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第九章

第395話 【団体戦・4】

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 俺の魔法対竜のブレスの対決は、長く続いていた。
 というのも、竜のブレス一つ一つが魔力の力技みたいな技で能力値だけ馬鹿高い俺の魔力でもキツイ状態だ。

「流石、ラルク様ですね。私達のブレスを難なく相殺するなんて」

「結構厳しいですけどね。あっちが終わるまでは、こっちを相手してないといけないでね」

「そうですね。アスラさん方もノア達相手によく戦えてますね」

「あの二人も周りが凄い人ばかり居るせいで、自覚を余りしてないけど大分こっち側の人間ですからね」

 アスラとレティシアさん、近くに義父さんやイデルさんと言った魔法と物理のエキスパートの様な人物が居て、自己評価が若干低い。
 更に俺がどちらも二人と同等位にやれるというのもあって、自己評価が低いが決して二人は弱い訳ではない。
 というか、アスラに関しては俺以上に魔法のセンスがある。
 ただ、俺の場合は加護だったり能力でそこら辺をカバーしている。

「まあ、お喋りはこの辺にして行きますよ?」

「そうですね。お喋りばかりしていても決着は、つきませんからね」

「行きますよ。ラルク様」

 フレンさんとドロンさんはそう言うと、同時にブレスを放って来た。
 流石のこの同時ブレスは、今の俺でもキツイ。

「ふぅ、本当に同時ブレスはキツイな……」

 しかし、俺も俺でこれまで魔法を鍛えて来た。
 何とか持ちこたえ、逆に俺から突撃する事にした。

「まずは、フレンさんから頂きますよッ!」

「くッ! 流石、ラルク様。剣術も凄いですねッ」

「私の事を忘れられちゃ、困りますよ!」

 フレンさんとドロンさんの間に入り、ブレスを封じて両者を相手取る。
 この距離で有ればブレスの心配は無いが、この二人は近接も中々に出来る。
 油断だけはしないように気を付けないといけない。

「ふぅー、ふぅー……」

 試合が始まって10分程が経過した。
 フレンさん達を相手にするのも段々ときつくなってきた状況で、アスラ達が増援へと来てくれた。
 奥の方では、場外に吹き飛ばされたノアさん達が居た。

「アスラ、レティシアさん、おつかれ」

「ラルク君こそ、フレンさんとドランさんの二人を任せてごめんね」

「ここからは3人で行こう!」

 3人揃った俺達は、一気にフレンさん達を追い込んだ。
 遠距離のアスラ、近接のレティシアさん、その二人の影から支援者として俺が動くチームワークでフレンさん達を追い詰め、何とか勝利する事が出来た。
 勝利を収めた俺達は、疲労が結構溜まっていたので直ぐに待合室に戻った。

「何とか勝てたな……」

「そうだね……作戦通り、ラルク君が持ちこたえてくれたおかげだよ。僕達だけだったら、とっくに負けてた」

「一対一でも四竜の人達は強かったのに、よく持ちこたえられたね」

「まあ、そこはリーダーの頑張りどころだからね……」

 そう俺が言うと、会場の片付けが終わり義父さん達対ウィードさん、セヴィスさんチームの戦いが始まる準備が整っていた。

「最初の相手がフレンさん達で良かったけど、他のチームは化け物ぞろいなんだよな……」

 義父さん達とウィードさん達は勿論の事、コロ達もあそこ確実に化け物だ。
 コロとノワールは何とか出来たとしても、フェリルをどう攻略するか未だに作戦が出来ていない。

「まあ、でもここまで来たら後は楽しんだ方が良いんじゃないかな? 元々、この大会はそのつもりで開催したんだし?」

「優勝は勿論したいけど、楽しんだ方が良いよ」

「……そうだな、難しく考えるのは止めておこう。残り数試合、観戦も自分達の戦いも楽しんで大会を終わろうか」

 そう言うと、タイミングよく義父さん達対ウィードさん達の戦いが始まった。
 義父さんとオルドさんが一気にウィードさん達に詰め寄ると、二人の前にウィードさんが立ちふさがり、義父さん達の剣を素手で止めた。
 ここからだと、分かりづらいがウィードさんは【身体強化魔法】を使っているように見える。

「だからといって、あの二人の剣を素手で止めれるか?」

「あの人、本当に化け物だよ……」

「凄い……」

 俺達は、ウィードさん達の化け物具合に驚いていると、今度はウィードさんが動いた。
 二人の剣をそのまま蹴り飛ばすと、腰を落として更に義父さん達の腹に蹴りを入れた。
 義父さん達は、その蹴りの早さに一瞬で遅れたが反応し、後方に飛んで回避した。

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