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ダンジョンスタンピード第二波 炊事
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「あらあらまぁ、鳴人さんも万智さんも無事に戻ってこれたのね。お怪我はない?…そう良かったわ。あ、静絵さん、ちょっと下に行ってくるわね。ええ、お隣さんと一緒に行って来るから、付いてこなくてもだいじょうぶよ」
糧品宅へとあがると、挨拶もそこそこに瑠羽ママが外へと出かけようとしていた。しかもなぜかお鍋を手に。
「おかあさん危ないよ。私がついていくから」
「まぁ、瑠羽は心配性ね。でもありがとう。それじゃあ一緒にいきましょうか」
「うん」
そんな感じで瑠羽ママと瑠羽が出ていくと、キッチンテーブルの椅子に座っていた仁菜さんが疲れたような苦笑を浮かべて見せた。
「ただいま。仁菜さん」
「おかえりぃ…。コォチも万智も、なんともないみたいやね」
「ああ。でもなんだか仁菜さんの方が疲れてるみたいだけど、どうしたの?」
「んぅ~…はぁ、ずっと調理でファイヤーワンドに魔力注いどってなぁ。コォチに瞑想教わっとって、ホンマ良かったわぁ」
腕を上へとあげて伸びをする仁菜さんの前には、赤い五徳に据えられたファイヤーワンド。ん、でもあれ?オレの作ったカメムシ五徳は緑色じゃ??
「ああ、コレな。前の五徳が傷んで使えんようになってもうたから、赤蠍の殻を使わせてもろうて作ってみたんよ。案外よう出来とるやろ?」
「なるほど、それで色味が赤だったのか」
ほぉ、よく作れたもんだ。
でも仁菜さんて器用だもんな。スノコの盾も作ってたし。しかしまぁなんという贅沢使い。ボス級モンスターの素材を、五徳に使っちゃうとは。まぁでも壊れたんならしょうがないか。
そして仁菜さんから話を聞き、だいたいの状況を察することが出来た。
はい、ダンジョンスタンピードの第二波が起きてサァ大変。このマンションでもモンスターに襲われたり火事になったりと、大混乱が起きました。
だが、そんな厳しい最中でも人の役に立つことが出来ると知った瑠羽ママはなんかバチコンスイッチが入ってしまったらしく、せっせと料理を作っては煮炊きのできないご家庭に配っていたそうな。
それに相手もまた、『ただ頂くだけでは申し訳ない』とお礼に食材なんかを渡すものだから、『さらにそれを瑠羽ママが料理して配る』というサイクルが出来上がってしまったのだそうだ。
「そっかぁ。じゃあシズがずっと燃料代わりをやってたのね~」
「うん、まぁそれは瑠羽ちゃんと交代でやっとったから、なんとかなったけどなぁ…」
うむむ、それはお疲れ様。さぞ疲れた事だろう。ファイヤーワンドも燃費効率は良いが、何気に魔力を注ぐのにはコツがいるからな。
「じゃあマンションの玄関先に置かれていたあの鍋も、瑠羽のお母さんが置いたモノだったのか」
「せやねぇ…。もう施し過ぎて『603のマザー』なんて呼ばれとるよ」
おうふ…、そんなにか。
「ま、そんなシズに朗報よ。今夜は私たちが美味しい夕飯を用意するから、期待してて!」
「ホンマにぃ?でも万智たいして料理できひんやん~」
「ちょっとぉ!もう、失礼ね。驚いて腰抜かしても知らないんだから。ね、江月さん!」
「ん、ああ。そうだな。期待していいよ」
にしても瀬来さん。驚いて腰抜かすとか、『ほっぺが落ちても知らない』とかほかにも言いようがあるでしょうに…。
…。
さて、積もる話もあるが、まずは腹も減ったし夕飯の準備。ではとキッチンに立ってみると、意外なことに野菜が多い。
「む、なぜこんなに野菜が…?人参やジャガイモまであるのか」
「ああ~それな、瑠羽ちゃんのママがおすそ分けのお礼に貰ってくるんよ」
「なるほど、それで野菜がこんなにあるのか。ならわざわざ土手で野生のニラやノビルを採ってくることもなかったな」
「そんなことないでぇ。青物は傷みやすいから手に入らんし、あったら嬉しいわぁ」
「そうかそうか、なら採ってきて正解だったか。じゃあ瀬来さん、野菜は良く洗って蒸し焼きにしようか」
「オッケーまかせて!ならお鍋に水を張って、お皿の上に野菜を載せればいいわよね」
「ちょっと待った…。ジャガイモの芽だけは取り除こうね」
「あ、そうだった。いっけなぁ~い」
「万智、ホンマにだいじょうぶやろな…?」
…。
『ガチャ』
「ただいま~。ん…?わぁ~、なにか美味しそうな匂いがするぅ~!」
「ほんとねぇ。なんの匂いかしら?」
お、瑠羽と瑠羽ママがお戻りですな。
「おかえり~!今ちょうど美味しい夕飯が完成したとこよ!」
「え、今日は万智ちゃんが作ってくれたの?」
「そうよ!とっても美味しいカニチーズフォンデュのできあがり!さぁ召し上がれ!!」
「「わぁ~美味しそう~!いただきま~す!」」
ふふふ、解説しよう。
こちら、ダンジョンの珍味カニチーズを水で伸ばし、さらにフツフツと煮てシチュー状にしてみました。ココにカットした蒸し野菜を潜らせてフォンデュし、アッツアツで頂くといった趣向。
ま、オレはチーズフォンデュなんて洒落た料理は一度も食ったことないから、『なんちゃってチーズフォンデュ』なんだけど。
『(とぷん…ぬたぁ~~…)』
まずは瑠羽が子供みたいに目を輝かせてフォークに刺した蒸し人参をフォンデュ。それを垂れ落ちてしまわぬよう慎重に口元へと運んでいく。
「ふ~、ふ~、ふ~!はふほふ…んぅ!おいしぃ!!とっても美味しいよ万智ちゃん!」
「ホンマやねぇ!あ~美味しい!これお酒ほしくなる味やわぁ~~!」
「ふふふ、そうでしょう!ま、腕が違うからね~!」
「あらあらまぁ、とっても美味しいわぁ」
いや、決め手はやっぱりカニチーズの旨みと、スキルで生み出した塩がキリッと効いてるからだと思うが…。ま、それを言うのは野暮というモノか。
うむ、彼女たちの楽しそうな笑顔こそオレの喜び。心も晴れて疲れも吹っ飛ぶってなモンでございますよ。
糧品宅へとあがると、挨拶もそこそこに瑠羽ママが外へと出かけようとしていた。しかもなぜかお鍋を手に。
「おかあさん危ないよ。私がついていくから」
「まぁ、瑠羽は心配性ね。でもありがとう。それじゃあ一緒にいきましょうか」
「うん」
そんな感じで瑠羽ママと瑠羽が出ていくと、キッチンテーブルの椅子に座っていた仁菜さんが疲れたような苦笑を浮かべて見せた。
「ただいま。仁菜さん」
「おかえりぃ…。コォチも万智も、なんともないみたいやね」
「ああ。でもなんだか仁菜さんの方が疲れてるみたいだけど、どうしたの?」
「んぅ~…はぁ、ずっと調理でファイヤーワンドに魔力注いどってなぁ。コォチに瞑想教わっとって、ホンマ良かったわぁ」
腕を上へとあげて伸びをする仁菜さんの前には、赤い五徳に据えられたファイヤーワンド。ん、でもあれ?オレの作ったカメムシ五徳は緑色じゃ??
「ああ、コレな。前の五徳が傷んで使えんようになってもうたから、赤蠍の殻を使わせてもろうて作ってみたんよ。案外よう出来とるやろ?」
「なるほど、それで色味が赤だったのか」
ほぉ、よく作れたもんだ。
でも仁菜さんて器用だもんな。スノコの盾も作ってたし。しかしまぁなんという贅沢使い。ボス級モンスターの素材を、五徳に使っちゃうとは。まぁでも壊れたんならしょうがないか。
そして仁菜さんから話を聞き、だいたいの状況を察することが出来た。
はい、ダンジョンスタンピードの第二波が起きてサァ大変。このマンションでもモンスターに襲われたり火事になったりと、大混乱が起きました。
だが、そんな厳しい最中でも人の役に立つことが出来ると知った瑠羽ママはなんかバチコンスイッチが入ってしまったらしく、せっせと料理を作っては煮炊きのできないご家庭に配っていたそうな。
それに相手もまた、『ただ頂くだけでは申し訳ない』とお礼に食材なんかを渡すものだから、『さらにそれを瑠羽ママが料理して配る』というサイクルが出来上がってしまったのだそうだ。
「そっかぁ。じゃあシズがずっと燃料代わりをやってたのね~」
「うん、まぁそれは瑠羽ちゃんと交代でやっとったから、なんとかなったけどなぁ…」
うむむ、それはお疲れ様。さぞ疲れた事だろう。ファイヤーワンドも燃費効率は良いが、何気に魔力を注ぐのにはコツがいるからな。
「じゃあマンションの玄関先に置かれていたあの鍋も、瑠羽のお母さんが置いたモノだったのか」
「せやねぇ…。もう施し過ぎて『603のマザー』なんて呼ばれとるよ」
おうふ…、そんなにか。
「ま、そんなシズに朗報よ。今夜は私たちが美味しい夕飯を用意するから、期待してて!」
「ホンマにぃ?でも万智たいして料理できひんやん~」
「ちょっとぉ!もう、失礼ね。驚いて腰抜かしても知らないんだから。ね、江月さん!」
「ん、ああ。そうだな。期待していいよ」
にしても瀬来さん。驚いて腰抜かすとか、『ほっぺが落ちても知らない』とかほかにも言いようがあるでしょうに…。
…。
さて、積もる話もあるが、まずは腹も減ったし夕飯の準備。ではとキッチンに立ってみると、意外なことに野菜が多い。
「む、なぜこんなに野菜が…?人参やジャガイモまであるのか」
「ああ~それな、瑠羽ちゃんのママがおすそ分けのお礼に貰ってくるんよ」
「なるほど、それで野菜がこんなにあるのか。ならわざわざ土手で野生のニラやノビルを採ってくることもなかったな」
「そんなことないでぇ。青物は傷みやすいから手に入らんし、あったら嬉しいわぁ」
「そうかそうか、なら採ってきて正解だったか。じゃあ瀬来さん、野菜は良く洗って蒸し焼きにしようか」
「オッケーまかせて!ならお鍋に水を張って、お皿の上に野菜を載せればいいわよね」
「ちょっと待った…。ジャガイモの芽だけは取り除こうね」
「あ、そうだった。いっけなぁ~い」
「万智、ホンマにだいじょうぶやろな…?」
…。
『ガチャ』
「ただいま~。ん…?わぁ~、なにか美味しそうな匂いがするぅ~!」
「ほんとねぇ。なんの匂いかしら?」
お、瑠羽と瑠羽ママがお戻りですな。
「おかえり~!今ちょうど美味しい夕飯が完成したとこよ!」
「え、今日は万智ちゃんが作ってくれたの?」
「そうよ!とっても美味しいカニチーズフォンデュのできあがり!さぁ召し上がれ!!」
「「わぁ~美味しそう~!いただきま~す!」」
ふふふ、解説しよう。
こちら、ダンジョンの珍味カニチーズを水で伸ばし、さらにフツフツと煮てシチュー状にしてみました。ココにカットした蒸し野菜を潜らせてフォンデュし、アッツアツで頂くといった趣向。
ま、オレはチーズフォンデュなんて洒落た料理は一度も食ったことないから、『なんちゃってチーズフォンデュ』なんだけど。
『(とぷん…ぬたぁ~~…)』
まずは瑠羽が子供みたいに目を輝かせてフォークに刺した蒸し人参をフォンデュ。それを垂れ落ちてしまわぬよう慎重に口元へと運んでいく。
「ふ~、ふ~、ふ~!はふほふ…んぅ!おいしぃ!!とっても美味しいよ万智ちゃん!」
「ホンマやねぇ!あ~美味しい!これお酒ほしくなる味やわぁ~~!」
「ふふふ、そうでしょう!ま、腕が違うからね~!」
「あらあらまぁ、とっても美味しいわぁ」
いや、決め手はやっぱりカニチーズの旨みと、スキルで生み出した塩がキリッと効いてるからだと思うが…。ま、それを言うのは野暮というモノか。
うむ、彼女たちの楽しそうな笑顔こそオレの喜び。心も晴れて疲れも吹っ飛ぶってなモンでございますよ。
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