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モブ令嬢はパーティーに出る
しおりを挟むそんなこんなで、パーティー当日になりました!!
ドレスは流行りのふわっとした型にして、髪を編みこんでもらったけど、ルディ君の隣でも変じゃないかな…多分ルディ君はそういうの興味なさそうだけど…
「お、おまたせしました!!」
「おー、大丈夫やで」
迎えに来てくれたルディ君を見て、倒れそうになってしまった。
黒の燕尾服を身に纏うルディ君のなんとかっこいいことか…!!おおおお推しがとんでもなく眩しい…!!きちんとした格好なのにポケットに手を突っ込んでる…ああ好き…
「おーい、どうした?」
「…あ、あのと、とってもかっこいいです!!!!」
「…あ?」
あああ焦って言っちゃった!!いや本音だけどっ…突拍子もなく言ってしまって、ルディ君は一瞬面食らったように固まっていたが、突然声を出して笑い始めた。今度は私が困惑していると、
「いやー変な奴やわ。そっちもよう似合っとんで」
ま、また変な奴って………ん?
「に、似合っ!?!?」
まさかルディ君にそんなこと言ってもらえるとは思わなくて、顔に熱が集まっていくのが分かり思わず俯いた。
「…ほんま変な奴」
そうボソッと呟いたかと思えば、私の頭にポンッと何かが乗っかった感覚がした。
頭を、撫でられている。
えっ?????あ、ああたま…?な、でら…れ…
「ほな、いこか?」
と、しばらく頭を撫でたあとに、そういたずらっぽく笑って手を差し出してくれた。
ルディ、君に、な…でられた?ますます顔が熱い。
えええい儘よ!!!
勢いに任せて私が手を乗せるとしっかり握ってくれた。顔が熱い、顔どころか手、体全体がとても熱い…!!空いている方の手で必死に顔をパタパタと扇ぐ私を見て、ルディ君は軽く笑いそのまま私を会場へ引っ張っていった。
「わあ…!!」
会場に来て辺りを見回し、圧倒された。
やはり貴族が大半を占める学園なだけあり、豪華な装飾が施されている。聖女に協力的な家が資金援助したらしい。
…だけど、まだ肝心の主役が来ていないらしく、教師達が話しているのが見える。
あ、そっか!!ここ、あのイベントの…!!
このパーティーの直前に控室で、アリスちゃんに悪役令嬢のマリアンヌが紅茶を引っ掛けてドレスをだめにしてしまうのだ。
攻略キャラのルートによって解決方法が違っていて、魔法で綺麗にしたり、新しいドレスやら、いっそパーティーを抜け出す、みたいなのもあった。アリスちゃんのことまだまともに見れてないから、一目見たいしパーティーにはできれば出てほしいけど…
「やあ、ルディ。」
後ろから声を掛けられ振り返ると、とても顔の整ったおじ様がいた。五十前後に見える。か、かっこいー!!
「ラダニュー公、お久しぶりです。」
え……????
ルディ君普通に喋れるの!?!?!?
ポカーンとルディ君を見ていると、口パクで『アホヅラ』と言われてしまい、急いで令嬢スマイルを着ける。いくら限界オタクといえど、侯爵令嬢ですからね!…それはそうと口パクかわいすぎない…?
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