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第九章
第399話 【それぞれの目標】
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それぞれの成長の為に動き出した俺達、一先ず大会を通して自分達の目標について話し合うことにした。
「僕はやっぱり、今まで以上に魔法の力をあげないと駄目だと分かったよ。上には上が居ると諦めていたけど、ラルク君の攻撃的な魔法やイデルさんの繊細な魔法を見て、もっともっともっと魔法について詳しくなって色んな魔法を使いたいと感じたよ」
一番手に言ったのはアスラだった。
まあ、今回の大会では俺やアルスさん、イデルさんと言った魔法使いが沢山出ていたから感化される場面がいくつかあったのだろう。
発言する時も、いつものアスラよりハキハキと嬉しそうに喋っていた。
「私もやっぱり、これまで以上に力を付けたいと思ったよ。ラルク君とグルドさんの戦いを見て、そう思ったかな」
レティシアさんもアスラと同じく、試合を見て感化されていた。
二人の意見を聞いた後、俺は自分の意見を二人に言い。それぞれの目標を伝えあった。
「自分達の目標を明確に持っている事は分かったけど、これからどうする? 訓練だけしていても、レベルを上げた方が能力値も上がるだろうし、俺としては迷宮攻略が最適解だと思っているんだが」
「僕も同じだね。攻略の合間にラルク君に魔法を教われば、僕としては最高の環境だよ」
「私も剣術の相手をしてくれる人が居れば良いよ」
「レティシアさんの剣術の相手か……俺だと、剣術というより能力任せに戦う癖があるからな……それだと、駄目ですよね?」
「う~ん、どちらかと言えば剣術の技で勝負したいかな」
レティシアさんの意見を聞いた俺は少しの間、悩んだ。
そして、考えた末に最適解とも言える者をこの場に連れて来た。
その連れて来た者、その人物とは……
「主殿に呼ばれてきましたけど、迷宮攻略中に姐さんの剣術の相手になるっすか?」
「そうだ。出来るか?」
「まあ、イデルさん相手に色々とやってたんで姐さんの相手も出来ると思うっすよ」
ルーカスがそう言うと、レティシアは嬉しそうにルーカスの手を握り「よろしくね!」とブンブンと振っていた。
そんなレティシアの姿にルーカスは少し喜んだ様子だった。
まあ、その喜びには女性という認識より子供から頼られた父の雰囲気が出ていたのは俺の気のせいかもしれないな
その後、ルーカスを混ぜ詳しい日程を話し合いをして、この日は解散した。
数日の準備期間を設け、そこから楽園内にある俺達に合う迷宮に向かう事が決まった。
「と言う訳で暫くの間、迷宮に潜って来るから帰って来ることが出来ないけど良いかな?」
「うん、大丈夫だよ。リアちゃんも居るしね」
「今回はリンちゃんも居るし、二人でラルク君達の帰りを待ってるよ」
リンとリアは迷宮に行く事に対して、そう答えてくれた。
しかし、その眼には寂しさの感情が出ていた事に俺は直ぐに気が付いた。
「まあ、でも流石に一ヵ月も二ヶ月も攻略に専念するつもりは無いから、数日潜ってこっちに戻って来て、また行くって感じにするよ。流石に妊娠してる妻達を置いて、自分だけ楽しい事をしてるのは夫として失格だからね」
「「ラルク君……」」
そう言うと、リア達はウルッとさせて抱き着いて来た。
そんな二人の体を俺は抱き寄せて、優しく包み込んだ。
その日は皆で夕食を食べた後、アスラ達より早めに寝る事にした。
まあ、寝ると言っても3人でベッドに横になり眠くなるまでの間、色んな話をして楽しい時間を過ごした。
「ハァッ!」
「甘いっすよ。姐さんっ!」
翌日、迷宮まで日もあるので力を試す為と言ってレティシアさんとルーカスが模擬戦を行う事になった。
両者、剣術スキルだけの試合で中々に見物の試合を行っていた。
「ちょっと、ラルク君!」
「あっ、悪い悪い。つい、あっちに目が行ってたよ」
アスラに軽く謝罪をし、俺は目線をアスラに戻した。
レティシアさん達が模擬戦をすると言ったので、俺とアスラも魔法の訓練を行っていた。
「ラルク君、今のどうだった?」
「う~ん、俺的には80点だな、やっぱりまだ本調子じゃないだろ?」
「そうなんだよね。結構、時間が経ってるし大会でも良い感じに魔力が出せてたけど、やっぱりちょっと加減を間違えるとコントロールが上手く行かないよ」
マジルト様から強制的にやられた魔力循環のパワーアップに、アスラは現在も慣れていない様子だった。
大会時はなるべくコントロールを乱さない様に気を使っていたみたいだ。
「まあ、でもこればっかりは俺でもどうしようもないからな……やれる事をやって、慣れるしかないな」
「そうだね……それじゃ、もう一度行くね」
そう言ってアスラは、また魔力を練り始めた。
こうして俺達は迷宮探索までの数日間の準備期間を思う存分使い、迷宮探索へと向かった。
「僕はやっぱり、今まで以上に魔法の力をあげないと駄目だと分かったよ。上には上が居ると諦めていたけど、ラルク君の攻撃的な魔法やイデルさんの繊細な魔法を見て、もっともっともっと魔法について詳しくなって色んな魔法を使いたいと感じたよ」
一番手に言ったのはアスラだった。
まあ、今回の大会では俺やアルスさん、イデルさんと言った魔法使いが沢山出ていたから感化される場面がいくつかあったのだろう。
発言する時も、いつものアスラよりハキハキと嬉しそうに喋っていた。
「私もやっぱり、これまで以上に力を付けたいと思ったよ。ラルク君とグルドさんの戦いを見て、そう思ったかな」
レティシアさんもアスラと同じく、試合を見て感化されていた。
二人の意見を聞いた後、俺は自分の意見を二人に言い。それぞれの目標を伝えあった。
「自分達の目標を明確に持っている事は分かったけど、これからどうする? 訓練だけしていても、レベルを上げた方が能力値も上がるだろうし、俺としては迷宮攻略が最適解だと思っているんだが」
「僕も同じだね。攻略の合間にラルク君に魔法を教われば、僕としては最高の環境だよ」
「私も剣術の相手をしてくれる人が居れば良いよ」
「レティシアさんの剣術の相手か……俺だと、剣術というより能力任せに戦う癖があるからな……それだと、駄目ですよね?」
「う~ん、どちらかと言えば剣術の技で勝負したいかな」
レティシアさんの意見を聞いた俺は少しの間、悩んだ。
そして、考えた末に最適解とも言える者をこの場に連れて来た。
その連れて来た者、その人物とは……
「主殿に呼ばれてきましたけど、迷宮攻略中に姐さんの剣術の相手になるっすか?」
「そうだ。出来るか?」
「まあ、イデルさん相手に色々とやってたんで姐さんの相手も出来ると思うっすよ」
ルーカスがそう言うと、レティシアは嬉しそうにルーカスの手を握り「よろしくね!」とブンブンと振っていた。
そんなレティシアの姿にルーカスは少し喜んだ様子だった。
まあ、その喜びには女性という認識より子供から頼られた父の雰囲気が出ていたのは俺の気のせいかもしれないな
その後、ルーカスを混ぜ詳しい日程を話し合いをして、この日は解散した。
数日の準備期間を設け、そこから楽園内にある俺達に合う迷宮に向かう事が決まった。
「と言う訳で暫くの間、迷宮に潜って来るから帰って来ることが出来ないけど良いかな?」
「うん、大丈夫だよ。リアちゃんも居るしね」
「今回はリンちゃんも居るし、二人でラルク君達の帰りを待ってるよ」
リンとリアは迷宮に行く事に対して、そう答えてくれた。
しかし、その眼には寂しさの感情が出ていた事に俺は直ぐに気が付いた。
「まあ、でも流石に一ヵ月も二ヶ月も攻略に専念するつもりは無いから、数日潜ってこっちに戻って来て、また行くって感じにするよ。流石に妊娠してる妻達を置いて、自分だけ楽しい事をしてるのは夫として失格だからね」
「「ラルク君……」」
そう言うと、リア達はウルッとさせて抱き着いて来た。
そんな二人の体を俺は抱き寄せて、優しく包み込んだ。
その日は皆で夕食を食べた後、アスラ達より早めに寝る事にした。
まあ、寝ると言っても3人でベッドに横になり眠くなるまでの間、色んな話をして楽しい時間を過ごした。
「ハァッ!」
「甘いっすよ。姐さんっ!」
翌日、迷宮まで日もあるので力を試す為と言ってレティシアさんとルーカスが模擬戦を行う事になった。
両者、剣術スキルだけの試合で中々に見物の試合を行っていた。
「ちょっと、ラルク君!」
「あっ、悪い悪い。つい、あっちに目が行ってたよ」
アスラに軽く謝罪をし、俺は目線をアスラに戻した。
レティシアさん達が模擬戦をすると言ったので、俺とアスラも魔法の訓練を行っていた。
「ラルク君、今のどうだった?」
「う~ん、俺的には80点だな、やっぱりまだ本調子じゃないだろ?」
「そうなんだよね。結構、時間が経ってるし大会でも良い感じに魔力が出せてたけど、やっぱりちょっと加減を間違えるとコントロールが上手く行かないよ」
マジルト様から強制的にやられた魔力循環のパワーアップに、アスラは現在も慣れていない様子だった。
大会時はなるべくコントロールを乱さない様に気を使っていたみたいだ。
「まあ、でもこればっかりは俺でもどうしようもないからな……やれる事をやって、慣れるしかないな」
「そうだね……それじゃ、もう一度行くね」
そう言ってアスラは、また魔力を練り始めた。
こうして俺達は迷宮探索までの数日間の準備期間を思う存分使い、迷宮探索へと向かった。
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