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46.注意報
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明らかにアレックスさんが彼女を避けて私を構うから、彼女の私に対する当たりが強い。私は彼女に嫌みを言わジャン王太子には口説かれ…なんだこれ⁈
早く終わらせて欲しくて必死に侯爵様に視線を送る。いつも飄飄としている侯爵様が明らかに焦っていて、終わりのタイミングをはかっている。
王太子の側近も同じ思いだったようで絶妙なタイミングで侯爵様にこの後の予定を聞いた。侯爵様は目を見開きチャンスとばかりに夜の晩餐の案内をし、従僕と侍女に部屋の案内をさせやっとお開きにした。
席を立ち王太子ご一行をお見送りし、皆が部屋から出たら気が抜けてソファーに傾れ込む。アレックスさんが横に来て労ってくれけど…
「アレックスさん!リリアンさんの相手するのが嫌で私を逃げの口実にしましたよね!」
明らかに焦るアレックスさん。少し意地悪して
「リリアンさん凄い美女でスタイル抜群だしこの際…」
いきなりアレックスさんに手を取られてびっくりし、アレックスさんを見たら怒っている?
「お前にそれは言って欲しくない」
「ごっごめんなさい」
まだ手を離してくれないアレックスさんに気まずくなっていく。すると貴賓室に誰か来た。
それはミハイルさんで足早に来てアレックスさんの手を払い、無言で私を抱きかかえて部屋を出て行こうとする。
「ちょっとまってミハイルさん」
「ハルはアレックス殿と居たいのか?」
「そうゆう訳では」
「アレックス殿。貴方がテクルスの啓示を受け春香の助けをするのは理解しているが、春香の婚約者は俺だ。不用意に婚約者に触れないで頂きたい」
アレックスさんは苦々しい表情で頭を下げてミハイルさんに謝罪した。その謝罪を受ける事無くミハイルさんは部屋を出ていく。
「ミハイルさん変だよ。アレックスさんの謝罪お受けしてないよ。礼儀正しいミハイルさんらしくないよ」
ミハイルさんは何も言わず、途中で会った侍女さんに私の部屋へ案内を頼んだ。怒っているミハイルさんに何か言える雰囲気ではなく押し黙る私。部屋に着くとミハイルさんはソファーに下してくれ部屋の扉を少し開け、私の横に座って私を抱きしめる。
「ハルが居ない間。俺はどうやって過ごしていたのか記憶が無い。ハルが居ない日常は何もなかった。やっとハルに会えると喜んでいたら、彼奴と仲良くしているハルを見る事に…悋気を妬くに決まっているだろう」
「アレックスさんはそんな感じでは無いよ。気が利くお兄さん枠だし」
そう答えると眉を顰めたミハイルさんは
「そう思っているのはハルだけだ。絶対あいつはハルを愛している。同じ人に想いがあるから俺は分かるんだ」
こんなにあからさまなヤキモチを妬かれてなんか嬉しい。
「ぅふふふ…」思わず声にでる。
「ハル笑い事では!」
「違う。ヤキモチ妬いてくれて嬉しいの。アレックスさんは神の啓示によるものなのか、彼自身の気持なのかは分からないけど、よくしてもらってるよ」
まだ機嫌の悪いミハイルさんは私の頭に頬を乗せてすりすりしている。
「そうそう!ミハイルさん手を出して」
戸惑いながら手を出したミハイルさんの手の平に、ポケットに入れてあったミサンガをおいた。
「ハルこれは?」
「これはね“ミサンガ”と言いて願掛けする物なんだ。願い事をして普段身に着けるの。そして願いが叶ったら自然に切れるだよ。それは私が編んだから身に着けてくれたら嬉しいな」
するとミハイルさんはじっとミサンガを見て
「俺の色が入っている」
と興味深そうにミサンガを見ている。そして私を真っ直ぐに見つめて
「俺の願いは一つだけ。ハルは分かっているね。俺はそれを願っていいのか?」
「願いは人に許可を得るものでは無いわ。ただ答えれるかは別の話。ごめんね…まだ気持ちは定まってないよ」
「俺はハルが納得してここに残って欲しいから、そこに口を出す気はないよ。ハルの手作りか…嬉しいよ」
ミハイルさんはミサンガを両手で握り額に着け願っている。願い終えたのか左手首にミサンガを付けた。良かった。男性サイズに少し長めに編んで丁度いい長さになっている。婚約のブレスレットとミサンガが案外マッチしていて満足!
少しすると従僕さんがミハイルさんを呼びに来た。侯爵様がお呼びの様だ。ミハイルさんは頬に口付け部屋を後にした。やっぱりミハイルさんといると落ち着く。
ミハイルさんにミサンガをあげたから次は殿下にも編まないとね。無いと拗ねてしまいそうだ。拗ねる殿下を想像して少し笑った。
マニュラ夫人が持って来てくれた刺繍糸から若草色とそれに合いそうな糸を3本選んでいたら侍女さんが来てまた湯浴みを勧めてくる。今日は何回入ればいいんだろう…その内全身ふやけるよ!
湯浴みを終え寝室に行くとドレスを用意した侍女さんが2人待ち構えていて、化粧と髪のセットを施してくれドレスに着替える。
ボリュームを抑えた綺麗なシルバーのドレスだ。用意が終わった頃にエリックさんが迎えに来てくれた。いつもラフな格好のエリックさんも晩餐なので正装をしている。髪を撫で上げかっこいい。
「ハルカは可愛くし過ぎだ。あの熊に好かれる気か?」
「侍女さんが用意してくれたんだよ。王太子に好かれたいとか嘘でもやめて!」
本当に嫌でエリックさんに八つ当たりすると
「それもにしてもあの王太子と一緒に来た公爵令嬢。何だあれ?品の欠片もない。あんなに露出してまるでお囲いさんだぜ。
兄貴に好かれたいなら大人しく可愛らしくなと無理だな。兄は庇護欲かり立てられる純粋な子が好みで…そうハルカみたいな」
慌てて話題を変えて
「そうリリアンさんは胸強調しすぎてポロリしちゃいそうで見ててハラハラしたよ。でも同姓としては羨ましい…」
思わず自分の胸を見る。性格に比例するのだろうか明らかに小ぶりだ。自分の胸をみている私に気付いたエリックさんが
「俺は見た目は関係ない。例えほとんど無くてもな」
と私を見て言った。ムカっとして
「これでも少しはあるからね!」
「あっははははは!」
楽しそうに笑うエリックさん。この後大広間に着くまでエリックさんは大笑いし私は不貞腐れた。
大広間の扉の前でアレックスさんと会う。アレックスさんも正装だ。昔から男性のスーツ姿は結構萌えポイントだったから福眼です。
アレックスさんは目を細め小さな声で「良く似合う」っと褒めてくれた。そこにあのポロリ注意報のリリアンさんが侍女と一緒にやって来た。
相変わらず露出度が高いドレスをお召で目のやり場に困る。もうこれポロリ警報が出てるよこれ!
リリアンさんは私を足元から舐める様に見て鼻で笑った。
「春香様はお若く愛らしいのにシックなドレスですわね。それでは殿方の気は引けなくてよ」
「アドバイスありがとうございます。しかし私はリリアン様の様なドレスは似合わないのです。この辺が私には妥当なのです」
鼻で笑ったリリアンさんはアレックスさんに手を差し出しエスコートを求めた。
“ぎゅ!”
アレックスさんの眉間の皺がよる音がしたような気がし、アレックスさんを見たらやっぱりレベル5だった。そうだアレックスさんは元々女嫌いだったんだった。リリアンさんの行動はアレックスさんの好みと逆効果なんだけど、少しイラッとしたから教えてあげないよ!
「春香嬢!」
廊下の向こうからグリズリーがやって来る。体もデカければ声もデカい! 鼓膜がびりびりしっている。
殿下の後ろにミハイルさんがいた。今日のミハイルさんは長髪を後ろで一つにまとめていて大人な雰囲気でドキドキする。ジャン王太子が扉前に来るとその場にいた皆が一斉にジャン王太子に礼をする。
「春香嬢。その色のドレスは妖精の様で愛らしい。私がエスコートしよう」
するとぶっとい腕が腰に廻してきて寒気がすると、アレックスさんがそっと王太子から助けてくれ
「王太子殿下。恐れながら春香嬢の婚約者のミハイル殿がいらっしゃいます。王太子殿下とはいえ婚約者が優先されるのが決まりでございます」
一瞬嫌な顔をしてミハイルさんを一睨みし
「其方が春香嬢の仮の婚約者か。よい!分かった。エスコートは諦めよう。がしかし、春香嬢1曲お相手いただけるかなぁ⁈」
本心は“NO!”だけどそんな事言えるわけもなく
「はい」
ミハイルさんは私の横に来て手を差し伸べてくれ背中をさすってくれ、ミハイルさんの温かい手に落ち着くと、ずっと扉前で待っていた従僕さんが扉を開けてくれ皆さんと入場します。
早く終わらせて欲しくて必死に侯爵様に視線を送る。いつも飄飄としている侯爵様が明らかに焦っていて、終わりのタイミングをはかっている。
王太子の側近も同じ思いだったようで絶妙なタイミングで侯爵様にこの後の予定を聞いた。侯爵様は目を見開きチャンスとばかりに夜の晩餐の案内をし、従僕と侍女に部屋の案内をさせやっとお開きにした。
席を立ち王太子ご一行をお見送りし、皆が部屋から出たら気が抜けてソファーに傾れ込む。アレックスさんが横に来て労ってくれけど…
「アレックスさん!リリアンさんの相手するのが嫌で私を逃げの口実にしましたよね!」
明らかに焦るアレックスさん。少し意地悪して
「リリアンさん凄い美女でスタイル抜群だしこの際…」
いきなりアレックスさんに手を取られてびっくりし、アレックスさんを見たら怒っている?
「お前にそれは言って欲しくない」
「ごっごめんなさい」
まだ手を離してくれないアレックスさんに気まずくなっていく。すると貴賓室に誰か来た。
それはミハイルさんで足早に来てアレックスさんの手を払い、無言で私を抱きかかえて部屋を出て行こうとする。
「ちょっとまってミハイルさん」
「ハルはアレックス殿と居たいのか?」
「そうゆう訳では」
「アレックス殿。貴方がテクルスの啓示を受け春香の助けをするのは理解しているが、春香の婚約者は俺だ。不用意に婚約者に触れないで頂きたい」
アレックスさんは苦々しい表情で頭を下げてミハイルさんに謝罪した。その謝罪を受ける事無くミハイルさんは部屋を出ていく。
「ミハイルさん変だよ。アレックスさんの謝罪お受けしてないよ。礼儀正しいミハイルさんらしくないよ」
ミハイルさんは何も言わず、途中で会った侍女さんに私の部屋へ案内を頼んだ。怒っているミハイルさんに何か言える雰囲気ではなく押し黙る私。部屋に着くとミハイルさんはソファーに下してくれ部屋の扉を少し開け、私の横に座って私を抱きしめる。
「ハルが居ない間。俺はどうやって過ごしていたのか記憶が無い。ハルが居ない日常は何もなかった。やっとハルに会えると喜んでいたら、彼奴と仲良くしているハルを見る事に…悋気を妬くに決まっているだろう」
「アレックスさんはそんな感じでは無いよ。気が利くお兄さん枠だし」
そう答えると眉を顰めたミハイルさんは
「そう思っているのはハルだけだ。絶対あいつはハルを愛している。同じ人に想いがあるから俺は分かるんだ」
こんなにあからさまなヤキモチを妬かれてなんか嬉しい。
「ぅふふふ…」思わず声にでる。
「ハル笑い事では!」
「違う。ヤキモチ妬いてくれて嬉しいの。アレックスさんは神の啓示によるものなのか、彼自身の気持なのかは分からないけど、よくしてもらってるよ」
まだ機嫌の悪いミハイルさんは私の頭に頬を乗せてすりすりしている。
「そうそう!ミハイルさん手を出して」
戸惑いながら手を出したミハイルさんの手の平に、ポケットに入れてあったミサンガをおいた。
「ハルこれは?」
「これはね“ミサンガ”と言いて願掛けする物なんだ。願い事をして普段身に着けるの。そして願いが叶ったら自然に切れるだよ。それは私が編んだから身に着けてくれたら嬉しいな」
するとミハイルさんはじっとミサンガを見て
「俺の色が入っている」
と興味深そうにミサンガを見ている。そして私を真っ直ぐに見つめて
「俺の願いは一つだけ。ハルは分かっているね。俺はそれを願っていいのか?」
「願いは人に許可を得るものでは無いわ。ただ答えれるかは別の話。ごめんね…まだ気持ちは定まってないよ」
「俺はハルが納得してここに残って欲しいから、そこに口を出す気はないよ。ハルの手作りか…嬉しいよ」
ミハイルさんはミサンガを両手で握り額に着け願っている。願い終えたのか左手首にミサンガを付けた。良かった。男性サイズに少し長めに編んで丁度いい長さになっている。婚約のブレスレットとミサンガが案外マッチしていて満足!
少しすると従僕さんがミハイルさんを呼びに来た。侯爵様がお呼びの様だ。ミハイルさんは頬に口付け部屋を後にした。やっぱりミハイルさんといると落ち着く。
ミハイルさんにミサンガをあげたから次は殿下にも編まないとね。無いと拗ねてしまいそうだ。拗ねる殿下を想像して少し笑った。
マニュラ夫人が持って来てくれた刺繍糸から若草色とそれに合いそうな糸を3本選んでいたら侍女さんが来てまた湯浴みを勧めてくる。今日は何回入ればいいんだろう…その内全身ふやけるよ!
湯浴みを終え寝室に行くとドレスを用意した侍女さんが2人待ち構えていて、化粧と髪のセットを施してくれドレスに着替える。
ボリュームを抑えた綺麗なシルバーのドレスだ。用意が終わった頃にエリックさんが迎えに来てくれた。いつもラフな格好のエリックさんも晩餐なので正装をしている。髪を撫で上げかっこいい。
「ハルカは可愛くし過ぎだ。あの熊に好かれる気か?」
「侍女さんが用意してくれたんだよ。王太子に好かれたいとか嘘でもやめて!」
本当に嫌でエリックさんに八つ当たりすると
「それもにしてもあの王太子と一緒に来た公爵令嬢。何だあれ?品の欠片もない。あんなに露出してまるでお囲いさんだぜ。
兄貴に好かれたいなら大人しく可愛らしくなと無理だな。兄は庇護欲かり立てられる純粋な子が好みで…そうハルカみたいな」
慌てて話題を変えて
「そうリリアンさんは胸強調しすぎてポロリしちゃいそうで見ててハラハラしたよ。でも同姓としては羨ましい…」
思わず自分の胸を見る。性格に比例するのだろうか明らかに小ぶりだ。自分の胸をみている私に気付いたエリックさんが
「俺は見た目は関係ない。例えほとんど無くてもな」
と私を見て言った。ムカっとして
「これでも少しはあるからね!」
「あっははははは!」
楽しそうに笑うエリックさん。この後大広間に着くまでエリックさんは大笑いし私は不貞腐れた。
大広間の扉の前でアレックスさんと会う。アレックスさんも正装だ。昔から男性のスーツ姿は結構萌えポイントだったから福眼です。
アレックスさんは目を細め小さな声で「良く似合う」っと褒めてくれた。そこにあのポロリ注意報のリリアンさんが侍女と一緒にやって来た。
相変わらず露出度が高いドレスをお召で目のやり場に困る。もうこれポロリ警報が出てるよこれ!
リリアンさんは私を足元から舐める様に見て鼻で笑った。
「春香様はお若く愛らしいのにシックなドレスですわね。それでは殿方の気は引けなくてよ」
「アドバイスありがとうございます。しかし私はリリアン様の様なドレスは似合わないのです。この辺が私には妥当なのです」
鼻で笑ったリリアンさんはアレックスさんに手を差し出しエスコートを求めた。
“ぎゅ!”
アレックスさんの眉間の皺がよる音がしたような気がし、アレックスさんを見たらやっぱりレベル5だった。そうだアレックスさんは元々女嫌いだったんだった。リリアンさんの行動はアレックスさんの好みと逆効果なんだけど、少しイラッとしたから教えてあげないよ!
「春香嬢!」
廊下の向こうからグリズリーがやって来る。体もデカければ声もデカい! 鼓膜がびりびりしっている。
殿下の後ろにミハイルさんがいた。今日のミハイルさんは長髪を後ろで一つにまとめていて大人な雰囲気でドキドキする。ジャン王太子が扉前に来るとその場にいた皆が一斉にジャン王太子に礼をする。
「春香嬢。その色のドレスは妖精の様で愛らしい。私がエスコートしよう」
するとぶっとい腕が腰に廻してきて寒気がすると、アレックスさんがそっと王太子から助けてくれ
「王太子殿下。恐れながら春香嬢の婚約者のミハイル殿がいらっしゃいます。王太子殿下とはいえ婚約者が優先されるのが決まりでございます」
一瞬嫌な顔をしてミハイルさんを一睨みし
「其方が春香嬢の仮の婚約者か。よい!分かった。エスコートは諦めよう。がしかし、春香嬢1曲お相手いただけるかなぁ⁈」
本心は“NO!”だけどそんな事言えるわけもなく
「はい」
ミハイルさんは私の横に来て手を差し伸べてくれ背中をさすってくれ、ミハイルさんの温かい手に落ち着くと、ずっと扉前で待っていた従僕さんが扉を開けてくれ皆さんと入場します。
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