、お怒りモードの姉さん達、解放された俺だったが別の所で怒られていた。

「大丈夫?……」

「「……」」

 母さんは説教が終わり、2人を連れてこの屋敷のリビングに来た。2人の顔は、ビンタか殴られたのか分からないけど赤く腫れあがっていた。母さんが姉さん達と話をしている内に、こっそりと2人の顔を回復してあげた。

「す、凄いな一瞬で腫れが引いたの」

「クリフ、光属性の魔法上手いな……」

 と2人は驚いていた。その後、10日ぶりの食事をした俺は、腹が一杯になり、また眠気が来て母さん達に言って先程まで眠っていた部屋へと戻り、眠りについた。
 何かが俺が眠っているベッドに入って来たと思い目を開けると、横に姉さん達も一緒に眠っていて驚き起き上がった。

「ん~、クリフ君まだ寝てていいの」

「そうよ。クリフは疲れてるんだから、」

「ちょ、ちょっと!」

 姉さん達は、起き上がった俺の体を押さえつけるようにしてベッドに寝かし片腕ずつ抱きつかれて姉さん達は眠ってしまった。
 全力で抜け出そうと思えば、抜け出せるのだが姉さん達も眠ってしまったし、別に姉弟だし良いかと考え瞼を閉じ眠りについた。

★☆★

「アリエス達だけ、ずるいわ……」

 私は、2人の娘が息子のベッドの中に入り一緒に寝ているのを見て、私も一緒に眠りたいと思ってしまった。

「リ、リサラも一緒に眠って来るといいよ」

「そ、そうじゃな、儂達の事は気にしなくてよいから」

「何か言ったかしら? 貴方達は、反省が足りないのよ。クリフはね3歳児なのよ? そこの所ちゃんと分かっているの? それに兵士さんに聞いてみれば、クリフに人を殺させもしたって聞いたわよ?」

「そ、それは義父さんが、クリフにさせた事だから私には」

「あ、クリム儂だけ見捨てるのか!」

 目の前に石を膝の上に乗せされ、正座をさせている父と夫は、醜い争いをしている。

「静かにして頂戴? 子供たちは、眠っているのよ?」

「「はい、すみません」なのじゃ」

 クリフ達、子供組は知らない所で祖父と父が鬼の様に怒っている母親に説教されていた。
 次の日、足を小鹿の様にプルプルとして歩いている父さん達をクリフが「ブッ」と笑うと2人から強烈な威圧が飛んできた。まあ、それもリサラに気づかれ更に説教をされた。
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