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ルドルフにしてやられる。

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「きゃあ~!アスラン様、私、今度は本当に殺される~!俺様腹黒に殺される~!イタタ!!」

体を縮こめるように動くと矢傷が痛んだ。

「ルドルフ、すまぬ。私の早合点のようであった。私に免じて、みくを許してくれないか」

アスラン様はすまなそうに宰相に言った。

ルドルフ宰相は大げさにため息をついて言った。

「全く。この私をここまでコケにした女は初めてです。ですが殿下のご寵愛を受けるおなごですから、今回は不問といたしましょう。私は確かに俺様で腹黒かもしれませんが、この国を支える宰相として、その性質は必要なものと思っております」

「わかっておる。ルドルフは本当によくやってくれているからな。時折、やりすぎのきらいはあるが」

「何をおっしゃいます、殿下。私がやり過ぎくらいやったからこの娘と出会えたのですぞ。私は殿下に感謝してもらいたいくらいです」

「そうだな、感謝するルドルフ。みくを私の元に連れて来てくれて」

アスラン様がそう言うと、ルドルフは意地の悪そうな顔をして私に言った。

「さっきそなたが目覚めた時、殿下に向かって『この人です。この人が私の王子様』と言っていたのを、私はちゃんと聞いたぞ」

「えっ!」

そう言えば、そんなこと言った気がする!うわっ、恥ずかしい~!

私が動揺していると、アスラン様も思い出すように言った。

「そういえば......そんなことを言ったな。そして、『私、この人と天国で暮らします』とも言っていた」

ルドルフはさらに意地悪な笑顔をし、

「ふん。要するに夢の中で好きな王子を選べと言われて殿下を選んだってことだろ。お前、殿下に惚れたな」

ルドルフ~!やっぱり俺様腹黒だ~!! アスラン様の前でなんてことを言うのよっ!

私は真っ赤になりながら否定した。

「違っ!違いますよ、アスラン様! 私の王子様って言ったのは、アスラン様は私のご主人であって、王子様でもあるから言っただけでですね......アスラン様のことは崇拝といいますか、神様を崇めるような気持ちで、決して邪な気持ちは抱いていないといいますか......」

ワタワタしながら私が言うと、ルドルフはアスラン様に向かって言った。

「殿下。これだけ懐いたペットなら、もう自由にできますぞ。早くご自分のものになさって、優秀な遺伝子をこの国にもたらしてくださいませ。私の方がこれにて遠慮しますから」

そう言って、ルドルフは仕返ししてやったと言わんばかりの満足げな表情で部屋を辞した。

人をペット扱いすんな~! やっぱりルドルフは男尊女卑野郎だあ~! ゲスは帰れ~!

もう私は恥ずかしくてアスラン様の顔を見ることができなかった。



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