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セディに贈り物がしたくて。
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昨日、午後にアランと洗い物をしながらじゃれていたところをセディに誤解されてしまった。
アランは私にとって、全然異性といる感覚じゃないから、つい身体に触れてくるのを許してしまうけれど、セディがあんな風に感じるのなら、これからはもっと気をつけよう。
だって、もしも逆の立場だったら、私だってセディとセディの女友達が身体に触れながらじゃれ合っていたら耐えられないと思うから。本当に私、考えなしだったな。
セディにもう一度謝りたいし、何かお詫びがしたいな。
私には、国から支援金っていうのが出ているらしいから、ローランド様に相談してみよう。
◇◇◇
そう言うことで、私は夕食時に、ローランド様に尋ねた。
「ろーらんどさま、わたし、シエンキンつかいたいです。だしてくれますか?」
ローランド様は口に運ぼうとしていた肉を下ろして、私を見た。
「ゆい殿。何か不足でもありましたか?ゆい殿の支援金は、ちゃんとゆい殿の名義で貯金してあります。必要なものは、我がローランド家からお出ししますから、遠慮なく仰ってください」
「いいえ、わたしのモノ、ジュウブンあるです。ありがとです。でも、わたし、じぶんのオカネで、かいたいモノありマス」
「どんな贅沢なものでも、無駄使いでも、構わないですから、我儘を仰ってくだされば良いのですよ?」
なおもローランド様が言ってくるので困ってしまった。
私はちらっとセディを見る。
セディはいつものように私の気持ちを察してくれて、ローランド様に言ってくれた。
「父上、ゆいは子供じゃないんです。少しは自由になるお金を持っていたいものですよ。全て買うものを人に告げなければならないなんて、窮屈ではありませんか。ゆいの言うようにしてやってください父上」
セディが上手くローランド様に話して下さったのだけれど、なおもローランド様が食い下がった。
「別に買うものを申告しなくても良いのです。国から出るお金は大した額ではないから、ゆい殿のために取って置いて差し上げようと思っただけだ。高額のものが必要なのなら、我がローランド家がお支払い致しますから、欲しいだけ金額を仰ってください」
「あ、あの......ソウではなくてですネ......」
困った。セディがいるから、セディに贈り物をしたいって言えないよ......。
私が困惑して黙っていると、ママさんがローランド様の頭に空手チョップを食らわした。
(お母さんが言いにくいので、ママさんと呼ばせてもらうことになった)
「あなた!気が利きませんわねえ。つべこべ言わず、ゆいちゃんの言う通り、ゆいちゃんのお金を出してあげなさいませ!」
「か、母さんがそう言うのなら......。後でセディに届けさせよう」
ローランド様は頭をさすりながらそう言った。
ママさんさすが。助かりましたー。
私がにっこりママさんに微笑むと、ママさんも微笑んで私に言った。
「ゆいちゃん。明日、お買い物に行く?私がゆいちゃんに付き合ってあげましょう。あなた、ひとり腕っ節のしっかりした護衛をつけてちょうだいな」
さすがママさん!言わなくても全てお見通しだ!!
「ママさん、ありがとです。すごくたすかりマス」
私とママさんが微笑み合っていると、今度がセディが慌てたように言い募る。
「母上、護衛なら俺がいるではありませんか。なぜ父上に頼むのです?ゆいの護衛を他の者に任せて安心などできません!」
ママさんは、今度はセディの頭上にゲンコツを落とした。
「って!何するんです、母上っ!」
セディは頭を抱えながら唸った。
「あんたはマークに引き継ぎがあるでしょう。良いから明日は私に任せなさい。私が付いているから、必ずゆいちゃんは守ってみせるから大丈夫」
「分かりましたよ、母上...... 」
ああ、本当にママさん頼りになる!素敵っ!
セディには申し訳ないけど、私、やっぱりサプライズで贈り物がしたいもの。セディには付いてきてもらうわけにはいかないわ。
それに、セディが喜ぶものなんてまだ私には分からないし、お店の場所も知らないから、ママさんとお買い物ができるなんてありがたいわ。
セディへのプレゼント、良いものが見つかると良いなあ。
アランは私にとって、全然異性といる感覚じゃないから、つい身体に触れてくるのを許してしまうけれど、セディがあんな風に感じるのなら、これからはもっと気をつけよう。
だって、もしも逆の立場だったら、私だってセディとセディの女友達が身体に触れながらじゃれ合っていたら耐えられないと思うから。本当に私、考えなしだったな。
セディにもう一度謝りたいし、何かお詫びがしたいな。
私には、国から支援金っていうのが出ているらしいから、ローランド様に相談してみよう。
◇◇◇
そう言うことで、私は夕食時に、ローランド様に尋ねた。
「ろーらんどさま、わたし、シエンキンつかいたいです。だしてくれますか?」
ローランド様は口に運ぼうとしていた肉を下ろして、私を見た。
「ゆい殿。何か不足でもありましたか?ゆい殿の支援金は、ちゃんとゆい殿の名義で貯金してあります。必要なものは、我がローランド家からお出ししますから、遠慮なく仰ってください」
「いいえ、わたしのモノ、ジュウブンあるです。ありがとです。でも、わたし、じぶんのオカネで、かいたいモノありマス」
「どんな贅沢なものでも、無駄使いでも、構わないですから、我儘を仰ってくだされば良いのですよ?」
なおもローランド様が言ってくるので困ってしまった。
私はちらっとセディを見る。
セディはいつものように私の気持ちを察してくれて、ローランド様に言ってくれた。
「父上、ゆいは子供じゃないんです。少しは自由になるお金を持っていたいものですよ。全て買うものを人に告げなければならないなんて、窮屈ではありませんか。ゆいの言うようにしてやってください父上」
セディが上手くローランド様に話して下さったのだけれど、なおもローランド様が食い下がった。
「別に買うものを申告しなくても良いのです。国から出るお金は大した額ではないから、ゆい殿のために取って置いて差し上げようと思っただけだ。高額のものが必要なのなら、我がローランド家がお支払い致しますから、欲しいだけ金額を仰ってください」
「あ、あの......ソウではなくてですネ......」
困った。セディがいるから、セディに贈り物をしたいって言えないよ......。
私が困惑して黙っていると、ママさんがローランド様の頭に空手チョップを食らわした。
(お母さんが言いにくいので、ママさんと呼ばせてもらうことになった)
「あなた!気が利きませんわねえ。つべこべ言わず、ゆいちゃんの言う通り、ゆいちゃんのお金を出してあげなさいませ!」
「か、母さんがそう言うのなら......。後でセディに届けさせよう」
ローランド様は頭をさすりながらそう言った。
ママさんさすが。助かりましたー。
私がにっこりママさんに微笑むと、ママさんも微笑んで私に言った。
「ゆいちゃん。明日、お買い物に行く?私がゆいちゃんに付き合ってあげましょう。あなた、ひとり腕っ節のしっかりした護衛をつけてちょうだいな」
さすがママさん!言わなくても全てお見通しだ!!
「ママさん、ありがとです。すごくたすかりマス」
私とママさんが微笑み合っていると、今度がセディが慌てたように言い募る。
「母上、護衛なら俺がいるではありませんか。なぜ父上に頼むのです?ゆいの護衛を他の者に任せて安心などできません!」
ママさんは、今度はセディの頭上にゲンコツを落とした。
「って!何するんです、母上っ!」
セディは頭を抱えながら唸った。
「あんたはマークに引き継ぎがあるでしょう。良いから明日は私に任せなさい。私が付いているから、必ずゆいちゃんは守ってみせるから大丈夫」
「分かりましたよ、母上...... 」
ああ、本当にママさん頼りになる!素敵っ!
セディには申し訳ないけど、私、やっぱりサプライズで贈り物がしたいもの。セディには付いてきてもらうわけにはいかないわ。
それに、セディが喜ぶものなんてまだ私には分からないし、お店の場所も知らないから、ママさんとお買い物ができるなんてありがたいわ。
セディへのプレゼント、良いものが見つかると良いなあ。
応援ありがとうございます!
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