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「ん~今日はもうこのまま寝よっと。明日全部片付ける」
すっかりご満悦のリョウはもう眠る気満々で、アヤの脇に潜り込んできて腕に額を預けた。
「いい気なもんだよ」
アヤは口でこそそう毒づくが、条件反射のようにリョウの体を抱き寄せた。ふたりとも中途半端に着衣が乱れたまま、そこかしこ体液まみれなのであるが、疲労が上回る。
やがて、ふと気づく。新年の挨拶らしきものを、まだしていないことに。
カーテンの隙間から微かに、濁った明るさが垣間見えた。
暖房をつけてもいないのに、結露がひどく、視界が曇っている。まるで先ほどまでの熱量を物語るかのように。
そんな霞んだ視界からも、夜の濃さが、少しずつ薄れていくのを知る。
アヤは窓の外の白んだ世界を一度見やると、それから目を閉じた。閉じた瞬間、意識を奪われそうになる。
耳元で、リョウの寝息が、穏やかに続いている。
帰るべき場所があって、食べて、眠る。その傍らには、愛しい人。
それだけで、じゅうぶんだ。
また、新しい一年が始まる。
とりたててそれを表す言葉はいらない。
派手な演出も大げさな祝福もいらない。
ふたりで積み重ねていく日々の、ほんの通過点に過ぎないのだから。
【おわり】
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