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第一章 公爵令嬢曰く、「好奇心は台風の目に他ならない」
春休みの予定
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「そういえば、お母様、お父様は次はいつ頃お戻りになられるのですか?」
夕食の席でユリアお姉様がパンをちぎりながらお母様に訊ねた。
「そうねぇ。今のところ予定通り、お花見の頃には一度帰ってくることになってるわ」
夫の帰還が待ち遠しいのか、お母様は嬉しそうににこやかに微笑んでいる。
「でも父様、吐血したって訊いたけど、大丈夫なの?」
エルクお兄様が直近でお父様とあったアルクお兄様と私の方を見て訊ねてきた。
「そうですねぇ。私はその場に居合わせましたけど、カルム先生が素早く応急措置してくれましまし、リッカ先生にも診て頂きましたし、大丈夫だとは思いますが──アルクお兄様はそこら辺のお話されました?」
「んー。俺の時も笑ってたし、本人は予定を変更するつもりはないって言ってたけど・・・・・・」
「けど?」
「どっちかというと、陛下の方が・・・・・・」
「「「「ああ」」」」
アルクお兄様の言葉に食卓を囲んでいた全員が納得した。
確かに。王様のことだから、もしかしたら今度のお父様の帰宅は延期にされそう。
お父様が療養されている聖羽宮は王様の管轄だし、外出許可を出しているのも王様だからなー。王様がダメだと言ったら、お父様は王宮から出られないんだよね。
「でも、まぁ帰ってくるでしょう。あの人の体のことはあの人が一番よく分かってるから、どうしても無理なら仕方ないけど、あの人だって貴方たちと過ごしたいでしょうし」
「けど、叔父様はお父様のこととなると常軌を逸しますし」
ユリアお姉様が人差し指指で頬を押さえ、眉を八の字にして言った。
なかなか失礼な発言だけど、事実だしなー。きっと本人も否定しない。
脳内で「にいさま、にいさま」と連呼するデフォルト顔の王様がスタンプみたいにポンポン増えてくイメージが見えた。
「姉様の言う通り、叔父上は父様のこととなると前頭葉の機能が著しく低下するけど、そもそも父様は無理をされる方ではないから、本人が平気って言ったら聞いてくれると思うよ」
「それもそうね」
エルクお兄様、さらっとお父様絡みの時の王様は理性が働いてないって言ってません?
そして、ここまで王様の重度のブラコンにフォローが全く入ってないのですが・・・・・・いや、フォローしようがないけど、あれは。
「エルクの言う通りよ。それに帰宅時にはリッカ先生にも同伴してもらう予定だから、そんなに心配しなくていいわ。貴方たちが笑っている方があの人にはいい薬になるもの」
「むしろ、陛下の方が着いて来そうで心配なんだよなぁ」
「「「「ああ」」」」
再び食卓が一つになった。
「その時は塩でも撒こうかしら」
「ぶっ!」
「お塩?」
お母様の発言に飲んでいたスープで噎せた私の隣でユリアお姉様が首を傾げる。
「東では清めの儀式として塩を撒く風習があるそうよ。厨房の塩でも効果あるかしら?」
「いや、母さん。陛下は悪霊じゃねーよ?」
「生きてる分、質悪いわね」
「いや! ほんとにやめてくださいね!?」
私が大声でお願いすると、お母様は「冗談よ」と微笑んだ。女公爵に相応しい上品な笑みだったけど、目が笑ってない。
本当に仲悪いな、この二人。
結婚前にお母様と王様の間にお父様を巡る熾烈な争いがあったっていうのは訊いてたけど、もはや遺恨しか残ってないわ。
流石、この二人を会わせるのは油を撒いた場所に火花を散らすようなものと貴族の間で例えられるだけのことはある。
お陰で、一応義姉と義弟という関係なのに、二人が顔を合わせるのは公的な用事の時ばかりだ。
いや、私的な用で顔を付き合わせる二人なんて想像するだけで怖いけど!
あ、お花見といえば。
「そういえば、東の方では既にサクラが咲き始めているそうですけど、王都はいつ頃咲くでしょうか? 早咲きなら日程の変更とかはありますか?」
昨日、マリス嬢がいたお花屋さんでのことを思い出して、お母様に訊ねる。
サクラが咲く頃には様々な貴族が庭を解放してお花見パーティーを行う。それはメイアーツ公爵家も例外ではなく、むしろ、こういうお祭り事には力を入れている方だ。
我が家て行うということは、当然私もホスト役を務めることになるので、予定に変更があるなら早めに把握しておきたい。
「あら、そうなの? 王都のサクラはまだ咲く気配はないけど・・・・・・」
「ギーシャもそう言ってましたね。では、日程はこのままで?」
「そうね。やっぱりナルクが帰ってくるのに会わせたいし、早めてしまうと外出許可が間に合わないかもしれないもの」
「わかりました。では変更なしということで」
よーし、これで春休みで一番の貴族としての大仕事は解決した。
何せ、今年の春休みは宿題がない代わりに、他の問題が浮上してるからなー。
ラフィン家のあれこれは春休みになんとかしとかないと秋に積むし、新学期に始まる奉仕部の概要を纏めたり、その他諸々。
『祝愛のマナ』は中等部編がプロローグ、高等部編が本編的なところあるから、厄介な部分の対策は今のうちに練っておきたい。
何より──今年の春休みは森羅万象が邪魔してこようと張り倒してギーシャと遊び倒すと心に決めているので。
とりあえず、ギーシャやマリス嬢たちとベーグルサンドを食べに行く約束してるし、ジャイアントモンスターパフェと二頭百足海老もどんなのな気になるんだよなぁ。
それからクロエともお花見したいし、ラウルが言ってた東区のフリーマーケットも行きたい。
昨日行った東区は色んなお店があって楽しそうだったし、見て回りたい。
それから、メイアーツのお祖父様とお祖母様にも会いに行きたいし──うーん、考え出したらキリがないや。
「ミリア、随分と楽しそうだな」
「えへへ。春休みに何しようか考えてたら、すっごく楽しみになっちゃって」
「あー分かる分かる。長期休暇はすっごいワクワクするもんなぁ。なつかしー」
「お兄様ったら、そんなことおっしゃらないで。私まで歳をとった気になりますわ。ただでさえ、学園を卒業した貴族令嬢なんて毎日が仕事なんだか、休みなんだかわからないというのに」
貴族の女性らしく、若々しさや美貌に重きを置くユリアお姉様はアルクお兄様の言葉が気に入らなかったのか、拗ねた表情を見せる。
「お前は働いてるだろ。まーた母さんと新事業を始めるって訊いてるぞ」
「そうそう。今度は蜂蜜だってね」
蜂蜜というエルクお兄様の言葉に、我が家の庭の半分を占領するお母様の養蜂場とユリアお姉様の花園が脳内に浮かぶ。
お母様はお母様で公爵としての仕事以外にいくつかの事業を手掛けているし、ユリアお姉様も商品開発やらイベントプランナーや美容アドバイザー的なことをよくやってるらしい。
我が家の家族は行動的だ。
私もやりたいことには積極的な方だけど、よく後先考えろって注意されてしまう。うーん、やっぱ計画性の問題か・・・・・・。
「そうなの。お母様が今育てている魔蜂と私の新しく品種改良した花で新しい蜂蜜を作ったのよ。漢方的効果も期待出来るし、試作品の評判も上々でね。今は量産に向けて養殖を始めてるところなのよ」
「ふーん。量産ってことは前のドライフラワーみたいに数を限定しねーの?」
「あれは自分の夢を操る──所謂、明晰夢を誰でも自在に見られるように精神系統の魔法をかけたものですもの。嗜好品として売り出したというのもありますけど、精神系統の魔法商品は悪用の可能性や使用者の精神問題に関わってきてトラブルの元になりかねませんから、販売は一つ一つ商談で決めてますし、その分値段も張ります。その点、これは健康にいい効果が見込めますし、販売に当たってのリスクもありません。民間の漢方薬局での販売も視野にいれて製作してるんですよ」
「民間まで手を回すってことは随分大々的に売り出すつもりなんだね」
「そうなの。あ、後でミリアちゃんにも一瓶あげるわね」
「いいんですか?」
「勿論。ミリアちゃん、甘いもの好きだし、色々あって疲れてるでしょう? 私とお母様特製蜂蜜は疲労回復に効果ばっちりなのよ。紅茶に入れてよし、スコーンやパンケーキとの相性も抜群だし、口内炎にだって絶大な効果を発揮するわ!」
ユリアお姉様が、まるで通販販売のテレビ番組の人のように熱い商品紹介を始める。
「わーい! 蜂蜜大好きです。でも、口内炎は大丈夫です! 虫歯もありません!」
そう言って私はにっと歯を見せた。
この世界、虫歯の治療はあるけど、前世のより痛いから、歯磨きは細心の注意を払っているのだ。
「綺麗な歯ね。偉い偉い。ご褒美にドレス選びの時に美味しい紅茶を淹れてあげるわね」
あ、やっぱりやるんですね。
ユリアお姉様の紅茶は嬉しいけど、やっぱり逃れられないドレス選びに私はがっくりと肩を落とした。
夕食の席でユリアお姉様がパンをちぎりながらお母様に訊ねた。
「そうねぇ。今のところ予定通り、お花見の頃には一度帰ってくることになってるわ」
夫の帰還が待ち遠しいのか、お母様は嬉しそうににこやかに微笑んでいる。
「でも父様、吐血したって訊いたけど、大丈夫なの?」
エルクお兄様が直近でお父様とあったアルクお兄様と私の方を見て訊ねてきた。
「そうですねぇ。私はその場に居合わせましたけど、カルム先生が素早く応急措置してくれましまし、リッカ先生にも診て頂きましたし、大丈夫だとは思いますが──アルクお兄様はそこら辺のお話されました?」
「んー。俺の時も笑ってたし、本人は予定を変更するつもりはないって言ってたけど・・・・・・」
「けど?」
「どっちかというと、陛下の方が・・・・・・」
「「「「ああ」」」」
アルクお兄様の言葉に食卓を囲んでいた全員が納得した。
確かに。王様のことだから、もしかしたら今度のお父様の帰宅は延期にされそう。
お父様が療養されている聖羽宮は王様の管轄だし、外出許可を出しているのも王様だからなー。王様がダメだと言ったら、お父様は王宮から出られないんだよね。
「でも、まぁ帰ってくるでしょう。あの人の体のことはあの人が一番よく分かってるから、どうしても無理なら仕方ないけど、あの人だって貴方たちと過ごしたいでしょうし」
「けど、叔父様はお父様のこととなると常軌を逸しますし」
ユリアお姉様が人差し指指で頬を押さえ、眉を八の字にして言った。
なかなか失礼な発言だけど、事実だしなー。きっと本人も否定しない。
脳内で「にいさま、にいさま」と連呼するデフォルト顔の王様がスタンプみたいにポンポン増えてくイメージが見えた。
「姉様の言う通り、叔父上は父様のこととなると前頭葉の機能が著しく低下するけど、そもそも父様は無理をされる方ではないから、本人が平気って言ったら聞いてくれると思うよ」
「それもそうね」
エルクお兄様、さらっとお父様絡みの時の王様は理性が働いてないって言ってません?
そして、ここまで王様の重度のブラコンにフォローが全く入ってないのですが・・・・・・いや、フォローしようがないけど、あれは。
「エルクの言う通りよ。それに帰宅時にはリッカ先生にも同伴してもらう予定だから、そんなに心配しなくていいわ。貴方たちが笑っている方があの人にはいい薬になるもの」
「むしろ、陛下の方が着いて来そうで心配なんだよなぁ」
「「「「ああ」」」」
再び食卓が一つになった。
「その時は塩でも撒こうかしら」
「ぶっ!」
「お塩?」
お母様の発言に飲んでいたスープで噎せた私の隣でユリアお姉様が首を傾げる。
「東では清めの儀式として塩を撒く風習があるそうよ。厨房の塩でも効果あるかしら?」
「いや、母さん。陛下は悪霊じゃねーよ?」
「生きてる分、質悪いわね」
「いや! ほんとにやめてくださいね!?」
私が大声でお願いすると、お母様は「冗談よ」と微笑んだ。女公爵に相応しい上品な笑みだったけど、目が笑ってない。
本当に仲悪いな、この二人。
結婚前にお母様と王様の間にお父様を巡る熾烈な争いがあったっていうのは訊いてたけど、もはや遺恨しか残ってないわ。
流石、この二人を会わせるのは油を撒いた場所に火花を散らすようなものと貴族の間で例えられるだけのことはある。
お陰で、一応義姉と義弟という関係なのに、二人が顔を合わせるのは公的な用事の時ばかりだ。
いや、私的な用で顔を付き合わせる二人なんて想像するだけで怖いけど!
あ、お花見といえば。
「そういえば、東の方では既にサクラが咲き始めているそうですけど、王都はいつ頃咲くでしょうか? 早咲きなら日程の変更とかはありますか?」
昨日、マリス嬢がいたお花屋さんでのことを思い出して、お母様に訊ねる。
サクラが咲く頃には様々な貴族が庭を解放してお花見パーティーを行う。それはメイアーツ公爵家も例外ではなく、むしろ、こういうお祭り事には力を入れている方だ。
我が家て行うということは、当然私もホスト役を務めることになるので、予定に変更があるなら早めに把握しておきたい。
「あら、そうなの? 王都のサクラはまだ咲く気配はないけど・・・・・・」
「ギーシャもそう言ってましたね。では、日程はこのままで?」
「そうね。やっぱりナルクが帰ってくるのに会わせたいし、早めてしまうと外出許可が間に合わないかもしれないもの」
「わかりました。では変更なしということで」
よーし、これで春休みで一番の貴族としての大仕事は解決した。
何せ、今年の春休みは宿題がない代わりに、他の問題が浮上してるからなー。
ラフィン家のあれこれは春休みになんとかしとかないと秋に積むし、新学期に始まる奉仕部の概要を纏めたり、その他諸々。
『祝愛のマナ』は中等部編がプロローグ、高等部編が本編的なところあるから、厄介な部分の対策は今のうちに練っておきたい。
何より──今年の春休みは森羅万象が邪魔してこようと張り倒してギーシャと遊び倒すと心に決めているので。
とりあえず、ギーシャやマリス嬢たちとベーグルサンドを食べに行く約束してるし、ジャイアントモンスターパフェと二頭百足海老もどんなのな気になるんだよなぁ。
それからクロエともお花見したいし、ラウルが言ってた東区のフリーマーケットも行きたい。
昨日行った東区は色んなお店があって楽しそうだったし、見て回りたい。
それから、メイアーツのお祖父様とお祖母様にも会いに行きたいし──うーん、考え出したらキリがないや。
「ミリア、随分と楽しそうだな」
「えへへ。春休みに何しようか考えてたら、すっごく楽しみになっちゃって」
「あー分かる分かる。長期休暇はすっごいワクワクするもんなぁ。なつかしー」
「お兄様ったら、そんなことおっしゃらないで。私まで歳をとった気になりますわ。ただでさえ、学園を卒業した貴族令嬢なんて毎日が仕事なんだか、休みなんだかわからないというのに」
貴族の女性らしく、若々しさや美貌に重きを置くユリアお姉様はアルクお兄様の言葉が気に入らなかったのか、拗ねた表情を見せる。
「お前は働いてるだろ。まーた母さんと新事業を始めるって訊いてるぞ」
「そうそう。今度は蜂蜜だってね」
蜂蜜というエルクお兄様の言葉に、我が家の庭の半分を占領するお母様の養蜂場とユリアお姉様の花園が脳内に浮かぶ。
お母様はお母様で公爵としての仕事以外にいくつかの事業を手掛けているし、ユリアお姉様も商品開発やらイベントプランナーや美容アドバイザー的なことをよくやってるらしい。
我が家の家族は行動的だ。
私もやりたいことには積極的な方だけど、よく後先考えろって注意されてしまう。うーん、やっぱ計画性の問題か・・・・・・。
「そうなの。お母様が今育てている魔蜂と私の新しく品種改良した花で新しい蜂蜜を作ったのよ。漢方的効果も期待出来るし、試作品の評判も上々でね。今は量産に向けて養殖を始めてるところなのよ」
「ふーん。量産ってことは前のドライフラワーみたいに数を限定しねーの?」
「あれは自分の夢を操る──所謂、明晰夢を誰でも自在に見られるように精神系統の魔法をかけたものですもの。嗜好品として売り出したというのもありますけど、精神系統の魔法商品は悪用の可能性や使用者の精神問題に関わってきてトラブルの元になりかねませんから、販売は一つ一つ商談で決めてますし、その分値段も張ります。その点、これは健康にいい効果が見込めますし、販売に当たってのリスクもありません。民間の漢方薬局での販売も視野にいれて製作してるんですよ」
「民間まで手を回すってことは随分大々的に売り出すつもりなんだね」
「そうなの。あ、後でミリアちゃんにも一瓶あげるわね」
「いいんですか?」
「勿論。ミリアちゃん、甘いもの好きだし、色々あって疲れてるでしょう? 私とお母様特製蜂蜜は疲労回復に効果ばっちりなのよ。紅茶に入れてよし、スコーンやパンケーキとの相性も抜群だし、口内炎にだって絶大な効果を発揮するわ!」
ユリアお姉様が、まるで通販販売のテレビ番組の人のように熱い商品紹介を始める。
「わーい! 蜂蜜大好きです。でも、口内炎は大丈夫です! 虫歯もありません!」
そう言って私はにっと歯を見せた。
この世界、虫歯の治療はあるけど、前世のより痛いから、歯磨きは細心の注意を払っているのだ。
「綺麗な歯ね。偉い偉い。ご褒美にドレス選びの時に美味しい紅茶を淹れてあげるわね」
あ、やっぱりやるんですね。
ユリアお姉様の紅茶は嬉しいけど、やっぱり逃れられないドレス選びに私はがっくりと肩を落とした。
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