《一時完結》僕の彼氏は僕のことを好きじゃないⅠ

MITARASI_

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第27話「ずっと、そばに」

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陸が眠りについたあと、颯馬は静かにその寝顔を見つめていた。
涙の跡が残る頬。弱々しく揺れるまつげ。
昔と何も変わらない――そう思うと、胸が熱くなる。

――あの日も、こんなふうに泣いてたよな。

小学生の頃。
サッカーボールを蹴り損ねて転んだ陸は、擦りむいた膝を押さえて泣いていた。
颯馬は慌てて駆け寄り、泥だらけのハンカチで拭ってやった。

「泣くなよ、陸。俺がそばにいるから」

そう言った自分の声は、今でも耳に残っている。

中学の頃。
初めて好きな人の話をする友達の輪の中で、陸が「恋ってよく分かんない」と笑ったとき。
颯馬は胸がざわついて、どうしようもなく視線を逸らした。
――俺はもう、陸が好きなのに。

高校に入ってからは、その気持ちを隠すのが習慣になった。
「幼なじみだから」でごまかして、支える役を演じ続けた。
でも、本当はずっと。
誰よりも近くにいて、誰よりも陸を大切に思ってきた。

ベッドの上で小さく寝息を立てる陸に、颯馬はそっと囁いた。
「……俺は、ずっとお前の隣にいたい」

その声は届かない。
でも、心から溢れる想いを止められなかった。
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