8 / 35
【02】 地獄行きの切符
*008* オープン当日に見えた景色
しおりを挟む
プレオープンでハプニングがあったが、それでも何とかオープン当日を迎えた。
昨日までは、フロアで展示する全てがワールド・セレクションで提案した作品で、それを準備する為のサポート要員も全て小袖が知っているスタッフのみだった。
それが、トラブルから一夜明けた今日、オープン直前にフロアに行ってみると、競合他社の社長とスタッフが数社…副社長や百貨店の店長と笑顔で挨拶を交わしていた。
小袖は、昨日の自分の選択の失敗をまざまざと見せつけられていた。
そして、自分の行動が重大な結果を招いた事を認識する。
「おはようございます。」
小袖は、何時も通りに挨拶をしながら、フロアへと入って行く。
大河から、挨拶を返される事も無かったが、目を合わせる事さえも無かったのが堪える。
それでも、その場から叩き出されなかっただけでも、マシなのだと思うしか無い。
「衣川君、おはよう。」
「社長、おはようございます。」
気持ちが落ちそうになるが、山上の笑顔に救われる。
その事に気付いているのだろう…山上は、小袖の肩をポンポンと叩き無言で慰める。
そして、強い視線で小袖に頷き、心配は無用だという意思を無言で伝えてくる。
「ありがとうございます、社長。私の方でも最善を尽くしますので。」
「その気持ちだけで嬉しいよ。」
昨日の一件があった後に直ぐ、小袖は、貴桜邸の住所を調べた。
朝の大河の様子を目にした直後、調べておいた貴桜邸へと赴き、真摯に謝罪の意思を伝える事を決断した。
ワールド・セレクションの秘書として出来る、ありとあらゆる方法を試したいと思っていたのだ。
朝のこの様子から考えると、今日の夜にでも決行する必要があると決断した。
大河が何時頃に自宅へと戻るのか解らないが、小袖が百貨店終了時に直ぐに出る事が出来れば何とかなる可能性も高いのではないかと推測する。
やり手の副社長であれば、初日の人の流れはとても気になるだろうと予測がつく為だ。
「あの、社長…本日は、百貨店の終了時に直ぐに失礼させて頂いてもよろしいでしょうか?」
「あぁ、かまわないよ。今まで、準備で毎日遅くまで取り組んでいてくれたからね。本当ならば、定時退社させてあげたいところなんだけれど、今日までは甘えさせてくれると嬉しいよ。」
山上は、小袖から珍しく出される要望を快く受け入れた。
「ありがとうございます。今日の夜は、やっておきたい事があったものですから。」
「また、仕事じゃないだろうね?」
小袖は、山上の感の良さに苦笑いを返したのだった。
昨日までは、フロアで展示する全てがワールド・セレクションで提案した作品で、それを準備する為のサポート要員も全て小袖が知っているスタッフのみだった。
それが、トラブルから一夜明けた今日、オープン直前にフロアに行ってみると、競合他社の社長とスタッフが数社…副社長や百貨店の店長と笑顔で挨拶を交わしていた。
小袖は、昨日の自分の選択の失敗をまざまざと見せつけられていた。
そして、自分の行動が重大な結果を招いた事を認識する。
「おはようございます。」
小袖は、何時も通りに挨拶をしながら、フロアへと入って行く。
大河から、挨拶を返される事も無かったが、目を合わせる事さえも無かったのが堪える。
それでも、その場から叩き出されなかっただけでも、マシなのだと思うしか無い。
「衣川君、おはよう。」
「社長、おはようございます。」
気持ちが落ちそうになるが、山上の笑顔に救われる。
その事に気付いているのだろう…山上は、小袖の肩をポンポンと叩き無言で慰める。
そして、強い視線で小袖に頷き、心配は無用だという意思を無言で伝えてくる。
「ありがとうございます、社長。私の方でも最善を尽くしますので。」
「その気持ちだけで嬉しいよ。」
昨日の一件があった後に直ぐ、小袖は、貴桜邸の住所を調べた。
朝の大河の様子を目にした直後、調べておいた貴桜邸へと赴き、真摯に謝罪の意思を伝える事を決断した。
ワールド・セレクションの秘書として出来る、ありとあらゆる方法を試したいと思っていたのだ。
朝のこの様子から考えると、今日の夜にでも決行する必要があると決断した。
大河が何時頃に自宅へと戻るのか解らないが、小袖が百貨店終了時に直ぐに出る事が出来れば何とかなる可能性も高いのではないかと推測する。
やり手の副社長であれば、初日の人の流れはとても気になるだろうと予測がつく為だ。
「あの、社長…本日は、百貨店の終了時に直ぐに失礼させて頂いてもよろしいでしょうか?」
「あぁ、かまわないよ。今まで、準備で毎日遅くまで取り組んでいてくれたからね。本当ならば、定時退社させてあげたいところなんだけれど、今日までは甘えさせてくれると嬉しいよ。」
山上は、小袖から珍しく出される要望を快く受け入れた。
「ありがとうございます。今日の夜は、やっておきたい事があったものですから。」
「また、仕事じゃないだろうね?」
小袖は、山上の感の良さに苦笑いを返したのだった。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
ま性戦隊シマパンダー
九情承太郎
キャラ文芸
魔性のオーパーツ「中二病プリンター」により、ノベルワナビー(小説家志望)の作品から次々に現れるアホ…個性的な敵キャラたちが、現実世界(特に関東地方)に被害を与えていた。
警察や軍隊で相手にしきれないアホ…個性的な敵キャラに対処するために、多くの民間戦隊が立ち上がった!
そんな戦隊の一つ、極秘戦隊スクリーマーズの一員ブルースクリーマー・入谷恐子は、迂闊な行動が重なり、シマパンの力で戦う戦士「シマパンダー」と勘違いされて悪目立ちしてしまう(笑)
誤解が解ける日は、果たして来るのであろうか?
たぶん、ない!
ま性(まぬけな性分)の戦士シマパンダーによるスーパー戦隊コメディの決定版。笑い死にを恐れぬならば、読むがいい!!
他の小説サイトでも公開しています。
表紙は、画像生成AIで出力したイラストです。
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
【完結】退職を伝えたら、無愛想な上司に囲われました〜逃げられると思ったのが間違いでした〜
来栖れいな
恋愛
逃げたかったのは、
疲れきった日々と、叶うはずのない憧れ――のはずだった。
無愛想で冷静な上司・東條崇雅。
その背中に、ただ静かに憧れを抱きながら、
仕事の重圧と、自分の想いの行き場に限界を感じて、私は退職を申し出た。
けれど――
そこから、彼の態度は変わり始めた。
苦手な仕事から外され、
負担を減らされ、
静かに、けれど確実に囲い込まれていく私。
「辞めるのは認めない」
そんな言葉すらないのに、
無言の圧力と、不器用な優しさが、私を縛りつけていく。
これは愛?
それともただの執着?
じれじれと、甘く、不器用に。
二人の距離は、静かに、でも確かに近づいていく――。
無愛想な上司に、心ごと囲い込まれる、じれじれ溺愛・執着オフィスラブ。
※この物語はフィクションです。
登場する人物・団体・名称・出来事などはすべて架空であり、実在のものとは一切関係ありません。
愛しているなら拘束してほしい
守 秀斗
恋愛
会社員の美夜本理奈子(24才)。ある日、仕事が終わって会社の玄関まで行くと大雨が降っている。びしょ濡れになるのが嫌なので、地下の狭い通路を使って、隣の駅ビルまで行くことにした。すると、途中の部屋でいかがわしい行為をしている二人の男女を見てしまうのだが……。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる