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第一章 公爵令嬢曰く、「好奇心は台風の目に他ならない」
ロイドの条件
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「では、商品は販売のみで貸し出し等はしてないのか」
「ええ。以前はしていたのですが、商品をそのまま持ち逃げされそうになりましてね。取り返しましたけど、それ以来現金その場限りの販売のみで貸し出しは止めたんです。ああ、もちろんレイセン王国でのことではありませんよ」
ギーシャとロイドさんが話している間、白花茶を啜りながら大人しくしていた。
二人の会話には耳を傾けているけど、必要な話は全部ギーシャがしてくれてるから暇なのだ。
私は座ったまま、首を捻ってぐるりと店内を見渡した。
見たところ、どこかのギルドの持ち物の貸し店舗っぽいなぁ。国外から来たなら貸し店舗を使うのも珍しくないけど。
そういえば、ロイドさんはここの魔法道具はうちで作ってるって言ってたよね。それに仲間がいるとも。その割には店内には私たち以外に誰もいない。奥にいるのかな?
「ミリア、ミリア」
「わっ! どうしたの? ギーシャ」
ギーシャに袖をちょんちょん引っ張られながら呼ばれた。周りに気を取られてたからびっくりした。
「購入となるとこの値だそうだ。パーティーで宣伝をすればここまで値下げしてくれるそうだが・・・・・・」
「ん? んー!? ぐぅぅっ」
伝票に記された金額を見て、私は唸った。
確かに値引きされてるけど、やっぱ高い。元々の値段が目玉が飛び出そうな額だったしなぁ。これだとただでさえキツキツの他の予算を更に削ることになる。
かくなる上は!
「も、もう一声・・・・・・!」
私は伝票をぐっと握りしめて口元を隠しながら値切りに入った。
値切り交渉なんてやったことないから、どうしたらいいか分からず、よく聞く台詞を言ってみる。
「もう一声?」
ギーシャは値切り文句なんて知らないだろうから、私が言った意味を分かっていないようだった。
しかし、ロイドさんにはしっかり伝わったらしく、どこからか算盤を取り出してぱちぱちやっている。
「ふぅむ。これでどうでしょうか?」
「うぅん・・・・・・」
新しく提示された額に私は押し黙った。
正直、あともう一声って感じだけど、これ以上値切って話自体をなしにされても困る。金策に走るかー。
「じゃあ、これで」
「おっと、その前に」
私が新しい伝票に手を伸ばそうとしたら、先にロイドさんに持っていかれた。
「実は考えたんですけどね、条件を飲んで頂けたらこれの更に三割引きでこれをお貸ししようと思うのですが」
「え! 三割引き! なんですか!?」
思わず三割引きに釣られて食いついちゃったけど、だったら今までのやり取りはなんだったんだろ?
「貸し出しは止めたんじゃないのか?」
ギーシャがロイドさんのさっきとはことなる発言を指摘する。確かに。
「はい。ですが、お二人は身元がはっきりとしていますし、持ち逃げされることはないと思いますので」
「・・・・・・こちらとしては嬉しい申し出だが、まずはその条件を訊かせてもらおう」
「では」
ロイドさんが愉快そうに目を細め、視線を外への扉へ向けた。
「外にいらっしゃる方に商品の試験使用をして頂きたいのです」
「ええ。以前はしていたのですが、商品をそのまま持ち逃げされそうになりましてね。取り返しましたけど、それ以来現金その場限りの販売のみで貸し出しは止めたんです。ああ、もちろんレイセン王国でのことではありませんよ」
ギーシャとロイドさんが話している間、白花茶を啜りながら大人しくしていた。
二人の会話には耳を傾けているけど、必要な話は全部ギーシャがしてくれてるから暇なのだ。
私は座ったまま、首を捻ってぐるりと店内を見渡した。
見たところ、どこかのギルドの持ち物の貸し店舗っぽいなぁ。国外から来たなら貸し店舗を使うのも珍しくないけど。
そういえば、ロイドさんはここの魔法道具はうちで作ってるって言ってたよね。それに仲間がいるとも。その割には店内には私たち以外に誰もいない。奥にいるのかな?
「ミリア、ミリア」
「わっ! どうしたの? ギーシャ」
ギーシャに袖をちょんちょん引っ張られながら呼ばれた。周りに気を取られてたからびっくりした。
「購入となるとこの値だそうだ。パーティーで宣伝をすればここまで値下げしてくれるそうだが・・・・・・」
「ん? んー!? ぐぅぅっ」
伝票に記された金額を見て、私は唸った。
確かに値引きされてるけど、やっぱ高い。元々の値段が目玉が飛び出そうな額だったしなぁ。これだとただでさえキツキツの他の予算を更に削ることになる。
かくなる上は!
「も、もう一声・・・・・・!」
私は伝票をぐっと握りしめて口元を隠しながら値切りに入った。
値切り交渉なんてやったことないから、どうしたらいいか分からず、よく聞く台詞を言ってみる。
「もう一声?」
ギーシャは値切り文句なんて知らないだろうから、私が言った意味を分かっていないようだった。
しかし、ロイドさんにはしっかり伝わったらしく、どこからか算盤を取り出してぱちぱちやっている。
「ふぅむ。これでどうでしょうか?」
「うぅん・・・・・・」
新しく提示された額に私は押し黙った。
正直、あともう一声って感じだけど、これ以上値切って話自体をなしにされても困る。金策に走るかー。
「じゃあ、これで」
「おっと、その前に」
私が新しい伝票に手を伸ばそうとしたら、先にロイドさんに持っていかれた。
「実は考えたんですけどね、条件を飲んで頂けたらこれの更に三割引きでこれをお貸ししようと思うのですが」
「え! 三割引き! なんですか!?」
思わず三割引きに釣られて食いついちゃったけど、だったら今までのやり取りはなんだったんだろ?
「貸し出しは止めたんじゃないのか?」
ギーシャがロイドさんのさっきとはことなる発言を指摘する。確かに。
「はい。ですが、お二人は身元がはっきりとしていますし、持ち逃げされることはないと思いますので」
「・・・・・・こちらとしては嬉しい申し出だが、まずはその条件を訊かせてもらおう」
「では」
ロイドさんが愉快そうに目を細め、視線を外への扉へ向けた。
「外にいらっしゃる方に商品の試験使用をして頂きたいのです」
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