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悲しいかな感染者の数は、10や20ではきかなかった。
地下駐車場へと足を踏み入れると、そこには50人以上の感染者がウロついていたからだ。なかにはすっかり風貌が変わってしまっているものの、白い防護服を着た明らかに自衛官と解る感染者の姿も。
だが、戦いとしてはモノの数ではない。
感染者たちはキノコに養分を吸われてしまっているので体力的には非常に弱く、動きもまた緩慢。なので動き的にはノロノロとしたゾンビのようで、力もたいしてない。しかし恐ろしいのはその胞子で、ひとりでもコケると、その笠からはブワッと大量の胞子をまき散らした。
恐らくコレに、対処を行なっていた自衛官たちもやられてしまったのだろう。
そして蟲王マスクには防毒フィルターをつけてあるものの、それはホームセンターで買える市販品レベルの性能。なので100%それを信じきるのも、危険と判断。
そこでピクシークィーンに動かぬ空気の壁を作ってもらい、ひたすらその中から感染者に向け強酸性の粘液を浴びせかけるといった戦いに終始した。
(ハァ…。でもコレで、もうおしまいか…?)
最後に現れた感染者を仕留めてなお、構えを解かずに周囲の気配を探ってみる。そんなオレの周りには、感染者の骸が酸粘液に溶け包まれた状態でいくつも転がっている。
すると、どういう訳か駐車場の奥にある鉄扉の向こうから、魔力のゆらぎのようなモノを感じ取った。
(ん、なんだこの気配…??)
今まで感じた事のない、なんともおかしな気配。そこで胞子対策に酸霧をまき散らしつつそちらに向かうと、その鉄扉には受水槽室と書かれていた。
(受水槽室…。でも給水設備のある部屋から、なんでこんな気配が?)
不審に思いドアノブに手をかけると、当然施錠されている。そこでそれをオーラパワー念動アンロックで解錠すると、そっと中を覗いてみた。
すると…。
(なッ!まさかアレの気配だったのか!!)
受水槽室内の冷たいコンクリートの床の上には、黒い死体袋のようなモノがポツンと置かれていた。でも袋の開けられた部分からは一本の細長く怪し気なキノコが生えていて、それがハラハラとわずかながらも絶え間なく胞子を放っているではないか。
(じゅ、呪物!?)
そう、恐ろしい単語が胸に浮かぶ。
だって、わずかに視える死体袋のなかは、すっかりミイラ化している様子。だがキノコの根元を囲うようにして赤い魔石がいくつも植めこまれ、それを養分としてキノコが胞子を飛ばしているようなのだから…。
(ハッ…!そうだ、不味い!こんなモノがココに置かれているということはッ!!)
その結論に達すると、全力ダッシュで入ってきたスロープまで駆け戻る。
「ストップだ!このホテルの水を、すべて使用禁止にしてくれッ!!」
…。
「これは…!」
「ま、まさかこんなシロモノが仕込まれていたとは…」
路亜さんに状況を報告し、『戦闘は終えたが受水槽室でとんでもないモノを発見した』と説明。そうして路亜さんはじめこの問題の対処を行なっていた者達を連れ再び受水槽室に赴くと、全員が息を呑んで言葉を失った。
なにせそこにあったのは人の遺体と寄生型モンスターを利用した、凶悪なテロ装置。まさに本物の呪物である。コレのせいで、大勢の人達が犠牲になってしまったのだから。
「危ないですけど研究とか追跡調査で必要になるだろうと、破壊はしませんでした」
「あ…、ああ。良い判断です。さすがだ」
そう返してくれる路亜さんも、まさかこんなモノで出てくるとは思っていなかったようで若干声をうわずらせている。
そう話している後ろの地下駐車場では、完全防備の消防隊員らが感染者の遺体を回収し、同じく防護服姿の保健所職員と思しき者達がその後をせっせと消毒している。
といっても、遺体は酸で溶けほぼグズグズの状態。
なので吸引機能を持った汚水回収車のホースで、誰彼構わずまるごと吸い上げるといった回収法。溶けずに残った大きな骨はホテルにあったらしい庭掃除用のホウキとチリトリでまとめ、厚手のビニールを二重にした袋に入れている。
この感染騒ぎに巻き込まれ亡くなった人からすれば、まったく踏んだり蹴ったりだろう。
レベル 22 19
種族:半妖人間
職業:教師
能力値
筋力: 880 740
体力: 923 753
知力: 791 671
精神力: 918 702
敏捷性: 789 638
運: 712 712
やるせなさ:1234 234
加護:
【塩精霊】奇御霊・【小妖精女王】幸御霊・【赤粘性生物】準奇御霊・【空間猿】眷属・【格闘蛙】眷属・【大蛞蝓(オオナメクジ)】眷属
技能:
【強酸】2・【俊敏】2・【病耐性】7・【簒奪】・【超粘液】・【空間】6・【強運】1.4・【足捌】・【瞑想】・【塩】7・【図工】・【蛆】2・【女】・【格闘】6・【麻痺】4・【跳躍】9・【頑健】8・【魅惑】
称号:
【蟲王】・【ソルトメイト】・【蟲女王】・【女殺し】・【ムシムシフレンズ】・【ダンジョンクリアマン】
【しょっぱい男】:情報隠蔽効果あり。ただし敵意を持った相手からは非常に舐められる。
そんななかこの戦闘で、オレはレベルが3もあがっていた。
恐らくはキノコ感染者となってしまった自衛官らの持っていた生命エナジーが、そうさせたのだろう…。だが、だがこんなにも苦く後味の悪いレベルの上昇は、初めての経験だった。
地下駐車場へと足を踏み入れると、そこには50人以上の感染者がウロついていたからだ。なかにはすっかり風貌が変わってしまっているものの、白い防護服を着た明らかに自衛官と解る感染者の姿も。
だが、戦いとしてはモノの数ではない。
感染者たちはキノコに養分を吸われてしまっているので体力的には非常に弱く、動きもまた緩慢。なので動き的にはノロノロとしたゾンビのようで、力もたいしてない。しかし恐ろしいのはその胞子で、ひとりでもコケると、その笠からはブワッと大量の胞子をまき散らした。
恐らくコレに、対処を行なっていた自衛官たちもやられてしまったのだろう。
そして蟲王マスクには防毒フィルターをつけてあるものの、それはホームセンターで買える市販品レベルの性能。なので100%それを信じきるのも、危険と判断。
そこでピクシークィーンに動かぬ空気の壁を作ってもらい、ひたすらその中から感染者に向け強酸性の粘液を浴びせかけるといった戦いに終始した。
(ハァ…。でもコレで、もうおしまいか…?)
最後に現れた感染者を仕留めてなお、構えを解かずに周囲の気配を探ってみる。そんなオレの周りには、感染者の骸が酸粘液に溶け包まれた状態でいくつも転がっている。
すると、どういう訳か駐車場の奥にある鉄扉の向こうから、魔力のゆらぎのようなモノを感じ取った。
(ん、なんだこの気配…??)
今まで感じた事のない、なんともおかしな気配。そこで胞子対策に酸霧をまき散らしつつそちらに向かうと、その鉄扉には受水槽室と書かれていた。
(受水槽室…。でも給水設備のある部屋から、なんでこんな気配が?)
不審に思いドアノブに手をかけると、当然施錠されている。そこでそれをオーラパワー念動アンロックで解錠すると、そっと中を覗いてみた。
すると…。
(なッ!まさかアレの気配だったのか!!)
受水槽室内の冷たいコンクリートの床の上には、黒い死体袋のようなモノがポツンと置かれていた。でも袋の開けられた部分からは一本の細長く怪し気なキノコが生えていて、それがハラハラとわずかながらも絶え間なく胞子を放っているではないか。
(じゅ、呪物!?)
そう、恐ろしい単語が胸に浮かぶ。
だって、わずかに視える死体袋のなかは、すっかりミイラ化している様子。だがキノコの根元を囲うようにして赤い魔石がいくつも植めこまれ、それを養分としてキノコが胞子を飛ばしているようなのだから…。
(ハッ…!そうだ、不味い!こんなモノがココに置かれているということはッ!!)
その結論に達すると、全力ダッシュで入ってきたスロープまで駆け戻る。
「ストップだ!このホテルの水を、すべて使用禁止にしてくれッ!!」
…。
「これは…!」
「ま、まさかこんなシロモノが仕込まれていたとは…」
路亜さんに状況を報告し、『戦闘は終えたが受水槽室でとんでもないモノを発見した』と説明。そうして路亜さんはじめこの問題の対処を行なっていた者達を連れ再び受水槽室に赴くと、全員が息を呑んで言葉を失った。
なにせそこにあったのは人の遺体と寄生型モンスターを利用した、凶悪なテロ装置。まさに本物の呪物である。コレのせいで、大勢の人達が犠牲になってしまったのだから。
「危ないですけど研究とか追跡調査で必要になるだろうと、破壊はしませんでした」
「あ…、ああ。良い判断です。さすがだ」
そう返してくれる路亜さんも、まさかこんなモノで出てくるとは思っていなかったようで若干声をうわずらせている。
そう話している後ろの地下駐車場では、完全防備の消防隊員らが感染者の遺体を回収し、同じく防護服姿の保健所職員と思しき者達がその後をせっせと消毒している。
といっても、遺体は酸で溶けほぼグズグズの状態。
なので吸引機能を持った汚水回収車のホースで、誰彼構わずまるごと吸い上げるといった回収法。溶けずに残った大きな骨はホテルにあったらしい庭掃除用のホウキとチリトリでまとめ、厚手のビニールを二重にした袋に入れている。
この感染騒ぎに巻き込まれ亡くなった人からすれば、まったく踏んだり蹴ったりだろう。
レベル 22 19
種族:半妖人間
職業:教師
能力値
筋力: 880 740
体力: 923 753
知力: 791 671
精神力: 918 702
敏捷性: 789 638
運: 712 712
やるせなさ:1234 234
加護:
【塩精霊】奇御霊・【小妖精女王】幸御霊・【赤粘性生物】準奇御霊・【空間猿】眷属・【格闘蛙】眷属・【大蛞蝓(オオナメクジ)】眷属
技能:
【強酸】2・【俊敏】2・【病耐性】7・【簒奪】・【超粘液】・【空間】6・【強運】1.4・【足捌】・【瞑想】・【塩】7・【図工】・【蛆】2・【女】・【格闘】6・【麻痺】4・【跳躍】9・【頑健】8・【魅惑】
称号:
【蟲王】・【ソルトメイト】・【蟲女王】・【女殺し】・【ムシムシフレンズ】・【ダンジョンクリアマン】
【しょっぱい男】:情報隠蔽効果あり。ただし敵意を持った相手からは非常に舐められる。
そんななかこの戦闘で、オレはレベルが3もあがっていた。
恐らくはキノコ感染者となってしまった自衛官らの持っていた生命エナジーが、そうさせたのだろう…。だが、だがこんなにも苦く後味の悪いレベルの上昇は、初めての経験だった。
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