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第0683話 大悲撕風手!
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雲山の冷たい殺意に満ちた言葉を聞いた瞬間、蕭炎の表情は次第に険しくなり、体内から雄々しい碧緑色の斗気が炎のようにゆっくりと立ち昇り、彼の全身を包み込むように広がった。
天火三玄変。
この秘術は蕭炎がカナン学院地下から出て以来一度も発動していなかったが、現在彼の体内に宿る異火は青蓮地心火と滅落心炎が融合した強力なものだった。
この秘術の威力は異火の強度に依存するため、今の蕭炎がそれを行使すれば、かつて使った当時の力を大きく上回ることになる。
かつて斗霊級の時でも柳楓、林修崖といった斗霊頂点や斗王級の強者と戦えるほどだった秘術だが、それは底力を使わない前提での話。
現在蕭炎自身が斗王頂点に達しているため、この秘術を発動させれば表面的な実力は五星左端の斗皇級と互角であり、さらに焚決の奇異さや多くの霊薬で洗練された**(※ここは「体」または「身体」が適切と思われる)と多彩な強力な術を組み合わせれば、斗皇頂点級との一騎討ちも可能だろう。
指先を軽く弾かせると掌に巨大な玄重尺が現れ、その重量で腕がわずかに下がったもののすぐに回復した。
これだけの年月をかけて慣らしたことで、この武器の質量は蕭炎にとってもう大きな障害ではなくなっていた。
確かに体内気脈の流れを抑える効果があるため戦闘力が若干低下するが、長年の適応でその欠点は最小限に抑えられていた。
遠くから響いてくる激しいエネルギー爆発の音にも動じることなく、雲山に向けて鋭い視線を注ぎ続けた。
脚先をわずかに曲げると、獲物を狙う猛獣のように全身の筋肉が震え、その下には爆発的な力が隠されていた。
蕭炎の緊張した様子を見た雲山は笑みを浮かべ、袖を軽く振ると柔らかい布地も斗気で硬直させ、この段階では体のどこからでも殺人級の武器となる。
彼の冷たい声が響いた。
「来い。
本尊は見てやろう。
何がお前をこんなにも自信させてるのか」
脚の上に濃厚な銀光が瞬くと、蕭炎は突然体を震わせながらも目を開けたまま動かない雲山を見つめていた。
雲山の袖の中の指先がわずかに動き、冷笑と共に袖を猛然と振り上げると、その鋭い風圧が背後の空間を切り裂く。
「ドン!」
鋼鉄の如き堅牢な袖口が空間を切り裂く。
その袖口が特定の領域に近づいた瞬間、そこは突然激しい波動と共に黒い影が現れ、凶猛な力を持つ重たい斧が容赦なく迎撃した。
空中で衝突する二つの力は雷鳴のような沈黙の轟音を響かせ、その余韻として渦巻く気流が空間自体をわずかに震わせる。
雲山の肩が僅かに揺らぐと同時に、その衝撃は全て受け止められていた。
一方でその影は数歩後退し、ようやく姿を現した人物は、本来別の方向に存在するべき蕭炎だった。
「速いね。
でもあれは斗皇級の戦士向けだよ」雲山が背後に目配りしながら言うと、蕭炎が残した残像はほんの薄い影だけが残っていた。
彼は冷笑を浮かべながら続けた。
「そうか?それならこうする」
蕭炎はその狂妄な老人を軽く見下し、喉奥から低く唸り声を発した。
手印が突然変わると同時に、紫黒い光が後方から湧き上がり、実体化した紫黒の双翼がゆっくりと現れた。
この双翼は既存の碧火双翼に包まれるように広がっていた。
それが久々に使用される「紫雲翼」であることは明らかだった。
斗王級に昇進後は気化した双翼で飛行する速度の方が遥かに速いため、この飛翔術は使われていなかった。
しかし稀少な飛翔術としてその価値を保っていたのは、別の効果があったからだ。
それが「重ね合わせ」である。
つまり二つのものを重ねることであり、この飛翔術も同様だった。
斗王級に達した後には両方の翼を重ねて飛ぶことが可能で、その速度は通常の気化双翼よりも遥かに速い。
ただし唯一の欠点は消費する気力が大きいことだ。
そうでなければ移動手段として使う価値があるだろう。
雲山の顔色が僅かに変化したように見えたのは、この重ね合わせによる速度向上を初めて目の当たりにしたからだった。
三千雷動という地階級の身法と組み合わされたこの飛翔術により、蕭炎の速度は新たな次元へと到達する。
その速さは雲山の実力すらも軽視できないものとなった。
墨緑色に変化した気化双翼がゆっくりと羽ばたくたび、彼の周囲には実体化した風の渦が形成され、最終的に四方八方に広がり始めた。
軽やかになった体を実感しながら、蕭炎はようやく笑みを浮かべた。
対面の雲山を見つめると、彼の顔に少しずつ薄れていく冷めた笑みが目に留まった。
「雲山の野郎、今さら『使えねえ』とでも言うのか?」
その言葉が消えた直後、蕭炎は雲山に返す時間も与えない。
背中の双翼を猛然一振ると、雷鳴のような微かな音と共に不気味にもう一方へと姿を消した。
次の瞬間には既に雲山の頭上に立っていた。
両手で重尺を握りしめ、蕭炎は鋭い叫び声を上げた。
重厚な力が開山の勢いで空を切り裂き、雲山の頭頂部へと猛撃を叩き込む。
この一撃には華麗さなど一切ない。
ただその圧倒的な力を湛えた重尺は、周囲の空気すらも引き締めつぶし、真空地帯を作り出すほどだった。
「速度ならまあ可もなく不可もないが……この力ではまだ足りぬぞ」雲山は目の前の急速に拡大する重尺を見やりながら冷ややかに笑った。
拳を握り固めたその手のひらから、次の瞬間には空気自体が曲線を作り出すほどの圧縮波が発生し、蕭炎に向かって爆発的に飛び出した。
「ドン!」
重尺は雲山の頭上半メートルでその圧縮波と衝突した。
反動で重尺が激しく震え始めたが、蕭炎の力もまた強く、その振動は彼の手から逃げずに済んだ。
体を一瞬だけ震わせながら、蕭炎はその反動を全て受け止め切った。
背中の双翼を羽ばたかせて雲山の横に迫ると、右手を握りしめ、拳が不自然にもぞもぞと動き始めた。
次の瞬間には、その拳から驚異的な力が凝縮され、雲山の胸元へと直撃した。
「ギィ!」
低く唸るような声と共に、拳周辺に凄まじい風圧が発生した。
その強大なエネルギーは雲山ですらも眉をひそめさせるほどだった。
しかし雲山はすぐに体を硬直させた。
脚を踏ん張ると、体内の膨大な斗気(ドウキ)が表面に凝縮され、深青色の液体のような光の層を作り出した。
「バチィ!」
その光の層と拳が衝突した瞬間、僅かな音だけが響き渡った。
蕭炎の拳から発せられた驚異的な力は、雲山の防御に飲み込まれるようにして消滅した。
「三年前の技だぞ……お前も意外だったか?」
雲山は蕭炎の顔に一瞬だけ浮かんだ驚愕を目にすると冷ややかに笑った。
「同じ技でも、こちらが痛めつけられるわけにはいかねえ」蕭炎もまた冷笑を返すと、腕を捩ると骨同士が軋む音と共に拳が引き攣り、次の瞬間には再び雲山へと襲い掛かった。
暗い力が、枯れた液体のような防護を不気味に貫いていくように、蕭炎の拳から湧き出た。
その暗い力は云山の衣服を爆発的に破壊し、彼の胸元に赤黒い拳跡を残した。
云山の顔が次第に険しくなり、胸を引き締めつつ膨らませると、広大な気力が四方八方に溢れ出し、その先鋒は蕭炎へと向かう。
虚空を踏みしめるように連続して跳躍する蕭炎の背後で双翼が震える。
やがて彼はその圧力を解き放ち、胸に詰まった息苦しさを感じた。
光冷たい目線で急速に後退する蕭炎を見据えながら云山は俯き、裂けた衣服から覗く胸元を凝視した。
そこには鮮血の染みが広がり、彼はその拳跡を見て笑った。
「ふん、なかなか面白い。
この私が斗宗に昇級して以来、初めて誰かが私の胸に拳跡を残したというわけだ」
云山の顔が完全に険悪になり、ぞっとする殺意が全身から溢れ出す。
「貴様がここまで成長したなら、本尊は今日こそ真の斗宗強者の姿を見せよう」
天火三玄変。
この秘術は蕭炎がカナン学院地下から出て以来一度も発動していなかったが、現在彼の体内に宿る異火は青蓮地心火と滅落心炎が融合した強力なものだった。
この秘術の威力は異火の強度に依存するため、今の蕭炎がそれを行使すれば、かつて使った当時の力を大きく上回ることになる。
かつて斗霊級の時でも柳楓、林修崖といった斗霊頂点や斗王級の強者と戦えるほどだった秘術だが、それは底力を使わない前提での話。
現在蕭炎自身が斗王頂点に達しているため、この秘術を発動させれば表面的な実力は五星左端の斗皇級と互角であり、さらに焚決の奇異さや多くの霊薬で洗練された**(※ここは「体」または「身体」が適切と思われる)と多彩な強力な術を組み合わせれば、斗皇頂点級との一騎討ちも可能だろう。
指先を軽く弾かせると掌に巨大な玄重尺が現れ、その重量で腕がわずかに下がったもののすぐに回復した。
これだけの年月をかけて慣らしたことで、この武器の質量は蕭炎にとってもう大きな障害ではなくなっていた。
確かに体内気脈の流れを抑える効果があるため戦闘力が若干低下するが、長年の適応でその欠点は最小限に抑えられていた。
遠くから響いてくる激しいエネルギー爆発の音にも動じることなく、雲山に向けて鋭い視線を注ぎ続けた。
脚先をわずかに曲げると、獲物を狙う猛獣のように全身の筋肉が震え、その下には爆発的な力が隠されていた。
蕭炎の緊張した様子を見た雲山は笑みを浮かべ、袖を軽く振ると柔らかい布地も斗気で硬直させ、この段階では体のどこからでも殺人級の武器となる。
彼の冷たい声が響いた。
「来い。
本尊は見てやろう。
何がお前をこんなにも自信させてるのか」
脚の上に濃厚な銀光が瞬くと、蕭炎は突然体を震わせながらも目を開けたまま動かない雲山を見つめていた。
雲山の袖の中の指先がわずかに動き、冷笑と共に袖を猛然と振り上げると、その鋭い風圧が背後の空間を切り裂く。
「ドン!」
鋼鉄の如き堅牢な袖口が空間を切り裂く。
その袖口が特定の領域に近づいた瞬間、そこは突然激しい波動と共に黒い影が現れ、凶猛な力を持つ重たい斧が容赦なく迎撃した。
空中で衝突する二つの力は雷鳴のような沈黙の轟音を響かせ、その余韻として渦巻く気流が空間自体をわずかに震わせる。
雲山の肩が僅かに揺らぐと同時に、その衝撃は全て受け止められていた。
一方でその影は数歩後退し、ようやく姿を現した人物は、本来別の方向に存在するべき蕭炎だった。
「速いね。
でもあれは斗皇級の戦士向けだよ」雲山が背後に目配りしながら言うと、蕭炎が残した残像はほんの薄い影だけが残っていた。
彼は冷笑を浮かべながら続けた。
「そうか?それならこうする」
蕭炎はその狂妄な老人を軽く見下し、喉奥から低く唸り声を発した。
手印が突然変わると同時に、紫黒い光が後方から湧き上がり、実体化した紫黒の双翼がゆっくりと現れた。
この双翼は既存の碧火双翼に包まれるように広がっていた。
それが久々に使用される「紫雲翼」であることは明らかだった。
斗王級に昇進後は気化した双翼で飛行する速度の方が遥かに速いため、この飛翔術は使われていなかった。
しかし稀少な飛翔術としてその価値を保っていたのは、別の効果があったからだ。
それが「重ね合わせ」である。
つまり二つのものを重ねることであり、この飛翔術も同様だった。
斗王級に達した後には両方の翼を重ねて飛ぶことが可能で、その速度は通常の気化双翼よりも遥かに速い。
ただし唯一の欠点は消費する気力が大きいことだ。
そうでなければ移動手段として使う価値があるだろう。
雲山の顔色が僅かに変化したように見えたのは、この重ね合わせによる速度向上を初めて目の当たりにしたからだった。
三千雷動という地階級の身法と組み合わされたこの飛翔術により、蕭炎の速度は新たな次元へと到達する。
その速さは雲山の実力すらも軽視できないものとなった。
墨緑色に変化した気化双翼がゆっくりと羽ばたくたび、彼の周囲には実体化した風の渦が形成され、最終的に四方八方に広がり始めた。
軽やかになった体を実感しながら、蕭炎はようやく笑みを浮かべた。
対面の雲山を見つめると、彼の顔に少しずつ薄れていく冷めた笑みが目に留まった。
「雲山の野郎、今さら『使えねえ』とでも言うのか?」
その言葉が消えた直後、蕭炎は雲山に返す時間も与えない。
背中の双翼を猛然一振ると、雷鳴のような微かな音と共に不気味にもう一方へと姿を消した。
次の瞬間には既に雲山の頭上に立っていた。
両手で重尺を握りしめ、蕭炎は鋭い叫び声を上げた。
重厚な力が開山の勢いで空を切り裂き、雲山の頭頂部へと猛撃を叩き込む。
この一撃には華麗さなど一切ない。
ただその圧倒的な力を湛えた重尺は、周囲の空気すらも引き締めつぶし、真空地帯を作り出すほどだった。
「速度ならまあ可もなく不可もないが……この力ではまだ足りぬぞ」雲山は目の前の急速に拡大する重尺を見やりながら冷ややかに笑った。
拳を握り固めたその手のひらから、次の瞬間には空気自体が曲線を作り出すほどの圧縮波が発生し、蕭炎に向かって爆発的に飛び出した。
「ドン!」
重尺は雲山の頭上半メートルでその圧縮波と衝突した。
反動で重尺が激しく震え始めたが、蕭炎の力もまた強く、その振動は彼の手から逃げずに済んだ。
体を一瞬だけ震わせながら、蕭炎はその反動を全て受け止め切った。
背中の双翼を羽ばたかせて雲山の横に迫ると、右手を握りしめ、拳が不自然にもぞもぞと動き始めた。
次の瞬間には、その拳から驚異的な力が凝縮され、雲山の胸元へと直撃した。
「ギィ!」
低く唸るような声と共に、拳周辺に凄まじい風圧が発生した。
その強大なエネルギーは雲山ですらも眉をひそめさせるほどだった。
しかし雲山はすぐに体を硬直させた。
脚を踏ん張ると、体内の膨大な斗気(ドウキ)が表面に凝縮され、深青色の液体のような光の層を作り出した。
「バチィ!」
その光の層と拳が衝突した瞬間、僅かな音だけが響き渡った。
蕭炎の拳から発せられた驚異的な力は、雲山の防御に飲み込まれるようにして消滅した。
「三年前の技だぞ……お前も意外だったか?」
雲山は蕭炎の顔に一瞬だけ浮かんだ驚愕を目にすると冷ややかに笑った。
「同じ技でも、こちらが痛めつけられるわけにはいかねえ」蕭炎もまた冷笑を返すと、腕を捩ると骨同士が軋む音と共に拳が引き攣り、次の瞬間には再び雲山へと襲い掛かった。
暗い力が、枯れた液体のような防護を不気味に貫いていくように、蕭炎の拳から湧き出た。
その暗い力は云山の衣服を爆発的に破壊し、彼の胸元に赤黒い拳跡を残した。
云山の顔が次第に険しくなり、胸を引き締めつつ膨らませると、広大な気力が四方八方に溢れ出し、その先鋒は蕭炎へと向かう。
虚空を踏みしめるように連続して跳躍する蕭炎の背後で双翼が震える。
やがて彼はその圧力を解き放ち、胸に詰まった息苦しさを感じた。
光冷たい目線で急速に後退する蕭炎を見据えながら云山は俯き、裂けた衣服から覗く胸元を凝視した。
そこには鮮血の染みが広がり、彼はその拳跡を見て笑った。
「ふん、なかなか面白い。
この私が斗宗に昇級して以来、初めて誰かが私の胸に拳跡を残したというわけだ」
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