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第33話 夢見る少女は砕けない
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一方その頃。バランタイナのオープニングライブは大盛況だった。
地元のグループと地元の客。地域密着をスローガンに掲げたライブは、縁者と客とを見事に調和させ、凄まじい熱感をステージに渦巻かせていた。
現在、五組目が終わったにも関わらず、客はまだまだ物足りないとばかりにテンションが上がっている。疲れも吹き飛ぶ高揚感が、空気として漂っていた。
ステージ上では、スタッフが機材のセッティング作業を行っている。終了次第、和奏たちの出番だ。
ステージの雰囲気を確認した和奏は、物置と化している共用楽屋へそそくさと戻ってきた。
衣装への着替えは終わっている。華やかなフリフリに見えるが、衣装にぴたっと張り付いているので動きを制限しない。和奏は激しく動くので長ズボン。穂織と心音はスカートの下にスパッツ。纏う装備に若干の違いはあれど、柄は同じなので一体感があった。
「和奏先輩。……どうでした?」
不安そうに尋ねる心音。
「盛り上がってるよ。お客さんも、まだまだ元気だ」
「そっちじゃなくて、柄乃組のことですよう!」
「ま、当然っちゃ当然だが、いつ動き出してもおかしくねえな」
外にいたチンピラ連中が、観客に混ざり始めていた。このまま和奏たちが歌えば、黙ってはいないだろう。
「どうしましょう……警察に言いましょうか。パトカーが店の前にいたら、連中も身動き取れないんじゃ……」
「そんなことをしたら、ライブそのものが中止になるんじゃないかな?」
「穂織の言うとおりだ。あたしたちの仕事はライブを成功させることだからな」
もっとも、すでに成功とは程遠い位置にいるような気もするが。
「安心しろ。おまえたちは、あたしが絶対に守る。野次られようが、石を投げられようが、最後の最後まで歌いきろうぜ」
「和奏ちゃん、かっこいいね」
「和奏先輩……かっこつけすぎじゃないですか」
和奏は頬を赤らめ、しどろもどろになる。
「な、ななななっ? ……くそっ。ライブの熱にあてられてんのか、テンション高くなっちまってるみたいだ」
「いざという時は、私も戦うよ。空手をやっていたんだ。少しぐらいは役に立つと思うよ」
「私もがんばります!」
「ああ。けど、無理だと思ったら、すぐにでもここから逃げ出してくれ」
万が一の時は、和奏が時間を稼ぐ。ボコボコにされるのはひとりでいい。
――コンコン、ガチャ。
「みなさん。お時間ですよ。ステージ袖に集まってください」
暮坂さんが呼びにきてくれた。和奏たちは、お互いを見つめ合い、深く頷いた。そして、扉を抜けてステージへと向かう。
暮坂とすれ違う時、和奏は彼女と言葉を交わす。
「暮坂さん。感謝してます。経緯はどうあれ、チャンスをくれて」
「……私は恨んでいます。――いえ、身から出た錆ですね。京史郎さんから金を巻き上げようとした私がバカだった。ただ、それだけです」
「すみませんでした。……けど、ライブはやらせてもらいます」
「……ふふっ。柄乃親分に気に入られて、この店を好きにしていいって……。凄く嬉しかった。けど、そんな器じゃなかったみたい」
暮坂は、この後の惨劇をすでに受け入れてしまっているらしい。けど――。
「それはどうでしょう……。もし、世間知らずの元極道から金を巻きあげた上で、ライブが大成功すれば……それはそれで成功なんじゃないですか?」
「それは……。……どうでしょうか。柄乃組に迷惑をかけてしまってますからね」
暮坂は笑っていた。それが例え作り笑いでも、このような状況で演じていられるというのなら、やはりこの人はたいした器なのだろう。
「社長が言ってました。『暮坂はやり手だ』って」
暮坂は狐のようなずる賢さと、スジを通す度量を兼ね備えている。
「約束から逃げなかった。それが暮坂蒼のいいところだと。信用を最後まで守り抜いた人間は必ず最後に成功するだろう、って」
「京史郎さんが……? ……そうですか。お世辞でも嬉しいモノですね」
☆
ステージ袖へと移動する和奏たち。するとそこには、先刻絡んできた『ソウルフルメジャーズ』の面々が待っていた。全員が、歓迎していない目つきで睨んでいる。
「……退いてくださいよ」と、和奏。
「地獄だぞ。こっから先」
グレンだったか。そいつが口を開いた。
「なんか、勘違いしてねえか? どんだけ歌に自信があるのか知らねえし、どんだけ踊れるかも知らねえ。けど、それでなんになるってんだ? 漫画じゃあるまいし、柄乃の連中が感動して帰るとでも思ってんのか?」
「……わからねっす」
和奏は、思っていることをそのまま言った。少なくとも、グレンの言ったことが現実になるほど、甘い連中じゃない。ただ、こうしている間にも京史郎がどこかで何かをやっていると信じている。だから、己の使命を全うするだけ。自分たちの夢への階段を一段上るだけ。
「俺たちだって、遊びでやってるわけじゃねえんだ。死ぬほど練習して、絶対に音楽で感動させてやろうって、凄えって言わせてやろうって、みんなの憧れになってやろうって、そんなことを考えながら音楽やってる。けどな、ステージの上はシビアだ。たったひとりの客が、会場の空気を変えることもある。台無しにもできる。悪意ある連中が揃っているってのに、どうやってライブを成功させるんだよ」
「……わからない。けど、そこにステージがあるんだ」
穂織が、笑みを浮かべながら言った。グレンが怒鳴るように言い返す。
「だからなんだよ! ここ以外にもステージはあるだろうが!」
「お客さんが待ってるんですよ」と、心音が屈託のない笑顔で言った。
「待っているわけねえだろ! そもそも今日がデビューライブだろうが! どこにファンがいるんだよ!」
「動画が人気ですから、結構いますよ。学校のダチも見にきてるし。ああ、最低でもひとり、あたしたちのライブを、心の底から楽しみにしてる奴がいる」
「どこのどいつだよッ?」
「あー。ただ、京史郎。こねえんだよなぁ……はは」
頃合い。ステージでは、お笑い芸人『スラッシュ&オバタリアン』がアナウンスをする。
『みなさまお待たせしました。本日最後の出演者は『シュルーナ』の皆様です』
『動画サイトでは、すでに有名みたいですね。炎上王子は、今日も何かをやってくれるのでしょうか。さあ、登場してもらいましょう』
「さ、出番だ。ちょっくら行ってくるぜ」
そう、グレンに言い残し、和奏はステージへと向かった。
「バカヤロウが……。俺たちだってなぁ、おまえらみたいな夢抱えたバカが、ボコボコにされる姿なんて見たくねえんだよ……ッ」
地元のグループと地元の客。地域密着をスローガンに掲げたライブは、縁者と客とを見事に調和させ、凄まじい熱感をステージに渦巻かせていた。
現在、五組目が終わったにも関わらず、客はまだまだ物足りないとばかりにテンションが上がっている。疲れも吹き飛ぶ高揚感が、空気として漂っていた。
ステージ上では、スタッフが機材のセッティング作業を行っている。終了次第、和奏たちの出番だ。
ステージの雰囲気を確認した和奏は、物置と化している共用楽屋へそそくさと戻ってきた。
衣装への着替えは終わっている。華やかなフリフリに見えるが、衣装にぴたっと張り付いているので動きを制限しない。和奏は激しく動くので長ズボン。穂織と心音はスカートの下にスパッツ。纏う装備に若干の違いはあれど、柄は同じなので一体感があった。
「和奏先輩。……どうでした?」
不安そうに尋ねる心音。
「盛り上がってるよ。お客さんも、まだまだ元気だ」
「そっちじゃなくて、柄乃組のことですよう!」
「ま、当然っちゃ当然だが、いつ動き出してもおかしくねえな」
外にいたチンピラ連中が、観客に混ざり始めていた。このまま和奏たちが歌えば、黙ってはいないだろう。
「どうしましょう……警察に言いましょうか。パトカーが店の前にいたら、連中も身動き取れないんじゃ……」
「そんなことをしたら、ライブそのものが中止になるんじゃないかな?」
「穂織の言うとおりだ。あたしたちの仕事はライブを成功させることだからな」
もっとも、すでに成功とは程遠い位置にいるような気もするが。
「安心しろ。おまえたちは、あたしが絶対に守る。野次られようが、石を投げられようが、最後の最後まで歌いきろうぜ」
「和奏ちゃん、かっこいいね」
「和奏先輩……かっこつけすぎじゃないですか」
和奏は頬を赤らめ、しどろもどろになる。
「な、ななななっ? ……くそっ。ライブの熱にあてられてんのか、テンション高くなっちまってるみたいだ」
「いざという時は、私も戦うよ。空手をやっていたんだ。少しぐらいは役に立つと思うよ」
「私もがんばります!」
「ああ。けど、無理だと思ったら、すぐにでもここから逃げ出してくれ」
万が一の時は、和奏が時間を稼ぐ。ボコボコにされるのはひとりでいい。
――コンコン、ガチャ。
「みなさん。お時間ですよ。ステージ袖に集まってください」
暮坂さんが呼びにきてくれた。和奏たちは、お互いを見つめ合い、深く頷いた。そして、扉を抜けてステージへと向かう。
暮坂とすれ違う時、和奏は彼女と言葉を交わす。
「暮坂さん。感謝してます。経緯はどうあれ、チャンスをくれて」
「……私は恨んでいます。――いえ、身から出た錆ですね。京史郎さんから金を巻き上げようとした私がバカだった。ただ、それだけです」
「すみませんでした。……けど、ライブはやらせてもらいます」
「……ふふっ。柄乃親分に気に入られて、この店を好きにしていいって……。凄く嬉しかった。けど、そんな器じゃなかったみたい」
暮坂は、この後の惨劇をすでに受け入れてしまっているらしい。けど――。
「それはどうでしょう……。もし、世間知らずの元極道から金を巻きあげた上で、ライブが大成功すれば……それはそれで成功なんじゃないですか?」
「それは……。……どうでしょうか。柄乃組に迷惑をかけてしまってますからね」
暮坂は笑っていた。それが例え作り笑いでも、このような状況で演じていられるというのなら、やはりこの人はたいした器なのだろう。
「社長が言ってました。『暮坂はやり手だ』って」
暮坂は狐のようなずる賢さと、スジを通す度量を兼ね備えている。
「約束から逃げなかった。それが暮坂蒼のいいところだと。信用を最後まで守り抜いた人間は必ず最後に成功するだろう、って」
「京史郎さんが……? ……そうですか。お世辞でも嬉しいモノですね」
☆
ステージ袖へと移動する和奏たち。するとそこには、先刻絡んできた『ソウルフルメジャーズ』の面々が待っていた。全員が、歓迎していない目つきで睨んでいる。
「……退いてくださいよ」と、和奏。
「地獄だぞ。こっから先」
グレンだったか。そいつが口を開いた。
「なんか、勘違いしてねえか? どんだけ歌に自信があるのか知らねえし、どんだけ踊れるかも知らねえ。けど、それでなんになるってんだ? 漫画じゃあるまいし、柄乃の連中が感動して帰るとでも思ってんのか?」
「……わからねっす」
和奏は、思っていることをそのまま言った。少なくとも、グレンの言ったことが現実になるほど、甘い連中じゃない。ただ、こうしている間にも京史郎がどこかで何かをやっていると信じている。だから、己の使命を全うするだけ。自分たちの夢への階段を一段上るだけ。
「俺たちだって、遊びでやってるわけじゃねえんだ。死ぬほど練習して、絶対に音楽で感動させてやろうって、凄えって言わせてやろうって、みんなの憧れになってやろうって、そんなことを考えながら音楽やってる。けどな、ステージの上はシビアだ。たったひとりの客が、会場の空気を変えることもある。台無しにもできる。悪意ある連中が揃っているってのに、どうやってライブを成功させるんだよ」
「……わからない。けど、そこにステージがあるんだ」
穂織が、笑みを浮かべながら言った。グレンが怒鳴るように言い返す。
「だからなんだよ! ここ以外にもステージはあるだろうが!」
「お客さんが待ってるんですよ」と、心音が屈託のない笑顔で言った。
「待っているわけねえだろ! そもそも今日がデビューライブだろうが! どこにファンがいるんだよ!」
「動画が人気ですから、結構いますよ。学校のダチも見にきてるし。ああ、最低でもひとり、あたしたちのライブを、心の底から楽しみにしてる奴がいる」
「どこのどいつだよッ?」
「あー。ただ、京史郎。こねえんだよなぁ……はは」
頃合い。ステージでは、お笑い芸人『スラッシュ&オバタリアン』がアナウンスをする。
『みなさまお待たせしました。本日最後の出演者は『シュルーナ』の皆様です』
『動画サイトでは、すでに有名みたいですね。炎上王子は、今日も何かをやってくれるのでしょうか。さあ、登場してもらいましょう』
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