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第二章 リュータと不思議な他種族
第十八話 リュータ、死す
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「そっち行ったぞ!!」
「うおおおお!!」
「デカいのには構わんで、ちっこいのからやんでさ!」
「火さ! 火ぃさ持ってこい!」
ウーティの街の南側、そこは地獄だった。
黒光りする巨大なウナギが一匹、壁から頭を出してウニウニしていて、その近くには俺ぐらいの大きさの小さいウナギ、いや十分でけーよ! がウニウニしていた。大蛇かよ・・・。
そして血まみれになった男ドワーフたちがあられもない姿で横たわり、毛むくじゃらなモグラたちは所々がハゲていた。
ドワーフの方は、目のやり場に困る。
着エロって、こんなにもエロいんだぁ・・・。
しかし、この世界、ハゲはモテないと聞いていたが、本当にその通りだった。
ドワーフたちは包帯を巻かれていたけど、モグラたちは放置だった。
「な、なんでこいつら手当てされていないんだ?」
「なんでって、あんなばっちいのはイヤよ!」
「いやいや、それはおかしいでしょう!? 彼らも生きているんですよ! ブサメンだって尊い命なんですよ!」
「ブサメン? いえ、ほっといても死なない傷だからいいのよ」
「え?」
「獣人は頑丈なの。だからあの程度ならむしろイヤがるわね」
ムキムキマッチョなガールがそう言ってるけど・・・いやいや!
なんで汚物を見るような目で彼らを見ているのさ!
「それに、そいつらはあのアンデルスと企んでここのお風呂場を覗いていたのよ! それで巻き込まれたのに同情の余地なんてないわ! むしろ全身の毛を剃られないだけマシでしょ! 元凶のアンデルスは偶々いなかったみたいだけど、今度会ったらとっちめてやるんだから!!」
さいですか。
そしてアンデルス君、何しちゃってくれてんのさ。
同族を唆して覗きをさせるだなんて・・・
俺の真剣だったあの空気を返せよ!
そしててめぇ、逃げるって、彼女たちから逃げる為だったのかよ!!
あの変態犯罪忍者はダメだ。
ダメモグラだ。
「それで、戦況はどうなんでしょうか」
「まだ誰も死んでいないけど、ケガ人が増えすぎているわ。このままではいずれ押し込まれる。でも、大丈夫よ」
「そうなん・・・・揺れてる!?」
「いらっしゃったわね。我らの守り神!」
ごごごごご、どっごーん。
「きゅぴぴぴぴっぴぴぴぴっ!!」
ドデカい音と可愛らしい鳴き声と共に現れたのは、巨大なミミズだった。
巨大な、ミミズだった。
「ああ、我らが守護神キングワーム様。今日もまた、そのいきり立つお姿が、す・て・き♪」
何この子。目がハートマークになっているよ?
って、巨大ミミズが巨大ウナギにタックルした!
これ、なんて怪獣大決戦!?
***
「お前ら、キングワーム様に続けぇぇぇ!!」
「「おおー!!」」
おー・・・。
いや、何なのこれ。
巨大ウナギと巨大ミミズが額を突き合わせて、やんのかコラ? あ、やんの? って感じでメンチ切っている中、俺たちは、冷静に考えたらこれも巨大なんだけどな小さい方のウナギを退治する為に動き出した。
「ヤツらは二重属性なんだ! だから有効な手がねぇ! 地道にいくぞぉ!!」
「「おおー!!」」
おー・・・。
ウニウニしている人間大の巨大ウナギに松明を押し当てて、ぎゃわーーってしている間に切る。
しかしヌメっていて中々切れない。身をよじるウナギに吹き飛ばされながらも、果敢に挑む。
それを繰り返す皆さま。
俺、この作業風景、見た事ある!
「地味だなー」
「滅多なことを言うでない!」
「あ、すいまっせん!」
かわい子ちゃん(男)に怒られちゃった、テヘリン。
「じゃねーよ! なんだよ異世界、おかしいよ!!」
魔物が人間パクパクする世界なのに、やってること、地味!
魔法もあるのに、地味!!
何かがおかしいよ異世界人!!
いや、前のマタンゴのように、誰も可能性に気が付いていないだけなのかもしれない。
実は攻略法があるのに、それを探す手間を惜しんでいる。
そもそも攻略法って概念自体がゲーム脳なのか?
「とにかくその死んだウナギに、『鑑定』だ!!」
フライイール Lv16
HP 0/25
MP 0/245
属性:水土
物理攻撃力 19
魔法攻撃力 14
物理防御力 17
魔法防御力 8
スキル:MP防御、察知、ヌメヌメ、二重属性
ドロップ:ウナギの皮、ウナギの肉、ウナギの骨、ウナギの油、サファイア
生態:グラトニーイールの稚魚。何千匹といる中の一匹であり、生存率は0.1%以下と言われている。肉は臭みが強く特定の処置を施さねば食べられない為、誰も食べようとはしない。その為に天敵は少なく、大半の死因は餓死である。雑食ではあるが、主に草や菌類を好む。
「すんげー色々気になるな。と言うか何、この悲しい生き物・・・」
死因の大半が餓死とか、悲しすぎるわ。
お母さん、産みすぎなのではないでしょうか。
「畜生! こいつ、肉落としやがった!!」
「なんだと!?」
「こんなのいるかよ!!」
おい待てそこの美少女・・・じゃないオッサン!
「捨てるなら、下さい!」
「あ!? 欲しいならやるよ! ほら!」
「ありがざっす!」
日本人的に言えば、ウナギは高級食材です。
それを捨てるなんて、とんでもない!
しかし二重属性か。
属性と言えば、属性相性なんだが、相関関係は
火<=>水、土<=>風
火は水に弱く、水は火に弱い。土と風も同様。
そして水と土の二重属性なら、普通に考えれば火と風両方に弱いはずなんだけど・・・
二重属性
-異なる属性を併せ持つ場合と、個別に二つの属性を持つ場合と二種類に分かれる。イール系は後者である。
らしいです。
つまり、水でカバーしてる部分と、土でカバーしている部分があるみたい。
「そっち行ったぞ!」
「なんとぉ! おら、『流体感知』で受け流しぃぃぃ!!」
「すげぇなリュー坊! お前ら、とっとと始末するぞ!」
「「おおー!!」」
危ない危ない。
考え事をする暇さえ与えないってか!
「燃える、燃えるねぇ!!」
ならば俺がチャチャっと機転を利かせて解決してやんよ!!
***
二重属性には、二重属性で。
そんな単純な話に気が付いた俺は、温水を出した時の要領で温風を出していた。
火+風である。
「おらぁ、汚物は消毒だぁ!!」
棍の先から温風を吹かせ、俺は一気に間合いを詰めた。
そして小さな巨大ウナギ(これもう訳分かんね)に棍の先を押し当てて、捻る。
するとウナギは身をよじり、何度もよじり、すごくよじり、グネグネして、見る間に萎んで、息絶えた。
「よし、ちょっと絵面が凶悪だったけど、これならいけるぞ! 良心がちょっと痛むけど!」
「リュー坊、何をしたんだ!!」
「温風ですよ、温風! こいつら、温風に弱いんです!」
「温風だと! よしお前ら、松明の火を風で煽ってみろ!!」
「「合点でさー!」」
そして始まった大掃討作戦、のはずが、何故かあまり効きが宜しくない。
「なんで?」
「全く効いていない訳ではないが、MPにも限りはある。この手は、奥の手だな」
「さすがのリュー坊もハンターとしては今一つかー」
「んだな。だなばやっぱりハンターやめて、共に農家すんべや」
やめて、妙な慰め方をしないで!
惚れてしまうから!!
美少女面のドワーフたちに慰められ、意気消沈した俺は、何が原因だったのかを考え出した。
困ったときは見知っている情報の整理から。
基本に立ち返り、ウナギの情報を精査する。
スキル:MP防御、察知、ヌメヌメ、二重属性
察知は、気配察知とかの系統だろう。
ヌメヌメ、ヌメヌメしている。
二重属性は、二重属性だ。
いや待て、MP防御とはなんだ?
MP防御 Lv1
-MPをダメージ軽減に転換する。MP1辺り200のダメージを軽減する。
マタンゴのあの防御力の前に、15ダメージをたたき出した事を驚かれた。
つまり、200ダメージなんてとんでもないダメージなんだと思う。
でも、しかし、もしかすると・・・
「もしかして、防御無視どころか防御効果を一切無視?」
『生活魔法』さん、テラチート。
「みんな、『生活魔法』の温風だ!! それで楽々倒せるぞ!!」
「なんだって!!」
「聞いたかお前ら! やってみるぞー!」
「「アイアイサー」」
そして瞬く間に殲滅完了。
うん、『生活魔法』はやっぱり色々と仕様がおかしい。
この様子だと『虐殺魔法』に名前を変えるべきなのではないだろうか。
***
「最後はあのデカブツだけだ! 守護神様に加勢するぞ!!」
と、まぁなったのですが、温風を手に入れた俺たちに敵はいなかった。
あっという間に巨大ウナギをせん滅し、今は酒盛りをしようとしている最中です。
「いやー、アッと言う間でしたねー」
「リュー坊のお陰さね! ほれ、キングワーム様も喜んでいらっしゃる」
「きゅぴぴー」
見た目に反してなんて可愛らしいお声。
この世界、妙なものが妙に可愛くて、困る。
俺の価値観が根元から崩れていくね。
「そう言えば、なんで守護神様はここを守っているんですか?」
「そりゃおめぇ、キングワーム様は魔物じゃねぇ、動物だ。それに、共生ってヤツさね」
共に生きる、共生。
うん、なんか、いいね。
「しかしあの穴、でっかいですねぇ」
「いくらグラトニーイールを倒したっつっても、穴が塞がる訳じゃないしな」
「犯罪忍者! 生きていたのか!」
「誰が犯罪忍者だよ!」
いやいや、お前の事だよアンデルス君!
何開き直っちゃってるの、この子。
「覗きは犯罪、食い逃げも犯罪。分かってるかい?」
「分かんねーよ! それと食い逃げなんてしてないだろ!」
じゃぁポテト代返せよ!!
「っと、本当にでっかいなー。ん、おや、誰かが奥から来るゾ?」
「お、本当だな。今はタイラントポテトの穴を塞ぐんで、工夫は誰も中にいないはずだぞ」
「でも、何か来るよね・・・、って、なんだありゃ!?」
「あれは、キラーマンティス!! 気配殺してきやがったのか!!」
忍者センサーをもあざむくキラーマンティ・・・、って走ってきた!
「危ない!!」
ざしゅっ。
おれの、おれの左腕が、落ちた。
「のおおおおお!!」
いてぇ、超いてぇよ!!
なんだよお前!!
俺が突き飛ばさなかったら、アンデルス君、死んでただろ!!
「こんのおおおおおお!!」
『収納小箱』から取り出した棍を右手一本で支えて突きを放つ。
ニタリと笑っていたカマキリの硬い装甲に当たって、かん、と音が鳴った。
「逃げろぉぉぉぉぉ!! リュータぁぁぁぁぁ!!」
アンデルス君が叫ぶけど、ここで逃げたら犠牲者が出る。
俺は残った力を振り絞り、いつものように念じた。
火10連!!
ここで倒しきってみせると、そう強く念じると、俺の意識は落ちたのだった。
「うおおおお!!」
「デカいのには構わんで、ちっこいのからやんでさ!」
「火さ! 火ぃさ持ってこい!」
ウーティの街の南側、そこは地獄だった。
黒光りする巨大なウナギが一匹、壁から頭を出してウニウニしていて、その近くには俺ぐらいの大きさの小さいウナギ、いや十分でけーよ! がウニウニしていた。大蛇かよ・・・。
そして血まみれになった男ドワーフたちがあられもない姿で横たわり、毛むくじゃらなモグラたちは所々がハゲていた。
ドワーフの方は、目のやり場に困る。
着エロって、こんなにもエロいんだぁ・・・。
しかし、この世界、ハゲはモテないと聞いていたが、本当にその通りだった。
ドワーフたちは包帯を巻かれていたけど、モグラたちは放置だった。
「な、なんでこいつら手当てされていないんだ?」
「なんでって、あんなばっちいのはイヤよ!」
「いやいや、それはおかしいでしょう!? 彼らも生きているんですよ! ブサメンだって尊い命なんですよ!」
「ブサメン? いえ、ほっといても死なない傷だからいいのよ」
「え?」
「獣人は頑丈なの。だからあの程度ならむしろイヤがるわね」
ムキムキマッチョなガールがそう言ってるけど・・・いやいや!
なんで汚物を見るような目で彼らを見ているのさ!
「それに、そいつらはあのアンデルスと企んでここのお風呂場を覗いていたのよ! それで巻き込まれたのに同情の余地なんてないわ! むしろ全身の毛を剃られないだけマシでしょ! 元凶のアンデルスは偶々いなかったみたいだけど、今度会ったらとっちめてやるんだから!!」
さいですか。
そしてアンデルス君、何しちゃってくれてんのさ。
同族を唆して覗きをさせるだなんて・・・
俺の真剣だったあの空気を返せよ!
そしててめぇ、逃げるって、彼女たちから逃げる為だったのかよ!!
あの変態犯罪忍者はダメだ。
ダメモグラだ。
「それで、戦況はどうなんでしょうか」
「まだ誰も死んでいないけど、ケガ人が増えすぎているわ。このままではいずれ押し込まれる。でも、大丈夫よ」
「そうなん・・・・揺れてる!?」
「いらっしゃったわね。我らの守り神!」
ごごごごご、どっごーん。
「きゅぴぴぴぴっぴぴぴぴっ!!」
ドデカい音と可愛らしい鳴き声と共に現れたのは、巨大なミミズだった。
巨大な、ミミズだった。
「ああ、我らが守護神キングワーム様。今日もまた、そのいきり立つお姿が、す・て・き♪」
何この子。目がハートマークになっているよ?
って、巨大ミミズが巨大ウナギにタックルした!
これ、なんて怪獣大決戦!?
***
「お前ら、キングワーム様に続けぇぇぇ!!」
「「おおー!!」」
おー・・・。
いや、何なのこれ。
巨大ウナギと巨大ミミズが額を突き合わせて、やんのかコラ? あ、やんの? って感じでメンチ切っている中、俺たちは、冷静に考えたらこれも巨大なんだけどな小さい方のウナギを退治する為に動き出した。
「ヤツらは二重属性なんだ! だから有効な手がねぇ! 地道にいくぞぉ!!」
「「おおー!!」」
おー・・・。
ウニウニしている人間大の巨大ウナギに松明を押し当てて、ぎゃわーーってしている間に切る。
しかしヌメっていて中々切れない。身をよじるウナギに吹き飛ばされながらも、果敢に挑む。
それを繰り返す皆さま。
俺、この作業風景、見た事ある!
「地味だなー」
「滅多なことを言うでない!」
「あ、すいまっせん!」
かわい子ちゃん(男)に怒られちゃった、テヘリン。
「じゃねーよ! なんだよ異世界、おかしいよ!!」
魔物が人間パクパクする世界なのに、やってること、地味!
魔法もあるのに、地味!!
何かがおかしいよ異世界人!!
いや、前のマタンゴのように、誰も可能性に気が付いていないだけなのかもしれない。
実は攻略法があるのに、それを探す手間を惜しんでいる。
そもそも攻略法って概念自体がゲーム脳なのか?
「とにかくその死んだウナギに、『鑑定』だ!!」
フライイール Lv16
HP 0/25
MP 0/245
属性:水土
物理攻撃力 19
魔法攻撃力 14
物理防御力 17
魔法防御力 8
スキル:MP防御、察知、ヌメヌメ、二重属性
ドロップ:ウナギの皮、ウナギの肉、ウナギの骨、ウナギの油、サファイア
生態:グラトニーイールの稚魚。何千匹といる中の一匹であり、生存率は0.1%以下と言われている。肉は臭みが強く特定の処置を施さねば食べられない為、誰も食べようとはしない。その為に天敵は少なく、大半の死因は餓死である。雑食ではあるが、主に草や菌類を好む。
「すんげー色々気になるな。と言うか何、この悲しい生き物・・・」
死因の大半が餓死とか、悲しすぎるわ。
お母さん、産みすぎなのではないでしょうか。
「畜生! こいつ、肉落としやがった!!」
「なんだと!?」
「こんなのいるかよ!!」
おい待てそこの美少女・・・じゃないオッサン!
「捨てるなら、下さい!」
「あ!? 欲しいならやるよ! ほら!」
「ありがざっす!」
日本人的に言えば、ウナギは高級食材です。
それを捨てるなんて、とんでもない!
しかし二重属性か。
属性と言えば、属性相性なんだが、相関関係は
火<=>水、土<=>風
火は水に弱く、水は火に弱い。土と風も同様。
そして水と土の二重属性なら、普通に考えれば火と風両方に弱いはずなんだけど・・・
二重属性
-異なる属性を併せ持つ場合と、個別に二つの属性を持つ場合と二種類に分かれる。イール系は後者である。
らしいです。
つまり、水でカバーしてる部分と、土でカバーしている部分があるみたい。
「そっち行ったぞ!」
「なんとぉ! おら、『流体感知』で受け流しぃぃぃ!!」
「すげぇなリュー坊! お前ら、とっとと始末するぞ!」
「「おおー!!」」
危ない危ない。
考え事をする暇さえ与えないってか!
「燃える、燃えるねぇ!!」
ならば俺がチャチャっと機転を利かせて解決してやんよ!!
***
二重属性には、二重属性で。
そんな単純な話に気が付いた俺は、温水を出した時の要領で温風を出していた。
火+風である。
「おらぁ、汚物は消毒だぁ!!」
棍の先から温風を吹かせ、俺は一気に間合いを詰めた。
そして小さな巨大ウナギ(これもう訳分かんね)に棍の先を押し当てて、捻る。
するとウナギは身をよじり、何度もよじり、すごくよじり、グネグネして、見る間に萎んで、息絶えた。
「よし、ちょっと絵面が凶悪だったけど、これならいけるぞ! 良心がちょっと痛むけど!」
「リュー坊、何をしたんだ!!」
「温風ですよ、温風! こいつら、温風に弱いんです!」
「温風だと! よしお前ら、松明の火を風で煽ってみろ!!」
「「合点でさー!」」
そして始まった大掃討作戦、のはずが、何故かあまり効きが宜しくない。
「なんで?」
「全く効いていない訳ではないが、MPにも限りはある。この手は、奥の手だな」
「さすがのリュー坊もハンターとしては今一つかー」
「んだな。だなばやっぱりハンターやめて、共に農家すんべや」
やめて、妙な慰め方をしないで!
惚れてしまうから!!
美少女面のドワーフたちに慰められ、意気消沈した俺は、何が原因だったのかを考え出した。
困ったときは見知っている情報の整理から。
基本に立ち返り、ウナギの情報を精査する。
スキル:MP防御、察知、ヌメヌメ、二重属性
察知は、気配察知とかの系統だろう。
ヌメヌメ、ヌメヌメしている。
二重属性は、二重属性だ。
いや待て、MP防御とはなんだ?
MP防御 Lv1
-MPをダメージ軽減に転換する。MP1辺り200のダメージを軽減する。
マタンゴのあの防御力の前に、15ダメージをたたき出した事を驚かれた。
つまり、200ダメージなんてとんでもないダメージなんだと思う。
でも、しかし、もしかすると・・・
「もしかして、防御無視どころか防御効果を一切無視?」
『生活魔法』さん、テラチート。
「みんな、『生活魔法』の温風だ!! それで楽々倒せるぞ!!」
「なんだって!!」
「聞いたかお前ら! やってみるぞー!」
「「アイアイサー」」
そして瞬く間に殲滅完了。
うん、『生活魔法』はやっぱり色々と仕様がおかしい。
この様子だと『虐殺魔法』に名前を変えるべきなのではないだろうか。
***
「最後はあのデカブツだけだ! 守護神様に加勢するぞ!!」
と、まぁなったのですが、温風を手に入れた俺たちに敵はいなかった。
あっという間に巨大ウナギをせん滅し、今は酒盛りをしようとしている最中です。
「いやー、アッと言う間でしたねー」
「リュー坊のお陰さね! ほれ、キングワーム様も喜んでいらっしゃる」
「きゅぴぴー」
見た目に反してなんて可愛らしいお声。
この世界、妙なものが妙に可愛くて、困る。
俺の価値観が根元から崩れていくね。
「そう言えば、なんで守護神様はここを守っているんですか?」
「そりゃおめぇ、キングワーム様は魔物じゃねぇ、動物だ。それに、共生ってヤツさね」
共に生きる、共生。
うん、なんか、いいね。
「しかしあの穴、でっかいですねぇ」
「いくらグラトニーイールを倒したっつっても、穴が塞がる訳じゃないしな」
「犯罪忍者! 生きていたのか!」
「誰が犯罪忍者だよ!」
いやいや、お前の事だよアンデルス君!
何開き直っちゃってるの、この子。
「覗きは犯罪、食い逃げも犯罪。分かってるかい?」
「分かんねーよ! それと食い逃げなんてしてないだろ!」
じゃぁポテト代返せよ!!
「っと、本当にでっかいなー。ん、おや、誰かが奥から来るゾ?」
「お、本当だな。今はタイラントポテトの穴を塞ぐんで、工夫は誰も中にいないはずだぞ」
「でも、何か来るよね・・・、って、なんだありゃ!?」
「あれは、キラーマンティス!! 気配殺してきやがったのか!!」
忍者センサーをもあざむくキラーマンティ・・・、って走ってきた!
「危ない!!」
ざしゅっ。
おれの、おれの左腕が、落ちた。
「のおおおおお!!」
いてぇ、超いてぇよ!!
なんだよお前!!
俺が突き飛ばさなかったら、アンデルス君、死んでただろ!!
「こんのおおおおおお!!」
『収納小箱』から取り出した棍を右手一本で支えて突きを放つ。
ニタリと笑っていたカマキリの硬い装甲に当たって、かん、と音が鳴った。
「逃げろぉぉぉぉぉ!! リュータぁぁぁぁぁ!!」
アンデルス君が叫ぶけど、ここで逃げたら犠牲者が出る。
俺は残った力を振り絞り、いつものように念じた。
火10連!!
ここで倒しきってみせると、そう強く念じると、俺の意識は落ちたのだった。
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僕は自分を信じて、8年間、毎日スキルを使い続けた。
「……本当によろしいのですか? 僕のスキルは、バフ(強化)の対象人数3000人に増えただけでなく、効果も全ステータス10倍アップに進化しています。これが無くなってしまえば、大きな戦力ダウンに……」
「アッハッハッハッハッハッハ! 見苦しい言い訳だ! 全ステータス10倍アップだと? バカバカしい。そんな嘘八百を並べ立ててまで、この俺の最強騎士団に残りたいのか!?」
そうして追放された僕であったが――
自分にバフを重ねがけした場合、能力値が100倍にアップすることに気づいた。
その力で、敵国の刺客に襲われた王女様を助けて、新設された魔法騎士団の団長に任命される。
一方で、僕のバフを失ったバラン団長の最強騎士団には暗雲がたれこめていた。
「騎士団が最強だったのは、アベル様のお力があったればこそです!」
これは外れスキル持ちとバカにされ続けた少年が、その力で成り上がって王女に溺愛され、国の英雄となる物語。
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