俺は退屈な青春からはおさらばします

臓器猫

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第一章

第五話 本物を求めて(現)

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「ゆい、実は俺・・・・・・昔からお前の事がすk・・・・・・」

「はっ?!あ~んこんな大事な所で目が覚めるなんて~」

「はぁ、ホントついてない・・・・・・」
 まさかこんなアニメのようなシチュを体験するなんて・・・・・・
良し!!早く健ちゃんの家に迎えに行かなきゃ!
おっと、出る前にいつもの日課をせずに出るとこだった!私は部屋の、壁一面に貼ってある写真の健ちゃん達に向かって一言。

「健人ちゃん直ぐに向かえにいくから、待っててね!!」

私は健ちゃんの家に着き暫く息を整えてからインターホンを押す。
毎日やっているけど全然慣れない。その瞬間になるたびに胸がはち切れそうなほど高鳴っていく。
「はい」
インターホン越しに聴く声、今日の健ちゃんはいつもより柔らかい声になっていた。
「健ちゃん!おはよう!!」

「おはよう。えっと優衣ちゃん!ちょっと準備するから待ってて!」
 ゆ、優衣ちゃん?!いつもは優衣って呼び捨てなのに?!クールないつもの健ちゃんもいいけど、偶にはこんな変化も良し!

「優衣ちゃんお待たせ!!」
「じゃあ、健ちゃん一緒に学校へ行こっか!」

「うん!優衣ちゃんいつも俺のためにありがとうな!」
 あれ、何か今日の健ちゃん嫌に優しいな・・・機嫌が良いのかな?

「健ちゃん昨日何かあったの?」

「え、何で?何にも無いよ。」

「健ちゃん様子がいつもと違うから・・」
普段と優しさの感じ方が違うな……まるで別人みたいだ。 
「まったく、優衣ちゃんは昔から心配性だね~!」

「健ちゃんはそんなこと言わない!!!!」
 コイツは健ちゃんじゃない!私のよく知る健ちゃんはこんな歯の浮くようなセリフは言わない!

「誰だ、お前は!」
コイツは確実に健ちゃんじゃない!健ちゃんの顔をしても私は騙されるもんか!

「誰って剣城健人だよ?」
男は、私の怒りにも怯むことなく淡々と答える、その飄々とした態度に怒りが天辺に達する。

「嘘だ!!」

「あっ優衣ちゃん健ちゃん、おはょぅ……」
 はぁ、護君……来るタイミング悪過ぎ……

「今の俺じゃダメかな?」

「本物の健ちゃんは何処!!!」
 吐かないようなら法に抵触してでも吐かせてやる。

「何言ってるの優衣ちゃん健ちゃんは目の前にいるよ?」
これだから護君は、抜けてるんだよね。

「騙されちゃダメだよ!護君本物の健ちゃんは、私に優衣何て言わない!それに昨日までの健ちゃんは学校何か行く気もない引き篭もりさんだったのに!」

「ニセモノさん私の健ちゃんを返して!!!」

「確かに健ちゃんは優衣ちゃんのことを、今までずっと、本当にずっと名前で呼び捨てだったのにおかしい。」

「いえない。けど、もうこの世界には居ないよ・・・・・・」

「コロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロス。
コイツはワタシのケンちゃんを奪った。許さない許さない許さない許さない許せない!!!」

「優衣ちゃん落ち着いて!!」

「落ち着け?落ち着けるわけないでしょ!健ちゃんは何で落ち着いていられるのよ!」

「ニセモノさんなぜ言えないのでしょうか?」

「それは・・・。」
この時のニセモノさんが感じているであろう、心の葛藤が読み取れるぐらい、苦悶の表情をしてた。

「仮に優衣ちゃんが想像した通りになってるんだとしたら、この世界には居ないよ何て言わないよ!
僕がもしニセモノさんの立場ならここは、誤魔化して、呼び方を戻すよ!ですよね、ニセモノさん。何かいえない理由があるんじゃ無いですか?」

「君たちのよく知る、彼自身から、頼まれている。」
「君たちを支えるようにと・・・・・・。」
 そう答えた健ちゃんのニセモノさんの顔は、とても寂しそうな表情をしていた。
でも、私は本物の健ちゃんがいい。
冷たい反応をされてもいいからあの器用なのに不器用な健ちゃん、彼こそが私の恋した相手なのだから。

「ニセモノさん教えてください。私と護君は健ちゃんの幼馴染みなの。だからこそ、健ちゃんのことがとても心配だし、健ちゃんが困っていたら助けてあげたいの!お願いします。」
 私と護君は合図せずとも同時に頭を下げていた。

「ここで立ち話もあれだから剣城君の家に行こうか。」
 
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「じゃあ、話を始めるよ。」

「まず、俺はこの世界の人間じゃあない。」
 彼の発した言葉は想定の範囲外すぎて数秒間思考が停止してしてしまい、気が付いた時には既に口が動いていた。

「え、どうことなの!?」
「どういうことですか!?」
 あ、護君と同じツッコミを入れちてしまった。

「えーと、アニメとかで観たことないかな?いきなり異世界に行っちゃう系の奴。」

「健ちゃんからその手の話は、聴いたことがあります。」

「それをお互いに、合意の得てしたと考えたらわかりやすいかな?」

「簡単に云うとお互いの人生交換かな?」

「だから見た目は変わらず魂だけを入れ替えた!」

「そして、俺は彼の代わりに・・・・・・彼は俺の代わりに生きていくという約束で入れ替わったんだ・・・・・・」

「・・・・・・」
 私は言葉が出なかった、自身の常識を軽々と超える彼の語りはふざけている訳では無いことが表情で分かってしまうからこそ、戸惑いを隠せなかった。

「そうですか、健ちゃんが・・・・・・」
 私はこの時の護君の言葉震えていることに初めて気づいた。そう悲しくない筈はないのだ、だって私と同じくらい護君も健ちゃんの傍にいたのだから・・・
この想いは、居なくなった事だけじゃない。たったの一言も相談してくれなかったことも含まれているのだろう。

「それで向こうに行く方法だけどこれを使えば行けるよ。」

「何これ?赤い羽?」

「これは不死鳥のフェイニーという女性の羽根だよ。」

「不死鳥・・・・・・」
 私は、そんな都市伝説レベルの話を疑いもせず信じている自分自身に驚いた。

「使い方は簡単だよ、この羽根を少し落とせば光の輪が出でくる。それに入る直前に羽根を取りながら入る。本当はその羽根は剣城君が移動の時に使ったものだ。」

「何でそれがここにあるんですか?」

「それは・・・・・・彼の覚悟の現れだと思う。俺も元の世界を捨てて、剣城さんがあなた達と過ごす平和な日常に憧れ、この世界に来ることを決めたのですから・・・気持ちは解ります。」
 もしかしたら私達は酷いことをしているかもしれないと感じた。
勿論、当人同士が勝手に決めた取り決めだけど、これではこの人はただ、居場所を失くしただけ。自分の願いも叶わず帰る場所も無くして、知らない世界で生きていく。それはいくら何でも不憫すぎる。護君もそれを感じているのだろう、だからこそ責められない。

「じゃあ、私達はその情報を教えて下さったお礼に、これからあなたと共に学校で健ちゃんと、いるような日常を送りましょう。ですが、その為には条件が二つあります。一つ、一日おきに私達は健ちゃんの、元に帰ります。二つ、貴方は健ちゃんではありません。なので、貴方の本当の名前を教えてください。」
 私の提案に護君は少し驚いた表情を見せたが、言い終わる頃には納得している様な表情だった。

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