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第五章 リュータと異国の塔
第五十九話 襲撃と塔
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パコパコパコパコパコパコ!!
「突然なんの音でしょうか?」
「ずいぶんとロックな音だな!」
「なンだ? この間の抜けた音は?」
突然鳴った珍妙な音に、ミチルさん、真紅さん、ワン君が首を捻っている。
かく言う俺も、なんだっけ? と首をかしげる。聞き覚えがあるんだけど・・・。
ドタドタドタ、バァァァン!
勢いよくふすまが開いたと思ったら、シルちゃんが現れクワッと目を見開いていた。
「皆の者! 緊急事態じゃ!」
デ・ジャ・ビュー。
パコパコパコパコパコパコ!!
未だに鳴り響くパコ音。
そしてティンと来た。
ああ、そうだ。これ、警報の音じゃん!
「また魔人でも出たの?」
「まだ分からんが、その可能性が高いのじゃ! 済まぬが手を貸してもらいたいのじゃ!」
困った様子で眉を八の字にしているシルちゃんに、俺は二つ返事で了解した。
「分かったよ! 俺の力が役に立つなら存分に使って!」
「うむ、お前さんであればそう言ってくれると信じておったのじゃ!」
手を取り合い、見つめ合う俺とシルちゃん。
そして
「シルちゃん!」
「リュータ!!」
だきっ!
「良く分からないけど、私も力になります!」
「テメーらイチャついてネーで急ぐぞ! オラァ!」
オラァと同時に背中に衝撃!
「なんで蹴るんだよワン君!!」
「ウルセー!!」
「なんだ・・・。めんどくさいからパス」
俺がワン君に抗議の声を上げたと同時に、真紅さんはスポッと言う音と共に魔石の中に引っ込んでしまった。
彼女は魔石にチャージされた魔力分しか働けないし、仕方がないんだよね。
それに真紅さんはああ見えて情に厚いから、いざとなったら玄武の時のように助けてくれる。何の心配もいらない。俺は赤の魔石を『収納小箱』に仕舞った。
「気を取り直して、ミチルさん! ワン君!」
「は、はい」
「ンだよ・・・」
振り返り声をかければ、シャキっと背筋を伸ばしたミチルさんに、気だるそうにしながらもすでに剣をいつでも抜けるようにしている準備万端なワン君が見えた。
うん、実に頼もしい!
「よし、じゃぁ行こうか」
そう言った直後にまたも振り返り、シルちゃんを視界に入れた。
しかし、違和感。
「ぐ、がはっ!?」
え? なんでシルちゃんの足が床についてないの?
と言うか、宙に浮いてる?
いやいや、それよりもなんで首を掴まれてるの!?
シルちゃんの背後にいる顔がクマで毛むくじゃらな二足歩行するクマ人間みたいなやつ、何なんだよ!
てか
「お前、俺のシルちゃんに何してんだよ!!」
***
シルちゃんがクマ人間に後ろから首をわしづかみにされていたと思ったら、足を振って、思いっきりクマ人間の腹に後ろ蹴りを食らわしていた。
そしてその反動で拘束からスルっと抜けたシルちゃんが吠えた。
「ゴホッ!! ッ、舐めるでないのじゃ!」
「シルちゃん! 大丈夫? 『応急手当』!!」
首につかまれた時のアザが見えたから、咄嗟に駆け寄って『応急手当』を連打すれば、あっという間にシルちゃんの首のアザが消えた。でもこれでMPが残り8。このMP量では、素直に大人しくしているのが無難かもしれない。
俺がシルちゃんと自分のMPに気を取られている間に、ミチルさんとワン君がクマ人間に刃を振り下ろしていた。
「やぁぁぁ!!」
「オラァ!! つか、テメー、どこから現れたんダ!?」
右と左の両方からの攻撃にさらされたクマ人間は、人間のような指が五本付いている手を使い、右手でミチルさんの剣を、左手でワン君の剣を指のみで白羽取りしていた。
「はい、ごくろうごくろう。それとここへは塀の外からジャンプして建物の入り口まで来ましたよ。ここがなんとなく重要そうな拠点に見えましたからね」
つまり、道中このクマ人間に襲われたエルフの人たちはいないのか。それはまだ朗報と言うべきか。しかしこの里最大戦力の二人が一瞬で止められたのは、全く安心できない。
恐怖で顔が引きつるのが自分でも分かる。
「えぇぇ!?」
「デタラメだな、クマ野郎!!」
ミチルさんは手首を捻って白羽取りを外し、ワン君は右手だけを離してそのまま踏み込んでの掌打をクマ人間の左手にぶち当てて拘束を解いていた。
さすが勇者二人は戦い慣れていて、俺ほど動揺してはいない。
その頼りになる二人の様子にほっとしつつ、クマ人間の出方をうかがった。
しかし、なんだこのクマ人間・・・、見た目以上に滅茶苦茶すぎないか? 毛むくじゃらな上にずんぐりむっくりとしたビア樽体形なのに、里の外壁からここまでジャンプしたとか、指で白羽取りとか、いくらなんでも規格外すぎるだろ。
「はっは。元気があってよろしいですね。この世界の異物にしてはがんばりますね。褒めて差し上げましょう、ぱちぱちぱち」
クマ人間は心底バカにしたように口だけで拍手した後で、右手の人差し指と中指を立てて挑発してきた。
「異物って、俺たちの事なのか・・・?」
「ふふっ、そうですね。そこの異界から来た人間も、あちらのエルフとか言う種族もです」
「シルちゃんも異物!?」
「ええ、そこのエルフもそうですよ。そのような事も、ご存知いないとは・・・」
小ばかにするように自分の額を右手でポンと叩いたクマ人間は、左手を胸に当てて右手の平を上に向けつつ右手を前に出した語りかけるポーズを取った。
紳士然としたポーズが、癇に障る。
「この世界に異物は不要です。あなた方も含め、この世界のありとあらゆるもの全てを破壊して御覧に入れましょう」
唐突にそんな恐ろしいことを宣言したクマ人間は、ファイティングポーズを取った。
両手の平をピンと伸ばしたクマ人間のその姿は、まるで何かに祈りを捧げているようにも見えて・・・
「全ては、神の御心のままに」
とても、背筋がゾクゾクした。
***
あれからミチルさんとワン君の勇者コンビによる激しい攻撃が加えられたものの、クマ人間はそのすべてをかわして、いなして、受け止めて、少しずつカウンターを当てて、着実に勇者たちにダメージを積み重ねていった。
そこにシルちゃんが魔法で援護を加えるが、それでもクマ人間には全く通用しなかった。まるでシルちゃんの魔法が何もなかったかのようにその分厚い毛皮で受けて、平然としていた。
交戦からわずか十分。
彼らは全滅した。
「マジかよ・・・、っととと、大丈夫? シルちゃん」
「うっ、リュータ・・・すまぬ」
クマ人間に腕を捕まれ、そのままポイっと投げ捨てられたシルちゃんを慌ててキャッチしたが、幸いにも命に別状はないようで、苦しげながらも意識があった事に安堵した。
地面にはいつくばっているミチルさんとワン君も、まだ意識がはっきりとしている。
理由は分からないが、クマ人間は敢えてトドメを差さずにみんなを戦闘不能にする程度に手加減をしていた。
「やれやれ、これほどぜい弱な者たちがこの世界に山ほどいる? 実に嘆かわしい現実ですね」
まるで神父のような、懺悔を聞き届けるかのような両手を広げたポーズを取りつつ、世の中をはかなんでいるクマ人間。
最初の登場には驚いたけど、こいつ、もしかしてイイヤツなのか? 実は俺たちに更なるパワーアップの機会を授ける兄貴的な存在だったりするのか?
なんて思った一瞬前の俺をぶん殴りたい。
「さて、君たちにはこの里のゴミが絶滅するまで見守ってもらいましょう。何、それほど時間はかけませんから」
「はぁ!?」
「君たちはね、本来いてはいけないのですよ。すごい神が作った生命だかなんだか知りませんが、この世界は本来の持ち主の元に返さなければならないのです。余所から勝手に現れて、世界を滅茶苦茶にして、どう落とし前付けてくれるのでしょうか。いえ、そんなの分かりきっていますよね」
クマ人間の主張が、まったく分からないんだけど・・・。でも、あいつの目。なんと言うか、人を殺すのに何のちゅうちょも抱かないような目だ。
「ありとあらゆる生命を壊す。それが我が主でありこの世界の主である破壊神様の願いであり、あなた方がなすべき贖罪です」
「破壊神!?」
超絶ヤバいフレーズが、超絶ヤバいクマ人間の口から洩れた。
なにそれ、まずいじゃん! 何がどうまずいのかって、全部がまずいし!
と言うか、破壊神がいるとか聞いてないし!!
***
「ならば、私たちが止めるまでです!」
「おうよ。勇者ナメんな?」
多少ふらつきながらも立ち上がったミチルさんとワン君は、直後に真上に吹き飛んだ。
二人ともかっこいい! なんて思った矢先の事で、しかも何も見えず、気が付けばクマ人間がアッパーカットの姿勢でミチルさんがいた場所に立っていたんだ。気分は金髪ロング逆毛のあの男。
「うそだろ・・・」
そう呟いた直後、とてつもない衝撃音と共にミチルさんたちが落ちてきた。なんとか受け身を取ったのだろう。床に埋まりはしなかったが、それでも再度床に這いつくばった二人を見て、本格的にマズいと思った。
「早いし、硬いです・・・」
早いし硬い。つまり催眠術でも時を止めたのでもなく、超スピードだったの?
それもうダメなヤツじゃないの?
いや待て俺。落ち着け。こんなの、塔の時の絶望感を思えばマシだろ!
ビビるな、俺!!
「フゥゥゥ」
深呼吸をしよう。脳に血を巡らせるために。
俺は知っているはずだ。硬い相手に通用する手を。
しかしどうやっても俺では超スピードなクマ人間には触れられないし、ペイッと叩かれただけで死んでしまう。
だからどうする?
簡単だな。
「やああああ」
情けない声と共に突撃する。それが、俺が選んだ手段だ。
今まで弱すぎて見逃してもらっていたんだから、そのフリをしたまま突っ込めばいい。このクマ人間が慢心してくれるのなら、一撃なら加えられる。そしてその一撃をヒントに、勇者二人にこのクマ人間を撃退してもらえばいい。
その結果、俺はまた死ぬかもしれないけど・・・。
「暗いのも、何もないのもイヤなんだけど・・・、でも頑張る! 食らえ!」
思わず本音がポロリと出たけど気にせず手の平でクマ人間の腕を掴む。
予想通りクマ人間は俺が大したことのない人間だと認識していたようで、何をするのかとニマニマ見ていた。
「おや、おやおや。それでそれで? それから何をなさるおつもりで?」
相変わらず魔人は性格が悪い。
だが、振り払いもせず、怯えるフリをしている俺の頭をグリグリと空いている手で撫でまわすクマ人間に、一泡吹かせる!
「ミチルさん! これがあの時の答えだ!! 火十連!!」
「な、ぐああああ!?」
掴んだ腕に『生活魔法』の『火』をお見舞いすれば、クマ人間の頑丈な毛皮を『火』は貫通し、俺が触っていた部分を黒焦げにした。
「ミチルさん、ワン君! 『生活魔法』は防御無視だか」
だから、と言おうとして意識が途絶えた。
いや、その直前で視界がグルグルと回った。おそらくクマ人間に思いっきり殴られたのだろう。まるでトラックにはねられたのではと思うほどの衝撃を受けて、俺はたぶん、死んだ。
***
「あれ?」
意識を取り戻したが、俺の現在位置は何故かあの夢の塔の石碑前だった。
「なんで・・・」
ペタペタと顔を触るが、俺だ。間違いなく俺だ。そしてここは・・・、『ステータス』の『マップ』を見れば、やっぱり夢の中の塔だった。
「至急、ますたーに伝えなきゃなの」
「え?」
唐突な俺以外の声が聞こえたその先を見ると、記子さんが石碑の傍らにいた。
人間サイズの等身大、160センチくらいの、思ったよりも大きな少女だった。でもあの白黒まだら髪ツインテールに暗い色のローブ姿は間違いなく記子さんだ。
その記子さんが再び口を開いた。
「ますたー、時間がないの。この塔を今すぐ攻略して欲しいの。扉の先にあるダンジョンコアを破壊して、そしてすぐに元の世界に戻って欲しいの」
「攻略? 戻る!? いやちょっと待って、良く分から」
俺が言い切る前に、記子さんが消えた。
どうなってるんだよ。
「てか、こんな所に扉なんてあったか?」
いや、ない。反語。
「でも、行くしかないか」
ここで立ち止まっていても精神的にヤられるだけだ。なら、今は考えるより先に前へ進もう。
両開きの、三メートルほどある巨大な扉。まるで彫刻家ロダンの地獄門のようなおどろおどろしい装飾が施されたその扉に手をかけると、見た目よりもはるかに軽い手ごたえと共に扉が音もなく開いた。
そしてその扉の先をチラリと見て、また扉を閉めた。
「いや、なんであんなに大量にゴブリンがいるの!?」
マジびっくり。扉の少し先には見ただけでも十匹以上のゴブリンが見えた。さすがに俺一人ではあの量は捌けないぞ。どうしたもんか・・・。
「ダンナ、ダンナ」
「うおい!?」
突然背後から声をかけられて俺は思わず飛びのいた。
人がいるとは思わなかったよ!? もしかして、おばけ!? ゾンビもいたんだし、あり得ない話じゃないよね。
「だ、誰?」
無視したいけど逃げ場のないこの石碑ゾーンだから俺は観念して、恐る恐る振り向いた。
その振り向いた先には、俺の腰ほどの背丈しかない小人がいた。鼻がかなり大きく、ゴブリンを普通の人にしたようなややブサイク顔のその人物からは、何と言うか、魔物や魔人特有の邪悪さが一切感じられなかった。
特徴的な燃えるような赤い髪を逆立たせ、その先っぽは頂点でまとまっていた。その髪は炎のようで、しかもちょっと揺らめいていたのが不思議で、思わず頭頂部を見つめてしまった。
まるで頭に炎を乗せているかのようなその人物は、右足を半歩引いて、右手を胸の前に添え、左手を横方向へ水平に差し出してお辞儀をしていた。
「お初にお目にかかります、ダンナ。アッシらは姉御に仕えている者でさぁ」
「姉御?」
いきなりそんな事を言われても、何がなんだか。
いや、待てよ。
赤い髪、ゴブリンみたいな顔と背丈、そして姉御・・・。
「もしかして、真紅さんの関係者?」
「へい、そうでさ。さすがダンナ、話が早いでさぁ。アッシらはダンナが名付けた真紅姉御の眷属でさぁ」
どうやらこの状況を見越してか、あるいは情けない俺を見るに見かねてか、真紅さんが戦力を寄越してくれていたようだった。
「そっか、ありがとう! 君らはその、なんて呼べばいいんだ?」
と言うか、アッシらと言われて気付いたけど、この先頭の人? の後ろには全く同じ背丈で同じ顔をした人たちが六人もいた。
なんて考えていたら、先頭の人がまたもお辞儀。一体何だろうか。
「そう、そうでさぁ。アッシらには名前がないんでさぁ。だからどうかダンナ、アッシらに名前を付けてくだせぇ」
え? 七人全員だろうか?
「ちょっと、多いかな」
素直にそう言うと、先頭の人は慌てて首を振っていた。
「いえいえいえ! アッシらは全員同じモンなんでさぁ。いわば、分身しているようなもんでさぁ。だから名前は一つだけでいいのでさぁ」
わお、分身? 良く分からんが、とりあえず群体みたいなものなのだろうか。なら良く分からんけど、名前を付けるか。
見た感じ、彼らはその髪が赤い帽子をかぶっているようにも見える。俗に言うサンタ帽みたいな感じだ。
「なら、君ら全員で『レッドキャップ』ってのは、どう?」
彼らは個人名がいらないと言うのだから、グループ名みたいな発想で付けてみた。後々に個別に名前を欲しいと言われるかもしれないからね。
なんて思っていると、彼らが突然光り出した!?
「ファッ!?」
思わず変な声が出たし!?
って、ちょっと待って! 光が収まったと思ったら、『レッドキャップ』の面々が、どこから取り出したのか、鉄の靴に巨大なマサカリを装備していた。
なんか、思ってたんと違う!!
「ではダンナ、アッシらは扉の先にいる雑魚どもをけちらして道を作りまさぁ!」
「「「「「「まさぁ!」」」」」」
え? ちょっと待って!?
手を伸ばしたけど、それに構わず目を赤くランランと輝かせた『レッドキャップ』たちは扉を開けて、ヒャッハーと言いながら扉の先にいた赤青黒のまだら色のゴブリンに向かって飛び掛かった。
そしてあっという間にせん滅してみせた。
「わお・・・」
頼もしすぎるこの応援に何度も感謝しつつ、俺たちはそのまま進軍して、道中のオークも恐らくボスだったのであろう黒馬にまたがったライオンと言う謎の存在を七人が謎の必殺技で瞬殺し、俺はダンジョンコアを見事に砕いた。
なお、その必殺技はまるで戦隊モノのヒーローたちのように七人が寄り集まってマサカリを一所に集め、巨大なマサカリを作り、しかもその柄の先からまさかのビームを放つと言うものだった。
もうね、訳分かんねーってなもんです。
そして呆然とその姿を見ていた俺に『レッドキャップ』から必殺技の名付けもして欲しいと言われたので、適当に『マサカリバズーカ』と言ってみたが、気に入ってくれたようで安心したよ。
「ではダンナ、アッチでもよろしく頼んまさぁ!!」
先頭にいた『レッドキャップ』がそう言うと同時に全員が消え、俺の右手に七つの小さな魔石が残った。どうやらこれが彼らの本体のようだ。それらに改めてありがとうと言ってから『収納小箱』にしまう。
そうなると後に残ったのは俺と、記憶のダンジョンコアの魔石。そして真っ二つに割れた記憶のダンジョンコア。
「とりあえず、ダンジョンコアを安置してから脱出するか」
そう思いダンジョンコアに手をかけたら、俺は真っ白な空間へと飛ばされた。
「へ?」
「突然なんの音でしょうか?」
「ずいぶんとロックな音だな!」
「なンだ? この間の抜けた音は?」
突然鳴った珍妙な音に、ミチルさん、真紅さん、ワン君が首を捻っている。
かく言う俺も、なんだっけ? と首をかしげる。聞き覚えがあるんだけど・・・。
ドタドタドタ、バァァァン!
勢いよくふすまが開いたと思ったら、シルちゃんが現れクワッと目を見開いていた。
「皆の者! 緊急事態じゃ!」
デ・ジャ・ビュー。
パコパコパコパコパコパコ!!
未だに鳴り響くパコ音。
そしてティンと来た。
ああ、そうだ。これ、警報の音じゃん!
「また魔人でも出たの?」
「まだ分からんが、その可能性が高いのじゃ! 済まぬが手を貸してもらいたいのじゃ!」
困った様子で眉を八の字にしているシルちゃんに、俺は二つ返事で了解した。
「分かったよ! 俺の力が役に立つなら存分に使って!」
「うむ、お前さんであればそう言ってくれると信じておったのじゃ!」
手を取り合い、見つめ合う俺とシルちゃん。
そして
「シルちゃん!」
「リュータ!!」
だきっ!
「良く分からないけど、私も力になります!」
「テメーらイチャついてネーで急ぐぞ! オラァ!」
オラァと同時に背中に衝撃!
「なんで蹴るんだよワン君!!」
「ウルセー!!」
「なんだ・・・。めんどくさいからパス」
俺がワン君に抗議の声を上げたと同時に、真紅さんはスポッと言う音と共に魔石の中に引っ込んでしまった。
彼女は魔石にチャージされた魔力分しか働けないし、仕方がないんだよね。
それに真紅さんはああ見えて情に厚いから、いざとなったら玄武の時のように助けてくれる。何の心配もいらない。俺は赤の魔石を『収納小箱』に仕舞った。
「気を取り直して、ミチルさん! ワン君!」
「は、はい」
「ンだよ・・・」
振り返り声をかければ、シャキっと背筋を伸ばしたミチルさんに、気だるそうにしながらもすでに剣をいつでも抜けるようにしている準備万端なワン君が見えた。
うん、実に頼もしい!
「よし、じゃぁ行こうか」
そう言った直後にまたも振り返り、シルちゃんを視界に入れた。
しかし、違和感。
「ぐ、がはっ!?」
え? なんでシルちゃんの足が床についてないの?
と言うか、宙に浮いてる?
いやいや、それよりもなんで首を掴まれてるの!?
シルちゃんの背後にいる顔がクマで毛むくじゃらな二足歩行するクマ人間みたいなやつ、何なんだよ!
てか
「お前、俺のシルちゃんに何してんだよ!!」
***
シルちゃんがクマ人間に後ろから首をわしづかみにされていたと思ったら、足を振って、思いっきりクマ人間の腹に後ろ蹴りを食らわしていた。
そしてその反動で拘束からスルっと抜けたシルちゃんが吠えた。
「ゴホッ!! ッ、舐めるでないのじゃ!」
「シルちゃん! 大丈夫? 『応急手当』!!」
首につかまれた時のアザが見えたから、咄嗟に駆け寄って『応急手当』を連打すれば、あっという間にシルちゃんの首のアザが消えた。でもこれでMPが残り8。このMP量では、素直に大人しくしているのが無難かもしれない。
俺がシルちゃんと自分のMPに気を取られている間に、ミチルさんとワン君がクマ人間に刃を振り下ろしていた。
「やぁぁぁ!!」
「オラァ!! つか、テメー、どこから現れたんダ!?」
右と左の両方からの攻撃にさらされたクマ人間は、人間のような指が五本付いている手を使い、右手でミチルさんの剣を、左手でワン君の剣を指のみで白羽取りしていた。
「はい、ごくろうごくろう。それとここへは塀の外からジャンプして建物の入り口まで来ましたよ。ここがなんとなく重要そうな拠点に見えましたからね」
つまり、道中このクマ人間に襲われたエルフの人たちはいないのか。それはまだ朗報と言うべきか。しかしこの里最大戦力の二人が一瞬で止められたのは、全く安心できない。
恐怖で顔が引きつるのが自分でも分かる。
「えぇぇ!?」
「デタラメだな、クマ野郎!!」
ミチルさんは手首を捻って白羽取りを外し、ワン君は右手だけを離してそのまま踏み込んでの掌打をクマ人間の左手にぶち当てて拘束を解いていた。
さすが勇者二人は戦い慣れていて、俺ほど動揺してはいない。
その頼りになる二人の様子にほっとしつつ、クマ人間の出方をうかがった。
しかし、なんだこのクマ人間・・・、見た目以上に滅茶苦茶すぎないか? 毛むくじゃらな上にずんぐりむっくりとしたビア樽体形なのに、里の外壁からここまでジャンプしたとか、指で白羽取りとか、いくらなんでも規格外すぎるだろ。
「はっは。元気があってよろしいですね。この世界の異物にしてはがんばりますね。褒めて差し上げましょう、ぱちぱちぱち」
クマ人間は心底バカにしたように口だけで拍手した後で、右手の人差し指と中指を立てて挑発してきた。
「異物って、俺たちの事なのか・・・?」
「ふふっ、そうですね。そこの異界から来た人間も、あちらのエルフとか言う種族もです」
「シルちゃんも異物!?」
「ええ、そこのエルフもそうですよ。そのような事も、ご存知いないとは・・・」
小ばかにするように自分の額を右手でポンと叩いたクマ人間は、左手を胸に当てて右手の平を上に向けつつ右手を前に出した語りかけるポーズを取った。
紳士然としたポーズが、癇に障る。
「この世界に異物は不要です。あなた方も含め、この世界のありとあらゆるもの全てを破壊して御覧に入れましょう」
唐突にそんな恐ろしいことを宣言したクマ人間は、ファイティングポーズを取った。
両手の平をピンと伸ばしたクマ人間のその姿は、まるで何かに祈りを捧げているようにも見えて・・・
「全ては、神の御心のままに」
とても、背筋がゾクゾクした。
***
あれからミチルさんとワン君の勇者コンビによる激しい攻撃が加えられたものの、クマ人間はそのすべてをかわして、いなして、受け止めて、少しずつカウンターを当てて、着実に勇者たちにダメージを積み重ねていった。
そこにシルちゃんが魔法で援護を加えるが、それでもクマ人間には全く通用しなかった。まるでシルちゃんの魔法が何もなかったかのようにその分厚い毛皮で受けて、平然としていた。
交戦からわずか十分。
彼らは全滅した。
「マジかよ・・・、っととと、大丈夫? シルちゃん」
「うっ、リュータ・・・すまぬ」
クマ人間に腕を捕まれ、そのままポイっと投げ捨てられたシルちゃんを慌ててキャッチしたが、幸いにも命に別状はないようで、苦しげながらも意識があった事に安堵した。
地面にはいつくばっているミチルさんとワン君も、まだ意識がはっきりとしている。
理由は分からないが、クマ人間は敢えてトドメを差さずにみんなを戦闘不能にする程度に手加減をしていた。
「やれやれ、これほどぜい弱な者たちがこの世界に山ほどいる? 実に嘆かわしい現実ですね」
まるで神父のような、懺悔を聞き届けるかのような両手を広げたポーズを取りつつ、世の中をはかなんでいるクマ人間。
最初の登場には驚いたけど、こいつ、もしかしてイイヤツなのか? 実は俺たちに更なるパワーアップの機会を授ける兄貴的な存在だったりするのか?
なんて思った一瞬前の俺をぶん殴りたい。
「さて、君たちにはこの里のゴミが絶滅するまで見守ってもらいましょう。何、それほど時間はかけませんから」
「はぁ!?」
「君たちはね、本来いてはいけないのですよ。すごい神が作った生命だかなんだか知りませんが、この世界は本来の持ち主の元に返さなければならないのです。余所から勝手に現れて、世界を滅茶苦茶にして、どう落とし前付けてくれるのでしょうか。いえ、そんなの分かりきっていますよね」
クマ人間の主張が、まったく分からないんだけど・・・。でも、あいつの目。なんと言うか、人を殺すのに何のちゅうちょも抱かないような目だ。
「ありとあらゆる生命を壊す。それが我が主でありこの世界の主である破壊神様の願いであり、あなた方がなすべき贖罪です」
「破壊神!?」
超絶ヤバいフレーズが、超絶ヤバいクマ人間の口から洩れた。
なにそれ、まずいじゃん! 何がどうまずいのかって、全部がまずいし!
と言うか、破壊神がいるとか聞いてないし!!
***
「ならば、私たちが止めるまでです!」
「おうよ。勇者ナメんな?」
多少ふらつきながらも立ち上がったミチルさんとワン君は、直後に真上に吹き飛んだ。
二人ともかっこいい! なんて思った矢先の事で、しかも何も見えず、気が付けばクマ人間がアッパーカットの姿勢でミチルさんがいた場所に立っていたんだ。気分は金髪ロング逆毛のあの男。
「うそだろ・・・」
そう呟いた直後、とてつもない衝撃音と共にミチルさんたちが落ちてきた。なんとか受け身を取ったのだろう。床に埋まりはしなかったが、それでも再度床に這いつくばった二人を見て、本格的にマズいと思った。
「早いし、硬いです・・・」
早いし硬い。つまり催眠術でも時を止めたのでもなく、超スピードだったの?
それもうダメなヤツじゃないの?
いや待て俺。落ち着け。こんなの、塔の時の絶望感を思えばマシだろ!
ビビるな、俺!!
「フゥゥゥ」
深呼吸をしよう。脳に血を巡らせるために。
俺は知っているはずだ。硬い相手に通用する手を。
しかしどうやっても俺では超スピードなクマ人間には触れられないし、ペイッと叩かれただけで死んでしまう。
だからどうする?
簡単だな。
「やああああ」
情けない声と共に突撃する。それが、俺が選んだ手段だ。
今まで弱すぎて見逃してもらっていたんだから、そのフリをしたまま突っ込めばいい。このクマ人間が慢心してくれるのなら、一撃なら加えられる。そしてその一撃をヒントに、勇者二人にこのクマ人間を撃退してもらえばいい。
その結果、俺はまた死ぬかもしれないけど・・・。
「暗いのも、何もないのもイヤなんだけど・・・、でも頑張る! 食らえ!」
思わず本音がポロリと出たけど気にせず手の平でクマ人間の腕を掴む。
予想通りクマ人間は俺が大したことのない人間だと認識していたようで、何をするのかとニマニマ見ていた。
「おや、おやおや。それでそれで? それから何をなさるおつもりで?」
相変わらず魔人は性格が悪い。
だが、振り払いもせず、怯えるフリをしている俺の頭をグリグリと空いている手で撫でまわすクマ人間に、一泡吹かせる!
「ミチルさん! これがあの時の答えだ!! 火十連!!」
「な、ぐああああ!?」
掴んだ腕に『生活魔法』の『火』をお見舞いすれば、クマ人間の頑丈な毛皮を『火』は貫通し、俺が触っていた部分を黒焦げにした。
「ミチルさん、ワン君! 『生活魔法』は防御無視だか」
だから、と言おうとして意識が途絶えた。
いや、その直前で視界がグルグルと回った。おそらくクマ人間に思いっきり殴られたのだろう。まるでトラックにはねられたのではと思うほどの衝撃を受けて、俺はたぶん、死んだ。
***
「あれ?」
意識を取り戻したが、俺の現在位置は何故かあの夢の塔の石碑前だった。
「なんで・・・」
ペタペタと顔を触るが、俺だ。間違いなく俺だ。そしてここは・・・、『ステータス』の『マップ』を見れば、やっぱり夢の中の塔だった。
「至急、ますたーに伝えなきゃなの」
「え?」
唐突な俺以外の声が聞こえたその先を見ると、記子さんが石碑の傍らにいた。
人間サイズの等身大、160センチくらいの、思ったよりも大きな少女だった。でもあの白黒まだら髪ツインテールに暗い色のローブ姿は間違いなく記子さんだ。
その記子さんが再び口を開いた。
「ますたー、時間がないの。この塔を今すぐ攻略して欲しいの。扉の先にあるダンジョンコアを破壊して、そしてすぐに元の世界に戻って欲しいの」
「攻略? 戻る!? いやちょっと待って、良く分から」
俺が言い切る前に、記子さんが消えた。
どうなってるんだよ。
「てか、こんな所に扉なんてあったか?」
いや、ない。反語。
「でも、行くしかないか」
ここで立ち止まっていても精神的にヤられるだけだ。なら、今は考えるより先に前へ進もう。
両開きの、三メートルほどある巨大な扉。まるで彫刻家ロダンの地獄門のようなおどろおどろしい装飾が施されたその扉に手をかけると、見た目よりもはるかに軽い手ごたえと共に扉が音もなく開いた。
そしてその扉の先をチラリと見て、また扉を閉めた。
「いや、なんであんなに大量にゴブリンがいるの!?」
マジびっくり。扉の少し先には見ただけでも十匹以上のゴブリンが見えた。さすがに俺一人ではあの量は捌けないぞ。どうしたもんか・・・。
「ダンナ、ダンナ」
「うおい!?」
突然背後から声をかけられて俺は思わず飛びのいた。
人がいるとは思わなかったよ!? もしかして、おばけ!? ゾンビもいたんだし、あり得ない話じゃないよね。
「だ、誰?」
無視したいけど逃げ場のないこの石碑ゾーンだから俺は観念して、恐る恐る振り向いた。
その振り向いた先には、俺の腰ほどの背丈しかない小人がいた。鼻がかなり大きく、ゴブリンを普通の人にしたようなややブサイク顔のその人物からは、何と言うか、魔物や魔人特有の邪悪さが一切感じられなかった。
特徴的な燃えるような赤い髪を逆立たせ、その先っぽは頂点でまとまっていた。その髪は炎のようで、しかもちょっと揺らめいていたのが不思議で、思わず頭頂部を見つめてしまった。
まるで頭に炎を乗せているかのようなその人物は、右足を半歩引いて、右手を胸の前に添え、左手を横方向へ水平に差し出してお辞儀をしていた。
「お初にお目にかかります、ダンナ。アッシらは姉御に仕えている者でさぁ」
「姉御?」
いきなりそんな事を言われても、何がなんだか。
いや、待てよ。
赤い髪、ゴブリンみたいな顔と背丈、そして姉御・・・。
「もしかして、真紅さんの関係者?」
「へい、そうでさ。さすがダンナ、話が早いでさぁ。アッシらはダンナが名付けた真紅姉御の眷属でさぁ」
どうやらこの状況を見越してか、あるいは情けない俺を見るに見かねてか、真紅さんが戦力を寄越してくれていたようだった。
「そっか、ありがとう! 君らはその、なんて呼べばいいんだ?」
と言うか、アッシらと言われて気付いたけど、この先頭の人? の後ろには全く同じ背丈で同じ顔をした人たちが六人もいた。
なんて考えていたら、先頭の人がまたもお辞儀。一体何だろうか。
「そう、そうでさぁ。アッシらには名前がないんでさぁ。だからどうかダンナ、アッシらに名前を付けてくだせぇ」
え? 七人全員だろうか?
「ちょっと、多いかな」
素直にそう言うと、先頭の人は慌てて首を振っていた。
「いえいえいえ! アッシらは全員同じモンなんでさぁ。いわば、分身しているようなもんでさぁ。だから名前は一つだけでいいのでさぁ」
わお、分身? 良く分からんが、とりあえず群体みたいなものなのだろうか。なら良く分からんけど、名前を付けるか。
見た感じ、彼らはその髪が赤い帽子をかぶっているようにも見える。俗に言うサンタ帽みたいな感じだ。
「なら、君ら全員で『レッドキャップ』ってのは、どう?」
彼らは個人名がいらないと言うのだから、グループ名みたいな発想で付けてみた。後々に個別に名前を欲しいと言われるかもしれないからね。
なんて思っていると、彼らが突然光り出した!?
「ファッ!?」
思わず変な声が出たし!?
って、ちょっと待って! 光が収まったと思ったら、『レッドキャップ』の面々が、どこから取り出したのか、鉄の靴に巨大なマサカリを装備していた。
なんか、思ってたんと違う!!
「ではダンナ、アッシらは扉の先にいる雑魚どもをけちらして道を作りまさぁ!」
「「「「「「まさぁ!」」」」」」
え? ちょっと待って!?
手を伸ばしたけど、それに構わず目を赤くランランと輝かせた『レッドキャップ』たちは扉を開けて、ヒャッハーと言いながら扉の先にいた赤青黒のまだら色のゴブリンに向かって飛び掛かった。
そしてあっという間にせん滅してみせた。
「わお・・・」
頼もしすぎるこの応援に何度も感謝しつつ、俺たちはそのまま進軍して、道中のオークも恐らくボスだったのであろう黒馬にまたがったライオンと言う謎の存在を七人が謎の必殺技で瞬殺し、俺はダンジョンコアを見事に砕いた。
なお、その必殺技はまるで戦隊モノのヒーローたちのように七人が寄り集まってマサカリを一所に集め、巨大なマサカリを作り、しかもその柄の先からまさかのビームを放つと言うものだった。
もうね、訳分かんねーってなもんです。
そして呆然とその姿を見ていた俺に『レッドキャップ』から必殺技の名付けもして欲しいと言われたので、適当に『マサカリバズーカ』と言ってみたが、気に入ってくれたようで安心したよ。
「ではダンナ、アッチでもよろしく頼んまさぁ!!」
先頭にいた『レッドキャップ』がそう言うと同時に全員が消え、俺の右手に七つの小さな魔石が残った。どうやらこれが彼らの本体のようだ。それらに改めてありがとうと言ってから『収納小箱』にしまう。
そうなると後に残ったのは俺と、記憶のダンジョンコアの魔石。そして真っ二つに割れた記憶のダンジョンコア。
「とりあえず、ダンジョンコアを安置してから脱出するか」
そう思いダンジョンコアに手をかけたら、俺は真っ白な空間へと飛ばされた。
「へ?」
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