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第12話 似通った姉妹
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ひと通り話し終えたところで、最後にオクタヴィア姉さんから「アリシャは何かあった?」と私に話を振ってくれた。
私はここぞとばかりに「私にもあったの! 聞いて!」と声を張ってテーブルを叩いた。そしてすぐさま何事もなかったかのように、ごほんと咳ばらいをしたのち、四年前に私に会いに来た少年のことを話した。
私の話を聞いた姉さんたちは顔を見合わせて目を細め口角を上げた。
「……なに、どうしたの? 私なにかおかしなこと言った? もう笑わないでよ、カサンドラ姉さん、ヴィヴィアン姉さん。あ~、オクタヴィア姉さんまで笑ってるし! なによ、私そんなおかしなこといったかしら?」
私が眉をひそめて不思議そうに尋ねると、姉さんたちはこっちを真っすぐ見つめて順に答えていった。
「いえ、何も変なことは言ってないわ。アリシャちゃんが実に楽しそうに話すから、あたしも楽しくなっちゃっただけ、ふ~ん、そうなのね。あっ、でもそうなるとあたし……アリシャちゃんと気軽に会えなくなるんじゃ……いざとなったらやるか……」
「カサ姉ヤバいこと言ってる。目がマジなのが、よけいにうけるんですけど♪ うちはアリシャのことを応援してるからね、頑張ってアリシャ♪」
「アリシャ、あの残念な姉の言葉は忘れなさい。またその少年――確かニールだっけ、彼が森に訪れた際には、わたしかヴィヴィアンに必ず報告するように――方法については、また後日ヴィヴィアンを通して連絡する。そうと決まれば、ヴィヴィアン帰るぞ」
「ちょマジで……うちがやるの? 大事な妹のためだし、全然やるけど♪ うちとアリシャの家って、超離れてるから毎日ってわけにもいかないし、遠く離れていても連絡できる方法があればいいんだけど。ま、なんとかなるっしょ♪」
「えっ……オクタヴィア。どうしてあたしだけ仲間外れ? ヴィヴィアンもなんで反論してくれないの? お姉ちゃん泣くぞ……長女が泣くぞ、いいのか? 本当に泣くぞ? わんわん泣くぞ? ううう誰も反応してくれない……遠くから連絡できる方法か……あたしも帰るね、アリシャちゃん!」
姉さんたちが一体に何を言っているのか……この時の私には分からなかった。それから六年経ってから、やっとその意味を理解することができた。
その後、姉さんたちは手荷物をまとめると、日もまだ明るいうちにそれぞれ自分の家に帰っていった。
手荷物といってもその大半は、あの焼き菓子である。まだまだ焼き菓子が大量にあると伝えると、三人は揃って容器に詰めるだけ詰めていた。
食べきれずに残ると思っていたので、翌日の朝ご飯にしようという算段は脆くも崩れ去った。それほど喜んでくれたのなら、そんな算段なんて砕け散ってくれて結構、なんなら塵芥になっても全然問題ない。
私は食器を片付けながら、姉さんたちがいなくなったことで訪れた静寂に身震いした。賑やかだったのが、ちょっと静かになっただけで、これほど不安に感じるなんて思いもしなかった。
いまは慣れ親しんだこの環境が少しだけ煩わしい。
また片付けついでに姉さんたちが持ち寄ったものを適した場所に置いた。
カサンドラ姉さんはあの乗ってきたママチャリだったので、一階に運ぶ入れた。オクタヴィア姉さんは気付け薬と消臭剤だったので、一階にある薬棚に並べた。ヴィヴィアン姉さんは拠点としている港町、そこの名産である天日干しの塩一キロだったので、とりあえずキッチンに運んだ。
カサンドラ姉さんだけ帰りの足がなくなるのではと思った矢先、彼女はニールを搬送した時に使ったママチャリにまたがり「あれあるから、これいらないよね?」と問いかけると、私が返答する間もなく背を向けてそのまま乗って帰った。
そういえば……次の魔女会って、いつどこでするのか何も決めなかったなと思いつつ、またいつもの平穏な日常に戻るのであった。
私はここぞとばかりに「私にもあったの! 聞いて!」と声を張ってテーブルを叩いた。そしてすぐさま何事もなかったかのように、ごほんと咳ばらいをしたのち、四年前に私に会いに来た少年のことを話した。
私の話を聞いた姉さんたちは顔を見合わせて目を細め口角を上げた。
「……なに、どうしたの? 私なにかおかしなこと言った? もう笑わないでよ、カサンドラ姉さん、ヴィヴィアン姉さん。あ~、オクタヴィア姉さんまで笑ってるし! なによ、私そんなおかしなこといったかしら?」
私が眉をひそめて不思議そうに尋ねると、姉さんたちはこっちを真っすぐ見つめて順に答えていった。
「いえ、何も変なことは言ってないわ。アリシャちゃんが実に楽しそうに話すから、あたしも楽しくなっちゃっただけ、ふ~ん、そうなのね。あっ、でもそうなるとあたし……アリシャちゃんと気軽に会えなくなるんじゃ……いざとなったらやるか……」
「カサ姉ヤバいこと言ってる。目がマジなのが、よけいにうけるんですけど♪ うちはアリシャのことを応援してるからね、頑張ってアリシャ♪」
「アリシャ、あの残念な姉の言葉は忘れなさい。またその少年――確かニールだっけ、彼が森に訪れた際には、わたしかヴィヴィアンに必ず報告するように――方法については、また後日ヴィヴィアンを通して連絡する。そうと決まれば、ヴィヴィアン帰るぞ」
「ちょマジで……うちがやるの? 大事な妹のためだし、全然やるけど♪ うちとアリシャの家って、超離れてるから毎日ってわけにもいかないし、遠く離れていても連絡できる方法があればいいんだけど。ま、なんとかなるっしょ♪」
「えっ……オクタヴィア。どうしてあたしだけ仲間外れ? ヴィヴィアンもなんで反論してくれないの? お姉ちゃん泣くぞ……長女が泣くぞ、いいのか? 本当に泣くぞ? わんわん泣くぞ? ううう誰も反応してくれない……遠くから連絡できる方法か……あたしも帰るね、アリシャちゃん!」
姉さんたちが一体に何を言っているのか……この時の私には分からなかった。それから六年経ってから、やっとその意味を理解することができた。
その後、姉さんたちは手荷物をまとめると、日もまだ明るいうちにそれぞれ自分の家に帰っていった。
手荷物といってもその大半は、あの焼き菓子である。まだまだ焼き菓子が大量にあると伝えると、三人は揃って容器に詰めるだけ詰めていた。
食べきれずに残ると思っていたので、翌日の朝ご飯にしようという算段は脆くも崩れ去った。それほど喜んでくれたのなら、そんな算段なんて砕け散ってくれて結構、なんなら塵芥になっても全然問題ない。
私は食器を片付けながら、姉さんたちがいなくなったことで訪れた静寂に身震いした。賑やかだったのが、ちょっと静かになっただけで、これほど不安に感じるなんて思いもしなかった。
いまは慣れ親しんだこの環境が少しだけ煩わしい。
また片付けついでに姉さんたちが持ち寄ったものを適した場所に置いた。
カサンドラ姉さんはあの乗ってきたママチャリだったので、一階に運ぶ入れた。オクタヴィア姉さんは気付け薬と消臭剤だったので、一階にある薬棚に並べた。ヴィヴィアン姉さんは拠点としている港町、そこの名産である天日干しの塩一キロだったので、とりあえずキッチンに運んだ。
カサンドラ姉さんだけ帰りの足がなくなるのではと思った矢先、彼女はニールを搬送した時に使ったママチャリにまたがり「あれあるから、これいらないよね?」と問いかけると、私が返答する間もなく背を向けてそのまま乗って帰った。
そういえば……次の魔女会って、いつどこでするのか何も決めなかったなと思いつつ、またいつもの平穏な日常に戻るのであった。
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