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本編
第十一話 あのあとのこと
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グジル様の不貞が発覚したあの日、茫然とする私と猛抗議をするライラックを横目に遅れていらしたアクシズ殿下に陛下はそこに至るまでのかいつまんだ経緯と、私にアクシズ殿下との縁談を勧めたことをご説明されました。
グジル様とリマリーさんの一連の行動をお聞きになられた時点で、アクシズ殿下は情報を処理しきれていないお顔をされていらっしゃいましたが、縁談のお話については頷かれました。
「陛下がお決めになられたことなら、謹んでお受けします」
というわけで、婚約破棄が成立した後にアクシズ殿下と改めてお会いする約束をその場で陛下と交わすこととなりました。
その後もパーティーは続き、退場したくても退場できず、ライラックと共にご挨拶に来られた方々の応対をしました。
幸いだったのは、隣でライラックが不機嫌を隠さず睨みをきかせていたため、婚約の件や縁談の件を深く訊かれなかったことです。
とはいえ、私は驚きすぎてアクシズ殿下が頷かれた辺りから記憶がほとんどありませんでしたが。
パーティーが終わった後も放心していた私はライラックに手を引かれ、ツルーネ男爵家の馬車ではなくシアーガーデン公爵家の馬車に乗せられ、シアーガーデン公爵邸へ連れて行かれました。
シアーガーデンの両親に会い、そこで初めてお父様たちはことのあらましを知ることとなりました。
──とっても、大変な夜でした。
グジル様の婚約破棄宣言から始まって、リマリーさんとの不貞、私とライラックが双子だとご存じなかったこと、そして陛下からの縁談の勧め──それらを一度にお聞きされたお父様とお母様はお怒りになられて、更にお怒りにになられて、驚かれて、最後には頭を抱えていらっしゃいました。
無理もありません。一晩の出来事としてはあまりにも濃すぎます。
色々な反応をされたお父様とお母様でしたが、私とライラックの説明が終わるとまず最初に私を抱き締めてくださいました。
そのことに安堵し、今後のことについてはツルーネのお父様とお母様を交えて話し合うということでその場でのお話しは終わりました。
そして私はシアーガーデン公爵家の御者にツルーネ男爵家へ送っていただき、帰るとシアーガーデン公爵家でしたのと同じ説明をツルーネの両親と義兄へしました。
ツルーネの両親の反応はシアーガーデンの両親と似ていて、得に姉妹なだけあってお母様たちの反応はそっくりでした。
そして後日、まずは問答無用でグジル様との婚約破棄の手続きをして、私とグジル様は正式に婚約破棄をしました。
お父様たちとライラックが手を回したようで、なんと一日で全ての手続きが終わりました。これは国内でも最速ではないでしょうか。
パーティー会場でのグジル様のご様子から、私とグジル様を会わせない方がいいとの判断が下り、ホータラン侯爵家へはシアーガーデンの両親が赴きました(ライラックも着いて行こうとしましたが、パーティー会場でグジル様の胸ぐらを掴み上げたことを私が報告してたので、冷静さを保てないと置いていかれてました)。
お帰りになられたシアーガーデンのお母様から聞いたのですが、話し合いの席にはホータラン侯爵様だけがいらしたそうです。
グジル様はパーティーでのことをご両親にお伝えしていなかったようで、ご夫妻はシアーガーデン公爵家からの手紙で初めて知ったそうで、奥様は倒れてしまったようです。グジル様もグジル様で「アルメリアと話がしたい」とばかりで会話にならず、侯爵様が話し合いの席には同席させなかったそうです。
ライラックが言っていた清算については、ラムヘッド子爵家と合わせて話が続いているようですが、婚約破棄が成立したことで陛下が有無を言わせず縁談の日取りをお決めになられてしまいました。
その後は縁談のためにお母様たちにあちこちつれ回されて、ドレスやアクセサリーや靴を決め、念を入れて予行練習を何度もしました。目まぐるしい日々の中、とにかくやることが多いことと縁談の日が近づいてくる緊張感で婚約破棄に落ち込むどころか考える暇もありませんでした。てっきり、婚約破棄をしたらしばらくは暇になるものと思っておりましたのに、まさか忙しくなるなんて……。
目が回りそうになりながら、ひたすら予行練習に打ち込み、緊張と戦うひと月でした。
そうして迎えた今日、私はアクシズ殿下との縁談に臨みました。
グジル様とリマリーさんの一連の行動をお聞きになられた時点で、アクシズ殿下は情報を処理しきれていないお顔をされていらっしゃいましたが、縁談のお話については頷かれました。
「陛下がお決めになられたことなら、謹んでお受けします」
というわけで、婚約破棄が成立した後にアクシズ殿下と改めてお会いする約束をその場で陛下と交わすこととなりました。
その後もパーティーは続き、退場したくても退場できず、ライラックと共にご挨拶に来られた方々の応対をしました。
幸いだったのは、隣でライラックが不機嫌を隠さず睨みをきかせていたため、婚約の件や縁談の件を深く訊かれなかったことです。
とはいえ、私は驚きすぎてアクシズ殿下が頷かれた辺りから記憶がほとんどありませんでしたが。
パーティーが終わった後も放心していた私はライラックに手を引かれ、ツルーネ男爵家の馬車ではなくシアーガーデン公爵家の馬車に乗せられ、シアーガーデン公爵邸へ連れて行かれました。
シアーガーデンの両親に会い、そこで初めてお父様たちはことのあらましを知ることとなりました。
──とっても、大変な夜でした。
グジル様の婚約破棄宣言から始まって、リマリーさんとの不貞、私とライラックが双子だとご存じなかったこと、そして陛下からの縁談の勧め──それらを一度にお聞きされたお父様とお母様はお怒りになられて、更にお怒りにになられて、驚かれて、最後には頭を抱えていらっしゃいました。
無理もありません。一晩の出来事としてはあまりにも濃すぎます。
色々な反応をされたお父様とお母様でしたが、私とライラックの説明が終わるとまず最初に私を抱き締めてくださいました。
そのことに安堵し、今後のことについてはツルーネのお父様とお母様を交えて話し合うということでその場でのお話しは終わりました。
そして私はシアーガーデン公爵家の御者にツルーネ男爵家へ送っていただき、帰るとシアーガーデン公爵家でしたのと同じ説明をツルーネの両親と義兄へしました。
ツルーネの両親の反応はシアーガーデンの両親と似ていて、得に姉妹なだけあってお母様たちの反応はそっくりでした。
そして後日、まずは問答無用でグジル様との婚約破棄の手続きをして、私とグジル様は正式に婚約破棄をしました。
お父様たちとライラックが手を回したようで、なんと一日で全ての手続きが終わりました。これは国内でも最速ではないでしょうか。
パーティー会場でのグジル様のご様子から、私とグジル様を会わせない方がいいとの判断が下り、ホータラン侯爵家へはシアーガーデンの両親が赴きました(ライラックも着いて行こうとしましたが、パーティー会場でグジル様の胸ぐらを掴み上げたことを私が報告してたので、冷静さを保てないと置いていかれてました)。
お帰りになられたシアーガーデンのお母様から聞いたのですが、話し合いの席にはホータラン侯爵様だけがいらしたそうです。
グジル様はパーティーでのことをご両親にお伝えしていなかったようで、ご夫妻はシアーガーデン公爵家からの手紙で初めて知ったそうで、奥様は倒れてしまったようです。グジル様もグジル様で「アルメリアと話がしたい」とばかりで会話にならず、侯爵様が話し合いの席には同席させなかったそうです。
ライラックが言っていた清算については、ラムヘッド子爵家と合わせて話が続いているようですが、婚約破棄が成立したことで陛下が有無を言わせず縁談の日取りをお決めになられてしまいました。
その後は縁談のためにお母様たちにあちこちつれ回されて、ドレスやアクセサリーや靴を決め、念を入れて予行練習を何度もしました。目まぐるしい日々の中、とにかくやることが多いことと縁談の日が近づいてくる緊張感で婚約破棄に落ち込むどころか考える暇もありませんでした。てっきり、婚約破棄をしたらしばらくは暇になるものと思っておりましたのに、まさか忙しくなるなんて……。
目が回りそうになりながら、ひたすら予行練習に打ち込み、緊張と戦うひと月でした。
そうして迎えた今日、私はアクシズ殿下との縁談に臨みました。
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