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06-1 級友再会
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住所不定で無一文な男子高校生こと、この俺ルーク・凪・ランカードがいまどこにいるかというと――はい正解、そう図書館です。
下校時刻も過ぎ静まり返った図書館は、思っていたよりも案外居心地がいいものだ。
俺がここに居ることがバレてはいけないため点灯はご法度だし、日が落ちて気温が下がり肌寒く感じても暖房も使えないが、その程度であれば何の支障もない。技能や校内にあるものを活用すれば何とでもなる。
ないのなら自分で楽園を築けばいいじゃないってね。
まあ例の技能を使用して不法侵入したやつが言うセリフじゃないけども。
魔物が襲撃してくることもないし雨風も凌げる……マジで最高すぎるだろ、この環境。
イスを並べて毛布を敷いた簡易ベッドを作りそこに寝そべる。
テーブルには大量の本が手つかずのまま積み重なっている。
昼食時に一志から雑談交じりに得た情報と、終礼時に担任からもたらされた寝耳に水な明日の日程。
さらに一時も休憩せずに読書まで行い知識を詰めまくった。
人口2万人規模のその町は、ある日突然ダンジョンが出現したことで特区に指定された。巨大な防壁とセキュリティーゲートにより町民は隔離され、自由に行き来することも禁止された。中から外に出ることもまたその逆も然り、許可なくゲートを通過した場合は極刑に処される。
この朝月町が特区になった経緯を調べているところで限界に達した。
「驚くほど頭が回らん何も入らん。何もしたくない……」
追加で持ってきた本がまだ沢山あるというのに、全くもって読み気が起きない……天井をぼーっと眺めているだけで時間が過ぎていく。
そんな状態がかれこれ2時間ほど続いた。
これに関しては自分の落ち度、なるべくしてなったと言わざるを得ない。
睡眠学習も兼ねて、このまま寝てしまおうとかと思い何度か試みたが全て失敗に終わった。
眠ろうとして目をつぶると、困ったことに今度はあいつの顔が脳裏に浮かんでしまう。
あいつからしてみればただの級友かもしれないが、俺からしてみれば20年ぶりの再会となる。
彼我結莉緒は、お隣さんで同い年だったという縁もあって、家族同然に育った幼馴染だ。
小学生の頃はどこに行くのも遊ぶのも常に一緒、莉緒は一番の友達であり兄妹だった。
中学生になってもその関係性は変わらなかったが、ある日些細な喧嘩をした。
どんな内容だったかまでは詳しく覚えていないが、その日を境に彼女と徐々に疎遠になった。
高等部に上がると彼女は高校デビューを果たしギャルになっていた。
ギャル化に伴い、俺と莉緒の関係性は加速度的に希薄になり、いつしか顔を合わせることも声をかけることもなくなった。
ただこの疎遠は決してマイナスにだけ動いたというわけでもない。というのも、莉緒は鳥の刷り込みのように、俺から一切離れようとしなかったのだ。
それは中等部に上がっても変わらず、友達から遊びに誘われても断り俺と居ることを最優先にしていた。
親達は『仲睦まじいのはいいことだ』の一点張りで何も対策を練ろうとはしなかった。
さすがにこのままでは莉緒の将来が心配になった俺は、断腸の思い……ほどではないが、莉緒と距離を置くことにした。その過程で言い合いが起こり、それが喧嘩に発展したのだろう、たぶん。
俺から離れてギャル化したことが功を奏したのか、莉緒はものの数日でクラスの中心的存在となり、一か月後には学級階層の最上位に位置する女子高生に進化していた。
明るい性格で努力家の莉緒のことだから、巣立ちさえ出来ればこうなることは分かり切っていた。
外見まで明るくなるとは思ってもみなかったが、終わり良ければ総て良し。
あとは後方腕組兄貴面をして、莉緒の成長を遠目から応援するだけだ。
外見や名前が変わったとしてもその考えは変わらない。
同級生として必要最低限の交流に留めておくように心がける。
莉緒の方からルークに近づいてきた場合は、臨機応変で何とかするしかないか。
下校時刻も過ぎ静まり返った図書館は、思っていたよりも案外居心地がいいものだ。
俺がここに居ることがバレてはいけないため点灯はご法度だし、日が落ちて気温が下がり肌寒く感じても暖房も使えないが、その程度であれば何の支障もない。技能や校内にあるものを活用すれば何とでもなる。
ないのなら自分で楽園を築けばいいじゃないってね。
まあ例の技能を使用して不法侵入したやつが言うセリフじゃないけども。
魔物が襲撃してくることもないし雨風も凌げる……マジで最高すぎるだろ、この環境。
イスを並べて毛布を敷いた簡易ベッドを作りそこに寝そべる。
テーブルには大量の本が手つかずのまま積み重なっている。
昼食時に一志から雑談交じりに得た情報と、終礼時に担任からもたらされた寝耳に水な明日の日程。
さらに一時も休憩せずに読書まで行い知識を詰めまくった。
人口2万人規模のその町は、ある日突然ダンジョンが出現したことで特区に指定された。巨大な防壁とセキュリティーゲートにより町民は隔離され、自由に行き来することも禁止された。中から外に出ることもまたその逆も然り、許可なくゲートを通過した場合は極刑に処される。
この朝月町が特区になった経緯を調べているところで限界に達した。
「驚くほど頭が回らん何も入らん。何もしたくない……」
追加で持ってきた本がまだ沢山あるというのに、全くもって読み気が起きない……天井をぼーっと眺めているだけで時間が過ぎていく。
そんな状態がかれこれ2時間ほど続いた。
これに関しては自分の落ち度、なるべくしてなったと言わざるを得ない。
睡眠学習も兼ねて、このまま寝てしまおうとかと思い何度か試みたが全て失敗に終わった。
眠ろうとして目をつぶると、困ったことに今度はあいつの顔が脳裏に浮かんでしまう。
あいつからしてみればただの級友かもしれないが、俺からしてみれば20年ぶりの再会となる。
彼我結莉緒は、お隣さんで同い年だったという縁もあって、家族同然に育った幼馴染だ。
小学生の頃はどこに行くのも遊ぶのも常に一緒、莉緒は一番の友達であり兄妹だった。
中学生になってもその関係性は変わらなかったが、ある日些細な喧嘩をした。
どんな内容だったかまでは詳しく覚えていないが、その日を境に彼女と徐々に疎遠になった。
高等部に上がると彼女は高校デビューを果たしギャルになっていた。
ギャル化に伴い、俺と莉緒の関係性は加速度的に希薄になり、いつしか顔を合わせることも声をかけることもなくなった。
ただこの疎遠は決してマイナスにだけ動いたというわけでもない。というのも、莉緒は鳥の刷り込みのように、俺から一切離れようとしなかったのだ。
それは中等部に上がっても変わらず、友達から遊びに誘われても断り俺と居ることを最優先にしていた。
親達は『仲睦まじいのはいいことだ』の一点張りで何も対策を練ろうとはしなかった。
さすがにこのままでは莉緒の将来が心配になった俺は、断腸の思い……ほどではないが、莉緒と距離を置くことにした。その過程で言い合いが起こり、それが喧嘩に発展したのだろう、たぶん。
俺から離れてギャル化したことが功を奏したのか、莉緒はものの数日でクラスの中心的存在となり、一か月後には学級階層の最上位に位置する女子高生に進化していた。
明るい性格で努力家の莉緒のことだから、巣立ちさえ出来ればこうなることは分かり切っていた。
外見まで明るくなるとは思ってもみなかったが、終わり良ければ総て良し。
あとは後方腕組兄貴面をして、莉緒の成長を遠目から応援するだけだ。
外見や名前が変わったとしてもその考えは変わらない。
同級生として必要最低限の交流に留めておくように心がける。
莉緒の方からルークに近づいてきた場合は、臨機応変で何とかするしかないか。
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