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巣作り

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「お待たせ…っと、はいはいちょっと待ってね」


 帰宅した途端に私のカーディガンを脱がす女の子。


「って早…」


 あっと言う間にカーディガンだけ抱き抱えてベッドに転がり込んだ。
 そこには前回の服もある。


 もう匂いはないだろうに…


 所謂、巣作りってやつだ。


「…上着だけでいいの?」
「っだって…」


 私のパートナー、Ωのマホは只今発情期真っ只中。


「はいはい。わかってるよ。ソレさっきのだから…」
「んっ…あ…っ」
「いいよ…そのまま…一回イっとこうか…」
「んっ…」


 もう、すでに自分で慰めてたソコに指を入れる。
 マホは奪ったカーディガンの匂いを嗅ぎながらすぐにイく。


「今回は…ちょっと早かったね?…薬、調整しないとな…」


 喘ぐしかできないマホの返事は期待していないので、独り言になるけど…。
 最近は発情中でも薬である程度抑制できるようになったけど、今回はくるのが早かった。


 周期が乱れたか…またデータ録って…っと






「あーあ…ベッチョベチョだ…何回イった?」
「っ…わか…んな…ぃ」


 何回かイったマホは息絶え絶えに真っ赤な顔で睨んでくる。


「なぁに?そんな睨んでも可愛いだけだけど?」
「っ…もっ…」
「ん?もっと?」
「ちが…っ…もうっ」
「まだ、だーめ。もう少しイっとこうね?じゃないと、私がもたないし…ほら、ココ舐めてあげるから…」
「んっ!あっ…」


 耳を舐めれば、またイったマホ。
 これでもう暫くはイけるでしょ。
 ヒートのαがもたないことはないのだけれど、今のマホは性欲が強すぎる。
 抑制剤の効きがいまいちなのとカーディガンに付いてる残り香。





「も…っ、ゃ…だ…」
「そろそろ…いいかな?いい加減、手も疲れたし…」
「だめ…脱いじゃ…」
「……あぁ…こっちにもか」


 脱ごうとしたシャツにも微かにだろうけど、残り香がするんだろう…。
 襟元にすがるように顔を埋めて匂いを嗅ぐマホ。


「仕方ないなぁ…これ気に入ってるんだけど…後でキレイに返して…ねっ?」
「やぁ…っ」
「おっと…挿入イレただけでイった?」
「んっ…はぁっ… ご……、な……」


 喘ぎすぎて掠れた声で
 ゴメンナサイ
 と謝るマホ。


「ソレ…いつも嫌だって言ってるよね?」
「んっ、ん…っ」
「ほら、舐めな」


 何に対して謝ってるのか理解ってるから…聞きたくなくて、マホの口に指を突っ込む。
 マホは苦しみながらも従順に私の指を舐める。


「んっ…イイコ…」


 あとは、思いっきり腰を打ち続ければいい。

 何度も何度も…何も気にせずに…ただ、本能に従えばいい。



 Ωを孕ます



 それが、αの本能なんだと…自分に言い聞かせる為に…












 ×××××












「気持ち悪……」


 ぐちゃぐちゃになったシーツを洗濯機に放り込む。
 行為の後はいつもそう…。
 ヤってるときは平気なくせに…。


「やっぱ…ダメかな……捨てるか」


 このシャツはもう着れない。

 原因は理解りきってる。



「…ほんと…」


 シャワーの水を浴びながら


「…気持ち悪……αなんて…」


 自分が気持ち悪い

 発情期のフェロモンにあてられるとは云え…
 パートナーになったとは云え…





 Ω…とヤるとか

 笑うしかない






「ごめん…ね…シホ…」











 私、瀬名 渚セナ ナギサ
 彼女、須賀 麻穂スガ マホを利用する。







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